JPH0297468A - セラミック薄板の製造方法 - Google Patents
セラミック薄板の製造方法Info
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- JPH0297468A JPH0297468A JP63251597A JP25159788A JPH0297468A JP H0297468 A JPH0297468 A JP H0297468A JP 63251597 A JP63251597 A JP 63251597A JP 25159788 A JP25159788 A JP 25159788A JP H0297468 A JPH0297468 A JP H0297468A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、セラミック生シートを複数枚積層して焼成し
同時に複数枚のセラミック薄板を製造する方法及び該方
法で用いる焼成器具に関するものである。
同時に複数枚のセラミック薄板を製造する方法及び該方
法で用いる焼成器具に関するものである。
[従来技術]
従来から、セラミック薄板を製造する場合には、セラミ
ック薄板の反りや曲がりを防止するために、セラミック
生シートを複数枚積み重ねて同時に焼成し、その後で各
セラミック薄板を剥離する方法が取られている。しかし
ながら、セラミック生シートを直接積み重ねて焼成を行
うと、焼成中に各セラミック生シートの接触面でも焼結
による融着が進み、各セラミック薄板を剥離させること
が困ガになる。そこで、従来から剥離を容易にするため
に剥離物を各セラミック生シート間に散布したり、剥離
シートを各セラミック生シート間に介在させて加圧状態
下で焼成する方法が用いられている。剥離物としては、
−殻内に酸化ジルコニウム(ZrOz )が用いられて
おり、また剥離シートとしては焼成ジルコニア粉末をバ
インダ中に充填したものが用いられている。また剥離を
容易にするために、積み重ねる枚数を減らすことも行わ
れていた。
ック薄板の反りや曲がりを防止するために、セラミック
生シートを複数枚積み重ねて同時に焼成し、その後で各
セラミック薄板を剥離する方法が取られている。しかし
ながら、セラミック生シートを直接積み重ねて焼成を行
うと、焼成中に各セラミック生シートの接触面でも焼結
による融着が進み、各セラミック薄板を剥離させること
が困ガになる。そこで、従来から剥離を容易にするため
に剥離物を各セラミック生シート間に散布したり、剥離
シートを各セラミック生シート間に介在させて加圧状態
下で焼成する方法が用いられている。剥離物としては、
−殻内に酸化ジルコニウム(ZrOz )が用いられて
おり、また剥離シートとしては焼成ジルコニア粉末をバ
インダ中に充填したものが用いられている。また剥離を
容易にするために、積み重ねる枚数を減らすことも行わ
れていた。
またセラミック生シートを焼成する場合には、第3図に
示すように密閉匣鉢1を用いる。匣鉢1は価格が高く、
使い捨てにできないため、セッター2と呼ばれる使い捨
て可能な基台がセラミック生シート3の載置台として用
いられている。焼成を行うと、焼成中にセラミック生シ
ートから所定の成分(鉛を含むセラミック材料ではPb
0)が蒸発する。この蒸発した成分は、匣鉢1内の蒸気
圧の平衡を保つように、匣鉢1、セッター2及びセラミ
ック生シート3との間で反応を起こす。しかしながらこ
の反応が激しくなると、完成したセラミック薄板の電気
的な特性が影響を受ける上、セラミック薄板が反ったり
剥離できなくなる問題が生じる。そこで匣鉢1は蒸気を
逃がさないように気孔率が低く反応性の低い磁器で作ら
れたものが使われる。蒸発成分がPbOの場合には、酸
化マグネシウム磁器や酸化アルミニウム磁器からなる匣
鉢が用いられる。セッターも焼成中に蒸発する成分との
反応性が低く且つ表面ができる限り平滑な磁器が用いら
れる。例えば、鉛を含むセラミック生シートを焼成する
場合には、従来は反応性の低い酸化ジルコニウムや酸化
マグネシウム質のセッターを用いている。しかしながら
従来のセッターが反応性が低いといっても、ある程度の
反応は避けられない。そこで雰囲気を調整するために匣
鉢内にPbO粉末等の蒸発源を配置して、セラミック生
シートからの蒸発を抑制する方法も採用されることがあ
る。
示すように密閉匣鉢1を用いる。匣鉢1は価格が高く、
使い捨てにできないため、セッター2と呼ばれる使い捨
て可能な基台がセラミック生シート3の載置台として用
いられている。焼成を行うと、焼成中にセラミック生シ
ートから所定の成分(鉛を含むセラミック材料ではPb
0)が蒸発する。この蒸発した成分は、匣鉢1内の蒸気
圧の平衡を保つように、匣鉢1、セッター2及びセラミ
ック生シート3との間で反応を起こす。しかしながらこ
の反応が激しくなると、完成したセラミック薄板の電気
的な特性が影響を受ける上、セラミック薄板が反ったり
剥離できなくなる問題が生じる。そこで匣鉢1は蒸気を
逃がさないように気孔率が低く反応性の低い磁器で作ら
れたものが使われる。蒸発成分がPbOの場合には、酸
化マグネシウム磁器や酸化アルミニウム磁器からなる匣
鉢が用いられる。セッターも焼成中に蒸発する成分との
反応性が低く且つ表面ができる限り平滑な磁器が用いら
れる。例えば、鉛を含むセラミック生シートを焼成する
場合には、従来は反応性の低い酸化ジルコニウムや酸化
マグネシウム質のセッターを用いている。しかしながら
従来のセッターが反応性が低いといっても、ある程度の
反応は避けられない。そこで雰囲気を調整するために匣
鉢内にPbO粉末等の蒸発源を配置して、セラミック生
シートからの蒸発を抑制する方法も採用されることがあ
る。
[発明が解決しようと課題]
しかしながら剥離物を散布する作業及び剥離シートを介
在させる作業は非常に面倒であり、作業性が非常に悪い
という問題があった。また剥離物を用いると、剥離物の
粒径が小さいときには、焼成の際にセラミック薄板の上
に固着した剥離物を除去するのが難しくなる問題があっ
た。また剥離物が残った状態で電極を印刷形成すると、
剥離物がセラミック薄板と電極膜との間に入り電極特性
に影響を与えることがあった。これに対し剥離物の粒径
が大きくなると、焼成後の除去は容易になるものの、除
去後にセラミック薄板の表面に大きな凹部が残ってしま
う上、剥離物の散布が不均一になるとセラミック薄板が
反ってしまう問題があった。また剥離物も剥離シートも
、セラミック材料と少なからず反応を起こすため、セラ
ミック薄板の電気的特性が影響を受けることは避けられ
なかった。特に、セラミック材料が比較的低い温度で蒸
発する酸化鉛を含むような場合には、剥離物または剥離
シートとの反応が大きくなる傾向がある。
在させる作業は非常に面倒であり、作業性が非常に悪い
という問題があった。また剥離物を用いると、剥離物の
粒径が小さいときには、焼成の際にセラミック薄板の上
に固着した剥離物を除去するのが難しくなる問題があっ
た。また剥離物が残った状態で電極を印刷形成すると、
剥離物がセラミック薄板と電極膜との間に入り電極特性
に影響を与えることがあった。これに対し剥離物の粒径
が大きくなると、焼成後の除去は容易になるものの、除
去後にセラミック薄板の表面に大きな凹部が残ってしま
う上、剥離物の散布が不均一になるとセラミック薄板が
反ってしまう問題があった。また剥離物も剥離シートも
、セラミック材料と少なからず反応を起こすため、セラ
ミック薄板の電気的特性が影響を受けることは避けられ
なかった。特に、セラミック材料が比較的低い温度で蒸
発する酸化鉛を含むような場合には、剥離物または剥離
シートとの反応が大きくなる傾向がある。
またセッターを用いた従来の方法によれば、セラミック
生シートの厚みが厚い場合には最下部のセラミック薄板
を除いてセラミック生シートとの反応による影響をほと
んど無視できる程度に小さくすることはできるが、セラ
ミック生シートの厚みが薄くなる( 0.1m+n程度
)と、セッターの影響が積み重ねたセラミック生シート
全体に及ぶようになる問題があった。例えば、蒸発成分
がPbOの場合には、セッターにセラミック生シートか
ら蒸発したPbOが拡散して吸着されるため、完成した
セラミック薄板の電気的な特性が低下する。
生シートの厚みが厚い場合には最下部のセラミック薄板
を除いてセラミック生シートとの反応による影響をほと
んど無視できる程度に小さくすることはできるが、セラ
ミック生シートの厚みが薄くなる( 0.1m+n程度
)と、セッターの影響が積み重ねたセラミック生シート
全体に及ぶようになる問題があった。例えば、蒸発成分
がPbOの場合には、セッターにセラミック生シートか
ら蒸発したPbOが拡散して吸着されるため、完成した
セラミック薄板の電気的な特性が低下する。
またセラミック生シートからの成分の蒸発により、セラ
ミック生シート内に成分の不均一と密度差とが生じ、こ
れがセラミック薄板に反りや撓みを生じさせる。更に蒸
発成分がセッターに吸着されない場合には、セッターの
面とセラミック生シートとの間に析出する。析出物(例
えばPb0)がセッターの表面に現れるとセッターの表
面の平滑性が失われたのと同じ状態になり、これもセラ
ミック薄板の反りや撓みの原因の一つとなる。
ミック生シート内に成分の不均一と密度差とが生じ、こ
れがセラミック薄板に反りや撓みを生じさせる。更に蒸
発成分がセッターに吸着されない場合には、セッターの
面とセラミック生シートとの間に析出する。析出物(例
えばPb0)がセッターの表面に現れるとセッターの表
面の平滑性が失われたのと同じ状態になり、これもセラ
ミック薄板の反りや撓みの原因の一つとなる。
本発明の目的は、剥離物や剥離シートを用いることなく
、セラミック生シートを直接多数枚積み重ねて焼成して
も、容易にセラミック薄板を剥離することができるセラ
ミック薄板の製造方法を提供することにある。
、セラミック生シートを直接多数枚積み重ねて焼成して
も、容易にセラミック薄板を剥離することができるセラ
ミック薄板の製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、セッターの影響を極力少なくして
セラミック薄板を製造できるセラミック薄板の製造方法
を提供することにある。
セラミック薄板を製造できるセラミック薄板の製造方法
を提供することにある。
また本発明の別の目的は、セラミック薄板の製造法に最
適な雰囲気調整機能を備えたセッターを用いる焼成器具
を提供することにある。
適な雰囲気調整機能を備えたセッターを用いる焼成器具
を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
本発明の製造方法では、セラミック生シートを直接積み
重ねても、焼成後にセラミック薄板を容易に剥離するこ
とができるようにするために、まずセラミック生シート
を複数枚積み重ねて一次焼成することによりセラミック
生シートを仮焼結させて仮焼結シート積層体を作る。そ
して仮焼結シート積層体から仮焼結したセラミック薄板
を剥離し、該仮焼結したセラミック薄板を再度複数枚積
み重ねて二次焼成を行ってセラミック薄板積層体を作る
。その後、セラミック薄板積層体からセラミック薄板を
剥離する。一次焼成及び二次焼成を行う際に用いるセッ
ターとしてセラミック生シートと同じ材料からなるセッ
ターを用いると好ましい結果が得られる。したがって焼
成器具としては、セラミック生シートが載置されるセッ
ターがセラミック生シートと同じセラミック材料組成か
ら作られているものを用いるのが好ましい。
重ねても、焼成後にセラミック薄板を容易に剥離するこ
とができるようにするために、まずセラミック生シート
を複数枚積み重ねて一次焼成することによりセラミック
生シートを仮焼結させて仮焼結シート積層体を作る。そ
して仮焼結シート積層体から仮焼結したセラミック薄板
を剥離し、該仮焼結したセラミック薄板を再度複数枚積
み重ねて二次焼成を行ってセラミック薄板積層体を作る
。その後、セラミック薄板積層体からセラミック薄板を
剥離する。一次焼成及び二次焼成を行う際に用いるセッ
ターとしてセラミック生シートと同じ材料からなるセッ
ターを用いると好ましい結果が得られる。したがって焼
成器具としては、セラミック生シートが載置されるセッ
ターがセラミック生シートと同じセラミック材料組成か
ら作られているものを用いるのが好ましい。
[作 用]
セラミック生シートを多数枚積み重ねて焼成すると、各
シートの接触面においても相互に焼結が生じる。巨視的
に見ると、焼成前の各セラミック生シートは複数の点で
接触している。この接触点の密度が大きくなると、当然
に焼結による接合部が増加して、各セラミック薄板の剥
離が困難になる。そこで本発明においては、積み重ねた
セラミック生シートを一次焼成によって仮焼結させて仮
焼結したセラミック薄板を剥離する。仮焼結の段階では
、各仮焼結したセラミック薄板間の接触点の焼結はまだ
完全ではなく、各シートを容易に剥Hすることができる
。なお仮焼結したセラミック薄板は、超音波等を用いた
剥離作業において、損傷を受けたり、反ったりまたは撓
んだりしない程度の強度を有している。したがって−次
焼成温度は、所定の強度と剥離性とを得られる範囲に定
められる。−次焼成で仮焼結させたセラミック薄板を二
次焼成によって本焼結させると、各セラミック薄板の接
触点も焼結により再接合する。しかしながら二次焼成に
よってできた接合部の焼結強度は、−回の焼成工程によ
り本焼成された接合部の強度よりも小さくなる。したが
ってセラミック生シートを直接積み重ねて焼成してもセ
ラミック薄板を容易に剥離することができる。
シートの接触面においても相互に焼結が生じる。巨視的
に見ると、焼成前の各セラミック生シートは複数の点で
接触している。この接触点の密度が大きくなると、当然
に焼結による接合部が増加して、各セラミック薄板の剥
離が困難になる。そこで本発明においては、積み重ねた
セラミック生シートを一次焼成によって仮焼結させて仮
焼結したセラミック薄板を剥離する。仮焼結の段階では
、各仮焼結したセラミック薄板間の接触点の焼結はまだ
完全ではなく、各シートを容易に剥Hすることができる
。なお仮焼結したセラミック薄板は、超音波等を用いた
剥離作業において、損傷を受けたり、反ったりまたは撓
んだりしない程度の強度を有している。したがって−次
焼成温度は、所定の強度と剥離性とを得られる範囲に定
められる。−次焼成で仮焼結させたセラミック薄板を二
次焼成によって本焼結させると、各セラミック薄板の接
触点も焼結により再接合する。しかしながら二次焼成に
よってできた接合部の焼結強度は、−回の焼成工程によ
り本焼成された接合部の強度よりも小さくなる。したが
ってセラミック生シートを直接積み重ねて焼成してもセ
ラミック薄板を容易に剥離することができる。
本発明のように、セラミック生シートを直接接触させて
積み重ねる構成を採用すると、焼成時に電気的性能を低
下させる他の物質との不要な反応が生じない。
積み重ねる構成を採用すると、焼成時に電気的性能を低
下させる他の物質との不要な反応が生じない。
また一次焼成及び二次焼成を行う場合に、セッターとし
てセラミック生シートと同じセラミック材料組成ででき
たセッターを用いると、セラミック薄板の電気的特性が
セッターの影響を受けることがほとんどなく、しかもセ
ラミック薄板に反りや撓みが発生することがない。これ
はセラミック生シートとセッターとが同じセラミック材
料組成から作られていれば、セッターをセラミック生シ
トの積層体の一部と見做すことができ、最下部のセラミ
ック生シートとセッターとの間で大きな反応が発生する
ことがないからである。またこれは、セッターが雰囲気
調整機能を果たすためである。セラミック生シートから
蒸発した成分は、セッターに吸着されるが、同時にセッ
ターからも同じ成分が蒸発して蒸発した成分はセラミッ
ク薄板に吸着される。したがってセラミック薄板とセッ
ターとの間では成分の平衡が保たれ、セラミック薄板内
における成分の不拘−及び密度差の発生が抑制される。
てセラミック生シートと同じセラミック材料組成ででき
たセッターを用いると、セラミック薄板の電気的特性が
セッターの影響を受けることがほとんどなく、しかもセ
ラミック薄板に反りや撓みが発生することがない。これ
はセラミック生シートとセッターとが同じセラミック材
料組成から作られていれば、セッターをセラミック生シ
トの積層体の一部と見做すことができ、最下部のセラミ
ック生シートとセッターとの間で大きな反応が発生する
ことがないからである。またこれは、セッターが雰囲気
調整機能を果たすためである。セラミック生シートから
蒸発した成分は、セッターに吸着されるが、同時にセッ
ターからも同じ成分が蒸発して蒸発した成分はセラミッ
ク薄板に吸着される。したがってセラミック薄板とセッ
ターとの間では成分の平衡が保たれ、セラミック薄板内
における成分の不拘−及び密度差の発生が抑制される。
また本発明で用いるセッター呻よれば、従来のセッター
のように表面に析出物を生じさせてセラミック薄板を反
らせたりすることがない。
のように表面に析出物を生じさせてセラミック薄板を反
らせたりすることがない。
[実施−例コ
以下図面を参照して、本発明の詳細な説明する。圧電セ
ラミック薄板を製造する場合に本発明を適用した実施例
について以下説明する。
ラミック薄板を製造する場合に本発明を適用した実施例
について以下説明する。
圧電セラミック材料として、粒径が約18μmの仮焼P
ZT(チタン酸ジルコン酸鉛)粉末を用いた。具体的に
は、PbZr T+0.51 0.47 (SbXNbX) o3の仮焼粉末を用いて0.0
2 いる。そして結合剤としてポリビニルブチラールを4部
、可塑剤としてフタル酸ジブチル(DBP)を1.5部
、溶剤としてトルエンとイソプロピルアルコールの混合
液20部を混合して乳化した。
ZT(チタン酸ジルコン酸鉛)粉末を用いた。具体的に
は、PbZr T+0.51 0.47 (SbXNbX) o3の仮焼粉末を用いて0.0
2 いる。そして結合剤としてポリビニルブチラールを4部
、可塑剤としてフタル酸ジブチル(DBP)を1.5部
、溶剤としてトルエンとイソプロピルアルコールの混合
液20部を混合して乳化した。
乳化した混合剤をドクターブレード法を用いて有機フィ
ルム(例えばポリエステルフィルム)の上にシート状に
形成した後、乾燥を行って厚みが約120μmのセラミ
ック生シートを得た。次にセラミック生シートからパン
チングにより27mmφの円板を作った。なおロール成
形法または押出成形法によってセラミック生シートを作
ることもできる。
ルム(例えばポリエステルフィルム)の上にシート状に
形成した後、乾燥を行って厚みが約120μmのセラミ
ック生シートを得た。次にセラミック生シートからパン
チングにより27mmφの円板を作った。なおロール成
形法または押出成形法によってセラミック生シートを作
ることもできる。
また同じセラミック材料組成を用いて直径50mmφ、
厚み5mmのセッター用円板を作り、このセッター用円
板を1300℃で1時間焼成した後、鏡面研磨を施して
セッターを作った。そしてこのセッターの上に、50枚
の円板状のセラミック生シートを積み重ねてA I 2
03密閉匣鉢中に配置し一次焼成を行ってセラミック生
シートを仮焼結させて仮焼結シート積層体を作った。そ
の後仮焼結シート積層体を液中に配置して超音波により
仮焼結したセラミック薄板を剥離した。次に剥離した仮
焼結セラミック薄板を乾燥させた後、同じセッターの上
に再度積み重ねて二次焼成を行いセラミック薄板積層体
を作り、セラミック薄板積層体を液中に配置して超音波
を用いてセラミック薄板を剥離する工程を行った。
厚み5mmのセッター用円板を作り、このセッター用円
板を1300℃で1時間焼成した後、鏡面研磨を施して
セッターを作った。そしてこのセッターの上に、50枚
の円板状のセラミック生シートを積み重ねてA I 2
03密閉匣鉢中に配置し一次焼成を行ってセラミック生
シートを仮焼結させて仮焼結シート積層体を作った。そ
の後仮焼結シート積層体を液中に配置して超音波により
仮焼結したセラミック薄板を剥離した。次に剥離した仮
焼結セラミック薄板を乾燥させた後、同じセッターの上
に再度積み重ねて二次焼成を行いセラミック薄板積層体
を作り、セラミック薄板積層体を液中に配置して超音波
を用いてセラミック薄板を剥離する工程を行った。
結果は、下記の表に示す通りである。なお剥離性の評価
は、「◎」が剥離が非常に容易であった場合、「○」は
剥離が容易な場合、「△」は剥離がやや困難な場合、そ
して「×」は剥離が非常に試料1〜3は、−次焼成温度
を1050℃として二次焼成温度を変えた場合であり、
試料4〜7は一次焼成温度を1100℃として二次焼成
温度を変えた場合である。また試料8〜10は、比較の
ために一回の焼成だけでセラミック薄板を製造した場合
の結果を示している。なお−次焼成温度を何度にするか
は、セラミック生シー1−の材料である仮焼PZT粉末
の仮焼温度によって異なってくる。発明者の研究による
と、仮焼温度に比例して、−次焼成温度は高くなる傾向
があり、また二次焼成温度は上限が定まる。二次焼結に
よりセラミック薄板の密度をできる限り理論密度に近付
けることが好ましいが、剥離性を考慮すると二次焼成温
度は若干低い値となる。しかしながら本発明によれば、
従来よりも二次焼成温度を高くして焼成密度を大きくす
ることができる。
は、「◎」が剥離が非常に容易であった場合、「○」は
剥離が容易な場合、「△」は剥離がやや困難な場合、そ
して「×」は剥離が非常に試料1〜3は、−次焼成温度
を1050℃として二次焼成温度を変えた場合であり、
試料4〜7は一次焼成温度を1100℃として二次焼成
温度を変えた場合である。また試料8〜10は、比較の
ために一回の焼成だけでセラミック薄板を製造した場合
の結果を示している。なお−次焼成温度を何度にするか
は、セラミック生シー1−の材料である仮焼PZT粉末
の仮焼温度によって異なってくる。発明者の研究による
と、仮焼温度に比例して、−次焼成温度は高くなる傾向
があり、また二次焼成温度は上限が定まる。二次焼結に
よりセラミック薄板の密度をできる限り理論密度に近付
けることが好ましいが、剥離性を考慮すると二次焼成温
度は若干低い値となる。しかしながら本発明によれば、
従来よりも二次焼成温度を高くして焼成密度を大きくす
ることができる。
このことは上記衣からも判る。試料8では1100℃の
温度で1回だけの焼成を行って良好な剥離性を得ている
が、温度が低いために焼成密度を高めることができず、
圧電特性も低くなっている。
温度で1回だけの焼成を行って良好な剥離性を得ている
が、温度が低いために焼成密度を高めることができず、
圧電特性も低くなっている。
そして試F319及び10のように焼成温度を高くする
と、焼成密度及び圧電特性は高めることができるが、剥
離性が悪くなる。これに対して、試料4ないし7の結果
に見られるように、本発明によれば二次焼成温度を高く
しても所定の剥離性と圧電特性とを得ることができる。
と、焼成密度及び圧電特性は高めることができるが、剥
離性が悪くなる。これに対して、試料4ないし7の結果
に見られるように、本発明によれば二次焼成温度を高く
しても所定の剥離性と圧電特性とを得ることができる。
また試料1及び2の結果に見られるように、−次焼成温
度が低い場合でも、本発明によれば二次焼成温度を高く
して良好な剥離性と圧電特性とを得ることができた。な
お上記実施例で製造したセラミック薄板は、表面の平滑
性に優れ、反りの発生も皆無であった。
度が低い場合でも、本発明によれば二次焼成温度を高く
して良好な剥離性と圧電特性とを得ることができた。な
お上記実施例で製造したセラミック薄板は、表面の平滑
性に優れ、反りの発生も皆無であった。
なお本発明を実施する場合でも、試料3の結果を見れば
判るように、二次焼成温度を高くし過ぎると、セラミッ
ク薄板を剥離することが困難になる。試験の結果による
と、本実施例のようなPZT系のセラミック材料を用い
た圧電セラミックの場合には、−次焼成温度と二次焼成
温度との温度差は25〜100℃程度が好ましいことが
判った。
判るように、二次焼成温度を高くし過ぎると、セラミッ
ク薄板を剥離することが困難になる。試験の結果による
と、本実施例のようなPZT系のセラミック材料を用い
た圧電セラミックの場合には、−次焼成温度と二次焼成
温度との温度差は25〜100℃程度が好ましいことが
判った。
この温度差は、材料によっても異なるが一次焼成名度が
高くなる程小さくなる傾向があることが判っている。
高くなる程小さくなる傾向があることが判っている。
上記実施例では、セラミック生シートと同じセラミック
材料組成で作った共通のセッターを一次焼成と二次焼成
とにおいて用いているが、市販のマグネシアセッターや
、ジルコニアセッターを用いて本発明を実施した場合で
も、剥離性に関しては効果が得られることが確認された
。なお市販の既存のセッターを用いる場合には、セラミ
ック薄板の反りや圧電特性を改善するために、雰囲気を
平衡に保つPbO粉末等の蒸発源を匣鉢内に配置する必
要がある。
材料組成で作った共通のセッターを一次焼成と二次焼成
とにおいて用いているが、市販のマグネシアセッターや
、ジルコニアセッターを用いて本発明を実施した場合で
も、剥離性に関しては効果が得られることが確認された
。なお市販の既存のセッターを用いる場合には、セラミ
ック薄板の反りや圧電特性を改善するために、雰囲気を
平衡に保つPbO粉末等の蒸発源を匣鉢内に配置する必
要がある。
セラミック生シートと同じセラミック材料組成からなる
セッターが一定の圧電特性を生じさせる雰囲気調整に優
れた機能を発揮することを確認するために、−次焼成温
度を1100℃、二次焼成温度を1150℃に固定して
、繰り返し焼成を行った。第1図(A)及び(B)は測
定した圧電特性の結果を示しており、測定値を「・」で
プロットしである。なお比較の7.−めに、既存のセッ
ターを用いて蒸発源としてPbOペーストを匣鉢内に配
置し、1150℃で1回の焼成だけでセラミック薄板を
製造した場合の圧電特性の測定値を「ム]でプロットし
である。PbOペーストは、匣鉢の内壁部に塗布された
後1300℃の熱処理が施されている。測定結果から、
蒸発源を用いる従来の方法と比べて、本発明の方法によ
れば複数回の焼成を行った場合でも、焼成されたセラミ
ック薄板の圧電特性にはほとんどバラツキが生じないこ
とが判った。このことから本発明で用いるセッターが、
PbOの雰囲気を有効に制御していることが(11F認
された。第2図は繰り返し焼成に用いた本発明で用いる
セッターの1口の変化率を示している。
セッターが一定の圧電特性を生じさせる雰囲気調整に優
れた機能を発揮することを確認するために、−次焼成温
度を1100℃、二次焼成温度を1150℃に固定して
、繰り返し焼成を行った。第1図(A)及び(B)は測
定した圧電特性の結果を示しており、測定値を「・」で
プロットしである。なお比較の7.−めに、既存のセッ
ターを用いて蒸発源としてPbOペーストを匣鉢内に配
置し、1150℃で1回の焼成だけでセラミック薄板を
製造した場合の圧電特性の測定値を「ム]でプロットし
である。PbOペーストは、匣鉢の内壁部に塗布された
後1300℃の熱処理が施されている。測定結果から、
蒸発源を用いる従来の方法と比べて、本発明の方法によ
れば複数回の焼成を行った場合でも、焼成されたセラミ
ック薄板の圧電特性にはほとんどバラツキが生じないこ
とが判った。このことから本発明で用いるセッターが、
PbOの雰囲気を有効に制御していることが(11F認
された。第2図は繰り返し焼成に用いた本発明で用いる
セッターの1口の変化率を示している。
なお第2図において、各点の下に示した数字は左側の数
値が焼成回数を示し、右側の数字は「1」が−次燻成が
行なわれた場合を、そして「2」が二次焼成が行なわれ
た場合を示している。この結果から、−次焼成でセラミ
ック生シートから蒸発したPbOをセッターが吸着して
やや型組が増え、二次焼成でセッターからPboが放出
されて重りが元の状態に戻り、PbOの吸脱着により雰
囲気のセルフ・コントロールが行われていることが理解
できる。
値が焼成回数を示し、右側の数字は「1」が−次燻成が
行なわれた場合を、そして「2」が二次焼成が行なわれ
た場合を示している。この結果から、−次焼成でセラミ
ック生シートから蒸発したPbOをセッターが吸着して
やや型組が増え、二次焼成でセッターからPboが放出
されて重りが元の状態に戻り、PbOの吸脱着により雰
囲気のセルフ・コントロールが行われていることが理解
できる。
上記実施例は、PZT系の圧電セラミックを製造する場
合に本発明を適用した例であるが、本発明は他のセラミ
ック薄板を製造する場合にも同様に適用できるのは勿論
である。
合に本発明を適用した例であるが、本発明は他のセラミ
ック薄板を製造する場合にも同様に適用できるのは勿論
である。
[発明の効果]
本発明によれば、直接セラミック生シートを積み重ねて
焼成を行っても、所望の特性のセラミック薄板を得るた
めに十分な焼成を行った後に容易にセラミック薄板の剥
離を行うことができる。また本発明のように、セラミッ
ク生シートを直接接触させて積み重ねる構成を採用する
と、焼成時に電気的性能を低下させる仙の物質との不要
な反応が生じることがない利点がある。
焼成を行っても、所望の特性のセラミック薄板を得るた
めに十分な焼成を行った後に容易にセラミック薄板の剥
離を行うことができる。また本発明のように、セラミッ
ク生シートを直接接触させて積み重ねる構成を採用する
と、焼成時に電気的性能を低下させる仙の物質との不要
な反応が生じることがない利点がある。
特にセッターとしてセラミック生シートと同じセラミッ
ク材料組成からなるセッターを用いると、セッターの雰
囲気調整機能により、平滑性及び電気的特性に優れ、し
かも反りのないセラミック薄板を製造することができる
利点がある。
ク材料組成からなるセッターを用いると、セッターの雰
囲気調整機能により、平滑性及び電気的特性に優れ、し
かも反りのないセラミック薄板を製造することができる
利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)及び(B)はセッターとしてセラミック生
シートと同じセラミック材料組成からなるセッターを用
いた本発明の方法と従来の方法とを比較するために測定
した圧電特性の結果を示す図、第2図はセッターの1聞
の変化率を示す図、第3図は焼成器具の構造を示す概略
構成図である。 1・・・匣鉢、2・・・セッター、3・・・セラミック
生シート。 第1図 (A) (B) 焼成回数(回) 2図
シートと同じセラミック材料組成からなるセッターを用
いた本発明の方法と従来の方法とを比較するために測定
した圧電特性の結果を示す図、第2図はセッターの1聞
の変化率を示す図、第3図は焼成器具の構造を示す概略
構成図である。 1・・・匣鉢、2・・・セッター、3・・・セラミック
生シート。 第1図 (A) (B) 焼成回数(回) 2図
Claims (3)
- (1)セラミック生シートを複数枚積み重ねて一次焼成
することにより前記セラミック生シートを仮焼結させて
仮焼結シート積層体を作る工程と、前記仮焼結シート積
層体から仮焼結したセラミック薄板を剥離する工程と、 前記仮焼結したセラミック薄板を複数枚積み重ねて二次
焼成を行いセラミック薄板積層体を作る工程と、 前記セラミック薄板積層体からセラミック薄板を剥離す
る工程とからなるセラミック薄板の製造方法。 - (2)前記一次焼成及び二次焼成を行う際に用いるセッ
ターとして前記セラミック生シートと同じセラミック材
料組成からなるセッターを用いる請求項1に記載のセラ
ミック薄板の製造方法。 - (3)セラミック生シートを焼成してセラミック薄板を
製造する方法で用いられる焼成器具において、セラミッ
ク生シートが載置されるセッターが前記セラミック生シ
ートと同じセラミック材料組成から作られていることを
特徴とする焼成器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63251597A JPH07115944B2 (ja) | 1988-10-05 | 1988-10-05 | セラミック薄板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63251597A JPH07115944B2 (ja) | 1988-10-05 | 1988-10-05 | セラミック薄板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0297468A true JPH0297468A (ja) | 1990-04-10 |
JPH07115944B2 JPH07115944B2 (ja) | 1995-12-13 |
Family
ID=17225186
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63251597A Expired - Lifetime JPH07115944B2 (ja) | 1988-10-05 | 1988-10-05 | セラミック薄板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07115944B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05124850A (ja) * | 1991-11-05 | 1993-05-21 | Japan Field Kk | 積層セラミツクの剥離方法 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA3043068A1 (en) | 2010-06-15 | 2011-12-22 | Ardent Mills, Llc | Transport scheduling for low microbial bulk products |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62123074A (ja) * | 1985-11-20 | 1987-06-04 | 松下電器産業株式会社 | シ−ト状成形体の焼成方法 |
-
1988
- 1988-10-05 JP JP63251597A patent/JPH07115944B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62123074A (ja) * | 1985-11-20 | 1987-06-04 | 松下電器産業株式会社 | シ−ト状成形体の焼成方法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05124850A (ja) * | 1991-11-05 | 1993-05-21 | Japan Field Kk | 積層セラミツクの剥離方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07115944B2 (ja) | 1995-12-13 |
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