JPH02962Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、光源としてLEDランプを使用した
テールランプ又はストツプランプ等の車両用灯具
に関する。

〔従来技術〕

この種のLEDランプを光源とした車両用灯具
としては、例えば実公昭57−112405号公報に開示
された構成のものが従来例として周知である。そ
して、この種の車両用灯具は、光軸を中心として
左右20゜、上下10゜の配光パターンが規格により要
求されている。このため、通常の白熱電球を用い
た灯具にあつては、アウターレンズを前面に取り
付け、そのアウターレンズに所定のレンズカツト
を施し、それによつて前記配光規格を満足するよ
うに構成している。従つて、前記従来例のLED
ランプを光源とした車両用灯具においても、その
光源に特別な配慮がなされていない同一の指向性
を有するLEDを使用しているので、前記同様の
レンズカツトが施されたアウターレンズを用いな
ければ、配光規格に合わせることができないので
ある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、前記従来例のLEDを光源とす
る車両用灯具の場合には、多数の光源を有するの
で白熱電球を用いた単数光源に対応する従来例の
アウターレンズをそのまま適用することはでき
ず、従つて夫々のLEDに対応させて個々にレン
ズカツトを施さなければならず、アウターレンズ
の製造が著しく厄介であると共に、それ等の各レ
ンズカツトは個々に配光規格に合わせて調整しな
ければならず、その調整も著しく困難であると云
う問題点を有している。

〔問題点を解決するための手段〕

前記従来例の問題点を解決するための具体的手
段として本考案は、LEDランプを多数配設した
車両用灯具において、前記灯具の中心領域には半
減角の小さいLEDランプを配設し、前記中心領
域の周囲の周辺部領域には前記中心領域に配設し
たLEDランプよりも半減角の大きいLEDランプ
を配設したことを特徴とするLEDランプを用い
た車両用灯具を提供するものであり、前記LED
ランプ自体に半減角の大小を設け、半減角の小さ
い遠方照明の高いものを灯具の中心領域に配設し
て、遠方からの視認性を向上させ、半減角の大き
い近距離照明の高いものを周辺部領域に配設する
ことにより、近距離からの視認性を向上させたも
のであり、それによつて厄介なレンズカツトを施
したアウターレンズを必要とせず、しかも配光規
格の要求を充分満足させることができるのであ
る。

〔実施例〕

次に本考案を図示の実施例により更に詳しく説
明すると、１は基板であり、該基板には多数の
LEDランプ２が隣設状態に配設されている。そ
して、この基板１は、灯具を構成するハウジング
３の内部に充填材４を介して一体的に取付けられ
る。前記LEDランプ２は、その指向特性が全て
同一ものではなく、灯具の中央領域Ｃの範囲に位
置するものと、周辺部領域Ｓの範囲に位置するも
のとでは、その光度の半減角が夫々異なつたもの
が使用される。

この場合に、第３図ａ，ｂに示したように、中
央領域Ｃの範囲に取付けられるLEDランプ２の
半減角は10〜15゜の小さいものが使用され、周辺
部領域Ｓの範囲に取付けられるLEDランプ２の
半減角は20〜25゜の大きいものが使用される。茲
で、前記半減角について説明すると、例えば第３
図ａ図に示した半減角25゜のLEDランプ２におい
て、該LEDランプは内部にチツプａを有する光
拡散レンズ２ａで構成され、該光拡散レンズはそ
の先端が球面状を呈するものである。Ｏは前記チ
ツプａを通るLEDランプの光軸を示し、該光軸
上のＡ点が最高光度であり、ｂ点はその1/2の光
度である。光軸Ｏと直交し、且つｂ点を通る直線
と指向特性の交わつた点ｃ，ｄを設定した時に形
成される∠Aac及び∠Aadとを一般的に半減角と
云い、LEDランプの指向性の拡がりを表す。

前記半減角で示されるLEDランプの指向性は
光拡散レンズ２ａの形状及び光源であるチツプの
位置により一義的に決まる。同一の光拡散レンズ
を有するLEDランプではチツプを光拡散レンズ
の先端より遠くに位置するほど半減角は小さくな
り、逆に光拡散レンズの先端に近づければ半減角
は大きくなる。尚、図中５はハウジング３の前面
開口縁に嵌着されたガスケツト、６は自動車など
のリアウインドである。

このように構成された本考案の車両用灯具は、
第２図に示したように、例えば自動車などのリア
ウインド６の内側に前記ガスケツト５を当接させ
た状態で取付けられて補助ストツプランプとして
使用される。そして、その灯具を点灯させた時
に、その照度範囲、即ち配光パターンは、灯具の
光軸Ｘを中心として垂直軸Ｖ方向に上下10゜、水
平軸Ｈ方向に左右20゜の範囲を照明しなければな
らない。本考案においては、前記したように中央
領域Ｃに半減角の小さい、謂ゆる指向特性の狭い
LEDランプが取付けられ、周辺部領域Ｓに半減
角の大きい謂ゆる指向特性の広いLEDランプを
取付けているので、第４図に示した配光パターン
が得られる。つまり、中央領域Ｃに配設された半
減角の小さいLEDランプで照射される範囲は、
光軸Ｘを中心にして上下左右の10゜の範囲であり、
周辺部領域Ｓに配設された半減角の大きいLED
ランプで照射される範囲は、光軸Ｘを中心にして
上下10゜、左右の20゜の範囲であり、前記中央領域
Ｃに配設されたLEDランプの照射範囲と中央部
において重複し、左右10゜の範囲を越えた領域の
照度は中心部より若干低下するが、目的とする範
囲内を効率良く照射することができる。しかも中
央部における上下及び左右10゜の領域は光度アツ
プが図れ、遠方からの視認性を向上させることが
できるのである。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案に係るLEDランプ
を用いた車両用灯具は、LEDランプを多数配設
した車両用灯具において、前記灯具の中心領域に
は半減角の小さいLEDランプを配設し、前記中
心領域の周囲の周辺部領域には前記中心領域に配
設したLEDランプよりも半減角の大きいLEDラ
ンプを配設した構成にすることにより、アウター
レンズを用いることなく、要求されている配光規
格を充分満足させることができる配光パターンが
得られ、製造が厄介なアウターレンズを省略し、
且つ構成を簡単にして安価に提供できると云う優
れた効果を奏する。

更に、中央領域に半減角の小さい、謂ゆる指向
特性の狭いLEDランプが取付けられているので、
遠方からの視認性も良くなると云う優れた効果も
奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る車両用灯具の一実施例
を示す要部の断面図、第２図は同灯具の使用状態
を示す要部の断面図、第３図ａは半減角の大きい
LEDランプを示す説明図、第３図ｂは半減角の
小さいLEDランプを示す説明図、第４図は同灯
具の配光パターンを示す説明図である。 １……基板、２……LEDランプ、２ａ……光
拡散レンズ、３……ハウジング、４……充填材、
ａ……チツプ、Ｃ……中心領域、Ｓ……周辺部領
域。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. LEDランプを多数配設した車両用灯具におい
   て、前記灯具の中心領域には半減角の小さい
   LEDランプを配設し、前記中心領域の周囲の周
   辺部領域には前記中心領域に配設したLEDラン
   プよりも半減角の大きいLEDランプを配設した
   ことを特徴とするLEDランプを用いた車両用灯
   具。