JPH029220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜技術分野＞ 本考案は暖房器や給湯機等に使用される燃焼器
の液体燃料気化式バーナに関するものである。

＜従来技術＞ 第１図はこの種のバーナを給湯機に組み込んだ
例を示す断面図で、図中１は給湯機の外装板、２
は燃焼筒、３は燃焼筒２の外周部に配された熱交
換器で、内部に温水等が循環される。４は燃焼筒
２内のバツフル板、５は燃焼筒２の底板、Ａは燃
焼筒２内の燃焼室６に開放するバーナである。

従来のバーナは、第５図の如く、燃焼室６に開
放する内筒７と該内筒７に外嵌する外筒８との間
にガス室９が形成され、該ガス室９に連通して液
体燃料を気化させるための気化筒１０が設けら
れ、前記内筒７に前記ガス室９に連通する多数の
噴炎孔１１が形成されていた。そして、前記外筒
８を支持するバーナ基板１４は燃焼筒２に固定さ
れ、バーナ基板１４の後部に後面に新鮮空気取入
口１５を有するフアンケース１６が固定され、該
ケース１６にフアンモータ１７が内装支持され、
モータ１７の回転軸１８の一端に送風フアン１９
が、他端に液体燃料拡散体２０を介して前記気化
筒１０が夫々固定されていた。この気化筒１０
は、第６図の如く下面開放のコツプ形に形成され
たもので、該気化筒１０の基端外フランジ１０ａ
に、気化筒受２２がスポツト溶接され、溶接点間
に燃料飛散口２１が形成されている。また前記内
筒７の底面７ｂの中央には前記気化筒１０の回転
を許す開口７ｃが形成され、前記気化筒受２２
は、その下端が内筒７の開口７ｃに内嵌され、気
化筒受２２の下面と内筒７の底面７ｂとの間に噴
炎口２３が形成される。また外筒８の底面８ａに
新鮮空気を気化筒１０側へ送り込む開口８ｂが形
成され、該開口の周壁に気化筒１０内へ新鮮空気
を導く風導筒２４が固定されている。そして該風
導筒２４に前記回転軸１８と液体燃料を回転軸１
８先端の拡散体２０に導く燃料供給管２５とが内
嵌されている。

上記構成において、モータ１７の回転軸１８を
回転すれば気化筒１０及び拡散体２０も回転し、
次いで送風用フアン１９で発生した強制風が風導
筒２４より気化筒１０内に送風される。このとき
供給管２５から液体燃料を回転する拡散体２０面
に送油すれば、燃料は遠心力で拡散しながら気化
筒１０内面に移行し、更に気化筒１０の遠心力で
拡散されながら下方へ移行し、気化筒１０と気化
筒受２２の燃料飛散孔２１より微粒状をなして内
筒７の底部へ噴霧される。この霧化燃料を図示し
ない点火装置にて点火して生燃焼を起こす。

この生燃焼時には気化筒１０内に送風された強
制風は、噴炎口２３及び多数の噴炎孔１１から内
筒７内へ一斎に噴気されて、その燃焼は益々良好
となる。生燃焼が起こると、その燃焼炎により気
化筒１０が速やかに加熱されるから、以後気化筒
１０内を拡散移行する途中の燃料は気化されて気
化ガスとなり、強制風と共に気化筒１０からガス
室９９に圧入されようとする。ところがガス室９
と気化筒１０との連結部位置付近には、ガス通路
が形成されるように環状の仕切りを有する気化筒
受２２が設けられているので、発生した気化ガス
や送入された強制風は、一旦気化筒受２２で邪魔
されて混合し、完全な混合状態となりながらガス
室９内に圧入される。そして一旦ガス室９内に圧
入された混気ガスは気化筒受２２で気化筒１０内
の発生気化ガスと分離されて蓄気される。そのた
め、一定圧のしかも均質な混気ガスがガス室９内
に蓄気保持されることとなり、噴炎孔１１，１２
及び噴炎口２３から一定圧力の混気ガスが青炎で
もつて噴気燃焼する。

しかし、気化筒１０の内壁１０ａを拡散移行す
る際、液体燃料が気化するため、最良燃焼時バラ
ンスが供給管２５の温度変化や、気圧の変化、燃
料の温度変化、不良質灯油等の条件変化で崩れ、
気化筒１０の内壁１０ａにタールが付着する等の
欠点があつた。

＜目的＞ 本考案は、上記に鑑み、気化筒の内壁へのター
ルの付着を防止し得る液体燃料気化式バーナの提
供を目的としている。

＜実施例＞ 以下、本考案の一実施例を主に第２図ないし第
４図に基いて説明する。なお、第１図、第５図及
び第６図で示す従来と同一機能部品は同符号で示
す。本考案に係る気化式バーナはバーナ基板１４
に回転軸１８を介して回転自在に支承されたコツ
プ形気化筒１０と、該気化筒１０の内部に液体燃
料を供給する供給管２５と、前記気化筒１０内で
前記回転軸１８に固定された液体燃料拡散体２０
と、該拡散体２０で拡散霧化された液体燃料を前
記気化筒１０の内壁１０ａに飛散させるための複
数の飛散羽根２７とを具え、該飛散羽根２７は、
前記拡散体２０と気化筒１０内壁との間で回転軸
１８を中心に放射状に配されると共に前記回転軸
１８の軸方向に巾広に形成されたものである。

前記拡散体２０は逆円錘状に形成されて、その
先部は気化筒１０の頭部内壁１０ｂに当接されて
いる。そして該拡散体２０及び気化筒１０は、こ
れらを貫通する前記回転軸１８に気化筒１０の外
壁側からボルト２８が螺嵌されることにより一体
的に固定されている。また前記供給管２５の出口
２５は、拡散体２０の基部周面に液体燃料を供給
可能に配されている。そして前記三角形状の各飛
散羽根２７は、第２，３図の如く円盤状の飛散板
２９の外周部に放射状に切起し形成され（切起し
角＜90度）、該飛散板２９が前記拡散体２０の先
部と気化筒１０の頭部内壁１０ｂとの間に介装さ
れてこれらと共に回転軸１８に固定されている。
なお、他の構成は、第１図、第５図及び第６図に
示す従来の構成と同様である。

上記構成において、モータ１７の回転軸１８を
回転すれば、送風フアン１９で発生した強制風が
風導筒２４より気化筒１０内に送風される。この
とき供給管２５から液体燃料を回転する拡散体２
０に送油すれば、液体燃料は遠心力で拡散されな
がら拡散体２０の先部へ移行する。その後液体燃
料は同じく回転する飛散羽根２７に移行し、遠心
力で飛散羽根２７からある巾をもつて気化筒１０
の内壁１０ａに飛散される。そのため液体燃料は
飛散して徴粒子となり一気に気化される。このよ
うに液体燃料が一気に徴粒状となり気化するた
め、最良燃焼時のバランスが気化筒１０の温度変
化や気圧の変化、液体燃料の温度変化等によつて
崩れるのを防止できる。

＜効果＞ 以上の説明から明らかな通り、本考案は、バー
ナ基板に回転軸を介して回転自在に支承された気
化筒と、該気化筒の内部に液体燃料を供給する供
給管と、前記気化筒内で前記回転軸に固定された
液体燃料拡散体と、該拡散体で拡散霧化された液
体燃料を前記気化筒の内壁に飛散させるための複
数の飛散羽根とを具え、該飛散羽根は、前記拡散
体と気化筒内壁との間で回転軸を中心に放射状に
配されると共に前記回転軸の軸方向に巾広に形成
されたものである。

従つて、本考案によると、飛散羽根により、液
体燃料は機械的かつ強制的に霧状にかき散らされ
るように拡散して一気に気化でき、気化が促進す
るので、気化筒の内壁にタールが付着するのを防
止でき、効率のよい安定した燃焼が可能となると
いつた優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は給湯機の断面図、第２図は本考案の一
実施例を示す気化式バーナの要部断面図、第３図
は同飛散板の平面図、第４図は同飛散羽根の正面
図、第５図は従来の気化式バーナの全体断面図、
第６図は同気化筒の断面図である。 １０……気化筒、１０ａ……内壁、１４……バ
ーナ基板、１８……回転軸、２０……拡散体、２
５……供給管、２７……飛散羽根。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バーナ基板に回転軸を介して回転自在に支承さ
   れた気化筒と、該気化筒の内部に液体燃料を供給
   する供給管と、前記気化筒内で前記回転軸に固定
   された液体燃料拡散体と、該拡散体で拡散霧化さ
   れた液体燃料を前記気化筒の内壁に飛散させるた
   めの複数の飛散羽根とを具え、該飛散羽根は、前
   記拡散体と気化筒内壁との間で回転軸を中心に放
   射状に配されると共に前記回転軸の軸方向に巾広
   に形成されたことを特徴とする液体燃料気化式バ
   ーナ。