JPH029143B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、コンクリート構造物の屋上等の防水
層を貫通させて設備配管等を設ける場合の通気筒
に関するものである。

従来、設備配管等がコンクリート構造物の屋上
等の防水層を貫通する場合において、その止水性
能の低下を防ぐ目的で、屋上等の防水層を巻き上
げる為の下地として躯体工事を必要としていた。
この躯体工事は養生時間の関係でコンクリート打
設をする際、屋上等の床と同時に打設することが
難かしく、二度打ちとなるのが一般的であり、手
間のかかる工事として、屋上等の工事期間遅延の
一要因となつていた。

そこで本発明は、コンクリート構造物の屋上等
の防水層を設備配管等が貫通する場合においてそ
の止水性能の低下を防ぎかつ、貫通部分の工事を
省力化することによりその工事期間を短縮し、コ
ストダウンを図ることを目的とする。

次に図面により本発明のコンクリート床におけ
る通気筒構造とその施工方法を説明する。鋳鉄製
の通気筒１の下部をコンクリート床用の鉄筋２に
垂直に固定し、該鉄筋の周囲にコンクリート３を
打設してコンクリート床を形成する。通気筒１の
下端はコンクリート床の下端面に一致するととも
に、その内周に管継手のためのねじ溝４を形成す
る。また通気筒１の下部にＬ字状アンカー５が適
数設けられていて、コンクリートが固まつた後に
通気筒が回転しないようになつている。通気筒に
おけるコンクリート床の上面近くに下向き傾斜鍔
６が設けられて、後記する防水層を設けやすく
し、該傾斜鍔の上部に空気抜き孔６ａが設けられ
る。また通気筒の上部外周に環状突条７を突設
し、さらに上部に後記するカバーの取付フランジ
８を突設する。

以上のコンクリート打設の後にコンクリート床
の上面と通気筒の突出部外周とに、合成樹脂、ラ
バー等の防水シート９を設け、コンクリート上面
に防水層を形成する。なお防水シート９の継ぎ目
は接着剤で接続し、さらに防水シート９は通気筒
１の上部の環状突条７の下に当り、環状突条の下
位置の防水シート９の外周に銅線１０を巻いて締
付け固定する。

次に通気筒外周の防水シートの外周にメツシユ
筋１１を配置し、この上方から筒状型枠として配
管スリーブ用ボイド１２をかぶせる。またコンク
リート床の防水シート９上にもメツシユ筋１３を
配置し、メツシユ筋１１と１３とにコンクリート
を打込んで同時施工する。コンクリートが固まつ
た後、スリーブ用ボイド１２を破る等して取外
す。

次に通気筒１の上端に防水フード１４を嵌合し
通気筒１に入つた設備配管１５が防水フード１４
の中央孔１４ａを通り抜けるようになつており、
中央孔１４ａと設備配管１５との間に防水のため
のコーキングをする。また、カバー１６が通気筒
上部のフランジ８にボルト等により固定され、該
カバーにより通気筒の上部の防水フードと防水フ
ードから抜け出た個所の設備配管１５を被う。

本発明の通気筒は以上の施工方法により完成さ
れる。従つて防水層を設けたコンクリート床を貫
通させるために、コンクリート床上に躯体を形成
する必要がなく、コンクリート床用鉄筋から通気
筒を起立させて、一度のコンクリート打ちで通気
筒を有するコンクリート床が施工され、施工時間
を短縮することができる。また防水シートはコン
クリート床から傾斜鍔を介して通気筒上部まで被
つて設けられ、防水も確実に保たれる。なお、通
気筒をコンクリート壁に貫通して設ける場合も同
様に施工できる。

以上の説明は、通気筒１に設備配管を貫通させ
る実施例であつたが、第３図に示すように通気筒
１の上端に椀形キヤツプ１７を嵌合し、該キヤツ
プ１７の下面に設けた通気孔１７ａを介して空気
が外から通気筒１側に流入し得るようにしてもよ
い。この場合、構築物に設けた上下方向の配管、
例えば水洗便所の排水管内が負圧になることを防
止するときに使用できる。

さらに第４図、第５図のように通気筒１の上端
に別個の継手配管１８を接続して、通気筒を延長
あるいは方向転換できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の通気筒構造を示す側断面図、
第２図は、通気筒上部に設けるカバーの平面図、
第３図は通気筒上部にキヤツプを設けた場合の側
断面図、第４図と第５図は通気筒上部に継手配管
を設けた場合の側断面図である。 １……通気筒、２……鉄筋、３……コンクリー
ト、１２……スリーブ用ボイド、１４……防水フ
ード、１５……設備配管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ コンクリート床用鉄筋に通気筒を垂直に固定
   してコンクリート打設する第１工程と、打設した
   コンクリート床外表面と通気筒の外方突出部の外
   周とに防水層を形成する第２工程と、通気筒突出
   部の防水層外周に間隔をあけて筒状型枠をかぶせ
   てコンクリート床外側の防水層上と該筒状型枠内
   とにコンクリートを打設する第３工程とからなる
   コンクリート床における通気筒施工方法。 ２ 通気筒の下部をコンクリート床内に固定して
   その上部をコンクリート床より外方に突出し、コ
   ンクリート床外表面と通気筒外周に防水層を設け
   るとともに、該防水層の外周をコンクリートで被
   い、シール用フードを通気筒の上端に嵌合し、該
   シール用フードを間隔をあけて被うカバーを通気
   筒上部に固定したコンクリート床における通気筒
   構造。