JPS6260549B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば下階が駐車場である床スラブ
等に吊下げ状態に設置される排水用や排油用等の
吊下式会所枡に関する。

かかる吊下式会所枡としては、それの使用場所
や設置方式等から鑑みて、耐食性、耐火性及び構
造体としての強度が要求される。従来のものにお
いては、このような要求を満すために、枡本体
を、鋳物やステンレス、或いはコンクリートから
構成していたが、この従来の吊下式会所枡におい
ては、枡本体が非常な重量物となるため、次に述
べるような欠点があつた。

つまり、枡本体をスラブ型枠にセツトしてスラ
ブコンクリートを打設することにより、スラブ作
成と同時に、会所枡を設置するいわゆる、先付け
工法を採用しようとしても、枡本体が重量物であ
るが故に、枡本体をスラブ型枠に支保させること
が困難で、例え、支保できたとしても、その支保
箇所の型枠部分が下方に湾曲して枡本体のレベル
精度が確保できなくなり、もつて、実際的には、
先付け工法を採用することができない状況にあつ
た。

そこで、従来では次のような枡設置方法が採ら
れていた。

即ち、第１１図乃至第１４図に示すように、枡
本体４′の大きさ、形に見合つた仮枠１８を作製
してスラブ型枠５′の会所枡設置予定箇所に釘止
め等でセツトし、この状態で配筋、コンクリート
打設を行なつて枡本体設置用の開口１９を備えた
スラブ１１′を作製し、このスラブ１１′の開口１
９に枡本体４′を挿入させて、ライナ厚さの選択
により枡本体４′のレベル調節を行ない、その
後、第１５図に示すように、枡本体４′とスラブ
開口１９周辺部との間の間隙の下側に型枠２０を
セツトして、モルタル２１の充填により前記の間
隙を埋戻し、かつ、枡本体４′に蓋枠３′をセツト
してモルタル２２の充填により蓋枠３′とスラブ
開口１９との間の間隙を埋戻すといつた左官によ
る後処理を行なういわゆる、後付け工法を採用し
ていた。ところが、この後付け工法によるとき
は、工数及び使用機材数が多くなり、しかも、枡
本体を確実、正確にセツトするためには仮枠を正
確に作製、セツトしなければならず、仮枠の作
製、セツトに多大な手数がかかるから、従来の会
所枡には、施工性、経済性に欠けるといつた欠点
があつた。

本発明は、かかる従来欠点を解消しようとする
点に目的を有する。

上記目的達成のために講じた本発明による吊下
式会所枡の特徴構成は、耐火性の外枠内面に合成
樹脂材料製の耐食性層を形成した構造の枡本体
に、スラブ型枠に形成の口に枡本体を挿通させた
状態で該枡本体を前記スラブ型枠に吊下げ支持す
べくスラブ型枠に載置して枡本体のレベル調節を
行なう複数のレベル調節具を付設して構成されて
いる点にあり、このような特徴構成を有する本発
明の作用は次の通りである。

つまり、枡本体を耐火性の外枠と耐食性層との
二層構造に構成してあるから、耐食性、耐火性及
び構造体としての強度を有し乍らも、枡本体を軽
量なものにできる。しかも、枡本体にレベル調節
具を付設してあるから、枡本体のレベル調節を、
ライナ調節の場合に比較して容易に、かつ、正確
に行なうことができる。

従つて、本発明は、仮枠を用いることなく、枡
本体をスラブ型枠にセツトした状態でスラブコン
クリート打設を行なうことにより、スラブの作成
と同時に、枡本体とスラブとの間に間隙を形成さ
せることのない会所枡の設置固定とを行なえる先
付け工法を採用でき、これによつて、工数及び使
用機材数を少なくして、施工性良く、かつ、経済
的に設置できるといつた効果を奏し得るに至つ
た。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図、第２図に示すように、耐火性のステン
レス製外枠１の内面に耐食性のFRP層２を形成
し、かつ、上部に仕上蓋枠３を一体に備えた平面
視四角の枡本体４の各角部夫々に、スラブ型枠５
に形成の口６に枡本体４を挿通させた状態で該枡
本体４を前記スラブ型枠５に吊下げ支持すべくス
ラブ型枠５に載置して枡本体４のレベル調節を行
なうレベル調節具７………を付設して、吊下式会
所枡を構成する。前記FRP層２は三層構造に構
成されている。前記レベル調節具７は、枡本体４
に対して上下に移動自在で、かつ、その下端にお
いてスラブ型枠５に接当可能なボルト７Ａと、こ
のボルト７Ａを回止めするロツクナツト７Ｂとか
ら構成されている。８は、格子又はグレーテング
の蓋であり、９は、枡本体４と口６周辺との〓間
を塞ぐ塩化ビニール製のシール材であり、１０は
配管との接続用ソケツトであり、これは、枡本体
４に内装する状態に構成されている。

上記の如く構成された吊下式会所枡の設置要領
を説明すると、先ず、第３図に示すように、スラ
ブ型枠５の会所枡設置相当部に、枡本体４よりも
やや大きい口６を形成し、次いで、第４図に示す
ように、枡本体４を口６に挿通させ、レベル調節
具７を介してレベル調節を行ない、シール材９を
取付け、その後、第５図に示すように、スラブ１
１用の配筋１２を施工し、かつ、コンクリートを
打設し、養生後第６図に示すように、スラブ型枠
６の取外す。

尚、防水型の会所枡の場合は、仕上蓋枠３が枡
本体４と別体となり、この防水型会所枡の設置要
領を説明すると、前記の如くして枡本体４を設置
した後、第７図乃至第９図に示すように、スラブ
１１上面にならしモルタル１３を施工し、このな
らしモルタル１３上に防水層１４を施工し、次い
で、モルタル１５を介して仕上蓋枠３を取付けた
のち、仕上げモルタル１６を施工する。

又、枡本体４、特に、防水型の場合における枡
本体４は、第１０図に示すように、スラブ１１内
に埋込まれるフランジ１７を有するものであつて
も良い。この場合、スラブ１１に対する枡本体４
の位置決めを強力に行なえ、しかも、枡本体４と
スラブ１１との間の止水を確実に行なえる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は実施例を示す縦断面図と一
部切欠き平面図であり、第３図乃至第６図は上記
実施例に示した会所枡の施工手順を示し、第３図
は斜視図、第４図乃至第６図は縦断面図であり、
第７図乃至第１０図は防水型会所枡の施工手順を
示す縦断面図である。第１１図乃至第１６図は、
従来の会所枡の施工手順を示し、第１１図は斜視
図、第１２図乃至第１６図は縦断面図である。 １……外枠、２……耐食性層、４……枡本体、
５……スラブ型枠、６……口、７……レベル調節
具、７……仕上蓋枠。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 耐火性の外枠１内面に合成樹脂材料製の耐食
   性層２を形成した構造の枡本体４に、スラブ型枠
   ５に形成の口６に枡本体４を挿通させた状態で該
   枡本体４を前記スラブ型枠５に吊下げ支持すべく
   スラブ型枠５を載置して枡本体４のレベル調節を
   行なう複数のレベル調節具７を付設して構成され
   ている吊下式会所枡。 ２ 前記枡本体４が、仕上蓋枠３を一体に備えた
   ものである特許請求の範囲第１項に記載の吊下式
   会所枡。 ３ 前記枡本体４における耐食性層２が、FRP
   層である特許請求の範囲第１項又は第２項に記載
   の吊下式会所枡。