JPH028912B2 - - Google Patents

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JPH028912B2
JPH028912B2 JP58007276A JP727683A JPH028912B2 JP H028912 B2 JPH028912 B2 JP H028912B2 JP 58007276 A JP58007276 A JP 58007276A JP 727683 A JP727683 A JP 727683A JP H028912 B2 JPH028912 B2 JP H028912B2
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Koichi Usui
Teiji Sato
Masanori Tanaka
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、感熱記録紙用填剤に関するもので、
より詳細には、新規な特性を有する微粒子無定形
ケイ酸塩から成る感熱記録紙用填剤に関する。 従来、サーマルヘツド、熱ペン、赤外線ラン
プ、レーザー等を熱源とし、フアクシミリ、プリ
ンター、データ通信、コンピユーター端末、計測
機器、切符自動販売器、複写機等の用途に用いる
感熱記録紙としては、紙等の支持体上に、ロイコ
色素等の呈色剤と該呈色剤と熱時接触してこれを
発色させるフエノール類等の発色剤とをバインダ
ー中に含有させた記録層を設けたものが広く使用
されている。 この感熱記録紙においては、記録ヘツド等を記
録層と接触させて熱による記録を行う際、記録層
中の成分が溶融して記録ヘツド等に粘着してカス
付着やステツキングを生ずることが問題となつて
いる。 この問題を解決するために、記録層中に種々の
填剤を記録層中に配合することが行われており、
例えば古くから、単酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、各種クレイ、アルミナ、二酸化チタン等を
配合することが知られており、最近に至つても、
含水ケイ酸アルミニウム鉱物(特開昭56−72992
号公報)、非晶性合成ケイ酸アルミニウム(特公
昭57−19035号公報)、ケイ灰石乃至はケイ酸カル
シウム(特開昭57−41995号公報)、アルカリ土類
金属塩(特開昭57−80095号公報)、水酸化アルミ
ニウム(特開昭57−14093号公報)等を配合する
ことが提案されている。 これらの無機填剤を感熱記録紙の用途に用いる
場合には、その性質の上で多くの制約がある。第
一に、カス付着を防止するという見地からは、用
いる填剤は或る程度吸油量の大きいもの、即ち嵩
の大きいものでなければならない。第二の問題は
記録層自体の地発色(地汚れ、地肌カブリ)の問
題であり、表面活性の比較的大きい填剤では、記
録以前に記録層が固有の色相に着色し、鮮明な画
像が得られず、また記録後にあつては保存中にバ
ツクグラウンドが着色して、記録物の保存性乃至
は寿命が低下する。第三に、この填剤は記録層中
に含有させたとき、耐摩耗性に優れたものでなけ
ればならず、例えば、各種の記録ヘツドと紙との
滑らかな相対的運動を阻害したり、或いは記録ヘ
ツドや記録層自体を摩耗するものであつてはなら
ない。 従来、感熱記録紙に用いられている填剤は、こ
れらの要求の全てを満足させるには程遠いもので
あり、例えば吸油量の大きいものは、概して表面
活性も大で、地発色を生ずる傾向が大であるとい
う難点がある。 従つて、本発明の目的は、地発色が顕著に抑制
され、優れた滑性を有し、しかもカス付着性能に
も優れている非晶質ケイ酸塩系感熱記録紙用填剤
を提供するにある。 本発明の他の目的は、地発色が顕著に抑制され
ると共にバツクグラウンドの白色性能に優れてお
り、しかも感熱記録に際しては高濃度の画像を形
成し得る非晶質ケイ酸塩系感熱記録紙用填剤を提
供するにある。 本発明によれば、酸化物基準で MO:SiO2=0.01:1乃至1.1:1 式中、Mはカルシウム、バリウム及び亜鉛から
成る群より選ばれた少なくとも1種の金属であ
る、 の分子比で表わされる組成の無定形ケイ酸塩乃至
はその部分炭酸中和物から成り且つ遠心沈降法で
測定して4μm以下の粒度が全体の70重量%以上
となる二次粒径の粒度分布、10乃至70m2/gの
BET比表面積及び0.14乃至0.30g/c.c.の嵩密度を
有することを特徴とする感熱記録紙用填剤が提供
される。 本発明は、以下に詳述する通り、濃厚な塩溶液
中でケイ酸アルカリと対応する金属塩とを複分野
反応させるか、或いは濃厚な塩溶液中でケイ酸ア
ルカリと酸とを反応させた後、生成する非晶質シ
リカを対応する金属の水酸化物等で処理して反応
させるときには、前述した特性を有する微粒子非
晶質ケイ酸塩が得られ、このものを感熱記録紙
(以下単に感熱紙と呼ぶことがある)用填剤とし
て使用すると、地発色の防止、カス付着の防止、
滑性の向上及び画像濃度の向上の点で顕著な利点
が達成されるという知見に基ずくものである。 先ず、本発明に用いる非晶質ケイ酸塩は、10乃
至70m2/g、特に20乃至60m2/g、最も好適には
30乃至50m2/gの比較的小さいBET比表面積を
有することが顕著な特徴である。即ち、非晶質ケ
イ酸塩は、本質的に表面活性であり、ロイコ色素
とフエノール類との反応を促進する傾向を有する
が、本発明によれば、非晶質ケイ酸塩の比表面積
を上述した低い範囲に抑え、表面活性を著しく小
さいものとしたことにより、感熱記録層用組成物
の調製時、この組成物の塗布乾燥時、或いは記録
前後における記録紙の保存中におけるフエノール
類のロイコ色素との反応が低いレベルに抑制さ
れ、地発色(地汚れ)が顕著に抑制されるもので
ある。 湿式法による非晶質ケイ酸塩において、このよ
うに比表面積面の小さいものは極めて特異なもの
であり、これはケイ酸アルカリと金属塩又は酸と
を反応させる際、ケイ酸塩のゾル粒子やシリカゾ
ル粒子を生成させることなく、直接ケイ酸塩ゲル
或いはシリカゲルの微粒子を沈澱させることによ
り、はじめて可能となるものである。 本発明に用いる非晶質ケイ酸塩は、上述した小
さい比表面積を有すること及びその特異な製法に
関連して、電子顕微鏡で測定して、30ミリミクロ
ン以上、特に40乃至90ミリミクロンという比較的
大きな数平均一次粒径を有する。一般にBET比
表面積(m2/g)と一次粒径(ミリミクロン)と
の間には、一般的に言つて下記式 SA=2700/D 式中、SAはBET比表面積、Dは一次粒径を示
す、 の関係がなり立つことが知られており、本発明に
用いる非晶質ケイ酸塩は、公知の非晶質ケイ酸塩
に比して一次粒径のかなり大きいものであること
が了解されよう。 次に、本発明に用いる非晶質ケイ酸塩は、JIS
−K6220の方法で測定して、0.14乃至0.30g/c.c.、
特に0.16乃至0.26g/c.c.の嵩密度を有することも
顕著な特徴である。即ち、この嵩密度は、カス付
着防止と記録層の摩耗性との両方に密接に関連し
ており、この嵩密度が上記範囲よりも大きい場合
には、非晶質ケイ酸塩の吸油量が低下する結果と
して、記録層のカス付着防止効果が低下する傾向
や、記録層に接する記録ヘツド等を摩耗させる傾
向があり、一方この嵩密度が上記範囲より小さい
場合には、記録層自体摩耗性が増大して、粉落
ち、剥離等を生ずる傾向がある。これに対して、
本発明によれば、嵩密度を前述した範囲内に選ぶ
ことにより、記録ヘツド等へのカス付着を防止し
つつ、記録層や記録ヘツド等の摩耗を防止し得
る。 本発明による非晶質ケイ酸塩は、前述した嵩密
度を有することに関連して、JIS−K5101の方法
で測定して、100乃至200c.c./100g、特に120乃至
180c.c./100gの吸油量を示す。 更に、本発明に用いる非晶質ケイ酸塩は、遠心
沈降法で測定して4μm以下の粒度のものが全体
の70重量%以上となる二次粒径の粒度分布を有
し、一層好適にはその2次粒子のメジアン径は、
0.2乃至2μmの範囲にある。この非晶質ケイ酸塩
は、既に述べた如く一次粒径がかなり大である反
面、凝集の程度が小さく、二次粒子としては著し
く微細でしかも粒度が比較的均斉なものとなつて
いるという特徴が明らかとなる。 非晶質ケイ酸塩の二次粒径は、感熱記録により
形成される画像濃度と密接な関連があり、後述す
る例に示す通り、二次粒径が微細である程濃度の
高い記録画像を与える傾向がある。即ち、感熱記
録に際して形成される着色染料は填剤粒子の周囲
にこれを被覆する形で存在する方が顔料効果によ
つて濃度が向上すると言われているが、本発明に
用いる非晶質ケイ酸塩は記録層への分散粒径、即
ち二次粒径が微細でしかも均斉であるので、着色
染料が填剤を被覆する形で存在し易くなり、画像
濃度の向上がもたらされるものと思われる。 更に、本発明の填剤は、非晶質のケイ酸カルシ
ウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸亜鉛或いはこれら
の混合ケイ酸塩から成るという特徴を有するもの
である。即ち、従来感熱紙用填剤として使用され
ているケイ灰石で代表されるケイ酸カルシウムは
結晶性であるのに対して、本発明に用いるケイ酸
塩は非晶質であることが一つの相違点である。本
発明で用いる非晶質ケイ酸塩は、濃厚な塩溶液中
でケイ酸アルカリと酸とを反応させて得た非晶質
シリカと種々の物性を共通にしているが、この非
晶質シリカは、未だ感熱紙の地発色を若干生ずる
傾向があるのに対して、本発明によれば、この非
晶質シリカをカルシウム、バリウムまたは亜鉛の
ケイ酸塩の形に転化することにより、このような
地発色を一層顕著に抑制し得ることに成功したも
のである。 本発明の非晶質ケイ酸塩が、感熱記録に際して
画像濃度の向上をもたらしながら、しかも地発色
を顕著に防止し得ることの正確な理由は未だ解明
されるに至つていない。しかしながら、本発明者
等はその理由を次のように推定している。即ち、
本発明において、カス付着の防止、滑性の付与、
地発色の防止及び記録画像濃度の増加等は、基本
的には、非晶質ケイ酸塩の前記特性に依存するも
のであるが、これらの特性の全てを充足するとし
ても、非晶質シリカの場合には、地発色の上で極
部的な表面活性点による無視し得ない影響がある
ものと認められる。これに対して、本発明に従
い、沈澱析出時或いは沈澱生成後に、ケイ酸とカ
ルシウム分等との反応を行わせると、填剤粒子表
面にこのような活性点が残存するのが有効に防止
されるものと思われる。 本発明において、ケイ酸塩中の金属成分がカル
シウム、バリウムまたは亜鉛であることも重要で
あり、例えば周期律表第族金属の内でも、マグ
ネシウム塩を用いた場合には、かえつて地発色濃
度が増大する傾向が認められる。 このケイ酸塩において、カルシウム等の金属分
が酸化物基準で1乃至50重量%、特に5乃至30重
量%の比率で含有されていることも重要でおり、
金属酸化物の量が上記範囲よりも少ない場合に
は、地発色防止効果が本発明の場合に比してかな
り劣るようになり、一方金属酸化物の量が上記範
囲よりも多いと、感熱記録層用塗布組成物への分
散性等がかなり悪くなる傾向がある。 本発明に用いる非晶質ケイ酸塩は、当然のこと
としてX−線回折学的に非晶質であり、また特徴
的な赤外吸収スペクトルを示す。添付図面第1図
は本発明に用いる非晶質ケイ酸塩(実施例2)
と、非晶質ケイ酸と水酸化カルシウムとの混合物
(比較例2)の、反射角(2θ)10〜60°におけるX
線回折パターンであり、第2図及び第3図はそれ
ぞれ上記非晶質ケイ酸塩(実施例2)及び上記混
合物(比較例2)の、4000乃至2400cm-1における
赤外吸収スペクトルである。これらの赤外吸収ス
ペクトルから、本発明の非晶質ケイ酸塩は、波数
3550乃至3650cm-1に金属水酸化物に基づく特性吸
収を実質上示さず、且つ波数3300乃至3500cm-1
シラノール性水酸基及び/又は吸着水による顕著
な特性吸収を示すことが明らかとなる。また、こ
の非晶質ケイ酸塩は、シラノール性水酸基及び/
又は吸着水の脱水による灼熱減量(1000℃×2時
間)が一般に4乃至16重量%の範囲内にある。ま
た、この非晶質ケイ酸塩は、濃厚な塩類中で製造
されるため、この塩類の微量を夾雑として含有し
ている。 本発明に用いる微粒子非晶質ケイ酸塩は、上述
した粒子構造及び特性に関連して、感熱紙用填剤
として用いたとき、幾つかの付加的利点をもたら
す。先ず、このケイ酸塩は指間でこすると、タル
クに似たスベスベした感じがあり、摺擦すると、
摺擦面に沿つてよく展延されるという性質があ
る。事実、この微粉ケイ酸塩を含有する塗布面
は、優れた滑り性を有しており、ブロツキング傾
向を顕著に減少させ、積載されたシートの一枚ず
つの給紙性を顕著に向上させ、更に記録ヘツドや
ペンの走行性をも顕著に向上させ得るという利点
がある。また、この微粉ケイ酸塩を紙基質等に塗
布したときにも塗布面全体にわたつて一様に展延
されるという特性がある。このため、本発明の微
粉ケイ酸塩の塗布面は、他のシリカ系乃至ケイ酸
塩系填剤を用いた場合に比して極めて平滑性に優
れている。更に、この微粉ケイ酸塩は公知の微粉
シリカやケイ酸塩に比して隠ぺい力も大であり、
例えば、塗布面の目や色を隠ぺいし、また塗布面
を白色なものとするという作用効果もある。 本発明に用いる微粒子非晶質シリカは、これに
限定されるものではないが、濃厚な金属塩溶液中
で、ケイ酸アルカリと酸とを、ゾル状のシリカが
形成されることなく直接シリカの微細ゲル粒子の
析出するような条件で反応させ、生成する微細シ
リカゲル粒子と対応する金属の水酸化物とを水の
存在下に反応させる2段法か、或いは濃厚な塩溶
液中で、ケイ酸アルカリと対応する金属の塩と
を、ゾル状のケイ酸塩が形成されることなく直接
ケイ酸塩の微細ゲル粒子が析出するような条件で
複分解反応させる1段法(直接法)で製造され
る。 この2段法の製造方法は、ケイ酸アルカリ溶液
を酸で中和するという点では、通常の湿式法シリ
カの製造法と共通しているが、この中和を濃厚な
金属塩中で行うこと、特に同時注加法により中和
を行うこと、及びこの中和によりシリカのゾル粒
子を形成させることなく、直ちにシリカの微粒子
ゾルを生成させることが特異な点である。 即ち、通常の湿式法シリカの製造法では、一般
にケイ酸アルカリの水溶液に酸を添加して、無定
形シリカを製造するが、この反応の状況を観察す
ると、添加初期には、反応混合物は透明乃至はパ
ール状であり、次第に反応混合液が粘稠となつ
て、添加中期からシリカの沈澱が生成し始める。
このことは、湿式法では中和により一旦シリカの
ゾル粒子が生成し、このゾル粒子が凝集して非晶
質シリカ粒子となることを物語つている。また、
中和によるシリカ粒子も、初期はアルカリ性で中
和の進行に伴なつて酸性側に移行することから、
生成する非晶質シリカの沈澱の性状は、反応初期
と中期とではかなり異なつたものとなる傾向がみ
られる。 これに対して、この方法においては、濃厚な金
属塩熔液中でケイ酸アルカリ水熔液と酸との中和
が行われることから、塩類の強力な凝固、析出作
用により、中和反応から、直接に、即ちシリカの
ゾル粒子を経由することなく、シリカの微粒子ゲ
ルが生成するという特徴がある。このため、従来
の湿式法シリカは粒径10乃至20mμのゾル状粒子
の凝集体であるのに対して、本発明に用いる原料
微粒子シリカゲルは、一次粒径が30mμ以上、特
に40乃至90mμの一次粒子から成るという特徴を
有し、しかも前述した塩類の凝固析出作用の存在
下にゲル粒子が生成することから、この微粉非晶
質シリカは従来の非晶質シリカに比して著しく小
さい比表面積、即ち10乃至70m2/gの比表面積を
有するものと認められる。 更に、この方法によれば、同時注加法を採用す
ることにより、反応の初期から終期迄、一定の
PH、即ち5乃至9のPH条件下で中和反応が行わ
れ、生成する非晶質シリカの性状、特に粒度が均
斉であるという利点も得られるものである。 この場合、塩類の濃厚水溶液は、ケイ酸アルカ
リや酸の添加初期から高い濃度を有することが重
要である。即ち、ケイ酸アルカリと酸との反応に
より、アルカリ金属塩が当然副生するが、反応系
中に最初からアルカリ金属塩が高濃度で含有され
ていない場合には、生成する非晶質シリカは、一
次粒径が微細であるが、二次粒径が粗大なものと
なり、更に比表面積も大きなものとなる傾向が認
められる。 金属塩の濃度は、種類によつても相違するが、
一般的に言つて、中和反応開始時点において、5
%以上、特に10乃至20%の濃度を有するのがよ
い。即ち、塩類濃度が上記範囲よりも低い場合に
は、二次粒径や比表面積が本発明で規定範囲より
も大きくなる傾向があり、一方濃度をあまり高く
しても格別の利点はなく、かえつて経済的に不利
となる。 金属塩としては、無機酸乃至は有機酸のアルカ
リ金属塩やアルカリ土類金属塩、例えば塩化ナト
リウム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、亜硫
酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウ
ム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、メタンスル
ホン酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネ
シウム、硫酸マグネシウム等の単独または2種以
上の組合せが使用される。これらの各種の塩の内
でも、一塩基性酸の塩は、前述した諸特性を有す
るシリカを得るための塩濃度の許容範囲が広く、
一方二塩基性酸の塩では塩濃度の許容範囲が比較
的狭いものとなり易い。しかしながら、食塩と芒
硝との組合せのように、両者の混合物の系では塩
濃度の許容範囲が広くなることが認められる。経
済的でしかも本発明の目的に有利な塩は、食塩、
芒硝或いはこれらの組合せである。 ケイ酸アルカリとしては、任意のケイ酸アルカ
リ、例えば式 M2O・nSiO2 式中、Mはアルカリ金属であり、nは1乃至
3.8の数である、 のケイ酸アルカリの水溶液を用い得る。経済的見
地からは、nの数が3.0乃至3.4の範囲にある所謂
3号ケイ酸ソーダを用いることが望ましい。反応
に用いるケイ酸アルカリの濃度は、特に制限はな
いが、一般にSiO2として10乃至25%の濃度で用
いるのが操作上有利である。 酸としては、種々の無機酸や有機酸が使用され
るが、経済的見地からは、硫酸、塩酸、硝酸、リ
ン酸等の鉱酸を用いるのがよい。均質な反応を行
うためには、これらの酸は、稀釈水溶液の形で用
いるのがよく、一般に5乃至20%の濃度で用いる
のがよい。 中和反応の温度は、室温でも加温下でもよい
が、一般には50乃至100℃の加温下に両者の反応
を急速に行わせるのがよい。ケイ酸アルカリと酸
とを濃厚水溶液中に同時注加して反応させる際、
これら3者が急速にしかも一様に混合されること
が重要であり、このため急速撹拌乃至は剪断撹拌
下に同時注加を行う。この反応は、バツチ式にも
連続式にも行うことができる。例えば前述の場合
には、濃厚塩溶液を反応槽に入れ、この反応槽に
両原料を同時注加する。或いは反応槽と予備混合
槽との間に液を循環させ、予備混合槽中に両原料
を同時注加する。また、後者の場合には、多段式
反応槽や塔式反応槽を用いて連続反応を行うこと
ができる。 シリカの製造に際して、反応終了時におけるス
ラリー中のSiO2濃度が1乃至10%となるように
中和反応を行わせるのがよい。即ち、この濃度が
上記範囲よりも低いときには、操作や装置の点で
不利であり、一方この濃度が上記範囲よりも高い
と、2次粒子が粗大なものとなる傾向がある。微
粒子非晶質シリカの析出は、同時注加混合により
極めて短時間の内に完了するが、析出後約30分乃
至10時間にわたつて熟成を行うことが望ましい場
合もある。 反応後のスラリーは、過等の固−液分離によ
り、非晶質シリカを母液から分離し、必要により
水洗した後、対応する金属の水酸化物と反応させ
る。金属の水酸化物としては、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛が使用される
が、例えば水酸化カルシウムは石灰乳の形で反応
系に供給することができる。また、酸化物を水性
懸濁液の形で反応系に供給して反応を行うことも
できる。 この2段目の反応は、室温でも加温下でもよい
が、反応の容易さの点では、50乃至100℃の加温
下に且つシリカゲルの生成温度と同じ温度か或い
はこれよりも高い温度で行うことが望ましい。用
いる水酸化物の量は、ケイ酸塩中に所望の量の金
属酸化物が導入されるように決定される。反応の
終点は、赤外吸収スペクトルにおいて金属水酸化
物の水酸基による特性吸収が消失すること及び/
又はX線回折パターンにおいて金属水酸化物及
び/又は酸化物による回折ピークが消失すること
により確認され、この反応時間は、温度や金属水
酸化物量によつても相違するが、一般的に言つ
て、0.5乃至5時間の範囲である。 生成したケイ酸塩は、固−液分離、水洗、乾燥
して製品とする。 一方、一段法では、前述したシリカゲルの製造
工程における酸の代りに、塩化カルシウム、硝酸
カルシウム、塩化バリウム、硝酸バリウム、塩化
亜鉛、硫酸亜鉛等の金属塩の溶液を使用し、この
塩溶液とケイ酸アルカリ水溶液とを、濃厚塩溶液
中に同時注加して複分解反応を行う以外は、シリ
カゲルの製造方法に準じて反応を行う。 この複分解法において、ケイ酸塩中の金属酸化
物量の調節は、例えばケイ酸アルカリと同時注加
する液として、前述した金属塩と酸との混合溶液
を使用し、両者の割合いを調節することにより容
易に行われる。即ち、金属塩の比率を高くするこ
とにより、ケイ酸塩中の金属酸化物の割合いが高
くなり、逆にすれば逆の結果となる。尚、この1
段法では、複分解反応であることに関連して、反
応系のPHはケイ酸ゲル生成の場合よりも一般に高
くなり、そのPHは一般的に言つて、6乃至11の範
囲となる。 これらの2段法或いは1段法で得られる非晶質
ケイ酸塩粒子は、そのままの形で感熱紙填剤とし
て使用し得る他に、この非晶質ケイ酸塩粒子の水
性スラリー中に炭酸ガスを吹込み、この非晶質ケ
イ酸塩粒子を、水性スラリーのPHが7乃至9の範
囲となるように部分中和し、この部分中和物の形
で填剤として用いることもできる。 本発明の非晶質ケイ酸塩填剤は、それ自体公知
の感熱記録層組成物中に、固形分基準で10乃至60
重量%、特に20乃至40重量%の量で含有させるこ
とができる。 この組成物において、呈色剤であるロイコ色素
としては、トリフエニルメタン系ロイコ色素、フ
ルオラン系ロイコ色素、スピロピラン系ロイコ色
素、ローダミンラクタムロイコ系色素、オーラミ
ン系ロイコ色素、フエノチアジン系ロイコ色素等
のこの種の感熱記録紙に使用されているロイコ色
素は全て、単独或いは2種以上の組合せで使用さ
れる。 また、発色剤であるフエノール類としては、ビ
スフエノールA、ビスフエノールF、2,6−ジ
オキシ安息香酸等の常温で固体で且つ熱溶融性の
フエノール類は全て使用される。 更に、バインダーとしては任意の水溶性樹脂バ
インダー、例えば澱粉、シアノメチル化澱粉、カ
ルボキシメチル澱粉、エチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ポリビニルアルコール、水溶性アクリル樹
脂、ビニルメチルエーテル共重合体、アルギン酸
ソーダ等が使用される。 更にまた、増感剤として各種ワツクス類、例え
ば脂肪酸、脂肪酸アミド、カルナバワツクス、ポ
リエチレンワツクス等や、地発色防止のためにア
ルカノールアミン等の有機塩基を配合することが
できる。 感熱記録層の形成に際しては、ロイコ色素のバ
インダー溶液への分散液と、フエノール類のバイ
ンダー溶液の分散液とを調製し、これら両分散液
を、紙、合成紙等の基質に塗布するが、本発明の
非晶質ケイ酸塩填剤は、予じめフエノール類の分
散液中に混合しておくこともでき、また、別個に
非晶質ケイ酸塩填剤のバインダー溶液への分散液
を調製し、これを前述したロイコ色素分散液及び
フエノール類分散液と混合して記録層の形成に用
いることができる。 本発明を次の例で説明する。 比較例 1 特願昭57−132201の実施例1の方法すなわち85
℃に加熱した15%塩化リチウム溶液17.8中に、
3号ケイ酸ソーダ(Na2O約7%、SiO2約22%)
3.6と10%塩酸3.6を反応液のPHが6〜8を保
つように60分をかけて同時注加した。生成沈澱物
を過により分離し、30の温水にて洗浄した。 得られたケーキを130℃の乾燥器にて乾燥した
のち、卓上型サンプルミル(東京アトマイザー製
TAMS−I型)で粉砕し、第1表に示した物性
を有する微粉シリカを得た。 かくして得られた微粉シリカを下記組成からな
る感熱記録層形成液〔A〕液2部、〔B〕液10部、
〔C〕液6部に対して1部になるように加え、よ
く混合した。〔A〕、〔B〕、〔C〕液は下記組成か
らなる混合物をボールミルを用いて48時間粉砕分
散したものである。 〔A〕液組成 クリスタルバイオレツトラクトン 1重量部 5%ヒドロキシエチルセルロース 5 〃 水 3 〃 〔B〕液組成 ビスフエノールA 1重量部 5%ヒドロキシエチルセルロース 5 〃 水 3 〃 〔C〕液組成 ステアリン酸アミド 1重量部 5%ヒドロキシエチルセルロース 5 〃 水 3 〃 上記感熱記録層形成液を坪量64g/m2の市販上
質紙上に乾燥重量が6〜7g/m2となるように塗
付し、室温で乾燥した。 かくして得られた感熱記録紙について、(イ)地汚
れ濃度(地発色濃度)、(ロ)加熱発色画像濃度、(ハ)
感熱記録層保持性について下記に示した方法によ
り測定した。結果を第1表に示した。 (イ) 地汚れ濃度 塗付後72時間経た感熱記録層形成液塗付紙の
地汚れ濃度を富士写真フイルム(株)製標準濃度計
FSD−103型でVフイルターを用いて測定し、
これと肉眼観察により下記のような評価基準を
得た。
【表】 (ロ) 加熱発色画像濃度 感熱記録紙としての発色性能を確認するた
め、塗付紙の裏面から155℃にセツトしたサー
マルプレートを5秒間押しつけて得られた加熱
発色画像濃度を標準濃度計FSD−103型で測定
し、これと肉眼観察により下記のような評価基
準を得た。
【表】 (ハ) 感熱記録層保持性 定性分析用No.2紙を下方に置き、感熱記録
層塗付後の塗付面を重ね合せて、塗付面の裏側
より155℃にセツトしたサーマルプレートを1
分間押しつけ、定性紙上に移行した加熱記録
層成分の付着状態を観察し、併せて感熱フアク
シミリ装置HIFAX−3000を使用し、サーマル
ヘツドへのカス付着の傾向を観察し、総合的に
感熱記録層保持性を下記の評価基準で評価し
た。
【表】 実施例および比較例の粉体物性測定方法は下記
のとおりである。 (1) BET比表面積〔S.A〕 各粉体の比表面積は窒素ガスの吸着によるい
わゆるBET法に従つて測定した。詳しくは次
の文献を参照すること。 S.Brunaur、P.H.Emmett、E.Teller、J.
Am.Chem.Soc、Vol.60309(1938) なお、本明細書における比表面積の測定はあ
らかじめ150℃になるまで乾燥したものを0.5〜
0.6g秤量びんにとり、150℃の恒温乾燥器中で
1時間乾燥し、直ちに重量を精秤する。この試
料を吸着試料管に入れ200℃に加熱し、吸着試
料管内の真空度が10-4mmHgに到達するまで脱
気し、放冷後約−196℃の液体窒素中に吸着試
料管を入れ、 PN2/P0=0.05〜0.30 (PN2:窒素ガス圧力、P0=測定時の大気圧) の間で4〜5点N2ガスの吸着量を測定する。
そして死容積を差し引いたN2ガスの吸着量を
0℃、1気圧の吸着量に変換しBET式に代入
して、Vm〔c.c./g〕(試料面に単分子層を形成
するに必要な窒素ガス吸着量を示す)を求め
る。比表面積S.A=4.35×Vm〔m2/g〕 (2) 見掛比重 JIS K6220ゴム配合剤試験方法の鉄シリンダ
ー法にて測定する。供試料は1gとする。 (3) 吸油量 JIS K5101顔料試験方法にて測定する。供試
料は0.5gとする。 (4) 二次粒子径・粒度分布 遠心沈降法を原理とするミクロン・フオー
ト・サイザーSKN−1000(セイシン企業製)で
測定する。試料の分散は0.2%ピロリン酸ソー
ダ溶液100ml中に試料1gを懸濁させ、セイシ
ン企業製SK−DISPERSER(超音波分散機)で
5分間行なう。得られる粒度分布より4μ以下
の累積重量パーセント及びメジアン2次粒子径
(50%累積点)を求める。 (5) 一次粒子径 日本電子製電子顕微鏡JEM−T6S型等によ
つて、撮影した直接倍率5千〜2万倍の写真を
5万倍〜20万倍に引き伸し、千個以上の粒子に
ついて定方向径を測定し、算術平均径として表
わす。 (6) X線回折 本試験においては、理学電機(株)製X線回折装
置(ガイガーフレツクス2028)を用い、下記の
条件で回折した。 ターゲツト F0 フイルター Ce 電 圧 30KV 電 流 10mA カウント・フルスケール 4000c/s タイム・コンスタント 0.5sec スキヤニング速度 2°/min チヤート速度 4cm/min 回折角 1° スリツト巾 0.3mm (7) 赤外吸収 本試験においては、日本分光工業(株)製赤外分
光光度計(A−302型)を用い、下記の条件で
測定した。 サンプリング方法:KBr錠剤法 濃度:2mg/100mgKBr スキヤニング速度:5000cm-1→330cm-1/8min 実施例 1 85℃に加熱した15%食塩溶液9.8中に、3号
ケイ酸ソーダ溶液(Na2O約7%、SiO2約22%)
3.6と、23%塩酸−2.9%塩化カルシウム混合溶
液3.6を反応液のPHが8〜10を保つように60分
をかけて同時注加した。生成沈澱物を過により
分離し、30の温水にて洗浄した。 得られたケーキを130℃の乾燥器にて乾燥した
のち、卓上型サンプルミル(東京アトマイザー製
TAMS−1型)で粉砕し、第1表に示した物性
を有する微粉填剤を得た。 かくして得られた微粉填剤を用い、比較例1と
全く同様の方法で感熱記録紙を得た。また比較例
1と全く同様に地汚れ濃度、加熱発色画像濃度、
感熱記録層保持性について測定し、評価を行なつ
た。 結果を第1表に示した。 実施例 2 85℃に加熱した10%塩化カルシウム溶液12.8
中に、3号ケイ酸ソーダ溶液(Na2O約7%、
SiO2約22%)3.6と、5.2%塩酸−5.9%塩化カル
シウム混合溶液を反応液のPHが9〜11を保つよう
に60分をかけて同時注加した。生成沈澱物を過
により分離し、30の温水にて洗浄した。得られ
たケーキを130℃の乾燥器にて乾燥したのち、卓
上型サンプルミル(東京アトマイザー製TAMS
−1型)で粉砕し、第1表に示した物性を有する
微粉填剤を得た。 かくして得られた微粉填剤を用い、比較例1と
全く同様の方法で感熱記録紙を得た。また比較例
1と全く同様に地汚れ濃度、加熱発色画像濃度、
感熱記録層保持性について測定し、評価を行なつ
た。 結果を第1表に示した。 実施例 3 85℃に加熱した10%硝酸ソーダ溶液12.6中
に、1号ケイ酸ソーダ溶液(Na2O約11%、SiO2
約22%)3.7と、5.1%硝酸バリウム−32%硝酸
アンモニウム混合溶液3.7を反応液のPHが9〜
11を保つように60分をかけて同時注加した。生成
沈澱物を過により分離し、30の温水にて洗浄
した。 得られたケーキを130℃の乾燥器にて乾燥した
のち、卓上型サンプルミル(東京アトマイザー製
TAMS−1型)で粉砕し、第1表に示した物性
を有する微粉填剤を得た。 かくして得られた微粉填剤を用い、比較例1と
全く同様の方法で感熱記録紙を得た。また比較例
1と全く同様に地汚れ濃度、加熱発色画像濃度、
感熱記録層保持性について測定し、評価を行なつ
た。 結果を第1表に示した。 実施例 4 85℃に加熱した10%塩化ナトリウム溶液12.8
中に、3号ケイ酸ソーダ溶液(Na2O約7%、
SiO2約22%)3.6と、13%塩酸−9.5%塩化亜鉛
混合溶液3.6を反応液のPHが6.5〜8を保つよう
に60分をかけて同時注加した。生成沈澱物を過
により分離し、30の温水にて洗浄した。 得られたケーキを130℃の乾燥器にて乾燥した
のち、卓上型サンプルミル(東京アトマイザー製
TAMS−1型)で粉砕し、第1表に示した物性
を有する微粉填剤を得た。 かくして得られた微粉填剤を用い、比較例1と
全く同様の方法で感熱記録紙を得た。また比較例
1と全く同様に地汚れ濃度、加熱発色画像濃度、
感熱記録層保持性について測定し、評価を行なつ
た。 結果を第1表に示した。 実施例 5 比較例1の方法にて得た洗浄シリカケーキ(水
分83%)1.06Kgを水1.94中に、撹拌機を用いて
よく分散させる。これに石灰乳(CaO15g/100
ml)0.13を加え、撹拌しながら85℃で2時間加
熱した。生成沈澱物を過により分離し、得られ
たケーキを130℃の乾燥器にて乾燥したのち、卓
上型サンプルミル(東京アトマイザー製TAMS
−1型)で粉砕し、第1表に示した物性を有する
微粉填剤を得た。 かくして得られた微粉填剤を用い、比較例1と
全く同様の方法で感熱記録紙を得た。また比較例
1と全く同様に地汚れ濃度、加熱発色画像濃度、
感熱記録層保持性について測定し、評価を行なつ
た。 結果を第1表に示した。 実施例 6 比較例1の方法にて得た洗浄シリカケーキ(水
分83%)0.65Kgを水2.35中に撹拌機を用いてよ
く分散させる。これに石灰乳(CaO15g/100ml)
0.6を加え、撹拌しながら85℃で5時間加熱し
た。生成沈澱物を過により分離し、得られたケ
ーキを130℃の乾燥器にて乾燥したのち、卓上型
サンプルミル(東京アトマイザー製TAMS−1
型)で粉砕し、第1表に示した物性を有する微粉
填剤を得た。 かくして得られた微粉填剤を用い、比較例1と
全く同様の方法で感熱記録紙を得た。また比較例
1と全く同様に地汚れ濃度、加熱発色画像濃度、
感熱記録層保持性について測定し、評価を行なつ
た。 結果を第1表に示した。 実施例 7 比較例1の方法にて得た洗浄シリカケーキ(水
分83%)1.06Kgを水3.94中に撹拌機を用いてよ
く分散させる。これに水酸化バリウム(試薬一級
8水温)41gを加え、撹拌しながら85℃で3時間
加熱した。生成沈澱物を過により分離し、得ら
れたケーキを130℃の乾燥器にて乾燥したのち、
卓上型サンプルミル(東京アトマイザー製
TAMS−1型)で粉砕し、第1表に示した物性
を有する微粉填剤を得た。 かくして得られた微粉填剤を用い、比較例1と
全く同様の方法で感熱記録紙を得た。また比較例
1と全く同様に地汚れ濃度、加熱発色画像濃度、
感熱記録層保持性について測定し、評価を行なつ
た。 結果を第1表に示した。 実施例 8 実施例5にて得た過前の反応液1に工業用
炭酸ガスを流量0.5/分、温度20℃で反応液の
PHが8になるまで吹込んだ。生成沈澱物を過に
より分離し、得られたケーキを130℃の乾燥器に
て乾燥したのち、卓上型サンプルミル(東京アト
マイザー製TAMS−1型)で粉砕し、第1表に
示した物性を有する微粉填剤を得た。 かくして得られた微粉填剤を用い、比較例1と
全く同様の方法で感熱記録紙を得た。また比較例
1と全く同様に地汚れ濃度、加熱発色画像濃度、
感熱記録層保持性について測定し、評価を行なつ
た。 結果を第1表に示した。 比較例 2 比較例1にて得た粉砕した微粉シリカ90gと水
酸化カルシウム(試薬一級)13.5gをV型混合器
で10分間混合した。 かくして得られた微粉シリカ・水酸化カルシウ
ム混合物を用い比較例1と全く同様に地汚れ濃
度、加熱発色画像濃度、感熱記録層保持性につい
て測定し、評価を行なつた。 結果を第1表に示した。 比較例 3〜6 比較例3として、市販珪灰石、比較例4として
ケイ酸塩系ホワイトカーボン・Silene(Harwick
Std Chem.)、比較例5としてケイ酸塩系ホワイ
トカーボン・シルモス(白石工業)、比較例6と
して沈降性軽質炭酸カルシウム(白石工業)の粉
体物性を第1表に示した。 上記比較例の粉末を用い、各々比較例1と全く
同様の方法で感熱記録紙を得た。また比較例1と
全く同様に地汚れ濃度、加熱発色画像濃度、感熱
記録層保持性について測定し、評価を行なつた。 結果を第1表に示した。
【表】
【表】 上述したように本発明の実施例により得た微粉
填剤を感熱紙に使用することにより、発色画像濃
度、サーマルヘツドへのカス付着防止およびステ
イツキング防止性能を阻害することなく、地汚れ
の極めて少ない感熱記録層を有する感熱紙が得ら
れることが理解される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に用いる非晶質ケイ酸塩(実施
例2)及び非晶質ケイ酸と水酸化カルシウムとの
混合物(比較例2)のX線回折像を示す図であ
り、第2図は上記非晶質ケイ酸塩(実施例2)の
赤外吸収スペクトルであり、第3図は上記混合物
(比較例2)の赤外吸収スペクトルである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸化物基準で MO:SiO2=0.01:1乃至1.1:1 式中、Mはカルシウム、バリウム及び亜鉛から
    成る群より選ばれた少なくとも1種の金属を表わ
    す の分子比で表わされる組成の無定形ケイ酸塩乃至
    はその部分炭酸中和物から成り且つ遠心沈降法で
    測定して4μm以下の粒度が全体の70重量%以上
    となる二次粒径の粒度分布、10乃至70m2/gの
    BET比表面積及び0.14乃至0.30g/c.c.の嵩密度を
    有することを特徴とする感熱記録紙用填剤。 2 無定形ケイ酸塩が、波数3550乃至3650cm-1
    金属水酸化物の水酸基による特性吸収を実質上示
    さず且つ波数3300乃至3500cm-1にシラノール性水
    酸基及び/又は吸着水による顕著な特性吸収を示
    す赤外吸収スペクトルを有し、及び/又はX−線
    回折(CoKα1)パターンにおいて反射角(2θ)
    5乃至60°に金属水酸化物及び/又は酸化物によ
    る回折ピークを実質上示さない無定形ケイ酸塩で
    ある特許請求の範囲第1項記載の填剤。 3 無定形ケイ酸塩が電子顕微鏡が電子顕微鏡で
    測定して30ミリミクロン以上の数平均粒径を有す
    るものである特許請求の範囲第1項記載の填剤。 4 無定形ケイ酸塩が100乃至200c.c./100gの吸
    油量を有するものである特許請求の範囲第1項記
    載の填剤。 5 無定形ケイ酸塩が0.2乃至2μmのメジアン二
    次粒子径を有するものである特許請求の範囲第1
    項記載の填剤。
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