JPH028774Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案はプリンタに係り、特にシリアルプリン
タの活字位置検出機構に関するものである。

〔考案の背景〕

最近の電卓は多機能化、高級機化すると共に、
小型・軽量化しており、計算結果を印字データと
して保存できるプリンタ付電卓も小型・軽量化す
ることが望まれている。従つて、これに内蔵する
プリンタは小型、軽量であると共に、低消費電力
であることが望まれる。又、この種一般家庭で使
用される電子機器に内蔵されるプリンタとして
は、容易に入手可能な安価な38mm幅或いは58mm幅
の普通紙よりなるロール紙が使用でき、且つ印字
データが鮮明であることから、母形印字式である
ことが望まれる上、駆動源が少なく安価であるこ
とも期待される。

第２図は、プリンタの概略構成図である。駆動
側プーリ１と従動側プーリ２とが所定の間隔をお
いて配置され、その間にエンドレス状の活字ベル
ト３が掛け渡されている。駆動源となる１つの直
流モータ４の回転軸にはウオーム５が取り付けら
れ、モータ４の駆動力は第１アイドルギア６およ
び第２アイドルギア７を介してメインギア８に伝
達される。メインギア８からの回転力は図示して
いないスプリングクラツチを介して前記駆動側プ
ーリ１に伝達されるようになつており、またメイ
ンギア８には印字・桁上げギア９が噛合できるよ
うになつている。

印字・桁上げギア９には印字・桁上げ軸１０の
一端が連結され、この印字・桁上げ軸１０は駆動
側プーリ１と従動側プーリ２との間に配置され
て、活字ベルト３と平行に延びている。印字・桁
上げ軸１０にはハンマホルダ１１が軸方向に摺動
自在に取り付けられている。

このハンマホルダ１１にはホルダバネ１２の一
端が連結され、ホルダバネ１２の他端は図示して
いないベースに固定されており、従つてハンマホ
ルダ１１はホルダリターンバネ１２の引張力によ
り従動側プーリ２寄りのホームポジシヨン側に常
に弾性付勢されている。

印字・桁上げ軸１０の近傍にはそれと平行にラ
ツク１３が配置され、ハンマホルダ１１に内蔵さ
れている桁上げ・紙送りカムとラツク１３のラツ
ク歯とが噛合できるようになつている。ラツク１
３の後方には紙送りローラ１４とプラテンを兼ね
た平板状のガイド板１５が配置され、用紙１６は
紙送りローラ１４とガイド板１５の下方から送り
出されて、前記活字ベルト３の外側近傍に案内さ
れる。１７は所定のタイミングになつたときにメ
インギア８の回転力を駆動側プーリ１から印字・
桁上げギア９に切り替えて伝達するための選択レ
バーで、電磁ソレノイド１８によつて動作され
る。１９は駆動側プーリ２の近傍に設けられた位
置検出部で、活字選択のための基準位置ならびに
活字位置を検出する。２０はインクローラで、活
字ベルト３の外周側にある活字部と接触して活字
面にインクを塗布する。

このプリンタの一連の基本的動作は、活字選択
動作と、印字・桁上げ動作と、ハンマホルダリタ
ーン・紙送り動作とからなつており、これらの各
動作がシーケンシヤルに繰り返されることにより
多数行のプリントがなされる。

以下活字ベルト３の構成について説明する。

活字ベルト３は第３図に示すようにエンドレス
状になつており、外周側に所定のピツチで多数の
活字部２１が周方向に沿つて個々に設けられ、内
周側には周方向に沿つて所定のピツチで多数のベ
ルト歯部２２が設けられている。個々の活字部２
１とベルト歯部２２に互に対になるように、すな
わち両者とも同一のピツチで設けられており、活
字部２１（ベルト歯部２２）と隣の活字部２１
（ベルト歯部２２）との間は薄肉の連結部２３で
互に連結されている。これら活字部２１、ベルト
歯部２２、連結部２３は例えば合成ゴムや低重合
度の合成樹脂などで成形されて、活字ベルト３を
全体として適度の可撓性、伸縮性ならびに弾性を
有している。

第３図に示すように活字ベルト３の全長が例え
ば第１活字グループＧ１と第２活字グループＧ２
と第３活字グループＧ３の３つの領域に分けられ
ている。３つのグループには、それぞれ同じ活字
が一つずつ設けられ、しかも活字の配列順序が同
じになつている。

一方、位置検出部１９は第４図、第５図のよう
に形成されている。

第４図は位置検出部１９の上面図、第５図は第
４図の側面図である。

第４図および第５図において、２５は駆動プー
リ２の軸、２６は活字選択センサで、この活字選
択センサ２６は活字選択側歯部２７、導電パター
ン２８、金属接片２９によつて構成されている。

基準位置センサ３０は基準位置側歯部３１、導
電パターン３２、金属接片３３によつて構成され
ている。

第２図に示すように駆動側プーリ１は矢印Ｂで
示す如く反時計方向に回転され、活字ベルト３は
矢印Ａ方向に回転すると第４図の従動プーリ２の
軸２５を反時計方向に回転する。

これによつて第５図の活字選択側歯部２７は反
時計方向に回転し、基準位置側歯部３１は時計方
向に回転する。

従つて、活字選択側歯部２７の回転によつて金
属接片２９と導電パターン２８が摺動して活字に
対応するパルスを発生し、一方、基準位置側歯部
３１は、前記３つの活字グループの各１つに対し
て、一回転し、金属接片３３と導電パターン３２
が摺動して一つのパルスを発生する仕組になつて
いる。

ところが、記号、符号、数値、かな文字などの
活字の種類、活字の数を増加させるために、前記
３つの活字グループを解消し、活字ベルトの一周
に対し、一つのパルスを発生させると、これによ
つて第４図、第５図の活字選択側歯部２７、基準
位置側歯部３１も大きくなり、プリンタ自体も大
型化する欠点がある。

〔考案の目的〕

本考案はかかる従来の欠点を解消しようとする
もので、その目的とするところは、活字位置検出
機構をできるだけ小型にし、もつてプリンタも小
型にしようとするものである。

〔考案の概要〕

本考案は前述の目的を達成するために、活字部
に対応して多数のパルス発生部を有する活字選択
センサと、一回転中に一つのパルス発生部を有す
る基準位置センサとからなり、前記活字選択セン
サと基準位置センサを間欠ギアで結合したもので
ある。

〔考案の実施例〕

以下本考案の実施例を図面を用いて説明する。

第１図は本考案の実施例に係る歯部を示す側面
図である。

第１図において、２７は活字選択側歯部、３１
は基準位置側歯部である。

この活字選択側歯部２７は第１図に示すように
平歯部３４、欠歯部３５によつて構成され、基準
位置側歯部３１は平歯部３６と、欠歯部３５と対
応する円弧状の凹部３７によつて構成されてい
る。

従つて今仮りに第１図に示すように活字選択側
歯部２７が時計方向に回転している場合を考える
と、活字選択側歯部２７の欠歯部３５と基準位置
側歯部３１の凹部３７が接している場合は活字選
択側歯部２７のみ回転し、基準位置側歯部３１は
停止している。

そして、活字選択側歯部２７の平歯部３４が時
計方向に回転し、この活字位置側歯部３１の平歯
部３４と基準位置側歯部３１の平歯部３６が噛み
合うと平歯部３４，３６同志の噛み合いによつて
位置側歯部３１を1/5回転させて基準位置側歯部
３１は止り、活字選択側歯部２７はそのまま回転
を続ける。

この様に活字選択側歯部２７の平歯部３４と、
基準位置側歯部３１の平歯部３６が噛み合つてい
ると基準位置側歯部３１は回転するが、活字選択
側歯部２７の噛み合３５と、基準位置側歯部３１
の凹部３７が接している間は活字選択側歯部２７
は回転し、基準位置側歯部３１は停止しているの
である。

従つて、第１図の活字位置検出機構においては
活字選択側歯部２７が５回転する間に、基準位置
側歯部３１は１回転することになる。

つまり、基準位置センサ３０側の凹部３７の数
をとすると、活字選択センサ２６の回転に対
し、基準位置センサ３０は１回転し、活字選択セ
ンサ２６の導電パターン２８の数をｍとすると、
基準位置センサ３０のパルスが一つ発生するのに
対し、活字選択センサ２６のパルスはｍ×個と
なり、活字の種類、活字の数を増やしても活字位
置検出機構は小さくでき、構成部品を大型化せず
に基準パルス間のパルス数を多くすることができ
る。

〔考案の効果〕

本考案は活字部に対応して多数のパルス発生部
を有する活字選択センサと、一回転中に一つのパ
ルス発生部を有する基準位置センサとからなり、
前記活字選択センサと基準位置センサを間欠ギア
で結合したので、活字位置検出機構を小型化する
ことができ、プリンタ自体も小型にすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係る活字位置検出部
の側面図、第２図はプリンタの概略構成図、第３
図は活字ベルトの平面説明図、第４図は従来の活
字位置検出部の上面図、第５図は第４図の側面図
である。 ２６……活字選択センサ、３０……基準位置セ
ンサ、２８，３２……導電パターン、２９，３３
……金属接片、３４……平歯部、３５……欠歯
部、３６……平歯部、３７……凹部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 活字部に対応して多数のパルス発生部を有する
   活字選択センサと、一回転中に一つのパルス発生
   部を有する基準位置センサとからなり、前記活字
   選択センサと基準位置センサを間欠ギアで結合し
   たことを特徴とするプリンタ。