JPH02849A - 写真印画紙用支持体 - Google Patents

写真印画紙用支持体

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JPH02849A
JPH02849A JP31374788A JP31374788A JPH02849A JP H02849 A JPH02849 A JP H02849A JP 31374788 A JP31374788 A JP 31374788A JP 31374788 A JP31374788 A JP 31374788A JP H02849 A JPH02849 A JP H02849A
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JP
Japan
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gelatin
coating
layer
photographic
support
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Application number
JP31374788A
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English (en)
Inventor
Takaharu Miura
三浦 喬晴
Tsunehisa Omotani
重谷 恒久
Minoru Moriki
森木 稔
Takuya Yamaguchi
拓也 山口
Tatsumi Okada
岡田 辰巳
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH02849A publication Critical patent/JPH02849A/ja
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    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/775Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers the base being of paper
    • G03C1/79Macromolecular coatings or impregnations therefor, e.g. varnishes

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  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、写真印画紙用支持体に関するものである。更
に詳しく述べるならば、本発明は、均一な品質を有し、
カプリがなく、写真乳剤層に対する接着性の優れた写真
印画紙用支持体に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、写真印画紙用支持体としては、強サイズ性、およ
び高強度を付与された紙の片面に、硫酸バリウムのよう
な白色顔料を塗布して得られる、いわゆるバライタ紙が
用いられていた。しかし、近年、これに代わって、紙基
体の両面にポリオレフィン樹脂を被覆して得られるポリ
オレフィン樹脂被覆耐水性支持体が広く使用されるよう
になってきた。これは、ポリオレフィン被覆層が疎水性
であるため、得られる写真印画紙用支持体は、バライタ
紙に比較して、現像定着処理中に処理液が支持体中に浸
透しにくく、このため、水洗時間や乾燥時間が短縮され
、また、紙基体への処理液の浸透がないため、支持体の
伸縮が抑制され、寸法安定性が向上するなどの利点があ
るためである。
しかしながら、これらの耐水性写真印画紙用支持体は、
そのポリオレフィン樹脂被覆層により形成される表面が
疎水性であるため、その上に親水性の高いゼラチンをバ
インダーとして含有する写真乳剤層を強固に接着するこ
とは困難である。そのため疎水性のポリオレフィン樹脂
層表面をコロナ放電処理、火焔処理、薬品処理等により
活性化処理して、その接着性を改善した後、これに写真
乳剤を塗布する方法が行われるようになった。しかし、
このポリオレフィン樹脂被覆層表面を活性化する方法は
、時として写真乳剤にカブリを与え、あるいは乳剤層の
塗布厚さが不均一となり、又は塗布開始線に厚塗りを生
ずるなどの問題を起こすことがあった。更にこの表面活
性化処理を施しても、得られたポリオレフィン樹脂被覆
層表面の活性が経時的に低下するという現象があるため
、活性化処理から長時間の経過後に写真乳剤層を塗布し
た場合、乳剤に対する濡れ性および接着性が不良となり
、現像処理工程により乳剤層がポリオレフィン樹脂層面
から剥離しやすくなるという欠点があった。
これ等の欠点を改善するためポリオレフィン樹脂層表面
に、−旦表面活性化処理を行った後、その上に下引層を
設け、この上に写真乳剤層を塗布する方法が実用される
ようになった。
この方法の場合、下引層の構成主成分としては、(1)
ゼラチンもしくは、ゼラチンを主要成分として含む組成
物、および (2)ゼラチン以外の親水性樹脂を主要成分とする組成
物、 などが知られている。
上記(1)の下引層が一般的に用いられるものであり、
この下引層と写真乳剤層との接着性は良好であるが、ゼ
ラチンの塗布量が一定値以上になると下引層を塗布した
後湿潤状態でゼラチンを少なくともそのa固点以下の温
度に冷却させる必要があり一般に塗布低温凝固→乾燥→
調湿という複合工程を経なければならない。従って連続
工程でゼラチン液を塗布後凝固させようとすると、設備
上凝固能力が一定の規模以内に制限されている場合、低
速度塗布を強いられることになり、生産性が低下すると
いう問題を生ずる。
上記組成物(2)から形成された下引層の場合には、下
引層組成物として各種ラテックスや水溶性樹脂が検討さ
れている。この場合、塗布後に低温凝固工程を施す必要
はないが、この下引層は一般に写真乳剤層との接着性が
低く、また樹脂によっては有毒ガスを発生するものがあ
り人体への悪影響、公害等の点で問題を有するものがあ
る。
さらに写真乳剤層を塗設した場合、これにカプリを生じ
る等、写真適性に悪影響を及ぼすもの、写真乳剤層の塗
布均一性を低下させるもの等があり、この場合、用いる
べき接着剤の選定が難しい。
いずれの場合でも、下引層の塗布厚が厚くなった場合、
時として下引層自体が現像処理によって、膨潤し、上層
乳剤層上の画像に悪影響を及ぼしたり、あるいは処理時
間の延長を引き起す等の問題を発生する。すなわち、ポ
リオレフィン樹脂層により被覆された写真印画紙用支持
体上に塗設される下引層は、写真乳剤層とポリオレフィ
ン樹脂層を強固に接着出来る範囲内において、写真用乳
剤層に与える悪影響を排除するためには、出来得る限り
湧くすることが望ましく、かつ、複雑な製造工程を必要
とせず、生産性がすぐれたものである必要がある。
ゼラチンを主要組成物とした下引層の接着性改善に関し
てはゼラチンの特性を規定したものとして、ゼリー強度
の低いもの(特開昭6l−84643)、グラフト変性
ゼラチン(特公昭48−14185) 、或は特定範囲
の表面張力を有するもの(特公昭5028019)等を
使用する提案がある。また水溶性樹脂あるいはエマルジ
ョンと併用(特公昭49−15210、特公昭51−2
825、および特公昭57−53585)する多くの方
法も提案されている。
また硬化剤(特公昭47−18010、特開昭62−3
0244)を特定したもの、ゼラチン液のpH(特公昭
49−17522)を規定したもの、特定分散剤と微粒
子マット剤とを組み合わせて用いたもの(特開昭62−
4735)等も知られている。しかしながら、これ等従
来提案方法は、それぞれ特定の事項について効果が認め
られるがゼラチン下引層の接着性を改善するには十分な
ものではなかった。
ゼラチンを主成分とする下引層を設ける場合のもう一つ
の大きな問題として、ゼラチンを主成分とする塗料組成
物の腐敗がある。ゼラチンの主溶媒としては水を用いる
のが一般であり、このような塗料組成物を保存、あるい
は塗布のために開放された系内に長時間保持されると、
バクテリアやカビ等の微生物の繁殖によって塗料組成物
に変質や腐敗がおこり、その結果、塗料組成物の粘度低
下や下引層表面の物理的強度の低下、あるいはその上に
形成される乳剤層に対する接着性の低下をまねき、更に
は、増殖した微生物の代謝物などが感光材料の写真性能
に悪影響を及ぼし、重大な欠陥を生ずる。
このような微生物による欠陥の発生を未然に防止するた
めに、殺菌剤や防ぽい剤を塗料組成物中に添加すること
が知られている。
一般に殺菌剤または防ぽい剤としては、例えばフェノー
ル、チモール、トリクロルフェノール、クレゾール、p
−クロロ−m−クレゾール、〇−フェニルフェノール、
クロロフェン、3,4.5−トリブロモサリチルアニリ
ド、4−n−へキシルレゾルシン等の芳香族フェノール
化1;ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ゲル
タールアルデヒド、メチロールクロルアルデヒド等のカ
ルボニル基を有する化合物; 安息香酸、P−オキシ安息香酸エステル、ソルビン酸等
のカルボン酸またはそのエステル;2−メルカプトベン
ゾチアゾール、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾ
ール等の含窒素複素環化合物; フェニル水銀、フェニルプロピオン酸水銀等の水銀化合
物; ネオマイシン、カナマイシン等の抗生物質;その他が知
られており、そのうちのいくつかについては、下引液下
引層形成用塗料組成物に含有させるごとも知られている
しかしながら、従来の殺菌・防ぽい剤は、それを下引液
に対し大量に添加しなければ所望の効果が発揮されなか
ったり、生体に対して有害であったり、あるいは写真的
に有害であったり写真乳剤を塗布する際の塗布開始線を
引き伸ばしてしまったりして満足すべきものがない。
例えばフェノール化合物は、親水性コロイド重量に対し
2%以上の大きな割合で添加しなければ十分な防腐効果
が発揮されない。
また、ホルムアルデヒド等を用いた場合には、得られる
印画紙がカプリを生じやすいものとなる。
更に、安息香酸は、塗布開始線に悪影響を与える。
更に、ベンズチアゾール化合物などは、感光材料に減感
作用を与えやすい。
更に、水銀化合物は、生体に対して有害であり、従って
その使用を避けなければならない。
さらに特開昭54−27424号公報に記載されたベン
ゾイソチアゾロンには、感光材料をカブリを生じやすい
ものとするという問題があり、特公昭42−14081
号公報に記載されたネオマイシンは高価であって実用が
困難である。
このように従来の殺菌剤乃至防ぽい剤は、これらを防腐
剤として下引液組成物に添加したとき、いずれも実用上
満足できる特性を有するものではなかった。
〔発明が解決しようとする課題] 本発明は、従来の下引層が有する前述の欠点を解消する
ことができ、生産性に優れ、しかも人体への悪影響がな
く、写真乳剤層とポリオレフィン樹脂層を強固に接着さ
せることができ、更には塗設した写真乳剤層への悪影響
を示さない下引層を有する優れた写真印画紙用支持体を
提供しようとするものである。
より具体的に述べるならば、本発明は、乳剤層の支持体
表面への濡れ性において優れ、また乳剤塗布時の開始線
の均一性において優れ、更に現像後の乳剤層の湿時接着
性において優れた支持体を提供しようとするものである
更に、本発明は、腐敗防止された写真乳剤用下引層を有
する写真印画紙用支持体を提供しようとするものである
〔課題を解決するための手段および作用〕本発明の第一
の写真印画紙用支持体は、シート状基体と、前記シート
状基体の両面上に形成され、かつ、ポリオレフィン樹脂
を主成分として含む被覆層とを有し、前記被覆層のうち
、写真乳剤層を塗布すべき表面側被覆層の表面が、活性
化処理により活性化されており、更に、この活性化処理
された表面上に、0.001 g /m2以上、0.0
1 g /m2未満の、好ましくは0.004〜0.0
09 g /ポの、乾燥重量を有し、かつ、ゼラチンを
主成分として含むゼラチン下引層が形成されていること
を特徴とするものである。
さらにまた、本発明の第二の写真印画紙用支持体は、前
記表面側被覆層の活性化された表面上に形成された下引
層が、2〜20重量%のエチルアルコールを含むゼラチ
ン塗料組成物を塗布・乾燥することにより形成されたも
のである態様を包含するものである。
本発明者はゼラチンを主要成分として含む下引層の接着
性の改善方法を種々検討した結果、写真乳剤層に悪影響
を与えることなくゼラチン下引層と乳剤層との接着性を
向上させるのに必要な最も重要な要因は、ゼラチン下引
層の塗布■を、一定水準に規制することにある事を見出
した。従来の公知文献によるとゼラチン主体のものであ
ろうと親水性樹脂接着剤主体のものであろうと、或は、
これらの混合系に於ても、下引層の塗布量は、多いもの
では0.3〜10.0 g /m2(特開昭5O−44
818)の範囲内に、少ないものでは0.O1〜0.1
g/rr?(特公昭49−32345)の範囲内にあり
、更にゼラチン主体のものに限っていえば、少ないもの
でも0.01〜0.1g/m2(特公昭49−3234
5)の範囲内にある。本発明者は、上記の公知文献に記
載された量よりも1桁少ない0.001 g / rr
f以上0.01g/rrf未満の塗布量に於て、ゼラチ
ン下引層は優れた濡れ性、接着性、並びに塗布開始線均
一性を示し、その効果が永続し、かつ写真乳剤に対して
何ら悪影響を与えないことを発写し、本発明を完成した
ゼラチン下引層の量を0.01 g /%を超えて多く
しても何らメリットがなく、却って、製造工程中に複雑
な乾燥処理を必要とし、印画紙の品質を低下させる。ま
た、ゼラチン下引層の量が0.001 g /m2&赫
よりも少なくなると塗布ムラを生じ、下引層の効果を十
分に発揮することができない、ゼラチン下引層の好まし
い塗布量は、0.004〜0.009g/l&iである
従って本発明のゼラチン下引層の形成のために従来公知
の塗布方法の何れをも使用してもよい。
即ちゼラチン下引層は、一般にゼラチンと、ゼラチンに
対し相溶性を有する有機溶剤、ゼラチン硬膜剤、界面活
性剤、増粘剤、pH調整剖、消泡剤、腐敗防止剤等を含
むもので、更にこれに水溶性或はエマルジョン系接着剤
を混合することもある。
本発明の支持体に於ては、上記の塗布方法、および塗布
組成物を使用して、塗布量を均一にしかも0.001〜
0.01g/%の範囲にすることによって優れた接着性
を有するゼラチン下引層を得ることができる。更に本発
明の支持体においては、ゼラチン下引層が低塗布量であ
るため、このゼラチン下引層の温度をゼラチン下引層の
凝固温度以下に低下させる必要がなく、このため製造設
備面でも極めて好ましいものとなっている。またゼラチ
ン下引層が薄いため、加工時のポリエチレン被覆支持体
の水分減少が殆んどなく、乳剤塗布に必要な支持体水分
を所定値の5%以上に保持することが極めて容易である
。またゼラチン下引層塗布後に、これにコロナ表面処理
を施すとその効果が良好となり、かつこの効果が永続す
るが、コロナ放電処理を施さなくても充分良好な接着性
を示す。
また、本発明者らは、写真乳剤用下引層表面の物理的強
度、その上に設けられる写真乳剤層に対する接着性、お
よび写真性能などに重大な悪影響を及ぼす、ゼラチン水
溶液の腐敗についても研究を重ねた。その結果、腐敗の
原因はカビや酵母などではな(、放置された塗布液中に
増殖する細菌73 (Bacillus属およびPse
udomonas属等)が主であることを突き止め、こ
の生菌の数(生菌数)を減少させることが、とりもなお
さずゼラチン塗料組成物の腐敗を抑制乃至防止すること
になることを発見した。通常この種の塗料組成物は25
℃〜45°Cの温度で使用され、例えば38°Cの温度
では、5〜6時間で腐敗が顕著に現れることが知られて
いる0本発明者らは、ゼラチン塗料組成物の中に、わず
かな量のエチルアルコールを添加するだけで、腐敗防止
の目的が達成されることを見出した。
本発明者らの研究によれば、下引層用ゼラチン塗料組成
物がいわゆる腐敗した状態になり、下引層としての機能
に悪影響を及ぼすのは、ゼラチン塗料組成物中の生菌数
が1.0X10”個/ mlを超えた場合であり、この
状態になったとき塗料組成物は腐敗臭を発し、粘度が低
下し、従って塗布量の変動を引き起こすことが明らかと
なった。このような腐敗状態になった塗料組成物を塗布
・乾燥して形成された下引層は、硬膜剤による架橋作用
も受容しなくなり、このため現像等の処理液によってた
やすく溶解除去され、結果としてその上に塗布された写
真乳剤層に対する接着性の著しい劣化をまねくのである
。さらに、下引層塗料組成物の腐敗を防止するためには
、生国数を少くとも1.0X107個/−以下、好まし
くは2.0X10−個/−以下に抑制しておけばよいこ
とも明らかとなった。
エチルアルコールは一般に消毒用剤として有用なもので
あることはよく知られているが、これを消毒剤中に含存
させて用いる場合、70%以上、80%以下のエチルア
ルコール濃度を保持しないと消毒効果が不十分になると
報告されている。
(例えば、化学大辞典、第1巻、888〜889頁、エ
チルアルコールの項参照) しかしながら、本発明の下引層の場合には塗料組成物中
に含有するエチルアルコールの濃度は2〜20%、好ま
しくは3.5〜15%であればよい。
すなわち、本発明においては、わずか2%の濃度のエチ
ルアルコールを用いることにより腐敗の原因となる生菌
類の増殖傾向が弱まり、塗料組成物の腐敗を防止する効
果が現れ、エチルアルコール濃度5%では、初期生菌数
の増大がなくなり、5%を超える濃度では、殺゛菌作用
が強まり、生菌数は減少する結果が得られたのである。
更にエチルアルコール濃度約6%から20%まででは、
生菌数が減少し腐敗を防止する効果は持続するが、20
%を超える大量のエチルアルコールを均温しても、腐敗
防止の効果がそれ以上に強化されるわけではなく、却っ
てコストアップ、あるいは蒸発量の増加による臭気発生
、さらに、引火の危険性も増大するなどの不都合を生ず
る。
上述のように、わずかな量のエチルアルコールの添加が
、ゼラチンを主成分とする下引層塗料組成物の腐敗防止
に対して極めて有効に作用し、この塗料組成物を塗布・
乾燥して形成された下引層は強度と接着性に極めて優れ
たものとなるのである。
更に、エチルアルコールは強い消泡作用を有している。
一般にゼラチン水溶液は非常に発泡しやすい液体で、溶
解及び塗布の工程で有効な消泡手段を用いなければ、お
びただしい発泡を起こし、塗料液中に混入した気泡が塗
膜にピンホールを形成するなどの悪影響を生ずる。この
ために塗料液に消泡剤等を加えることが検討されている
が、通常に用いられているシリコーン系消泡剤は、塗布
の際の、いわゆるハジキ現象の原因となるため、その使
用にあたっては極めて慎重な配慮が必要となる。ところ
がエチルアルコールには、濡れ性を改善する作用こそあ
れ、ハジキを発生することは全くなく、消泡作用を発揮
して有効に発泡をおさえることができ、従って、これを
写真用印画紙支持体の下引層塗料液の消泡剤として用い
るのは、全く合理的である。
更に、写真印画紙用支持体の下引層は、その上に塗布さ
れる写真乳剤層に直接接触するため乳剤層の写真特性に
悪影響を与えないことが最も重要なことであり、下引1
i1塗料組成物に使用される薬品は、この点に十分に留
意しながら選択しなければならない、しかし、従来使用
が検討されてきた防腐剤のなかには、防腐効果はあるも
のの、塗膜のなかに残留するため、写真乳剤に対して減
感作用を示すとか、あるいはカブリの原因となるなどの
写真特性上好ましくない影響を有するものがあった。ま
た、写真乳剤層を塗布する際の塗布開始線の厚塗を引き
起こしたり、ハジキを起こしたり、あるいは写真乳剤層
に対する接着性を低下させるなどの悪影響を持つものも
あることは前述したとおりである。
しかるに本発明によってエチルアルコールは、2〜20
重量%の比較的低い濃度でゼラチン塗料に対して極めて
有効な防腐剤として作用し、かつ、強い消泡効果を示す
だけでなく、それが塗布後の乾燥により全て蒸発してし
まい塗膜中に全く残らないために、写真乳剤の接着性、
写真特性などに対して悪影響を及ぼすことがないという
特徴を有している。すなわち下引層用塗料液の防腐剤と
しては、あらゆる点において極めて好ましいものなので
ある。
本発明の支持体の構成要件について更に詳述する。
本発明のシート状基体を構成する紙基体は、−般に写真
用紙に用いられているものであればすべて使用できる。
例えば天然パルプ紙、合成パルプ紙、天然パルプと合成
パルプの混抄紙等のほか、各種の抄き合せ紙を挙げるこ
とが出来る。これらの紙基体には一般に製紙で用いられ
ているサイズ剤、定着剤、紙力増強剤、填料、帯電防止
剤、pH調整剤、顔料、染料等の添加剤が配合されてい
てもよい。更に、表面サイズ剤、表面紙力増強剤、帯電
防止剤が表面塗布されていてもよい。
この紙基体の両面にポリオレフィン樹脂層が被覆形成さ
れるがポリオレフィン樹脂層としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン等のα−オレフィン単独重合体、α−オ
レフィンの共重合体およびそれら各種重合体の混合物な
どから選ぶことができる。特に好ましいポリオレフィン
樹脂は、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンおよ
びそれらの混合物である。
ポリオレフィン樹脂に白色顔料、有色顔料、蛍光増白剤
、酸化防止剤、分散剤等の各種添加剤を添加することは
すでに知られているところであり、本発明においても写
真乳剤層の塗布される面のポリオレフィン層にこれらの
添加剤を添加することができる。
なお、シート状基体としては前述の天然パルプを主体と
する紙基体の他に各種合成紙、フィルムなども使用する
ことができるが、またシート状基体に電子線硬化樹脂を
被覆したもの、あるいは、電子線硬化樹脂塗布とポリオ
レフィン樹脂溶融押出被覆との組合せにより得られる複
合体も、本発明の支持体に使用することもできる。
本発明の支持体において、下引層塗布前のポリオレフィ
ン層、あるいは下引層へ施される活性化処理は、従来知
られているコロナ放電処理、火焔処理、活性化薬品処理
、又は低温プラズマ処理などから、所望に応じて選ぶこ
とができる。
この表面活性化されたポリオレフィン樹脂層上にゼラチ
ン下引層が形成される。
本発明に使用されるゼラチンは、下引層上に塗設される
写真乳剤層に悪影響を及ぼさないものである限り、どの
ような種類のものであってもよい。
例えばゼラチンは、骨から抽出されたものであってもよ
く、あるいは、皮から抽出されたものであってもよく、
また、ゼラチン抽出法は、酸性法であってもよく、或い
はアルカリ法であってもよい。
更にゼラチンの物性についても格別の限定はないが、例
えばそのゼリー強度については、下引層として一般的に
用いられる水準にあればよく、また、例えば、その粘度
は、下引層用として一般に用いられるものと同じ程度の
ものであれば良い。
本発明のゼラチン下引層は、ゼラチンを主成分とするも
ので、その他に必要に応じて、硬膜剤、界面活性剤、増
粘剤、白色顔料、マット化剤、消泡剤、帯電防止剤、か
ぶり防止剤等の添加剤を含んでもよい。
本発明の下引層はエチルアルコールのみで十分な防腐効
果が得られることを特徴としているか下引層としての性
質に悪影響を及ぼさないものであれば、他の防腐剤を併
用することをさまたげるものではない。
本発明の下引層形成用塗料組成物に使用可能な硬膜剤と
しては、例えばクロム明ばん等の無機硬膜剤、或いは、
アルデヒド型硬膜剤、N−メチロールおよびアセタール
硬膜剤、エポキシ硬膜剤、アジリジン硬膜剤、ムコハロ
ゲン酸硬膜剤、活性ハロゲン硬膜剤、ジクロロ−5−)
リアジン硬膜剤、活性オレフィン硬膜剤、イソオキサゾ
リューム塩硬膜剤、メタンスルホン酸エステル硬膜剤、
又は活性エステル硬膜剤等の有機硬膜剤等を用いること
ができる。
本発明の下引層形成用塗料組成物に使用可能な界面活性
剤としては、サポニンの如き天然物の他に、高級脂肪酸
アルカリ塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、
スルホコハク酸エステル等の陰イオン活性剤、高級アミ
ンハロゲン酸塩、ハロゲン化アルキルピリジニウム、第
4アンモニウム塩等の陽イオン活性剤、ポリエチレング
リコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂
肪酸エステル等の非イオン活性剤、およびアミノ酸等の
両性活性剤などを用いることができる。
本発明の下引層形成に使用可能な増粘剤とじては、カゼ
イン、デンプン、天然ガム等の天然物の他、カルボキシ
メチルセルロース等のセルロース誘導体、PVA等の水
溶性高分子などを用いることができる0本発明の下引層
に使用可能な白色顔料としては、二酸化チタン、硫酸バ
リウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、アルミナ白、酸化亜鉛、シリカ白、三酸化アンチモ
ン、リン酸チタニウムなどがある。
本発明の下引層に使用可能な消泡剤としてはメチルアル
コール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチ
ルアルコールのほか、オクチルアルコール、シクロヘキ
サノールその他の高級アルコールあるいはエチレングリ
コール、更にはスパンその他の非イオン活性剤やシリコ
ーン消泡剤などがあるが本発明で明らかなように、エチ
ルアルコールは防腐剤としても有効であるのみならず、
消泡剤としても有効に作用する。
本発明の下引層形成のために、塗料組成物を塗布形成す
る方法としては、ワイヤーバーコード法、プレーンロッ
ドコート法、エアーナイフコート法、デイツプコート法
、カーテンコート法、ローラーコート法、グラビアコー
ト法等を使用することができる。更に、このために、塗
料組成物を押し出し塗布するファウンテンコーター、あ
るいはスリットダイコータ一方式を用いることもできる
。すなわち、ゼラチン塗料組成物を微量均一に塗布し、
乾燥できるものである限り、どのような塗布方式を使用
してもよい。塗料組成物を塗布後、乾燥までの間に低温
凝固処理を施す必要は必ずしもないが、これを施しても
よい。更にこれらのいづれかの方法により塗布乾燥して
得られた下引層の表面に前述のような活性化処理(例え
ばコロナ放電処理)を施してもよい。
〔実施例〕
以下本発明を比較例および実施例により更に説明するが
、これにより本発明の範囲が圧定されるものではない。
これら実施例においてその製品の評価に用いた各種試験
法は下記の通りである。
く濡れ性〉 ゼラチン下引層の濡れ性はJIS K−6768による
濡れ指数標準液(和光純薬製)を用いて下引層表面の濡
れ指数(dyne/cm)を測定して表示した。この濡
れ性は写真乳剤層を塗布する場合の塗布性を示すもので
ある。濡れ性評価は、下引N塗布直後と、40°cxs
o%R11X3日間エージング後とに行われた。
写真乳剤の支持体への接着性、並びに塗布開始線測定の
ため、印画紙の調製(写真乳剤の塗布)を下記のように
行った。即ち支持体の下引層表面にコロナ放電処理を施
し、市販銀塩乳剤リキッドライト(米国ロックランド社
製)を40’Cに保持し、これに硬膜剤HDU(N、N
’−へキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカ
ルボキサミド)を乳剤100 gに対し0.8gの割合
で添加したものを乾燥重量で10g/%となる様に、下
引層表面上にビート塗布し、これを50°Cで乾燥した
〈塗布開始線〉 塗布開始線は乳剤塗布時に乳剤が最初に支持体に触れた
線から、乳剤が支持体上に完全均一塗布できた線までの
距離であって、その最大距離を測定記録した。この距離
が短かい程乳剤と下引層との親和性が良好であることを
示す。
く接着性〉 印画紙の写真乳剤と支持体下引層との湿時接着性は、印
画紙をGNP−CDカラー印画紙用現像剤(LPL製)
に35°CX2分浸漬し、これに浸漬液中で刃物で交叉
するきずをつけ、きずの交叉部分を液中で栂指頭で10
回こすり、写真乳剤層の剥離状況を観察し、その結果を
接着力○(良)、Δ(やや不良)、×(不良)の三水率
に官能評価した。評価は乳剤塗布直後と40°CX50
%R11X3日間エージング後とに行った。
〈カプリ〉 防腐剤として使用されたエチルアルコール(本発明)お
よび比較例としてチモールおよびパラベンの写真乳剤に
与えるカプリの影響を、次の方法で評価した。
各防腐剤の2%溶液(溶媒:エタノール)に濾紙を浸漬
した後乾燥し、これに市販のカラー印画紙を密着して全
暗黒下で65°C13日間のエージングを行った後印画
紙を現像し、黄色の発色濃度を測定してカプリの程度を
評価した。
i −1の   ゛    法 制製後の下引層用塗料組成物を37°Cで24時間、開
放系で循環し、それから0時間後、8時間後、および2
4時間後の液中生菌数および腐敗の程度につき下記の方
法によって試験した。
〈塗料液中生菌数〉 生菌数の計数は平板培養計数法(例えば実験農芸化学下
巻、p205、朝食書店)によった。この方法では、塗
料液をサンプリングし、希釈率をチエツクしながら適度
に希釈、平′Fi焙養基(寒天培地)に散布し、この平
板培養基を、28°C3日間静置培養し、平板培養基上
に成育したコロニー(集落)数を計測し、塗布液中の生
菌数を計算した。
く塗料液の腐敗〉 経時された塗料液の腐敗の程度は、臭気、液送明度、及
び粘度の低下により官能的に評価した。
裏隻■土 坪f! 175 g / rdの天然パルプ紙基体の両
面に、10%二酸化チタン含有ポリエチレン樹脂および
ポリエチレン樹脂をそれぞれ厚さ30ミクロンに押出し
塗布し、その直後に二酸化チタン含有ポリエチレン樹脂
層表面にコロナ放電処理を施し、ポリエチレン被覆紙を
作成した。
このコロナ放電処理表面に、下記の組成物を、乾燥後の
重量が0.004 g / trrになる様にプレーン
ロンドを用いて塗布し、それを冷却セットすることなし
に、80°Cで乾燥して下引層を形成し、写真印画紙用
支持体を得た。
工IL塗布血凪虞 1.5%ゼラチン水溶液   950部エタノール  
       50部 アジリジン系硬膜剤    6.5% (相互薬工社製、商標:HDU)  (対ゼラチン)こ
の様にして得られた支持体の表面の濡れ性を評価した。
更に、この支持体の下引層上に写真乳剤を塗布し、塗布
開始線の長さを求めた。また、印画紙の現像処理を実施
して湿時の乳剤接着性を評価した。その結果を第1表に
示す。
また上記組成を有する下引層用ゼラチン塗料組成物液を
、37°Cにて24時間、大気中にて循環し、この間に
増殖する生菌数を計測するとともに腐敗の程度を評価し
た。
更にこの組成物液を用いて実施例1と同様の方法によっ
て下引層を形成し、写真印画紙用支持体を製造した。
この支持体について、実施例1と同様の方法で塗布開始
線、湿時接着性、写真特性の性能評価を行った。その結
果を第2表に示す。
1隻■又 実施例1と同一のポリエチレン被覆紙のコロナ放電処理
面に、実施例1の組成物と同一の組成物において、その
ゼラチン濃度のみを0.1%としたものを、乾燥後の重
量が0.006g/rrfになる様、メイヤーバーを用
いて塗布、乾燥し、下引層を形成し、引続いてその表面
にコロナ放電処理を施して写真印画紙用支持体を得た。
この支持体について実施例1と同様に濡れ性、塗布開始
線、湿時接着性の性能評価を行った。その結果を第1表
に示す。
側1例」一 実施例1と同一のポリエチレン被覆紙のコロナ放電処理
面に、下記の下引i&II成物をメイヤーバーを用いて
、乾燥後の重量が0.009 g / rrrになる様
に塗布乾燥し、その表面に引続いてコロナ放電処理を施
した。
下IL埜血撒 1.5%ゼラチン水溶液   950部エタノール  
       50部 アジリジン系硬膜剤    6.5% (相互薬工2社製、商標:HDU)   (対ゼラチン
)コハク酸系活性剤      2部 (花王社製、商標:ベレ?クス0TP)得られた支持体
について実施例1と同様に性能評価を行った。
此l■1L 実施例1と同一のポリエチレン被覆紙のコロナ放電処理
面に、実施例1の下引層組成物と同一の組成物において
、ゼラチン濃度のみを0.1%としたものを、乾燥後の
重量が0.015g/イになる様にメイヤーバーを用い
て塗布・乾燥し、下引層を形成し写真印画紙用支持体を
得た。この支持体について実施例1と同様の性能評価を
行った。その結果を第1表に示す。
止較■又 実施例1と同一のポリエチレン被覆紙のコロナ放電処理
面に、実施例1の下引層組成物と同一の組成物において
、ゼラチン濃度のみを÷3%としたものを、乾燥後の重
量が0.2g/nfになる様にメイヤーバーを用いて塗
布・乾燥し、下引層を形成し写真印画紙用支持体を得た
。この支持体について実施例1と同様の性能評価を行っ
た。その結果を第1表に示す。
止較旦1 実施例1と同一のポリエチレン被覆紙に、下引層なしで
コロナ放電処理をほどこしたものについて、実施例1と
同様の性能評価を行った。その結果を第1表に示す。
第  1  表 註:O・・・良好、 Δ・・・や−不良、×・・・不良 実画11支 実施例1記載と同一の塗料組成物において、そのエチル
アルコール濃度のみを3.5%となるようにした下引層
用塗料組成物を、実施例1と同様の方法により経時させ
、その生菌数及び腐敗の変化並びに塗布開始線、湿時接
着性、カブリ等を測定した。その結果を第2表に示す。
1星1 実施例1記載と同一の塗料組成物において、そのエチル
アルコール濃度のみを15%となるようにした下引層用
塗料組成物を、実施例1と同様の方法により経時させ、
その生菌数及び腐敗の変化並びに塗布開始線、湿時接着
性、カブリ等を測定した。その結果を第2表に示す。
北較■土 実施例1記載と同一の塗料組成物において、エチルアル
コールのみを全く含まないようにした下引層用塗料液を
、実施例1と同様の方法により経時させ、その生菌数及
び腐敗の変化並びに塗布開始線、湿時接着性、カブリ等
を測定した。その結果を第2表に示す。
北笠1 エチルアルコールのかわりにチモールを0.05%含む
ようにした下記組成の下引層用塗料液を、実施例1と同
様の方法により経時させ、その生菌数及び腐敗の変化並
びに塗布開始線、湿時接着性、カプリ等を測定した。そ
の結果を第2表に示す。
、 ′ 1.5%ゼラチン水溶液   1000部アルキル硫酸
塩系活性剤 (花王社製、商標:エマールE27C)チモール   
      0.05%(対溶液)(和光純薬社製、 
6−イツブ■ピル1−クレゾール)エチルアルコールの
かわりにP−ヒドロキシ安息香酸n−ブチルを0.05
%含むようにした下記組成の下引層用塗料液を、実施例
1と同様の方法により経時させ、その生菌数及び腐敗の
変化並びに塗布開始線、湿時接着性、カブリ等を測定し
た。
その結果を第2表に示す。
、 ? 1.5%ゼラチン水溶液   1000部p−ヒドロキ
シ安息香酸n−ブデル  0.05%(対溶液)(和光
純薬社製) 〔発明の効果〕 本発明によって得られたポリオレフィン樹脂被覆写真印
画紙用支持体は、乾燥後重量が0.001−y−/ホ以
上で、かつ0.01g/rrr未満であるゼラチン下引
層を有し、これを巻取状で保存したところ、問題となる
ようなブロッキングの発生は認められなかった。またゼ
ラチン下引層上に写真用乳剤を塗布した時、両者の間の
接着強度は、通常の表面活性化処理、例えばコロナ放電
処理を行ったものと全く同等であったし、経時的劣化も
観察されなかった。更に乳剤層塗設の際に影響を及ぼす
下引層表面のヌレ指数は、コロナ放電処理のみで下引層
を塗設していない支持体表面よりも数段に向上した。ま
た乳剤塗布開始時塗布開始点近傍において、乳剤が厚塗
りになったり、乳剤が塗布されず尾を引いた状態となる
ような塗布開始線の乱れは、下引層の塗布量を本発明の
範囲に規定することにより極めて小さく抑制することが
できた。
更に、防腐剤を含まない下引層用ゼラチン塗料液は、3
7゛Cの循環経時において8時間後には生菌数がlXl
0”個/1I11に増加し腐敗するが、2重量%以上の
エチルアルコールを含む本発明の下引層用塗料組成物は
腐敗が起こらず、更に5%を超えてエチルアルコールを
含有する塗料組成物は腐敗が全く起こらないだけでなく
、生菌数が減少するという殺菌効果を有している。また
エチルアルコールは優れた消泡効果をしめし、塗布に際
して非常に有効である。
塗料組成物中のエチルアルコールは、下引層の乾燥によ
り全て蒸発して下引層のなかに全く残留しないので、下
引層と、その塗布される写真乳剤層との間の接着性およ
び乳剤塗布時の塗布開始線に対してもなんら悪影響を及
ぼすことはない、しかし、比較防腐剤として用いられる
チモールは、添加初期の殺菌効果はあるものの長時間の
経時により、次第に塗料中の生菌数が増加し、また写真
乳剤にたいしカブリを与える。防腐剤パラベンの防腐効
果はチモールと同様であるが、これは、乳剤塗布時の塗
布開始線を引き延ばす欠点を有し乳剤層との接着性も悪
い。
上記のように、ゼラチンを主成分とする下引層用塗料組
成物の防腐剤として、2〜20重量%のエチルアルコー
ルを使用することにより、従来のゼラチン塗料組成物の
諸問題点を一挙に解決することができた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、シート状基体と、 前記シート状基体の両面上に形成され、かつ、ポリオレ
    フィン樹脂を主成分として含む、被覆層と、 を有し、 前記両被覆層のうち、写真乳剤を塗布すべき表面側被覆
    層の表面が活性化処理により活性化されており、更に、
    この活性化処理された表面上に、0.001g/m^2
    以上0.01g/m^2未満の乾燥重量を有し、かつゼ
    ラチンを主成分として含むゼラチン下引層が形成されて
    いる、写真印画紙用支持体。 2、前記表面側被覆層の活性化された表面上に形成され
    たゼラチン下引層が、2〜20重量%のエチルアルコー
    ルを含むゼラチン塗料組成物を塗布・乾燥することによ
    り形成されたものである、請求項1記載の写真印画紙用
    支持体。
JP31374788A 1987-12-24 1988-12-14 写真印画紙用支持体 Pending JPH02849A (ja)

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