JPH028334Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車用のコンビネーシヨンランプ
において、取付時に車体の一部によつて覆われる
灯室に取り付けるバルブソケツトやスペア用のバ
ルブソケツトを仮置きするための構造に関するも
のである。

〔従来の技術〕

概ね前方へ開口する複数の灯室が一体又は一体
的に連続されたボデイと、これ等の灯室の前面開
口を覆うべく配置される前面レンズと、各灯室内
に配置されるバルブを具備する自動車用コンビネ
ーシヨンランプにおいては、通常前面レンズの一
側に車体の側方に回り込むレンズ部分が形成され
ており、この部分が所謂ターンシグナルランプと
して機能するように構成されている。ところで、
このようなコンビネーシヨンランプは、車体の構
造上又は強度上の要請から、車体の側方へ回り込
んだレンズ部分に対応する灯室部分を他の部分か
ら分断するような形で車体の一部が配置される。
また、各灯室内に保持されるバルブは、ボデイの
後部に配置したバツクカバーに電球受金を介して
固定され、夫々のバルブに対する配線用コードが
このバツクカバーの内側でまとめられるように成
つている。

しかし、上記分断された灯室については、その
後部までバツクカバーを配置することが困難であ
り、したがつて、該灯室内に保持すべきバルブ
は、該灯室を形成するボデイに対して着脱自在な
バルブソケツトに装着すると共に、該バルブソケ
ツトを配線用コードを介して他の灯室に対する配
線用コードをまとめた部分に接続しておき、コン
ビネーシヨンランプを車体に組み付けた後に該バ
ルブソケツトを車体側の透孔を介して灯室に取り
付けている。このようなバルブソケツトは、コン
ビネーシヨンランプを車体に組み付けるまでの間
は灯室に取り付けることができず、運搬中や組付
作業中にバルブソケツト側がブラブラして作業性
を低下させたり、配線コードやバルブソケツト、
或いはバルブ自体に故障が発生することがないよ
うに、ボデイ後面のうち車体への組付後に該車体
の一部によつて覆われることのない適当な箇所に
バルブソケツトの仮置き部を形成し、コンビネー
シヨンランプを車体に組み付ける前においては該
仮置き部にバルブを装着した状態のバルブソケツ
トを仮置きしていた。

このような仮置き構造として、従来から例えば
ボデイの後面に形成された凹部等に、第７図に示
すようなバルブ５１の頭部５１ａ側とバルブソケ
ツト５２の鍔部５２ａ外側を複数点で挟持する支
持部５３を形設し、予めこの支持部５３にバルブ
５１が装着されたバルブソケツト５２を取り付
け、その上部からコネクターハウジング５４を固
定して支持部５３上方への脱抜を防止しておき、
灯室への装着時に鍔部５２ａの撓み弾性を利用し
て該バルブソケツト５２を支持部５３から抜出さ
せる構造のものが使用されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記従来の仮置き構造は、バルブソケ
ツト５２の抜出に際して、バルブソケツト５２の
鍔部５２ａや支持部５３の撓み弾性力を利用し、
該鍔部５２ａが支持部５３を越えて引き抜かれる
構造に成るものであるため、バルブソケツト５２
の支持部５３からの抜出が容易ではないばかりで
なく、挿抜時に鍔部５２ａの外周を破損又は変形
させ、灯室への装着が困難に成つたり、また製造
工程におけるバルブ点灯試験等で不灯その他の不
良品等が発生した場合に、簡単にバルブ５１を交
換して再仮置き作業をすることができない等の問
題があつた。

本考案は、上記問題に鑑みて創案されたもので
あり、支持部に対する挿抜が簡単でバルブソケツ
トの鍔部を破損又は変形することのない仮置き構
造を提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案に係るバル
ブソケツトの仮置き構造は、コンビネーシヨンラ
ンプ等のボデイの後面から２本のステイを突設し
て該ステイの先端間に雌雄一対のコネクターの一
方のハウジングを取り付け、上記ボデイの後面と
コネクターハウジングの下面と２本のステイで囲
まれる空間部内において、一側に隔壁と成るリブ
を、また他側にはバルブの支持部と成るリブを、
更にこのリブの外側にはバルブ受筒の前部を挟持
してバルブソケツトの仮置き位置からのずれの発
生を防止する左右一対のボスを夫々相互に離間さ
せてボデイ側から突設するという手段を講じたも
のである。

〔作用〕

上記構成によれば、支持部は、バルブの最長径
部が通過するときに拡開し、バルブの挿抜を容易
に行わせ、またバルブを掴持するときは、バルブ
の最長径部の外側を支持又は挟持して該バルブを
コネクターハウジングの下面空間部に固定する。

〔実施例〕

以下、本考案に係るバルブソケツトの仮置き構
造の好適な実施例を図面に従つて説明する。

第１図乃至第４図は、本考案に係るバルブソケ
ツトの仮置き構造の第一の実施例を示すものであ
り、１は、概ね前方へ開口する複数の灯室２ａ，
２ｂを一体又は一体的に連設して成るボデイ、３
は、ボデイ１に固設され、灯室の前面開口を覆う
前面レンズであり、車体Ａへの組付時にボデイ１
の後面が前面レンズ３の車体Ａの側方へ回り込む
レンズ部分に対応する灯室２ａ部分と他の灯室２
ｂ部分とに分断されている。４は、灯室２ｂの後
部を覆うようにボデイ１に取り付けられるバツク
カバーであり、その下面側にバルブ受金５が固定
され、更に、このバルブ受金５にはバルブ６が着
脱自在に装着され、灯室２ｂの後部に開設された
挿通孔７を介して灯室２ｂ内に保持されている。

８は、灯室２ａ内に保持されるバルブ９を装着
するバルブソケツトであり、合成樹脂製のバルブ
受筒１０とバルブ受金１１とから成る。バルブ受
筒１０は、略円筒形を為しており、前部１０ａの
径が太く、また後部１０ｂの径が細く形成され、
該前部１０ａと後部１０ｂとの境界部には外方へ
突出した鍔１０ｃが一体成形されている。このバ
ルブソケツト８への配線コード１２は、ボデイ１
の外側を通つて車体Ａへの組付時に車体Ａの一部
によつて覆われることのないバツクカバー４側に
おいてコネクターを介してまとめられる。

１３は、ボデイ１の後面からこれと一体に突設
した一対のステイであり、先端間に雌雄一対と成
る上記コネクターの一方のハウジング１４を取り
付け、ボデイ１の後面とコネクターハウジング１
４の下面と２本のステイ１３によつて囲まれる空
間Ｂを形成する。この空間Ｂ内において、一側に
隔壁となるリブ１５を、また他方にはバルブ９の
支持部と成るリブ１６を、更にこのリブ１６の外
側にはバルブ受筒１０の前部１０ａを挟持してバ
ルブソケツト８の仮置き位置からのずれの発生を
防止する左右一対のボス１７を夫々相互に離間さ
せてボデイ１側から突設する。本実施例において
リブ１６は、その先端部とコネクターハウジング
１４の下面との間に形成される隙間Ｃがバルブ９
の最長径部の径長C′よりも小さく成るように形成
されており、その球状部９ａがリブ１５及び１６
とコネクターハウジング１４の下面との間の空間
Ｂ内に略収容されるように成る。他方コネクター
ハウジング１４は、上記一対のステイ１３の先端
上において、一側の取付縁１４ａをねじ止め固定
すると共に、他側の取付縁１４ｂを所定範囲内に
おいて上下移動自在に係止した状態で取り付けら
れる。したがつて、バルブソケツト８の挿抜に際
して、バルブ９がリブ１６を乗り越えようとする
と、コネクターハウジング１４が取付縁１４ｂ側
においてステイ１３上に持ち上げられ、バルブ９
の最長径部の通過を可能にする。このコネクター
ハウジング１４の取付縁１４ｂは、通常は一側の
取付縁１４ａの弾性力によりステイ１３上に圧接
しており、空間Ｂ内に収容されたバルブ９の球状
部９ａを適当な押圧力で挟持している。

第５図は、上記第一の実施例を変様した第二の
実施例を示すものであり、ボデイ１に対するリブ
１６の接合部を適当に肉抜き１６ａしてリブ１６
自体に前後方向への撓み弾性力を付与し、バルブ
ソケツト８の仮置きに際しては、コネクターハウ
ジング１４の左右両取付縁１４ａ，１４ｂをステ
イ１３上に固定したものである。

したがつて、バルブソケツト８の挿抜は、バル
ブ９の球状部９ａによりリブ１６を撓ませながら
行うことになる。

第６図は、本考案に係るバルブソケツトの仮置
き構造に関する第三の実施例を示すものであり、
上記リブ１６に代えて相互間隔Ｄがバルブ９の最
長径部の径長C′よりもやや挟小となる一対のボス
１６′を突設したものであり、該ボス１６′の弾性
力によりバルブ９の球状部９ａを挟持させるよう
にしたものである。即ち、バルブソケツト８の挿
抜は、バルブ９の球状部９ａにより一対のボス１
６′を拡開させながら行うことになる。

以上のように構成したバルブソケツトの仮置き
構造は、コンビネーシヨンランプにおいて他の灯
室と分断されて車体への組付時に該車体の一部に
よつて覆われる灯室に取り付けるバルブソケツト
の仮置きのためだけでなく、他の自動車用ランプ
のバルブソケツト又はスペア用のバルブソケツト
等の仮置き構造としても応用することができるも
のである。

〔考案の効果〕

本考案に係るバルブソケツトの仮置き構造は、
以上のように構成したから、バルブソケツトの鍔
部が該バルブソケツトに対する支持部の外側に位
置しており、したがつて、バルブソケツトの挿抜
により該鍔部が破損又は変形することがなく、か
つ挿抜操作も所望により簡単に行うことができる
ばかりでなく、製造工程における作業性を向上さ
せることができる等の特徴を有するものであり、
本考案実施後の実用的効果は極めて大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るバルブソケツトの仮置き
構造を有する自動車用コンビネーシヨンランプの
一部切欠した平面図、第２図はバルブソケツトの
構造を示す斜視図、第３図は本考案に係るバルブ
ソケツトの仮置き構造の第一の実施例を示すもの
であり、イは側面から見た要部縦断面図、ロは同
じく正面から見た要部縦断面図、第４図は同じく
第一の実施例においてバルブソケツトを抜出する
状態を示すものであり、イは側面から見た要部縦
断面図、ロは同じく正面から見た要部縦断面図、
第５図は同じく第二の実施例を示すものであり、
イはバルブソケツトを固定した状態の要部縦断面
図、ロはバルブソケツトを抜出する状態の要部縦
断面図、第６図は同じく第三の実施例を示すもの
であり、イは側面図、ロはコネクターハウジング
を取り外した状態の平面図、ハはバルブソケツト
を抜出する状態の平面図、第７図は従来のバルブ
ソケツトの仮置き構造を示すものであり、イは斜
視図、ロは側面図、ハはバルブソケツトを抜出す
る状態の側面図である。 １……ボデイ、２ａ，２ｂ……灯室、３……前
面レンズ、６，９……バルブ、８……バルブソケ
ツト、１３……ステイ、１４……コネクターハウ
ジング、１５，１６……リブ、１７……ボス、１
４ａ，１４ｂ……取付縁。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ボデイの後面から２本のステイを突設して該ス
   テイの先端間に雌雄一対のコネクターの一方のハ
   ウジングを取り付け、上記ボデイの後面とコネク
   ターハウジングの下面と２本のステイで囲まれる
   空間部内において、 一側に隔壁と成るリブを、また他側にはバルブ
   の支持部と成るリブを、更にこのリブの外側には
   バルブ受筒の前部を挟持してバルブソケツトの仮
   置き位置からのずれの発生を防止する左右一対の
   ボスを夫々相互に離間させてボデイ側から突設し
   たことを特徴とするバルブソケツトの仮置き構
   造。