JPH027737Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、手動ブレーキ装置に関し、特に二操
作解放型の手動ブレーキ装置に関する。

従来の二操作解放型手動ブレーキ装置は、第１
図に示すように、ブレーキケーブル１に接続され
るブレーキ操作用ロツド２と、このロツド２を嵌
合させてロツド２のブレーキ操作時の摺動および
回転を許容するガイドチユーブ８と、ロツド２先
端の握り部３に設けられるプツシユボタン４（第
４図参照）からロツド２の軸方向に形成された溝
２ａに係合する爪５に連結されるレリーズケーブ
ル６とをそなえ、このロツド２は、溝２ａに爪５
を係合することによつて、ブレーキ作動状態での
ロツド２の回転を阻止され、鉤部２ｂに固定用爪
７を係合することにより固定されている。

そして、第２図（第１図の−矢視断面図）
に示す溝２ａに爪５を係合させた状態から、解放
用プツシユボタン４を押圧することにより、レリ
ーズケーブル６を介し爪５を駆動して溝２ａから
離脱させ（第２図矢印Ａ参照）、次に第３図（第
１図の−矢視断面図）に示すように、握り部
３を矢印Ｂ方向へ回転して鉤部２ｂから固定用爪
７を離脱させる。

これらの操作により、ロツド２は図示しないば
ねの力でブレーキケーブル１の引張を緩めるよう
にガイドチユーブ８内を摺動し、ブレーキの解放
が行なわれる。

このような従来の自動車用二操作解放型の手動
ブレーキ装置では、手動操作によるロツド２の回
転、引き出しおよび押し入れに伴つて、レリーズ
ケーブル６が揺動してヒータダクト等の他部品に
干渉したり接触したりしないようにするため、第
１図に示すように、コイルスプリング９を用いて
レリーズケーブル６を一方向へ引張して支持した
り、レリーズケーブル６の近くに他の部品を設け
ないようにしたりしている。

ところが、装備仕様の多様化に伴い、手動ブレ
ーキ装置の周りに、油圧式クラツチペダル用マス
タシリンダのプツシユロツド等の他部品を装備す
る必要が生じてきており、これらの他部品を装備
すると、従来のように、コイルスプリング９でレ
リーズケーブル６を支持しても、レリーズケーブ
ル６の他部品への干渉、接触は避けられないとい
う問題点がある。

本考案は、このような問題点の解消をはかろう
とするもので、手動ブレーキの操作によるレリー
ズケーブルの可動範囲を適切に規制して、他部品
との干渉や接触を防止できるようにした、手動ブ
レーキ装置を提供することを目的とする。

このため、本考案の手動ブレーキ装置は、ブレ
ーキケーブルに接続されたブレーキ操作用ロツド
と、同ロツドを嵌合させて同ロツドのブレーキ操
作時の摺動および回転を許容するガイドチユーブ
とをそなえるとともに、上記ロツドの軸方向に形
成された溝に係合して同ロツドのブレーキ作動状
態での回転を阻止しうる爪と、ブレーキ解放時に
上記爪を駆動して上記溝から離脱させるべく上記
ガイドチユーブの外側に配置されたレリーズケー
ブルを介し上記爪に連結されて上記ロツドの握り
部に装着されたプツシユボタンとをそなえ、上記
レリーズケーブルの可動範囲を規制すべく、上記
ガイドチユーブの外周にガイドレールを立設し、
同ガイドレールが線材により形成され上記レリー
ズケーブルの軸線方向にわたつて上記レリーズケ
ーブルを遊嵌するよう弯曲して構成されているこ
とを特徴としている。

以下、図面により本考案の実施例としての手動
ブレーキ装置について説明すると、第５図はその
要部を示す側面図、第６図はそのブレーキ操作時
の作用を示す説明図である。

本考案の実施例では、第５図に示すように、ブ
レーキ操作用ロツド２が、ブレーキケーブル１に
接続され、ガイドチユーブ８によつてロツド２の
ブレーキ操作時の摺動および回転を許容されるよ
うに、同ガイドチユーブ８内に嵌合されている。

そして、ロツド２先端の握り部３に設けられる
プツシユボタン４（第４図参照）が、レリーズケ
ーブル６を介して、ロツド２の軸方向に形成され
た溝２ａに係合する解放用爪５に連結されてい
る。

なお、ロツド２は、溝２ａに爪５を係合される
ことによつて、ブレーキ作動状態での回転を阻止
され、鉤部２ｂに固定用爪７を係合することによ
つて固定される。

そして、レリーズケーブル６の可動範囲を規制
すべく、ガイド部材としてのガイドレール１０が
ガイドチユーブ８上に設けられ、レリーズケーブ
ル６を遊嵌している。

本考案の手動ブレーキ装置は上述のごとく構成
されるので、プツシユボタン４を押圧することに
よりレリーズケーブル６を介して爪５を駆動して
溝２ａから離脱させ、さらに握り部３を回転して
鉤部２ｂから固定用爪７を離脱させることによ
り、ブレーキの解放が行なわれる。

また、第６図に示すように、ロツド２を引き出
したり、押し入れたりすると、レリーズケーブル
６はガイドレール１０に沿つて移動することがで
きる。

これにより、手動ブレーキの操作時のロツド２
の回転、引き出しおよび押し入れに伴うレリーズ
ケーブル６の可動範囲が規制されるのである。

以上詳述したように、本考案の手動ブレーキ装
置によれば、レリーズケーブルの可動範囲を規制
すべくガイドチユーブの外周にガイドレールを立
設し、このガイドレールを線材により形成すると
共に、レリーズケーブルの軸線方向にわたつてレ
リーズケーブルを遊嵌するようガイドレールを弯
曲して構成しているので、軽量で且つ簡素な構成
によりレリーズケーブルの可動範囲を規制するこ
とができ、さらにガイドレールを配置するための
所要のスペースもごく僅かで、スペース効率にも
すぐれる利点がある。

また、ガイドレールがガイドチユーブの外周に
立設されるものであるため、ガイドレールを含ん
だサブアセンブリを予め組むことができ、車体側
にレリーズケーブルの拘束手段を設ける場合に比
べて車両への組付が簡単であるなどの利点もあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は従来の手動ブレーキ装置を示すも
ので、第１図はその説明図、第２，３図はそれぞ
れ第１図の−矢視線に沿うブレーキ解放前お
よびブレーキ解放後の断面図、第４図は第１図の
矢視図であり、第５，６図は本考案の実施例と
しての手動ブレーキ装置を示すもので、第５図は
その要部を示す側面図、第６図はそのブレーキ操
作時の作用を示す説明図である。 １……ブレーキケーブル、２……ブレーキ操作
用ロツド、２ａ……溝、２ｂ……鉤部、３……握
り部、４……解放用プツシユボタン、５……爪、
６……レリーズケーブル、７……固定用爪、８…
…ガイドチユーブ、９……コイルスプリング、１
０……ガイド部材としてのガイドレール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブレーキケーブルに接続されたブレーキ操作用
   ロツドと、同ロツドを嵌合させて同ロツドのブレ
   ーキ操作時の摺動および回転を許容するガイドチ
   ユーブとをそなえるとともに、上記ロツドの軸方
   向に形成された溝に係合して同ロツドのブレーキ
   作動状態での回転を阻止しうる爪と、ブレーキ解
   放時に上記爪を駆動して上記溝から離脱させるべ
   く上記ガイドチユーブの外側に配置されたレリー
   ズケーブルを介し上記爪に連結されて上記ロツド
   の握り部に装着されたプツシユボタンとをそな
   え、上記レリーズケーブルの可動範囲を規制すべ
   く、上記ガイドチユーブの外周にガイドレールを
   立設し、同ガイドレールが線材により形成され上
   記レリーズケーブルの軸線方向にわたつて上記レ
   リーズケーブルを遊嵌するよう弯曲して構成され
   ていることを特徴とする、手動ブレーキ装置。