JPH02749Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業分野 この考案は、静電転写式電子写真複写機におい
て、磁気ブラシ現像を行なう静電現像用永久磁石
ロールの改良に係り、現像剤の搬送能力を高めた
静電現像用永久磁石ロールに関する。

背景技術 静電現像用永久磁石ロールの代表的な構成は第
３図に示す如く、非磁性円筒状スリーブ１内に、
磁石構成体２が回転軸５に軸支されて相対的に回
転自在に内蔵されており、磁石構成体２は、外周
軸方向に嵌着溝を複数条設けた非磁性体の円柱状
支持部材３と、その嵌着溝に着設した複数本の角
柱状の永久磁石４とからなる。

上記の永久磁石４には、長尺一体の角柱状で、
磁気特性の観点から厚み方向に異方性を有する異
方性フエライト磁石が多用されている。

一方、主にコスト低減を目的として、比較的磁
力が低くても該永久磁石ロールの機能を損うこと
のない補助極部には、製造が容易かつ安価なゴム
磁石や樹脂磁石を使用する構成も提案されてい
る。

この樹脂磁石を使用する場合、樹脂磁石の磁気
特性が異方性フエライト磁石に比べて劣るため、
スリーブ表面での磁束密度を上げるには、同一幅
であれば、厚みを増しかつスリーブに近接させる
必要があり、軽量，小径化が求められる今日で
は、樹脂磁石をさらに大きくすることは困難であ
る。また、上記の如く、磁束密度の最高値を異方
性フエライト磁石と同程度にしても、磁束密度分
布すなわち、磁気波形が細くなり、現像剤の捕捉
力が低下し、現像剤搬送性を低下させる問題があ
つた。

考案の目的 この考案は、静電現像用永久磁石ロールにゴム
磁石あるいは樹脂磁石を使用するに際し、現像剤
の搬送能力が低下するのを防止し、ゴム磁石ある
いは樹脂磁石の使用にともなう種々の利点が得ら
れる静電現像用永久磁石ロールを目的としてい
る。

考案の構成と効果 この考案は、使用するゴム磁石または樹脂磁石
の寸法を大きくすることなく、スリーブ表面での
磁束密度ならびに磁束密度分布を改善できる磁石
形状を種々検討した結果、スリーブ内周面に対向
する側の磁石幅が軸中心側の幅より非連続で広く
することにより、異方性フエライト磁石に劣らな
い磁気特性が得られ、静電現像用永久磁石ロール
としての現像剤搬送能力が向上することを知見し
たものである。

すなわち、この考案は、非磁性円筒状スリーブ
内に、複数本の長尺一体永久磁石を軸中心から放
射位置に軸方向に配置した磁石構成体を、同軸に
相対的に回転自在に内蔵した静電現像用永久磁石
ロールにおいて、長尺一体永久磁石のうち少なく
とも１本を、スリーブ内周面に対向する側の磁石
幅が軸中心側の幅より非連続で広くした断面形状
のゴム磁石または樹脂磁石から構成したことを特
徴とする静電現像用永久磁石ロールである。

この考案において、ゴム磁石及び樹脂磁石は、
公知のゴム、フラスチツク磁石が適用でき、所要
磁束密度や寸法に応じて、材質等を適宜選定すれ
ばよい。

ゴム磁石や樹脂磁石の断面形状は、スリーブ内
周面に対向する側の磁石幅が軸中心側の幅より非
連続で広い形状であればよく、略台形を除く趣旨
である。

また、磁石構成体の構造は、実施例の構成のほ
か、回転軸から放射位置の軸方向に永久磁石が配
置装着できれば、いかなる構成でも適用できる。

さらに、磁石構成体の複数の長尺一体永久磁石
のすべてに、ゴム磁石や樹脂磁石を用いる必要は
なく、所要の磁気特性や相互の磁気特性に応じて
設定個所を選定すればよい。

実施例 第１図はこの考案による静電現像用永久磁石ロ
ールの縦断説明図であり、第２図はこの考案によ
る樹脂磁石の側面図である。

この考案による静電現像用永久磁石ロールは、
非磁性円筒状スリーブ１内に、磁石構成体２が回
転軸５に軸支されて相対的に回転自在に内蔵され
ており、磁石構成体２は、外周軸方向に嵌着溝を
３条設けた非磁性体からなる円柱状支持部材３
と、その嵌着溝に着設した３本の長尺一体の永久
磁石とからなる。

永久磁石には、角柱状の長尺一体の異方性フエ
ライト磁石６と、この磁石６を挾んだ該支持部材
３の直径方向の対象位置に、一対の樹脂磁石７を
嵌着配置してある。

樹脂磁石７は断面が略Ｔ字型を形成しており、
スリーブ１の内周面に対抗する側の長手側面幅
が、円柱状支持部材３の嵌着溝に嵌入する回転軸
５側長手側面の幅より、非連続的で、１段階で広
くしてある。

この樹脂磁石７に変えて、例えば、第２図ａ図
のように、樹脂磁石７と全く同形で、嵌着溝側の
底面部に磁性薄板を設けた樹脂磁石８とするほ
か、樹脂磁石７と同形の略Ｔ字型で、嵌着溝より
突出しているフランジ部分を、第２図ｂ図のよう
に、スリーブ１内周面に対向する側面を円弧面に
した樹脂磁石９や、同ｃ図の如く、嵌着溝に嵌入
する部分から外向側面まで部分を連続面で構成し
た樹脂磁石１０を用いても、同等である。

この考案の構成による永久磁石ロールとするこ
とにより、樹脂磁石を用いた極部分も、異方性フ
エライト磁石を用いた極部分に劣らない磁気特性
が得られ、静電現像用永久磁石ロールとしての現
像剤搬送能力が向上する。

上記の例のほか、この考案による樹脂磁石を用
いて、磁石構成体を中空構成とするのもよい。例
えば、主極に角柱状の長尺一体の異方性フエライ
ト磁石を用い、補助極には長尺一体の樹脂磁石を
用い、異方性フエライト磁石の回転中心軸側の側
面に、磁石を挾持するための複数の爪を突設した
磁性薄板を嵌着し、また、一対の樹脂磁石には、
その回転中心軸側の側面に、複数個所にバーリン
グ穴が穿孔された磁性薄板を一体に設けた構成と
なし、さらに、合成樹脂性の短円柱材からなり、
外周面に樹脂磁石の端部が嵌入する溝部を設け、
軸中心部に鉄製回転軸を嵌入した軸支部材に、異
方性フエライト磁石及び樹脂磁石の両端部が保持
されて、磁石構成体を形成してもよい。

上記構成の場合に、非磁性材スリーブを、イン
パクト成型により円筒体の一方端面を一体に閉塞
した物を用い上記磁石構成体は、非磁性材スリー
ブ内において、閉塞側が軸受で、開放側が嵌着さ
れるフランジ部材の軸受に各々軸支させる構成と
してもよい。該スリーブにおいて、スリーブに現
像能力を高めるため、バイアス電圧を印加する
が、軽量化、低価格化のために、軸支部材及び１
個しかないフランジ部材が導通性のない合成樹脂
で作製される場合、鉄製回転軸と磁性薄板とを軸
支部材近辺で導通接続することにより、該薄板を
介してスリーブの閉塞側の軸受よりスリーブへ導
通させるとよい。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による静電現像用永久磁石ロ
ールの縦断説明図であり、第２図はこの考案によ
る樹脂磁石の側面図である。第３図は従来の静電
現像用永久磁石ロールの縦断説明図である。 １……非磁性体スリーブ、２……磁石構成体、
３……円柱状支持部材、４……永久磁石、５……
回転軸、６……異方性フエライト磁石、７，８，
９，１０……樹脂磁石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 非磁性円筒状スリーブ内に、複数本の長尺一体
   永久磁石を軸中心から放射位置に軸方向に配置し
   た磁石構成体を、同時に相対的に回転自在に内蔵
   した静電現像用永久磁石ロールにおいて、長尺一
   体永久磁石のうち少なくとも１本を、スリーブ内
   周面に対向する側の磁石幅が軸中心側の幅より非
   連続で広くした断面形状のゴム磁石または樹脂磁
   石から構成したことを特徴とする静電現像用永久
   磁石ロール。