JPH027375B2 - - Google Patents
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- JPH027375B2 JPH027375B2 JP21384582A JP21384582A JPH027375B2 JP H027375 B2 JPH027375 B2 JP H027375B2 JP 21384582 A JP21384582 A JP 21384582A JP 21384582 A JP21384582 A JP 21384582A JP H027375 B2 JPH027375 B2 JP H027375B2
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、銅電解アノードスライムを脱セレン
処理する方法に関し、更に詳しくは銅電解アノー
ドスライムを乾式脱セレン処理後脱銅処理する際
の脱セレン処理する方法の改良に関する。 銅電解スライムは銅の電解精製の際に、陽極粗
銅中に含まれた不純物のうち主として電解液に不
溶な成分からなり、電解槽の底に沈積したり陽極
粗銅に残留付着したりなどしている。このスライ
ムの中には、金、銀、セレン、テルル、鉛、白金
族金属などの有価金属を含有している外、銅もか
なり随伴している。 これらの有価金属を回収するための処理方法
は、数多く採用されていて夫々若干の相違はある
が、一般的には脱銅、脱セレン、熔殿、分銀、金
銀電解の各工程から構成されており、熔殿工程で
スライム中の金銀等貴金属を鉛に吸収させる以前
に、スライム中に比較的量の多い銅、セレンを分
離するようにし、それらを回収することにより、
後の工程が複雑とならないように操作されてい
る。 この脱銅、脱セレンの処理方法として、次のよ
うな方法が採用されているか提案されている。 (1) 常圧の容器内で、稀硫酸を用い空気を吹き込
んで銅電解スライムを処理して銅を溶出させ
(脱銅)、生成した残渣を600〜800℃で酸化焙焼
しセレンを二酸化セレンとして揮発させる(脱
セレン)。 (2) 銅電解スライムを濃硫酸と混合加熱し、濃硫
酸の酸化作用で含有される銅を酸化し硫酸銅と
した後、水抽出して抽出液中に銅を溶出させ
(脱銅)、生成した残渣を(1)で述べたように脱セ
レンする。 (3) (2)において、銅電解スライムを濃硫酸と混合
加熱する際、温度をより高温にすることによつ
て、セレンを二酸化セレンとして揮発させ(脱
セレン)、その後(2)で述べたように脱銅する。 (4) 高温(120〜130℃程度)高圧の容器内で、(1)
で述べたように処理して、脱銅後脱セレンす
る。 (5) 高温(200℃程度)高圧の容器内で、稀硫酸
を用い空気を吹き込んで銅電解スライムを処理
して銅とセレンとを同時に溶出させる(脱銅、
脱セレン)。 (6) 高温(200℃程度)高圧の容器内で、酸素を
作用させ、銅、セレンを充分酸化した後、排出
スラリーに硫酸を加え、稀硫酸中に銅とセレン
とを同時に溶出させる(脱銅、脱セレン)。 (7) 銅電解スライムを600〜800℃で酸化焙焼しセ
レンを二酸化セレンとして揮発させ(脱セレ
ン)、焼鉱を稀硫酸抽出する(脱銅)。 これらの方法のうち、(7)の方法は、上記(1)の方
法のように脱銅処理に長時間を要することがな
く、また、上記(2)および(3)の方法のように濃硫酸
の使用量が比較的多量に必要とされることがない
上に、上記処理装置が腐蝕などで長もちしないと
いうようなことがなく、更に、上記(4)、(5)および
(6)の方法のように高温高圧の密閉容器を操作する
ことに伴なう保安上の問題がないなどの他、比較
的簡明で操業がし易いという長所を有している。 しかしながら、上記(7)の方法においては、脱セ
レン処理する際、銅電解スライムが焼結したり溶
融したりし易く、脱セレン能力を低下させるばか
りでなく、次の脱銅処理における脱銅能力をも低
下させているのが一般的である。 上記銅電解スライムの焼結や溶融の防止につい
ては、従来硅石などの粉をまぶして添加するとい
う、敢えて不純物を添加したり複雑な工程にする
ような方法などが提案されている。 しかしながら、これらの方法は、それら提案に
よつて得られる効果が明瞭でないばかりか銅電解
スライムの焼結溶融の防止が確実に達成できない
ため、実際操業では余り採用されていないのが現
状である。 本発明は、上記の点に鑑み、銅電解スライムを
酸化焙焼して脱セレン処理する際、これを、該ス
ライムを焼結させたり溶融させたりすることなく
行ない、効率よく脱セレンを行なうと共に、その
後の、得られた焼鉱を稀硫酸抽出処理して行なう
脱銅をも効率よく行なうことができる方法を提供
することを目的とする。 すなわち、本発明は銅電解スライムを、600〜
800℃の温度で酸化焙焼し該スライム中に含有さ
れるセレンを二酸化セレンとして揮発させる脱セ
レン処理を行なつた後、得られた焼鉱を稀硫酸抽
出して脱銅処理を行なう方法において、前記脱セ
レン処理を、300〜600℃の間を30分以上掛けて昇
温させた後、600〜800℃に加熱して行なうように
構成したものである。 以下本発明に関し、更に詳細に説明する。 処理すべき銅電解スライムは、先ず、遠心分離
器などで脱水し、造粒機で粒状とし、そして乾燥
器で乾燥する。こうして得られた乾燥銅電解スラ
イムは、焙焼炉に装入し、300〜600℃の間を30分
以上掛けて昇温させながら酸化焙焼を行ない、そ
の後、600〜800℃の酸化焙焼温度までは自由に昇
温させて酸化焙焼を行なう。この際、採用する焙
焼炉は、回転式、多段式、流動式、静置式などい
ずれの形式のものでもよく、酸化雰囲気について
も、通常通りでよい。また、300〜600℃の酸化焙
焼の際の炉内雰囲気温度は、装入時300〜500℃程
度、装入後30分経過時400〜600℃程度が望まし
く、また300〜600℃の所要時間は比較的長時間を
掛ける方が望ましい。その後に行なう600〜800℃
の酸化焙焼は従来と同様でよく、これによつて銅
電解スライムの焼結もしくは溶融をほとんど起こ
すことなく効率よく脱セレンができ、更には、そ
の後の稀硫酸による脱銅をも効率よく行なうこと
ができる。このような効果が得られる理由につい
ては、恐らく、300〜600℃の間で起ると思われ
る、種々元素が関与する酸化物等の化合物の生成
反応による熱の発生および放散が適宜行なわれ
て、銅電解スライムの焼結もしくは溶融を起こし
難くしているものと推察される。 このようにして得られた焼鉱は、次に混合、粉
砕され、更に稀硫酸による銅抽出処理が行なわれ
るが、この処理は通常の方法、例えば、硫酸使用
量は通常の焼鉱(銅15〜30重量%)に対し約1〜
1.3の重量比(濃硫酸換算)、温度は60〜80℃で行
なえばよい。 なお、上記した中で、300〜600℃の酸化焙焼を
行なう前に造粒したり、600〜800℃の酸化焙焼を
行なつた後に粉砕したりなどすることによつて
は、上記300〜600℃の酸化焙焼による効果は実質
的に影響を受けるものではない。 以下実施例について説明する。 実施例 1 付着した電解液を遠心分離機で脱液し水洗浄し
た後、粒度20〜4メツシユになる様に篩分した、
Cu20.7%、Se8.64%、Te1.74%、Ag14.0%(い
ずれも重量%)の分析値を有する銅電解スライム
750g(乾量)を、内径200mmφで外部電気加熱に
よる回転焙焼炉に400℃で装入し(炉内のスライ
ム占有率約10%)、空気を9/minの割合で通
気しながら、炉温を1時間で直線的に520℃まで
昇温させた。炉の回転温度は周速で約1m/min
であつた。 その後、炉温を急速に(約15分)700℃まで昇
温させ、その温度で1時間焙焼した。空気通気量
および炉回転速度はそのままとした。 この結果、焼鉱は612g得られ、その外観は焙
焼炉装入時とほぼ同様であり、焼結もしくは溶融
を起つた現象はほとんど認められなかつた。この
焼鉱中、4メツシユ篩上が0.5重量%あつた。ま
た、焼鉱のSe品位は0.2重量%で、供試銅電解ス
ライム中の全セレンの98%が揮発除去された。 次に、このような焼鉱500gを軽く粉砕し、硫
酸250g/を含む稀硫酸2.5と80℃で2時間反
応させた。この結果、Cuを42.4g/含有する抽
出液3.3(抽出残渣の洗浄水を含む)とCuを
0.51重量%含有する抽出残渣158.8gが得られ、
銅抽出(脱銅)率は99.4%であつた。 実施例 2 付着した電解液を遠心分離器で脱液し水洗浄し
た後、粒度5mm以下100%になる様に篩分した、
Cu20.7%、Se5.73%、Te4.04%、Ag8.43%(い
ずれも重量%)の分析値を有する銅電解スライム
100Kg(乾量)を、内径900mmφで外部灯油燃焼加
熱による回転焙焼炉に400℃で装入し(炉中のス
ライム占積率約10%)、空気を風速3m/minの
割合で通気しながら、炉温を1時間で直線的に
600℃まで昇温させた。炉の回転温度は周速で約
1m/minであつた。 その後、炉温を同様の速度で700℃まで昇温さ
せ、その温度で30分焙焼した。空気通気量および
炉回転速度はそのままとした。 この結果、焼鉱は87Kg得られ、その外観は、焙
焼炉装入時と比較し粒子形状が僅か丸味を帯びて
いる程度以外は、ほぼ同様であつた。この焼鉱
中、5mm篩上が2重量%あつた。また、焼鉱の
Se品位は0.46重量%で、供試銅電解スライム中の
全セレンの93%が揮発除去された。 更に、銅電解スライム処理量を150Kgにし、そ
れ以外は全く上記と同様に再び処理した。但し、
炉中のスライム占積率は約15%である。 この結果、焼鉱は125Kg得られ、その外観は、
焙焼炉装入時と比較しほとんど差が見られなかつ
た。この焼鉱中、5mm篩上が4重量%あつた。ま
た、焼鉱のSe品位は0.45重量%で、供試銅電解ス
ライム中の全セレンの93.5%が揮発除去された。 上記二処理で得られた焼鉱を混合粉砕して得
た、Cuを23.8重量%含有する粉砕物199.4Kgを、
硫酸250g/を含む稀硫酸1m2の入つた鉛ホモ
ゲン槽に入れ、80℃の蒸気加熱で3時間反応させ
た。その後、フイルタープレスで固液分離して、
Cuを35.0g/含有する抽出液1.21m2(プレス洗
浄水を含む)とCuを0.8重量%含有する抽出残渣
72.3Kgを得た(銅抽出率98.6%)。 実施例 3 銅電解スライムの加熱パターンを第1表のよう
にした以外は、全く実施例1と同様に、脱セレン
及び脱銅処理した。 得られた結果を第1表に示す。 以上の結果より明らかなように、本発明は、簡
明な加熱パターンを追加するという単純な操作
で、銅電解スライムから著しく高い効率で脱セレ
ン及び脱銅ができる極めて工業的に優れた方法で
ある。 【表】
処理する方法に関し、更に詳しくは銅電解アノー
ドスライムを乾式脱セレン処理後脱銅処理する際
の脱セレン処理する方法の改良に関する。 銅電解スライムは銅の電解精製の際に、陽極粗
銅中に含まれた不純物のうち主として電解液に不
溶な成分からなり、電解槽の底に沈積したり陽極
粗銅に残留付着したりなどしている。このスライ
ムの中には、金、銀、セレン、テルル、鉛、白金
族金属などの有価金属を含有している外、銅もか
なり随伴している。 これらの有価金属を回収するための処理方法
は、数多く採用されていて夫々若干の相違はある
が、一般的には脱銅、脱セレン、熔殿、分銀、金
銀電解の各工程から構成されており、熔殿工程で
スライム中の金銀等貴金属を鉛に吸収させる以前
に、スライム中に比較的量の多い銅、セレンを分
離するようにし、それらを回収することにより、
後の工程が複雑とならないように操作されてい
る。 この脱銅、脱セレンの処理方法として、次のよ
うな方法が採用されているか提案されている。 (1) 常圧の容器内で、稀硫酸を用い空気を吹き込
んで銅電解スライムを処理して銅を溶出させ
(脱銅)、生成した残渣を600〜800℃で酸化焙焼
しセレンを二酸化セレンとして揮発させる(脱
セレン)。 (2) 銅電解スライムを濃硫酸と混合加熱し、濃硫
酸の酸化作用で含有される銅を酸化し硫酸銅と
した後、水抽出して抽出液中に銅を溶出させ
(脱銅)、生成した残渣を(1)で述べたように脱セ
レンする。 (3) (2)において、銅電解スライムを濃硫酸と混合
加熱する際、温度をより高温にすることによつ
て、セレンを二酸化セレンとして揮発させ(脱
セレン)、その後(2)で述べたように脱銅する。 (4) 高温(120〜130℃程度)高圧の容器内で、(1)
で述べたように処理して、脱銅後脱セレンす
る。 (5) 高温(200℃程度)高圧の容器内で、稀硫酸
を用い空気を吹き込んで銅電解スライムを処理
して銅とセレンとを同時に溶出させる(脱銅、
脱セレン)。 (6) 高温(200℃程度)高圧の容器内で、酸素を
作用させ、銅、セレンを充分酸化した後、排出
スラリーに硫酸を加え、稀硫酸中に銅とセレン
とを同時に溶出させる(脱銅、脱セレン)。 (7) 銅電解スライムを600〜800℃で酸化焙焼しセ
レンを二酸化セレンとして揮発させ(脱セレ
ン)、焼鉱を稀硫酸抽出する(脱銅)。 これらの方法のうち、(7)の方法は、上記(1)の方
法のように脱銅処理に長時間を要することがな
く、また、上記(2)および(3)の方法のように濃硫酸
の使用量が比較的多量に必要とされることがない
上に、上記処理装置が腐蝕などで長もちしないと
いうようなことがなく、更に、上記(4)、(5)および
(6)の方法のように高温高圧の密閉容器を操作する
ことに伴なう保安上の問題がないなどの他、比較
的簡明で操業がし易いという長所を有している。 しかしながら、上記(7)の方法においては、脱セ
レン処理する際、銅電解スライムが焼結したり溶
融したりし易く、脱セレン能力を低下させるばか
りでなく、次の脱銅処理における脱銅能力をも低
下させているのが一般的である。 上記銅電解スライムの焼結や溶融の防止につい
ては、従来硅石などの粉をまぶして添加するとい
う、敢えて不純物を添加したり複雑な工程にする
ような方法などが提案されている。 しかしながら、これらの方法は、それら提案に
よつて得られる効果が明瞭でないばかりか銅電解
スライムの焼結溶融の防止が確実に達成できない
ため、実際操業では余り採用されていないのが現
状である。 本発明は、上記の点に鑑み、銅電解スライムを
酸化焙焼して脱セレン処理する際、これを、該ス
ライムを焼結させたり溶融させたりすることなく
行ない、効率よく脱セレンを行なうと共に、その
後の、得られた焼鉱を稀硫酸抽出処理して行なう
脱銅をも効率よく行なうことができる方法を提供
することを目的とする。 すなわち、本発明は銅電解スライムを、600〜
800℃の温度で酸化焙焼し該スライム中に含有さ
れるセレンを二酸化セレンとして揮発させる脱セ
レン処理を行なつた後、得られた焼鉱を稀硫酸抽
出して脱銅処理を行なう方法において、前記脱セ
レン処理を、300〜600℃の間を30分以上掛けて昇
温させた後、600〜800℃に加熱して行なうように
構成したものである。 以下本発明に関し、更に詳細に説明する。 処理すべき銅電解スライムは、先ず、遠心分離
器などで脱水し、造粒機で粒状とし、そして乾燥
器で乾燥する。こうして得られた乾燥銅電解スラ
イムは、焙焼炉に装入し、300〜600℃の間を30分
以上掛けて昇温させながら酸化焙焼を行ない、そ
の後、600〜800℃の酸化焙焼温度までは自由に昇
温させて酸化焙焼を行なう。この際、採用する焙
焼炉は、回転式、多段式、流動式、静置式などい
ずれの形式のものでもよく、酸化雰囲気について
も、通常通りでよい。また、300〜600℃の酸化焙
焼の際の炉内雰囲気温度は、装入時300〜500℃程
度、装入後30分経過時400〜600℃程度が望まし
く、また300〜600℃の所要時間は比較的長時間を
掛ける方が望ましい。その後に行なう600〜800℃
の酸化焙焼は従来と同様でよく、これによつて銅
電解スライムの焼結もしくは溶融をほとんど起こ
すことなく効率よく脱セレンができ、更には、そ
の後の稀硫酸による脱銅をも効率よく行なうこと
ができる。このような効果が得られる理由につい
ては、恐らく、300〜600℃の間で起ると思われ
る、種々元素が関与する酸化物等の化合物の生成
反応による熱の発生および放散が適宜行なわれ
て、銅電解スライムの焼結もしくは溶融を起こし
難くしているものと推察される。 このようにして得られた焼鉱は、次に混合、粉
砕され、更に稀硫酸による銅抽出処理が行なわれ
るが、この処理は通常の方法、例えば、硫酸使用
量は通常の焼鉱(銅15〜30重量%)に対し約1〜
1.3の重量比(濃硫酸換算)、温度は60〜80℃で行
なえばよい。 なお、上記した中で、300〜600℃の酸化焙焼を
行なう前に造粒したり、600〜800℃の酸化焙焼を
行なつた後に粉砕したりなどすることによつて
は、上記300〜600℃の酸化焙焼による効果は実質
的に影響を受けるものではない。 以下実施例について説明する。 実施例 1 付着した電解液を遠心分離機で脱液し水洗浄し
た後、粒度20〜4メツシユになる様に篩分した、
Cu20.7%、Se8.64%、Te1.74%、Ag14.0%(い
ずれも重量%)の分析値を有する銅電解スライム
750g(乾量)を、内径200mmφで外部電気加熱に
よる回転焙焼炉に400℃で装入し(炉内のスライ
ム占有率約10%)、空気を9/minの割合で通
気しながら、炉温を1時間で直線的に520℃まで
昇温させた。炉の回転温度は周速で約1m/min
であつた。 その後、炉温を急速に(約15分)700℃まで昇
温させ、その温度で1時間焙焼した。空気通気量
および炉回転速度はそのままとした。 この結果、焼鉱は612g得られ、その外観は焙
焼炉装入時とほぼ同様であり、焼結もしくは溶融
を起つた現象はほとんど認められなかつた。この
焼鉱中、4メツシユ篩上が0.5重量%あつた。ま
た、焼鉱のSe品位は0.2重量%で、供試銅電解ス
ライム中の全セレンの98%が揮発除去された。 次に、このような焼鉱500gを軽く粉砕し、硫
酸250g/を含む稀硫酸2.5と80℃で2時間反
応させた。この結果、Cuを42.4g/含有する抽
出液3.3(抽出残渣の洗浄水を含む)とCuを
0.51重量%含有する抽出残渣158.8gが得られ、
銅抽出(脱銅)率は99.4%であつた。 実施例 2 付着した電解液を遠心分離器で脱液し水洗浄し
た後、粒度5mm以下100%になる様に篩分した、
Cu20.7%、Se5.73%、Te4.04%、Ag8.43%(い
ずれも重量%)の分析値を有する銅電解スライム
100Kg(乾量)を、内径900mmφで外部灯油燃焼加
熱による回転焙焼炉に400℃で装入し(炉中のス
ライム占積率約10%)、空気を風速3m/minの
割合で通気しながら、炉温を1時間で直線的に
600℃まで昇温させた。炉の回転温度は周速で約
1m/minであつた。 その後、炉温を同様の速度で700℃まで昇温さ
せ、その温度で30分焙焼した。空気通気量および
炉回転速度はそのままとした。 この結果、焼鉱は87Kg得られ、その外観は、焙
焼炉装入時と比較し粒子形状が僅か丸味を帯びて
いる程度以外は、ほぼ同様であつた。この焼鉱
中、5mm篩上が2重量%あつた。また、焼鉱の
Se品位は0.46重量%で、供試銅電解スライム中の
全セレンの93%が揮発除去された。 更に、銅電解スライム処理量を150Kgにし、そ
れ以外は全く上記と同様に再び処理した。但し、
炉中のスライム占積率は約15%である。 この結果、焼鉱は125Kg得られ、その外観は、
焙焼炉装入時と比較しほとんど差が見られなかつ
た。この焼鉱中、5mm篩上が4重量%あつた。ま
た、焼鉱のSe品位は0.45重量%で、供試銅電解ス
ライム中の全セレンの93.5%が揮発除去された。 上記二処理で得られた焼鉱を混合粉砕して得
た、Cuを23.8重量%含有する粉砕物199.4Kgを、
硫酸250g/を含む稀硫酸1m2の入つた鉛ホモ
ゲン槽に入れ、80℃の蒸気加熱で3時間反応させ
た。その後、フイルタープレスで固液分離して、
Cuを35.0g/含有する抽出液1.21m2(プレス洗
浄水を含む)とCuを0.8重量%含有する抽出残渣
72.3Kgを得た(銅抽出率98.6%)。 実施例 3 銅電解スライムの加熱パターンを第1表のよう
にした以外は、全く実施例1と同様に、脱セレン
及び脱銅処理した。 得られた結果を第1表に示す。 以上の結果より明らかなように、本発明は、簡
明な加熱パターンを追加するという単純な操作
で、銅電解スライムから著しく高い効率で脱セレ
ン及び脱銅ができる極めて工業的に優れた方法で
ある。 【表】
Claims (1)
- 1 銅電解スライムを、600〜800℃の温度で酸化
焙焼し該スライム中に含有されるセレンを二酸化
セレンとして揮発させる脱セレン処理を行なつた
後、得られた焼鉱を稀硫酸抽出して脱銅処理を行
なう方法において、前記脱セレン処理を、300〜
600℃の間を30分以上掛けて昇温させた後、600〜
800℃に加熱して行なうことを特徴とする銅電解
スライムからの脱セレン方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57213845A JPS59104439A (ja) | 1982-12-08 | 1982-12-08 | 銅電解スライムからの脱セレン方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57213845A JPS59104439A (ja) | 1982-12-08 | 1982-12-08 | 銅電解スライムからの脱セレン方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59104439A JPS59104439A (ja) | 1984-06-16 |
JPH027375B2 true JPH027375B2 (ja) | 1990-02-16 |
Family
ID=16645965
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57213845A Granted JPS59104439A (ja) | 1982-12-08 | 1982-12-08 | 銅電解スライムからの脱セレン方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59104439A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS616101A (ja) * | 1984-06-20 | 1986-01-11 | Shinko Kagaku Kogyo Kk | スクラツプ合金から有価物を回収する方法 |
FI116684B (fi) * | 2003-09-23 | 2006-01-31 | Outokumpu Oy | Menetelmä anodiliejun käsittelemiseksi |
JP6708065B2 (ja) * | 2016-09-05 | 2020-06-10 | 三菱マテリアル株式会社 | テルルの分離回収方法 |
-
1982
- 1982-12-08 JP JP57213845A patent/JPS59104439A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59104439A (ja) | 1984-06-16 |
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