JPH0270758A - 艶消し表面を有する熱可塑性樹脂多層板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、照明カバー、看板、デイスプレー等に好適な
艶消し表面を有する熱可塑性樹脂多層板に関する。

〔従来の技術〕

熱可塑性樹脂板はその優れた耐候性、加工性の故に、幅
広い用途に使用されており、種々の特性が要求されてい
る。表面光沢の少い、謂ゆる艶消し状態を有する樹脂板
に対する要求もその一つである。艶消し表面を有する熱
可塑性樹脂板は、その表面の凹凸性状によって、太陽光
や照明光を拡散させる光拡散効果、防眩効果を有すると
同時に視覚的な柔らかさと高級感を与えるものとして、
照明カバー、デイスプレー、グレージング等の用途に最
近その利用が急速に増えてきている。これらの用途に対
しては、エネルギー効率のよいこと、すなわち高い全光
線透過率を有すること、照明カバーにおいては内部の光
源が透けて見えないこと、グレージングにおいては室内
が透けて見えないことなど特性が要求されている。

艶消し表面を有する熱可塑性樹脂板を製造する方法とし
ては、 １、　エンボスロール、エンボス型材等により熱可塑性
樹脂の表面に微細な凹凸を賦形する方法２、熱可塑性樹
脂、にタルク粉体、タルク徽粉体および硫酸バリウム等
の艶消剤を配合して、混練押出しする方法（特開昭５３
−１４７７４８号公報、特公昭６２−４１５３５号公報
参照） 等を挙げることができる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記１）のエンボスロールによる賦形方
法では、この方法で得られた板を照明カバーの用途のよ
うにプレス加工、真空加工等の成形加工を行なう場合に
は、熱によって表面の微細凹凸が平滑化してしまう、い
わゆる「艶戻り」現象を起こし、成形品の表面光沢度が
高くなるという欠点があった。

また、２）のタルク等の無機微粉末を配合して混練押出
しする方法では、前記艶戻り現象以外にタルク等の無機
微粉末の添加量を増して透けないようにすると板の全光
線透過率が著しく低下してエネルギー効率が悪くなり、
さらに色調においても黄味が増加したり配合無機微粉末
の凝集物が板表面に表われたりして外観の美麗うが損な
われるなどの問題点を有していた。

本発明は、このような従来の解決すべき課題に着してな
されたもので、プレス加工、真空加工等通常の加熱成形
加工においても艷戻り現象を起こすことがなく、すぐれ
た艶消し表面を有する熱可塑性樹脂板を得ることを目的
とし、更には前記艶戻り現象を起こすことがなく、かつ
高い全光線透過率を有し透けることのない、すぐれた艶
消し表面を有する熱可塑性樹脂板を得ることを目的とし
ている。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者等は、艶戻り現象を起こすことがなく、かつ高
い全光線透過率においても透けることがない技術につい
て鋭意研究を進めた結果、アスペクト比が大で高濃度添
加ができ、全光線透過率を大巾に低下させることのない
白雲母微粉体を配合した樹脂層を樹脂板の少なくとも一
つの表面に配することにより可能であることを見い出し
、本発明を完成した。

すなわち、上記目的は本発明によれば、多層板の少なく
とも一つの表面層が、熱可塑性樹脂１００重量部に対し
て、白雲母微粉体を１〜２０重量部含有する樹脂層であ
る、艶消し表面を有する熱可塑性樹脂多層板によって達
成される。

〔作用〕

本発明でいう多層板とは、共押出成形法で得られるシー
トおよび基材樹脂板にフィルムをラミネートして得られ
るシートをいう。

本発明の熱可塑性樹脂の語は、通常の意味で使用される
ものであり、特に制限はない。好ましく使用されるもの
としては、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、ＭＳ樹脂等を挙げるこ
とができる。これら熱可塑性樹脂は単独に使用してもよ
く、品質上支障のない限り複数種混合して使用してもよ
い。また、表面層と内部の樹脂は、同種類でもよく異種
類であっても差しつかえなく、例えば、耐候性、美麗性
の向上を目的として表面層にアクリル樹脂を使用し内部
は他の樹脂を使用することもできる。

上記熱可塑性樹脂は使用目的に応じて染料、顔料、滑剤
、紫外線吸収剤、熱安定剤、雲母以外の無機微粉末を含
んでいてもよく、例えば耐衝撃性改良剤などの改質剤を
含んでいてもよい。

本発明で用いられる白雲母は、合成白雲母、天然白雲母
の何れであってもよい。白雲母の配合量は熱可塑性樹脂
１００重量部に対し１〜２０重量部であり、好ましい配
合量は５〜１５重景部重量る。白雲母の配合量が１重量
部に満たない場合は得られる艶消し板の表面の光沢度が
高くなり、良好な艶消し表面を得ることができない。一
方、白雲母の配合量が２０重量部を超えると更に白雲母
を添加しても表面の光沢度、表面性共に殆んど改善され
ずコスト的なメリットはない。

また、本発明で使用される白雲母は微粉体であることが
必要である。粒径は、重力沈降法により測定された平均
粒子径が３〜１００μｍ、好ましくは５〜５０μｍであ
る。平均粒子径が３μｍに満たない場合は艶消し効果が
少く、一方平均粒子径が１００μｍを超える場合は均一
な凹凸の艶消面が得られず表面性が劣るので、共に本発
明の目的に沿わない。また平均粒子径が等しい場合には
、粒度分布の小さいものが美麗な艶消し表面を与えるの
で好ましい。

本発明の白雲母微粉体を含有する表面層は、樹指板の表
裏面の一方の面だけでもよいし、表裏両方の面であって
もよく、多層板において表裏面の少なくとも一つの表面
層が白雲母微粉体を含有する樹脂層を形成していればよ
い。この白雲母を含有する表面層の厚味は、白雲母の添
加量を変えることにより、多層板の全光線透過率および
透けを調整できるので特に制限はないが、表面の艶消し
状態を美麗にする目的から白雲母の平均粒子径の３倍以
上、好ましくは５倍以上であることが望ましい。通常３
０〜５００μｍ、好ましくは５０〜３００μｍで行なわ
れる。

しかして、多層板の少なくとも一つの表面層が、熱可塑
性樹脂１００重量部に対して白雲母微粉体を１〜２０重
量部含有する樹脂層である熱可塑性樹脂多層板は、表面
樹脂層に含有する白雲母微粉体の働らきて艶消し表面を
呈するので、表面層の樹脂および内部の樹脂（２層板の
場合には表面層の裏側の層の樹脂をさす）を種々変える
ことによって、透光性のある樹脂板や不透明な樹脂板を
得ることができる。照明カバー等の用途においては、エ
ネルギー効率を高めるため高い全光線透過率を有するこ
とが求められており、少なくとも６０％の全光線透過率
を有する透光性のある樹脂板を上構成により得ることが
でき、板全体に白雲母微粒子を含有していないため高い
全光線透過率と白変が得られる。好ましい熱可塑性樹脂
の態様としては、表面層および内部共に光線透過率の高
いアクリル樹脂、例えばメタクリル酸メチルを８５％以
上含むコポリマーまたはホモポリマーで分子量が７万乃
至３０万のメタクリル酸メチル重合体を用いることがあ
げられる。

本発明の艶消し表面を有する熱可塑性樹脂多層板の製造
方法としては、複数の押出機を使用して同種又は２種以
上の異種の熱可塑性樹脂を夫々の押出機から同時に押出
し、溶融状態で樹脂を合流せしめて多層板を形成する共
押出成形する方法や、あらかじめ白雲母微粒子を含有し
たフィルムを製造し、これを基材樹脂にラミネートする
方法等があげられる。好ましく用いられる共押出成形に
おいては、押出機の少くとも１つが白雲母微粉体を含む
溶融樹脂を押し、他の押出機から押出された樹脂と合流
し形成された溶融樹脂帯状体を所望の板厚を与える一対
のロール間を通過後、引き続くロールの間では加圧する
ことなく冷却した方が、このようにして得られた板と加
熱加工した後の成形品との艶消し状態に変化が少なく好
ましい。

〔実施例〕

以下実施例により、本発明をより詳細に説明する。

本実施例において「全光線透過率」はＪＩＳ　Ｋ６７１
７に準拠して積分球式光線透過率測定装置（スガ試験機
ＫＫ製：直読式ヘイズコンピュータＨＧＭ−２ＤＰ）に
より測定した値であり、「光沢度」はＪＩＳＺ８７４１
に準拠して光沢度測定装置（スガ試験機ＫＫ製ニゲロス
メータ）により鏡面光沢を６０°−６０°の角度で測定
した値である。

実施例１〜４、比較例１〜７ （実施例１〜４） 第１の押出機からメタクリル樹脂を溶融押出し、別に調
節したアクリル酸メチル６％を含有する分子量１６０．
ｏｏｏのメタクリル酸メチル共重合ビーズ１００重量部
に重力沈降法により測定した平均粒径１０μのマスコバ
イト（白雲母）を所定量配合し、ヘンシェルミキサーで
攪拌混合した樹脂を第２の押出機から押出し、押出機と
ダイスの間に設けられたアダプター内で両者を合流させ
巾７００鰭のＴ型ダイスから２１醜板厚となるように間
隙を調整したロールの間を通し、続いてロール間隙を１
０ｍｍとしたロール間を通して冷却し、表面層の厚味が
各２００μｍで板厚２龍の両面艶消多層板を得た。

（比較例１〜７） 一方、艷消剤として平均粒径７μのシリカ粉体、平均粒
径４μのタルク粉体、および平均粒径６μの炭酸カルシ
ウム粉体を所定量配合した他は実例例１〜４と同様にし
て板厚２龍の両面艶消多層板を得た。

以上得られた多層板の光学的性質の測定結果を表−１に
示す。

表 実施例５〜８ 第２、第３０−ルの間で３５ｋｇ／ｃ＋ａの線圧を加え
た以外は実施例１〜４と同様にして艶消多層板を得た。

光学的性質の測定結果を表−２に示す。

表−２ （ａ）　　鏡面光沢度の値は、低（表れる押出方向下面
側の測定値である。

（ｂ）　　表面性二表面が一様で美麗なものを○とし、
凝集塊などの欠点のあるものを×して表わした。

実施例９、比較例８ （実施例９） 第１の押出機及び第２の押出機から押出される樹脂１０
０重量部に対して乳白色顔料として平均粒径４μの沈降
性硫酸バリウム粉体２重量部配合すること以外は、実施
例３と同様にして表面層の厚味が各２００μｍで板厚２
龍の両面艶消し多層板を得た。

（比較例８） メタクリル樹脂１００重量部に対して平均粒径４μの沈
降性硫酸バリウム粉体２重量部を配合し、混練押出し板
厚２ＩＩＩの単層板を得た。

次いで、実施例９および比較例８で得たシートを２００
℃で７分間加熱し、真空成形して種々の厚みのシートを
作り、全光線透過率と透けを測定した。その結果を表−
３に示す。

なお、「透け」はＩＯＷの直管蛍光灯の前方８ａｍに試
料片を平行に置き、更に１ｍ離れてこれを目視観察して
蛍光灯の輪郭が認められないものを○とし、蛍光灯の輪
郭が大約認められるものを△として表し、明瞭に認めら
れるものを×として表した。

表−３ この結果、本発明で得られた艶消乳半板は成形に伴う延
伸によっても透けることなく高い全光線透過率と全加工
面にわたり美麗な表面を維持できることがわかる。

実施例１０，１１．比較例９〜１１ （実施例１０．１１） 重力沈降法により測定（（ｔ１セイシン企業製：ｉ３過
式粒度分布測定器５ＫＡ５０００により測定）した平均
粒径６μｍおよび１９μｍの白雲母を７．２重量部およ
び１７．６重量部それぞれ配合し、３１１１ｍ板厚とな
るようにすること以外は、実施例１〜４と同様にして表
面層の厚味が各２００μｍで板厚３■ｌの両面艶消し多
層板を得た。得られた板を実施例９．比較例８と同し加
熱成形条件で延伸し、光沢度を測定し値の変化を調べた
。この結果を第３表に示した。

（比較例９〜１１） 市販の艶消しアクリル押出板２■■および１．８關につ
いて、実施例１０．１１と同様に延伸してその光沢度を
測定し変化を調べた。また、市販の艶消しアクリル注型
板３龍についても、２３０　”Ｃで。

１０分加熱すること以外は実施例１０．１１と同様に延
伸して光沢度を測定した。これらの結果を合せて表−４
に示した。

表 この結果からも、本発明で得られる艶消多層板は加熱成
形で延伸しても艷戻り現象がほとんど見られず成形前と
変わらぬ美麗な艶消し表面を維持できることがわかる。

〔発明の効果〕

本発明は以上説明したように、多層板の少なくとも一つ
の表面層が、熱可塑性樹脂１００重量部に対して白雲母
微粉体を１〜２０重量部含有する樹脂層である、艶消し
表面を有する熱可塑性樹脂多層板であるから、アスペク
ト比が大きく高濃度添加ができかつ全光線透過率を大巾
に低下させることのない白雲母を使用しているので、加
熱成形での延伸によっても表面の艶消し状態を失うこと
がなく、また透光性のある樹脂を使用した場合には高い
全光線透過率と良好な光線拡散性を与えるので透けにく
くかつ省エネ効果があり、照明カバ、デイスプレー、グ
レージング等の材料として有用である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）多層板の少なくとも一つの表面層が、熱可塑性樹脂
   １００重量部に対して、白雲母微粉体を１〜２０重量部
   含有する樹脂層であることと特徴とする艶消し表面を有
   する熱可塑性樹脂多層板。 ２）熱可塑性樹脂がアクリル樹脂である特許請求の範囲
   第１項記載の多層板。