JPH1012023A - 光源保護カバー用表面艶消し性シート - Google Patents

光源保護カバー用表面艶消し性シート

Info

Publication number
JPH1012023A
JPH1012023A JP8175467A JP17546796A JPH1012023A JP H1012023 A JPH1012023 A JP H1012023A JP 8175467 A JP8175467 A JP 8175467A JP 17546796 A JP17546796 A JP 17546796A JP H1012023 A JPH1012023 A JP H1012023A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light source
transparent resin
sheet
layer
crosslinked polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8175467A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Hoshina
修司 保科
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP8175467A priority Critical patent/JPH1012023A/ja
Publication of JPH1012023A publication Critical patent/JPH1012023A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 露出した光源を保護するカバー材料に於い
て、光源消灯時に違和感が無く、外光の拡散反射効果が
大きい、表面艶消し性に優れた光源保護カバー用シート
を提供する。 【解決手段】 形状が円又は楕円状でかつ下記式(I)
〜(II)を同時に満足する架橋重合体粒子、とアスペ
クト比が1〜200の範囲にある無機物質微粒子を含有
する透明樹脂の表面層を有し、この表面層の明度指数
(L* )、60度鏡面光沢度、及び60度反射光強度が
同時に下記式(III)〜(V)の範囲内にある光源保
護カバー用表面艶消し性シートとする。 0.1≦H≦1.0……(I) 0.1≦Dd ≦20……(II) L* ≧50 ……(III) G≦30 ……(IV) HW≧10 ……(V)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、露出した光源を保
護するカバー用シートに関するもので、詳しくは設置環
境下にて光源消灯時に周囲との違和感が無く、外光拡散
反射効果が大きい良好な表面艶消し性を有する光源保護
カバー用シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光源からの光を充分に透過させて光源エ
ネルギーを供給すると同時に均一に拡散して直接光源が
観察者の目に触れるのを防止する光源保護カバーを用い
た一例として、家庭用及び施設用照明カバー、各種ディ
スプレイ、表示用看板等が挙げられる。従来より、太陽
や周囲の照明等の外光の防眩効果を持たせるために、こ
れらの部材用シートの表面には艶消し性を持たせる方法
が一般的に用いられている。
【0003】例えば、特開昭63−176128号公報
には、熱可塑性樹脂に微粉状のマイカを特定量含有する
樹脂押出板のとすることが開示されている。特開昭63
−216723号公報には、熱可塑性樹脂に微粉状のマ
イカを含有する層を有する多層押出板のとすることが開
示されている。特開平2−70758号公報には、熱可
塑性樹脂に白雲母微粉体を特定量含有する樹脂層を有す
る多層樹脂板とすることが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭63−1761
28号公報に記載の熱可塑性樹脂押出板は、磨りガラス
調となるため光源消灯時に光源像が浮き出てしまい、光
源保護カバーへの用途は適当でない。特開昭63−21
6723号公報に記載の製法によって得られる多層押出
板、及び特開平2−70758号公報に記載の多層樹脂
板は、いずれも鏡面光沢度の数値のみで艶消し性の評価
を行っているので、拡散反射効果の評価が充分に成され
ておらず、光源保護カバー用表面艶消し性シートとして
最低な部材が検討されているとは言えない。即ち、上記
3件の材料は光源保護カバー用途に適しているとは言え
ない。
【0005】特に最近の照明光源に対しては、快適な生
活空間を造り出すインテリアとしての機能が強く望まれ
ている。具体的には、設置環境下にて消灯時に於いても
室内の壁、周辺の家具や物品等との調和がとれているこ
と、光源保護カバーの表面風合いが視覚的に柔らかく、
しかも出射される光が人間の眼に優しいことが求められ
ている。
【0006】本発明の目的は、光源保護カバーとして、
光源消灯時に違和感がなく、外光の拡散反射効果が大き
い光源保護カバー用表面艶消し性シートを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明樹脂を主
体とする基材層(A)と、透明樹脂を主体とし、2次元
平面上に投影した時の形状が円又は楕円状でかつ下記式
(I)〜(II)を同時に満足する架橋重合体粒子と、
アスペクト比が1〜200の範囲にある無機物質微粒子
を含有する表面層(B)とから成り、かつ該表面層
(B)面の明度指数(L* )、60度鏡面光沢度
(G)、60度反射光強度の半値幅(HW)の測定値が
同時に下記式(III)〜(V)の範囲内にあることを
特徴とする光源保護カバー用表面艶消し性シートであ
る。
【0008】0.1≦H≦1.0……(I) 0.1≦Dd ≦20……(II) L* ≧50 ……(III) G≦30 ……(IV) HW≧10 ……(V) (上記式中、Hは架橋重合体粒子を2次元平面上に投影
した像から求められる扁平率、Dd は架橋重合体粒子の
重量平均粒径(μm)、L* はJIS・Z−8729で
規定される明度指数、GはJIS・Z−8741に準拠
した方法で測定される60度光沢度、HWは60度反射
光強度の半値幅を示す。)上記発明に於いて、上記基材
層(A)の両面を上記表面層(B)で挟んだ構成が好ま
しく適用される。
【0009】また、本発明に於いては、上記表面層
(B)中の透明樹脂に対する架橋重合体粒子の含有量
が、透明樹脂に対する無機物質微粒子の含有量の0.2
〜2倍の範囲にあり、かつ該表面層(B)中の透明樹脂
100重量部に対して架橋重合体粒子と無機物質微粒子
の合計含有量が5〜60重量部であることが好ましい。
【0010】更に本発明に於いては、上記基材層(A)
及び上記表面層(B)の何れの透明樹脂にもメタクリル
樹脂が好ましく用いられる。
【0011】本発明者は、光源保護カバー用表面艶消し
性シートに於ける光源消灯時の違和感と、JIS・Z−
8729で規定される明度指数(L* )とに特定の関係
があることを見出した。また、光源保護カバー用表面艶
消し性シートに於ける外光の拡散反射効果が、JIS・
Z−8741に準拠した方法で測定される60度鏡面光
沢度と、「60度反射強度の半値幅」の測定値を用い
て、定量的に評価できることを見出し、以上3つの特性
を同時に満足するシートを開発し、上記本発明を完成し
たものである。
【0012】図1に「60度反射光強度の半値幅」の測
定配置の概要を示す。図中、11は入射光源、12は艶
消し面を測定面側に設置した光源保護カバー用シート、
13は受光器である。光源から発した光のカバー用シー
トへの入射角を60度に設定し、受光器をカバー用シー
トに垂直な位置(反射角0度)から平行な位置(反射角
90度)まで一定の回転半径に保ちながら回転し、回転
角1度毎に反射光強度を測定する。この方法により得ら
れる反射光強度の角度分布の模式図は図2のようにな
り、入射角60度の正反射に対応するピーク構造21が
反射角60度付近に現れる。「60度反射光強度の半値
幅」とは、このピークの最大受光強度が2分の1になる
回転角度の幅22として定義する。この値が大きく、か
つ上記60度鏡面光沢度が小さいほど光の反射角の幅が
広くなることを表し、外光の拡散反射効果が高いと判断
できる。
【0013】本発明者は、透明樹脂に、形状、粒径分布
の制御が可能な架橋重合体粒子、及びアスペクト比が特
定範囲にある無機物質微粒子を含有させた樹脂層を表面
層として有する多層樹脂シートに於いて、上記明度指数
(L* )、60度鏡面光沢度、及び60度反射光強度の
半値幅の3つの特性値が同時に特定範囲内に入ることを
見出し、その条件に適合した材料が表面艶消し性に優れ
た光源保護カバーとして非常に好ましいことを見出した
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における基材層(A)及び
表面層(B)は、両者とも透明樹脂を主体として構成さ
れているもので、基材層(A)と表面層(B)の透明樹
脂は、同一のものでも異なるものでもよいが、両者間の
接着性が向上する点で同種であることが好ましい。ま
た。本発明において、透明樹脂を主体とするとは、50
重量%以上の透明樹脂が含まれていることを言う。但
し、基材層(A)は透明樹脂を70重量%以上含んでい
ることが好ましく、表面層は透明樹脂を60重量%以上
含んでいることが好ましい。
【0015】本発明に用いられる透明樹脂とは、JIS
・K−7105に準じて測定した曇り度が10%以下と
なる物質として定義される。具体的にはメタクリル樹
脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレ
ン−メチルメタクリレート共重合樹脂、スチレン−ブタ
ジエン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられ
る。透明樹脂として特に好ましく採用されるのは、いず
れの層においてもメタクリル樹脂である。
【0016】上記メタクリル樹脂としては、メタクリル
酸メチルを主体とする樹脂が挙げられ、これにはメチル
メタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレートと
これと共重合可能な一種以上のモノマーとの共重合体、
及び耐熱性アクリル樹脂、低吸湿性アクリル樹脂等が含
まれる。これらは単独で用いてもよいしブレンドしても
よい。また、メチルメタクリレートと共重合可能なモノ
マーとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレ
ート、ブチルアクリレート、アクリロニトリル、アクリ
ル酸、メタクリル酸、ビニルピリジン、ビニルモルホリ
ン、ビニルピリドンテトラヒドロフルフリルアクリレー
ト、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,
N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシアクリレ
ート、エチレングリコールモノアクリレート、グリセリ
ンモノアクリレート、無水マレイン酸、スチレン、もし
くはα−メチルスチレン等が挙げられる。透明性を維持
して耐衝撃性を同時に持たせるためには耐衝撃性アクリ
ル樹脂が用いられ、そのゴム弾性体は特開昭53−58
554号公報、同55−94917号公報、同61−3
2346号公報等に開示されている。簡単に説明する
と、アクリル系重合体芯材料のまわりに弾性層及び非弾
性層を交互に生成させる多段階逐次重合法により製造さ
れる多段重合体である。
【0017】本発明に用いられる架橋重合体粒子は、透
明樹脂を生成する単量体や前駆体に不溶であるか、或い
は透明樹脂の融点では不溶融であるものが該当し、公知
の懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法、乳化重合法、分散重
合法等の方法を利用して製造することができる。架橋重
合体粒子は、製造方法及び原料となる単量体の種類によ
り、形状、粒径分布を制御することができるため、透明
樹脂中に分散させたシートの表面状態を調整できる。
【0018】次に、先に示した(I)及び(II)につ
いて説明する。
【0019】本発明に用いられる架橋重合体粒子の形状
は、2次元平面上に投影した時に円又は楕円状を示すこ
と、即ち一般的な光学顕微鏡又は電子顕微鏡にて架橋重
合体粒子を観察して得られる像が円又は楕円状であるこ
とが必要である。2次元平面上に投影した時の粒子の形
状が円又は楕円状である場合、透明樹脂中に分散させて
得られるシートの凹凸形状を一様にすることができる。
更に、本発明で用いる過共重合体粒子は、同様にして得
られる観察像を画像処理して扁平率Hを求めた時に、下
記式(I)を満足することが必要である。
【0020】0.1≦H≦1.0 ……(I) 更に好ましい範囲は、0.5≦H≦1.0である。
【0021】扁平率Hとは、図3に模式的に示した粒子
の観察像に於いて、長い方の主軸31の半径aと短い方
の主軸32の半径bとから次式(VI)により求められ
る値を言う。
【0022】H=b/a ……(VI) 次に、本発明に用いられる架橋重合体粒子は、重量平均
粒径Dd が下記式(II)を満足することが必要であ
る。
【0023】0.1≦Dd ≦20 ……(II) 架橋重合体粒子の粒径分布は、公知の光透過式沈降粒度
分布測定法等により測定することができ、得られる分布
から重量平均粒径を求めることができる。重量平均粒径
が0.1μm以上20μm以下の範囲に入らない場合
は、粒子を分級して前記範囲に入るようにすれば使用す
ることができる。架橋重合体粒子の重量平均粒径が0.
1μm以上20μm以下の範囲にある場合、透明樹脂中
への分散量により明度指数(L* )の値を制御すること
ができる。
【0024】本発明に用いられる架橋重合体粒子の具体
例としては、架橋スチレン系重合体、架橋アクリル系重
合体、架橋スチレン−アクリル系共重合体、架橋スチレ
ン−ブタジエン系共重合体、架橋シロキサン系重合体、
架橋ウレタン系重合体等の粒子が挙げられ、これらは単
独で使用しても、二種以上の組合せで使用しても良い。
【0025】本発明に用いられる無機物質微粒子は、ア
スペクト比が1〜200の範囲内にあることが必要で、
透明樹脂中に上記架橋重合体粒子と併用して分散させた
時、驚くべき外光の拡散反射効果が発現するものであ
る。アスペクト比とは、粒子の直径を粒子の厚さで除し
た値であり、一般的な光学又は電子顕微鏡で粒子を2次
元平面上に投影し、得られる観察像を画像処理して視覚
的に測定することができる。
【0026】本発明に用いられる無機物質微粒子の具体
例としては、形状が板状のものとしてマイカ、ガラスフ
レーク、タルク、形状が針状のものとして、ガラス繊
維、ウォラストナイト、セピオナイト、塩基性硫酸マグ
ネシウム、チタン酸カリウム、形状が不定形のものとし
てカオリン、クレー、水酸化マグネシウム等が挙げら
れ、これらは単独で使用しても、二種以上の組合せで使
用しても良い。
【0027】本発明における架橋重合体粒子と無機物質
微粒子の各々の使用量は、表面層(B)中の透明樹脂に
対する含有量の比と、両者の合計含有量から決定され
る。架橋重合体粒子と無機物質微粒子の含有量の比に関
しては、該表面層(B)に於ける外光の拡散反射効果を
有効に発現させることができる点で、透明樹脂100重
量部に対する架橋重合体粒子の含有量が、透明樹脂10
0重量部に対する無機物質粒子の含有量の0.2〜2倍
になるように設定することが好ましい。更に好ましく
は、0.3〜1.5倍である。架橋重合体粒子と無機物
質微粒子の合計含有量に関しては、各々の粒子を効果的
に透明樹脂中に分散できる点で、透明樹脂100重量部
に対して5〜60重量部の範囲が好ましい。更に好まし
くは、10〜40重量部である。
【0028】本発明に於ける光源保護カバー用表面艶消
し性シートの構造は、基材層(A)の表面に上記の表面
層(B)を積層した2層構造でもよいが、基材層(A)
の両面に表面層(B)を積層した3層構造とすることが
好ましい。いずれの場合においても、基材層(A)中に
は光拡散性を持たせるために各種光拡散剤を含有させて
もよい。
【0029】2層又は3層構造の場合、上記基材層
(A)の成分、構成に関わらず、上記表面層(B)の成
分設計のみを行うことにより、光源保護カバー用シート
の光学的な反射特性を制御することができる。但し、2
層構造の場合は、上記表面層(B)が光源からの光が出
射される側、即ち光源保護カバーとして観察される側に
設置して使用する必要があり、該条件下で外光の拡散反
射効果を発現させることができる。
【0030】本発明の光源保護カバー用表面艶消し性シ
ートはその全体厚みが0.1〜10mmであることが好
ましく、更に好ましくは0.5〜5mmである。また、
上記の基材層(A)の厚みtA と表面層(B)の厚みt
B の比率tA /tB は1〜1000の範囲にあること
が、光源保護カバー用艶消し性シートの光透過性や光拡
散性を損なうことなく外光の拡散反射効果を付与するこ
とができる点で好ましい。更に好ましくは10〜500
の範囲である。
【0031】本発明に於ける光源保護カバー用表面艶消
し性シートの製造方法は、透明樹脂中に架橋重合体粒
子、及び無機物質微粒子を均一に分散させることができ
る方法が好ましく、例えば重合性単量体もしくは部分重
合した重合性単量体のシラップ中に各々の粒子を分散さ
せて重合する方法、又は予め重合しておいた透明樹脂に
各々の粒子を混合・溶融混練して押出す方法等により得
た一種類以上の樹脂組成物を原料として、各種成形法に
より得ることができる。
【0032】平滑なシート、波形のシート、プリズム形
のシートを得るには、Tダイによる押出シート成形法が
一例として挙げられる。当該シートは、真空成形、圧空
成形、スタンパブル成形等の方法により二次加工し、光
源保護カバーとして使用する事ができる。更に、環状ダ
イによる異形押出成形、ブロー成形、射出成形、圧縮成
形等の方法でも光源保護カバー用艶消し性シートを得る
ことができる。
【0033】多層構造のシートを得るには、二種類以上
の樹脂組成物を同時に溶融し押し出す共押出成形方法、
二種類の樹脂組成物の一方を単層押出しながら予め成形
された他方をラミネートする方法、二種類の樹脂組成物
を予め成形した後プレスして熱圧着する方法、連続的に
重ねて貼り合わせる方法、真空成形、圧空成形時に積層
する方法等がある。
【0034】本発明に於ける光源保護カバー用表面艶消
し性シートには、その光学特性やその他の物性を損なわ
ない範囲にて他の成分、例えば無機系顔料、染料、補強
剤、充填剤、離型剤、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止
剤、核剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤等をシート
原料の製造時やシートの成形過程等、製造する任意の過
程において含有させる事ができる。
【0035】本発明に於いて、明度指数(L* )、60
度鏡面光沢度、及び60度反射強度の半値幅の測定は、
光源保護カバー用シートの表面層(B)を測定面にして
測定することができる。
【0036】明度指数(L* )は、該シートにて、JI
S・Z−8722法に準じた市販の測定機を用いて測定
される三刺激値から、JIS・Z−8729の規定に従
って求めることができる。
【0037】60度鏡面光沢度の測定は、該シートに
て、JIS・Z−8741法に準じた市販の測定機を用
いて行うことができる。
【0038】60度反射光強度の半値幅の測定に於い
て、光源はハロゲンランプ、蛍光管等の市販のものを使
用することができる。光源からの光を直接該シートに照
射しても良いが、光源からの光を一旦集光して平行光に
なるような光学系を利用し、入射光径が20mmφとな
るように調整後、シートに照射する方法が正確な測定が
できる点で好ましい。受光器の回転は、市販の変角回転
ステージ等を用いる事により、回転半径を一定に保ちか
つ細かい角度単位で測定ができる。また、材料固有の反
射光強度の角度分布を正確に測定するために、光源光以
外は材料に当たらないような測定環境にすることが好ま
しい。このような条件にて、材料面に垂直な位置を反射
角0度、材料面に平行な位置を反射角90度として、反
射角0〜90度間での反射光強度の角度分布を測定し、
現れるピーク構造から半値幅を求めることができる。
【0039】以上の様にして製造された光源保護カバー
用表面艶消し性シートにて、上記表面層(B)面の明度
指数(L* )、60度鏡面光沢度(G)、及び60度反
射光強度の半値幅(HW)の測定値が同時に下記式(I
II)〜(V)の範囲内にある場合、本発明は達成され
る。
【0040】L* ≧50 ……(III) G≦30 ……(IV) HW≧10 ……(V)
【0041】
【実施例】以下、実施例、比較例にて本発明を具体的に
説明する。なお、各実施例、比較例で用いた評価及び試
験方法は次の通りである。
【0042】(1)架橋重合体粒子の形状観察:架橋重
合体粒子を約0.01g採取し、カーボン蒸着し、走査
型電子顕微鏡(日立製作所社製「S−530型」)にて
3000倍の倍率にて形状を観察する。得られた円又は
楕円像に於いて2本の主軸の半径を測定し、扁平率Hを
求める。
【0043】(2)架橋重合体粒子の粒径分布の測定:
架橋重合体粒子を界面活性剤水溶液中に超音波で分散さ
せ、遠心式自動粒度分布測定装置(堀場製作所社製「C
APA−700型」)を用いて、光透過式沈降粒度分布
測定法により粒径分布を測定する。得られた粒径分布か
ら、重量平均粒径Dd を求める。
【0044】(3)無機物質微粒子のアスペクト比の測
定:無機物質微粒子を約0.01g採取し、カーボン蒸
着し、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製「S−530
型」)にて3000倍の倍率にて形状を観察する。得ら
れた像に於いて粒子の直径と厚さを測定し、アスペクト
比を求める。
【0045】(4)明度指数(L* )の測定:JIS・
Z−8722に準じて、東京電色工業社製「TC−18
00型」オートマチックカラーアナライザーを用いて、
シート試験片の物体色として三刺激値を測定する。得ら
れた値から、JIS・Z−8729の規定に従って明度
指数(L* )を求める。
【0046】(5)60度鏡面光沢度の測定:JIS・
Z−8741法に準じて、堀場製作所社製「IG−31
0型」グロスチェッカを用いて、シート試験片の60度
鏡面光沢度を測定する。
【0047】(6)60度反射光強度の半値幅の測定:
オプテック社製「GP−III型」3次元ゴニオフォト
メーターを用いて、シート試験片の反射光強度の角度分
布を測定し、得られたピーク構造から半値幅を求める。
【0048】また、各実施例及び比較例で用いた材料は
下記のようにして調製したものを用いた。
【0049】光源保護カバー用原料の調整:メタクリル
樹脂(商品名「デルパウダ70H」、旭化成工業社製)
とその他の成分を表1に示す濃度で配合し、ヘンシェル
ミキサーでブレンドした後、ベント付き30mmφ2軸
押出機で樹脂温度250℃にてペレット化し、基材層
(A)に用いる原料を得る。
【0050】メタクリル樹脂(商品名「デルパウダ70
H」、旭化成工業社製)と、上記(3)の方法によりア
スペクト比が50〜100の範囲にあることを確認した
タルクを配合し、ヘンシェルミキサーでブレンドして得
た混合物をベント付き70mmφ2軸押出機の主フィー
ド口から投入し、樹脂温度250℃にて充分溶融させ
る。同時に、上記(1)、(2)により扁平率Hと重量
平均粒径Dd を測定した架橋シリコーン樹脂粒子(H=
0.8〜0.98、Dd =1.8μm)、架橋ポリスチ
レン粒子(H=0.7〜0.97、Dd =8.5μ
m)、架橋スチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂
粒子(H=0.6〜0.98、Dd =5.2μm)から
選ばれる架橋重合体粒子を、同押出機の副フィード口か
ら投入し、溶融混練後ペレット化し、表面層(B)に用
いる原料を得る。主フィード口へ投入される混合物と、
副フィード口から投入される架橋重合体粒子の投入速度
の関係を変化させることにより、メタクリル樹脂に対す
る架橋重合体粒子と無機物質微粒子であるタルクの含有
量が表1に示す濃度になるように調整する。
【0051】実施例1〜2 表1に各々示した基材層(A)用原料と表面層(B)用
原料を用いて、第一押出機(スクリュー径50mmφ、
L/D=32、単軸)のフィード口に基材層(A)用原
料を投入し、第二押出機(スクリュー径25mmφ、L
/D=32、単軸)のフィード口に表面層(B)原料を
投入し、フィードブロックダイ、及びポリッシングロー
ル3本から成るユニットを用いて共押出シート成形を行
い、幅250mmの3層シートを作成した。得られたシ
ートは、基材層(A)の両面に表面層(B)が積層され
た構成を示した。各樹脂層の厚みは二機の押出機の吐出
量バランスで調整した。シート全体の厚みは、ポリッシ
ングロールのクリアランスで2.0mmを目標に調整し
た。該シートを試験片として上記(4)〜(6)の評価
を行い、3つの特性が全て満足していれば○、1つでも
満足していない場合は×として総合判定を行った。結果
を表2に示す。
【0052】具体的には、明度指数(L* )は74〜7
5、60度鏡面光沢度(G)は8〜12、60度反射強
度の半値幅(HW)は30〜38を示し、総合判定は○
で、光源消灯時に違和感が無く、外光の拡散反射効果が
大きく、光源保護カバー用として優れたものであった。
【0053】実施例3 表1の通り、基材層(A)用原料と表面層(B)用原料
を変更し、実施例1と同様の方法で基材層(A)の片面
に表面層(B)が積層された2層シートを作成した。該
シートを試験片として上記(4)〜(6)の評価を行
い、総合判定を行った。結果を表2に示す。
【0054】明度指数(L* )は69、60度鏡面光沢
度(G)は9、60度反射強度の半値幅(HW)は17
を示し、総合判定は○で、光源消灯時に違和感が無く、
外光の拡散反射効果が大きく、光源保護カバー用として
優れたものであった。
【0055】比較例1〜2 表1の通り、基材層(A)用原料と表面層(B)用原料
を変更し、実施例1と同様の方法で基材層(A)の両面
に表面層(B)が積層された3層シートを作成した。該
シートを試験片として上記(4)〜(6)の評価を行
い、総合判定を行った。結果を表2に示す。
【0056】比較例1では、明度指数(L* )は62、
60度鏡面光沢度(G)は25を示すが、60度反射強
度の半値幅(HW)は5を示し、総合判定は×で、外光
の拡散反射効果が小さく、光源保護カバー用としては好
ましくないものであった。
【0057】比較例2では、明度指数(L* )は67を
示すが、60度鏡面光沢度(G)は43、60度反射強
度の半値幅(HW)は2を示し、総合判定は×で、外光
の拡散反射効果が小さく、光源保護カバー用としては好
ましくないものであった。
【0058】比較例3 表1の通り、基材層(A)用原料と表面層(B)用原料
を変更し、実施例3と同様の方法で基材層(A)の片面
に表面層(B)が積層された2層シートを作成した。該
シートを試験片として上記(4)〜(6)の評価を行
い、総合判定を行った。結果を表2に示す。
【0059】60度鏡面光沢度(G)は8、60度反射
強度の半値幅(HW)は30を示すが、明度指数(L
* )は45を示し、総合判定は×で、光源消灯時に違和
感があり、光源保護カバー用としては好ましくないもの
であった。
【0060】比較例4 表1の通り、基材層(A)用原料を変更し、実施例1に
示した第二押出機(スクリュー径25mmφ、L/D=
32、単軸)のみを停止させ、表面層(B)を構成しな
い単層シートを作成した。該シートを試験片として上記
(4)〜(6)の評価を行い、総合判定を行った。結果
を表2に示す。
【0061】明度指数(L* )は66を示すが、60度
鏡面光沢度(G)は83、60度反射強度の半値幅(H
W)は2を示し、総合判定は×で、外光の拡散反射効果
が小さく、光源保護カバー用としては好ましくないもの
であった。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】
【0064】
【発明の効果】本発明の光源保護カバー用表面艶消し性
シートは、光源消灯時に違和感が無く、外光の拡散反射
効果が大きいため、光源保護カバー材料として極めて有
用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光源保護カバー用表面艶消し性シート
の、60度反射光強度の半値幅の測定装置の概略図であ
る。
【図2】本発明の光源保護カバー用表面艶消し性シート
の、60度反射光強度の角度分布図を模式的に示す図で
ある。
【図3】本発明に用いられる架橋重合体粒子の観察像を
模式的に示す図である。
【符号の説明】
11 入射光源 12 光源保護カバー用シート 13 受光器 21 60度反射光強度の角度分布図に現れるピーク構
造 22 60度反射光強度の半値幅 31 粒子像に於ける長い方の主軸 32 粒子像に於ける短い方の主軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明樹脂を主体とする基材層(A)と、
    透明樹脂を主体とし、2次元平面上に投影した時の形状
    が円又は楕円状でかつ下記式(I)〜(II)を同時に
    満足する架橋重合体粒子と、アスペクト比が1〜200
    の範囲にある無機物質微粒子を含有する表面層(B)と
    から成り、かつ該表面層(B)面の明度指数(L* )、
    60度鏡面光沢度(G)、60度反射光強度の半値幅
    (HW)の測定値が同時に下記式(III)〜(V)の
    範囲内にあることを特徴とする光源保護カバー用表面艶
    消し性シート。 0.1≦H≦1.0……(I) 0.1≦Dd ≦20……(II) L* ≧50 ……(III) G≦30 ……(IV) HW≧10 ……(V) (但し、Hは架橋重合体粒子を2次元平面上に投影した
    像から求められる扁平率、Dd は架橋重合体粒子の重量
    平均粒径(μm)、L* はJIS・Z−8729で規定
    される明度指数、GはJIS・Z−8741に準拠した
    方法で測定される60度光沢度、HWは60度反射光強
    度の半値幅を示す。)
  2. 【請求項2】 基材層(A)の両面を、表面層(B)で
    挟んだ構成から成る請求項1に記載された光源保護カバ
    ー用表面艶消し性シート。
  3. 【請求項3】 表面層(B)中の透明樹脂に対する架橋
    重合体粒子の含有量が、透明樹脂に対する無機物質微粒
    子の含有量の0.2〜2倍の範囲にあり、かつ該表面層
    (B)中の透明樹脂100重量部に対して架橋重合体粒
    子と無機物質微粒子の合計含有量が5〜60重量部であ
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載された光源保
    護カバー用表面艶消し性シート。
  4. 【請求項4】 基材層(A)及び表面層(B)の透明樹
    脂が何れもメタクリル樹脂であることを特徴とする請求
    項1〜3いずれかに記載された光源保護カバー用表面艶
    消し性シート。
JP8175467A 1996-06-17 1996-06-17 光源保護カバー用表面艶消し性シート Withdrawn JPH1012023A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8175467A JPH1012023A (ja) 1996-06-17 1996-06-17 光源保護カバー用表面艶消し性シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8175467A JPH1012023A (ja) 1996-06-17 1996-06-17 光源保護カバー用表面艶消し性シート

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1012023A true JPH1012023A (ja) 1998-01-16

Family

ID=15996577

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8175467A Withdrawn JPH1012023A (ja) 1996-06-17 1996-06-17 光源保護カバー用表面艶消し性シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1012023A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002365410A (ja) * 2001-06-06 2002-12-18 Sumitomo Chem Co Ltd 防眩性光学フィルム
JP2008081563A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Asahi Kasei Corp 光拡散反射シート
JP2011192448A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Kuraray Co Ltd 導光板、及び面光源装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002365410A (ja) * 2001-06-06 2002-12-18 Sumitomo Chem Co Ltd 防眩性光学フィルム
JP4655414B2 (ja) * 2001-06-06 2011-03-23 住友化学株式会社 防眩性光学フィルム
JP2008081563A (ja) * 2006-09-26 2008-04-10 Asahi Kasei Corp 光拡散反射シート
JP2011192448A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Kuraray Co Ltd 導光板、及び面光源装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107209292B (zh) 片状透明成型体、具备该片状透明成型体的透明屏幕、及包括该片状透明成型体或透明屏幕的图像投影装置
US5307205A (en) Bilayer rear projection screens
EP2107966B1 (en) Multi-layer screen composites
EP1747881A1 (en) Plastic sheet product offering matte appearance and method of preparation
WO2016104055A1 (ja) 透明フィルム、それを備えた透明スクリーン、およびそれを備えた画像投影装置
JP2004054132A (ja) 反射スクリーン
JPH06123802A (ja) 透過型光拡散板及びその製造法
JPH1012023A (ja) 光源保護カバー用表面艶消し性シート
JPH1160966A (ja) 光拡散性樹脂組成物
WO2016088701A1 (ja) 透視可能な積層体、それを備えた反射型スクリーン、およびそれを備えた画像投影装置
JP5157724B2 (ja) 光拡散性フィルム
JPH08198976A (ja) 光拡散性メタクリル系樹脂板
JP2000239407A (ja) 光拡散性及び色調に優れた照明カバー用樹脂シート
JPH1044285A (ja) 照明機器カバー用光拡散性樹脂積層板及び照明機器カバー
JPS63298201A (ja) ノングレアシ−ト
JPH11227115A (ja) 磨りガラス調表面を有する樹脂積層板
JP3374316B2 (ja) 光拡散性積層樹脂板
JPH0632973A (ja) 光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物
JP3989982B2 (ja) 光源保護カバー用光透過・拡散性シート
JP3989983B2 (ja) 光源保護カバー用色調保持性シート
JPH10202760A (ja) 光源保護カバー用色調シート
JP3672664B2 (ja) テレビ用着色スクリーン
JPH11165367A (ja) 照明カバー用樹脂積層板及びその成形体
JPH0997510A (ja) 光源保護カバー用シート
JPH0592529A (ja) 艶消し性アクリル樹脂積層シ−ト

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030902