JP3989982B2 - 光源保護カバー用光透過・拡散性シート - Google Patents

光源保護カバー用光透過・拡散性シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露出した光源を保護するカバー用シートに関し、詳しくは光源のエネルギーを効率良く利用でき、かつ光源のイメージ映りが無い、光透過・拡散性のバランスに優れた光源保護カバー用光透過・拡散性シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光源からの光を充分に透過させて光源エネルギーを供給すると同時に均一に拡散して直接光源が観察者の目に触れるのを防止する光源保護カバーの使用例としては、家庭用及び施設用照明カバー、各種ディスプレイ、表示用看板等が挙げられる。従来より、これらの部材を得るために、透明樹脂中に屈折率の異なる微粒子を分散し光拡散性を持たせることが一般的に行われている。
【0003】
例えば、特開平2−194058号公報には、透明樹脂に特定の平均粒子径を有するシリコーン樹脂微粒子を分散させた光拡散性樹脂が開示されている。特開平3−207743号公報には、メタクリル樹脂と、特定の平均粒子径を有するポリメチルシルセスキオキサンを特定量配合した樹脂成形体が開示されている。特開平7−100985号公報には、透明樹脂に特定の平均粒子径を有する光拡散剤を特定量配合した二種類の樹脂層から成る積層樹脂板が開示されている。特開平7−214684号公報には、メタクリル系樹脂に特定の平均粒子径、屈折率を有する二種類の光拡散剤を特定量配合した樹脂板が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平2−194058号公報、特開平3−207743号公報に記載の光拡散性樹脂又は樹脂成形体は、蛍光灯の前面に設置した時の透け状態を目視で評価しているが、測定者の主観的な判断による定性的な評価方法であるため、光源保護カバー用シートとしての最適な部材が得られているとは言えない。また、透明樹脂に分散させる微粒子の最適な屈折率範囲が検討されておらず、この点からも光源保護カバー用シートとして最適な部材とは言えない。特開平7−100985号公報、特開平7−214684号公報に記載の樹脂板は、光源イメージの透け状態について評価されていない。また、光拡散剤の形状について検討されておらず、光源保護カバー用シートとして最適な部材とは言えない。即ち、上記4件の公報に示される材料は光源保護カバー用途に適しているとは言い難い。
【0005】
特に最近では、高輝度低消費電力の光源が出現しており、更に商品価値が高い光源保護カバー用材料が求められている。
【0006】
本発明の目的は、光源保護カバー用途に即した定量的な評価方法を基に、光透過性と光源イメージの透け特性の関係が制御され、光源のエネルギーを有効に利用でき、かつ光拡散面の明るさが均一で光源イメージが透けて見えない光透過・拡散性のバランスに優れた光源保護カバー用シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透明樹脂100重量部に対して、2次元平面上に投影した時の形状が円又は楕円状でかつ下記式(II)〜(IV)を同時に満足する架橋重合体粒子を0.1〜40重量部含有する表面層(A)と、透明樹脂100重量部に対して上記架橋重合体粒子の条件を満たす同一又は異なる架橋重合体粒子を0〜10重量部含有する基材層(B)とから成り、かつ上記表面層(A)中の架橋重合体粒子の含有量が上記基材層(B)中の架橋重合体粒子の含有量よりも多い2層シートで、表面層(A)の厚み(t A )と基材層(B)の厚み(t B )の比率(t B /t A )が40〜65であり、かつ該シートのランプイメージ測定値(LR)とJIS・K−7105に準じて測定した全光線透過率(TT)との関係が、下記式(I)を満足することを特徴とする光源保護カバー用光透過・拡散性シートである。
LR≧0.6+(50−TT)×0.002……(I)
0.1≦H≦1.0……(II)
0.1≦Dd≦20……(III)
0.02≦|Nm−Nd|≦0.1……(IV)
(但し、Hは架橋重合体粒子を2次元平面上に投影した像から求められる扁平率、Nmは透明樹脂の屈折率、Ndは架橋重合体粒子の屈折率、Ddは架橋重合体粒子の重量平均粒径(μm)を示す。)
【0009】
上記本発明に於いて、上記基材層(B)の両面を上記表面層(A)で挟んだ構成が好ましく適用される。
【0010】
また、本発明に於いては、上記透明樹脂としてメタクリル樹脂が好ましく用いられる。
【0011】
本発明者は、光源保護カバー用シートの光拡散面の明るさの均一性と光源イメージの透け特性を「ランプイメージ測定値」として定量的に評価できることを見出し、当該評価方法に基づいて得られるランプイメージ測定値と全光線透過率との間に特定関係を満足するシートを開発し、本発明を完成した。
【0012】
図1にランプイメージ測定値の測定配置の概要を示す。図中、11は蛍光管、12は光源保護カバー用シート、13は輝度計である。即ち「ランプイメージ測定値LR」とは、特定の管径及び消費電力を有する2本の蛍光管11を特定の距離を保って平行に備えた照明光源の前面に、特定の距離を持たせて光源保護カバー用シート12を設置し、該シートの面上の特定範囲内の輝度分布を輝度計13で測定し、求められた輝度最大値Lmax と輝度最小値Lmin の比として定義されるもので、次式(V)で導出される。
【0013】
LR=Lmin /Lmax ……(V)
この値が1に近いほど光拡散面の明るさが均一で、かつ光源のイメージが透けて見え無い光源保護カバー用シートであると判断できる。
【0014】
本発明者は、上記の方法を用いて、透明樹脂に、形状、屈折率、粒径分布の制御が可能な架橋重合体粒子を含有させたシートについてランプイメージ測定値を求め、測定したランプイメージ測定値と、同時に測定した全光線透過率との間に特定の関係が成立することを見出し、その関係に適合した材料が光源保護カバー用シートとして非常に好ましいことを見出したのである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明において、透明樹脂を主体とするとは、50重量%以上の透明樹脂が含まれていることを言う。また、本発明に用いられる透明樹脂とは、JIS・K−7105に準じて測定した曇り度が10%以下となる物質として定義される。具体的にはメタクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−メチルメタクリレート共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。透明樹脂として特に好ましく採用されるのは、メタクリル樹脂である。
【0016】
本発明で用い得るメタクリル樹脂は、メタクリル酸メチルを主体とする樹脂が挙げられ、これにはメチルメタクリレートの単独重合体、メチルメタクリレートとこれと共重合可能な一種以上のものまーとの共重合体、耐熱性アクリル樹脂、低吸湿性アクリル樹脂などが含まれる。これらは単独で用いてもよいしブレンドしてもよい。また、メチルメタクリレートと共重合可能なモノマーとしては、メチルメタクリレートとメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、ブチルアクリレート、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルピリジン、ビニルモルホリン、ビニルピリドンテトラヒドロフルフリルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−ヒドロキシアクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、グリセリンモノアクリレート、無水マレイン酸、スチレン、もしくはα−メチルスチレン等が挙げられる。透明性を維持して耐衝撃性を同時に持たせるためには耐衝撃性アクリル樹脂が用いられ、そのゴム弾性体は特開昭53−58554号公報、同55−94917号公報、同61−32346号公報等に開示されている。簡単に説明すると、アクリル系重合体芯材料のまわりに弾性層及び非弾性層を交互に生成させる多段階逐次重合法により製造される多段重合体である。
【0017】
本発明に用いられる架橋重合体粒子は、透明樹脂を生成する単量体や前駆体に不溶であるか、或いは透明樹脂の融点では不溶融であるものが該当し、公知の懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等の方法を利用して製造することができる。架橋重合体粒子は、製造方法及び原料となる単量体の種類により、形状、粒径分布、屈折率を制御することができるため、透明樹脂中に分散させて得られるシートの光透過・拡散性のバランスを調整することができる。
【0018】
次に、先に示した式(II)〜(IV)について説明する。
【0019】
本発明に用いられる架橋重合体粒子の形状は、2次元平面上に投影した時に円又は楕円状を示すこと、即ち一般的な光学顕微鏡又は電子顕微鏡にて架橋重合体粒子を観察して得られる像が円又は楕円状であることが必要である。2次元平面上に投影した時の粒子の形状が円又は楕円状である場合、透明樹脂中で3次元的に均一な方向へ光を拡散させることができる。更に、同様にして得られる観察像を画像処理して扁平率Hを求めた時に、下記式(2)を満足することが必要である。
【0020】
0.1≦H≦1.0 ……(II)
好ましくは、0.5≦H≦1.0である。
【0021】
扁平率とは、図2に模式的に示した粒子の観察像に於いて、長い方の主軸21の半径aと短い方の主軸22の半径bとから次式(VI)により求められる。
【0022】
H=b/a ……(VI)
次に、本発明に用いられる架橋重合体粒子は、重量平均粒径Dd が下記式(III)を満足することが必要である。
【0023】
0.1≦Dd ≦20 ……(III)
架橋重合体粒子の粒径分布は、公知の光透過式沈降粒度分布測定法等により測定することができ、得られる分布から重量平均粒径を求めることができる。重量平均粒径が0.1μm以上20μm以下の範囲に入らない場合は、粒子を分級して前記範囲に入るようにすれば使用することができる。架橋重合体粒子の重量平均粒径が0.1μm以上20μm以下の範囲にある場合、透明樹脂と粒子界面にて可視光線の屈折、反射が有効に生じ、高い光拡散性をもたらすことができる。
【0024】
更に、種々の粒径の粒子が混在することなく特定範囲内で粒径が揃っていることが好ましく、具体的には粒度分布として現れるピーク構造の半値幅が10μm以下である場合、個々の粒子による光散乱強度が一様となり、均一な光学特性が得られるので特に好ましい。
【0025】
本発明に用いられる架橋重合体粒子の屈折率Nd は、分散させる透明樹脂の屈折率Nm との差の絶対値に於いて、下記式(IV)を満足することが必要である。
【0026】
0.02≦|Nm −Nd |≦0.1 ……(IV)
架橋重合体粒子の屈折率は、屈折率が既知である液体を用いた液浸法等により測定することができる。透明樹脂の屈折率は、一般的な「アッベ式屈折計」により測定することができる。架橋重合体粒子と透明樹脂との屈折率の差の絶対値が0.02以上0.1以下の範囲にある場合、透明樹脂中に分散した粒子内部を光線が通過する際の光量損失が小さく、光透過性が極端に低下するのを防止することができる。
【0027】
更に、本発明に於いては、架橋重合体粒子の屈折率Nd と透明樹脂の屈折率Nm との差の絶対値|Nm −Nd |と、架橋重合体粒子の重量平均粒径Dd との比が、下記式(VII)を満足する場合、個々の粒子による光散乱角度が一様となり、等方的な光学特性が得られるので特に好ましい。
【0028】
0.005≦|Nm −Nd |/Dd ≦0.03……(VII)
本発明に用いられる架橋重合体粒子の具体例としては、架橋スチレン系重合体、架橋アクリル系重合体、架橋スチレン−アクリル系共重合体、架橋スチレン−ブタジエン系共重合体、架橋シロキサン系重合体、架橋ウレタン系重合体等の粒子が挙げられ、これらは単独もしくは二種以上を組合せて利用することができる。
【0029】
本発明に於ける光源保護カバー用シートの構造は、透明樹脂に上述のような架橋重合体粒子が含有されているものを用いたもので、2層構造、更に好ましくは3層構造である。
【0030】
源保護カバー用シートは、透明樹脂100重量部に対して架橋重合体粒子が0.1〜40重量部の範囲にある表面層(A)と、透明樹脂100重量部に対して架橋重合体粒子が0〜10重量部の範囲にある基材層(B)とから成り、かつ表面層(A)中の架橋重合体粒子の含有量が基材層(B)中の架橋重合体粒子の含有量より多いことが必要となる。また、表面層(A)は透明樹脂を60重量%以上含むことが好ましく、基材層(B)は透明樹脂を70重量%以上含むことが好ましい。なお、2層構造の場合には、上記表面層(A)が光源からの光が出射される側、即ち光源保護カバーとして観察される側に設置して使用することが好ましく、3層構造の場合には上記基材層(B)の両面を表面層(A)で挟んだ構造が好ましい。
【0031】
本発明の光源保護カバー用シートは、全体厚みが0.1〜10mmであることが好ましく、更に好ましくは0.5〜5mmである。2層又は3層構造の場合、表面層(A)の厚みtAと基材層(B)の厚みtBの比率B/tA 40〜65である。
【0032】
本発明に於いて、2層又は3層構造の場合、各層の透明樹脂及び架橋重合体粒子は、それぞれ上述の条件を満たすものであれば同種でも異種でも構わないが、透明樹脂については同種である方が表面層(A)と基材層(B)の接着性が良くなるので好ましい。また、各層に於ける架橋重合体粒子の含有量を変えることや、各層の厚みを変えることにより、光源保護カバーの光学特性を制御することができる。
【0033】
本発明に於ける光源保護カバー用シートの製造方法は、透明樹脂中に架橋重合体粒子を均一に分散させることができる方法が好ましく、例えば重合性単量体もしくは部分重合した重合性単量体のシラップ中に該粒子を分散させて重合する方法、又は予め重合しておいた透明樹脂に該粒子を混合・溶融混練して押出す方法等により得た一種類以上の樹脂組成物を原料として、各種成形法により得ることができる。
【0034】
平滑なシート、波形のシート、プリズム形のシートを得るには、Tダイによる押出シート成形法が一例として挙げられる。当該シートは、真空成形、圧空成形、スタンパブル成形等の方法により二次加工し、光源保護カバーとして使用する事ができる。更に、環状ダイによる異形押出成形、ブロー成形、射出成形、圧縮成形等の方法でも本発明の光源保護カバー用シートを得ることができる。
【0035】
多層構造のシートを得るには、二種類以上の樹脂組成物を同時に溶融し押し出す共押出成形方法、二種類の樹脂組成物の一方を単層押出しながら予め成形された他方をラミネートする方法、二種類の樹脂組成物を予め成形した後プレスして熱圧着する方法、連続的に重ねて貼り合わせる方法、真空成形、圧空成形時に積層する方法等がある。
【0036】
本発明の光源保護カバー用シートには、その光学特性やその他の物性を損なわない範囲にて、他の成分、例えば無機系顔料、染料、補強剤、充填剤、離型剤、帯電防止剤、熱安定剤、酸化防止剤、核剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を原料製造時の混練過程や光源カバーの成形過程等を、製造する任意の過程において含有させることができる。
【0037】
ランプイメージ測定値の測定に於いて、蛍光管はJIS・C−7601に準じた市販のものを使用することができる。具体的には、種類は直管形、管径は1525mm、消費電力は18Wのもを用いる。この蛍光管2本を平行に中心間距離が120mmとなるように配置し、シートを蛍光管の表面から30mm(好ましくは10mm)離して設置し、輝度計にて該成形体面上のは縦20mm、横200mmの範囲の輝度分布を測定し、輝度最大値と輝度最小値との比を導出し、ランプイメージ測定値を求める。
【0038】
また、全光線透過率の測定は、JIS・K−7105法に準じた市販の測定機を用いて行うことができる。
【0039】
以上の様にして製造された光源保護カバー用シートにて、ランプイメージ測定値(LR)とJIS・K−7105に準じて測定した全光線透過率(TT)との関係が、下記式(I)を満足する場合、本発明は達成される。
【0040】
LR≧0.6+(50−TT)×0.002 ……(I)
【0041】
【実施例】
以下、実施例、比較例にて本発明を具体的に説明する。なお、各実施例、比較例で用いた評価及び試験方法は次の通りである。
【0042】
(1)架橋重合体粒子の形状観察:架橋重合体粒子を約0.01g採取し、カーボン蒸着し、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製「S−530型」)にて3000倍の倍率にて形状を観察する。得られた円又は楕円像に於いて2本の主軸の半径を測定し、扁平率Hを求める。
【0043】
(2)架橋重合体粒子の粒径分布の測定:架橋重合体粒子を界面活性剤水溶液中に超音波で分散させ、遠心式自動粒度分布測定装置(堀場製作所社製「CAPA−700型」)を用いて、光透過式沈降粒度分布測定法により粒径分布を測定する。得られた粒径分布から、重量平均粒径Dd を求める。
【0044】
(3)架橋重合体粒子の屈折率の測定:架橋重合体粒子を屈折率が既知である液体に浸し、アッベ式屈折計(アタゴ社製「3型」)を用いて測定する。
【0045】
(4)ランプイメージ測定値の測定:直管形N色蛍光管(商品名「パルックFL20SS−EX−N」、松下電工社製)2本を、中心間距離が120mmとなるように平行に配置し、蛍光管表面から15mmの距離を持たせてシート試験片を設置する。試験片から1m離れた位置にて輝度計(ミノルタカメラ社製「CA−1000型」)を固定し、試験片面上の縦25mm、横180mmで囲まれた領域の輝度分布を測定し、得られた輝度最大値と輝度最小値からランプイメージ測定値を導出する。
【0046】
(5)全光線透過率の測定:JIS・K−7105に準じたヘイズメーター(日本電色工業社製「1001−DP型」)を用いて、シート試験片の全光線透過率を測定する。
【0047】
また、各実施例及び比較例で用いた材料は以下のようにして調製したものを用いた。
【0048】
架橋重合体粒子の調整:
珪素原子に3個の加水分解性官能基と1個のメチル基とを有する原料シランを加水分解反応させ、次いで縮合反応させ微粒子化し、架橋構造を有するシリコーン系重合体粒子が得られる。更に、粒子の沈降速度の差を利用した沈降分級法と遠心力を利用した遠心分級法を組み合わせた方法で、重量平均粒径が0.1〜20μmの範囲に入るように粒子の分級を行い、粒度分布の半値幅が2μmの架橋重合体粒子(C)を得る。
【0049】
また、市販の架橋ポリスチレン粒子(商品名「テクポリマーSBX」、積水化成品工業社製)を上記架橋重合体粒子(C)と同じ方法で分級し、粒度分布の半値幅が8μmの架橋重合体粒子(D)を得る。
【0050】
これらの粒子(C)、(D)を用いて、上記(1)〜(3)の評価を行い、表1に示す結果を得る。
【0051】
光源保護カバー原料の調整:
透明樹脂と、上記架橋重合体粒子(C)又は(D)、及び必要に応じてその他の成分を表2に示す濃度で配合し、ヘンシェルミキサーでブレンドした後ベント付き40mmφ単軸押出機で樹脂温度250℃にてペレット化し、表面層(A)に用いる原料を得る。同様の方法を用いて、透明樹脂とその他の成分を表2に示す濃度で配合、ペレット化し、基材層(B)に用いる原料を得る。
【0052】
実施例1〜2
メタクリル樹脂(商品名「デルパウダ70H」、旭化成工業社製)と上記架橋重合体粒子(C)又は(D)、及びタルクから成る表面層(A)用原料と、メタクリル樹脂(商品名「デルパウダ70H」、旭化成工業社製)と上記架橋重合体粒子(C)又は(D)、及び炭酸カルシウムから成る基材層(B)用原料を用いて、第一押出機(スクリュー径50mmφ、L/D=32、単軸)、第二押出機(スクリュー径25mmφ、L/D=32、単軸)、マルチマニホールドダイ、及びポリッシングロール3本から成るユニットを用いて共押出シート成形を行い、幅300mmの3層シートを作成した。得られたシートは、基材層(B)の両面に表面層(A)が積層された構成を示た。各樹脂層の厚みは二機の押出機の吐出量バランスで調整した。シート全体の厚みは、ポリッシングロールのクリアランスで2.0mmを目標に調整した。該シートを試験片として上記(4)、(5)の評価を行った。結果を表3及び図3に示す。尚、図3はランプイメージ測定値と全光線透過率との関係を示す図である。
【0053】
ランプイメージ値(LR)は0.62〜0.63、全光線透過率(TT)は55〜56%と高い値を示し、下記式(I)を満足するため非常に好ましいものであった。
【0054】
LR≧0.6+(50−TT)×0.002……(I)
従って、光源である蛍光管のイメージは殆ど認められず、光源からの光は充分に透過されて明るく、かつ均一に拡散された光が得られた。
【0055】
実施例3〜4
メタクリル樹脂(商品名「デルパウダ70H」、旭化成工業社製)と上記架橋重合体粒子(C)又は(D)から成る表面層(A)用原料と、メタクリル樹脂(商品名「デルパウダ70H」、旭化成工業社製)と上記架橋重合体粒子(C)又は(D)、及び硫酸バリウムから成る基材層(B)用原料を用いて、実施例1〜2と同様の方法にて2層シートを得た。得られたシートは、基材層(B)の片面に表明層(A)が積層された構成を示した。該シートを試験片として上記(4)、(5)の評価を行った。結果を表3及び図3に示す。
【0056】
ランプイメージ値(LR)は0.60〜0.61、全光線透過率(TT)は57%を示し、前記式(I)を満足し、蛍光管のイメージは認められず、実施例1、2と同様に明るく、均一に拡散された光が得られた。
【0057】
参考例1〜2
基材層(B)用原料を使用しない事以外は全て実施例1〜2と同じ方法にて、表面層(A)用原料のみから成る単層シートを得た。該シートを試験片として上記(4)、(5)の評価を行った。結果を表3及び図3に示す。
【0058】
ランプイメージ値(LR)は0.62〜0.63、全光線透過率(TT)は57〜58%を示し、上記式(1)を満足し、蛍光管のイメージは認められず、実施例1〜4と同様、充分に光が透過され同時に均一に拡散されていることが確認された。
【0059】
比較例1〜2
メタクリル樹脂(商品名「デルパウダ70H」、旭化成工業社製)と、タルクから成る表面層(A)用原料と、メタクリル樹脂(商品名「デルパウダ70H」、旭化成工業社製)と炭酸カルシウムから成る基材層(B)用原料を用いて、実施例1〜2と同様の方法にて3層シートを得た。得られたシートは基材層(B)の両面に表面層(A)が積層された構成を示し、表面層(A)と基材層(B)の厚みの比率が異なるものであった。該シートを試験片として上記(4)、(5)の評価を行った。結果を表3及び図3に示す。
【0060】
ランプイメージ値(LR)は0.56〜0.57、全光線透過率(TT)は60〜61%を示し、上記式(I)を満足していないものであった。従って、光源である蛍光管のイメージが目視で確認され、透過光量については実施例1〜6と同様に得られるものの、光拡散性に劣ることが分かった。
【0061】
比較例3
メタクリル樹脂(商品名「デルパウダ70H」、旭化成工業社製)と、二酸化チタンから成る表面層(A)用原料を使用する以外は全て比較例1〜2と同じ方法にて、3層シートを得た。得られたシートは、基材層(B)の両面に表面層(A)が積層された構成を示した。該シートを試験片として上記(4)、(5)の評価を行った。結果を表3及び図3に示す。
【0062】
ランプイメージ値(LR)は0.63、全光線透過率(TT)は30%を示し、前記式(I)を満足せず、蛍光管のイメージは確認されないものの光透過性に劣り、光源エネルギーを有効に利用できないものであった。
【0063】
比較例4
メタクリル樹脂(商品名「デルパウダ70H」、旭化成工業社製)と、無定形シリカから成る表面層(A)用原料を使用する以外は全て参考例1〜2と同じ方法にて、表面層(A)用原料のみから成る単層シートを得た。該シートを試験片として上記(4)、(5)の評価を行った。結果を表3及び図3に示す。
【0064】
ランプイメージ値(LR)は0.45、全光線透過率(TT)は70%を示し、前記式(I)を満足せず、明るさは得られるものの蛍光管のイメージを消すことができず、光透過性の高さに比べて光拡散性に劣るものであった。
【0065】
【表1】
Figure 0003989982
【0066】
【表2】
Figure 0003989982
【0067】
【表3】
Figure 0003989982
【0068】
【発明の効果】
本発明の光源保護カバー用光透過・拡散性シートは、光源のエネルギーを有効に利用し、かつ光拡散面の明るさが均一で光源イメージが透けて見えないため、光源保護カバー材料として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光源保護カバー用光透過・拡散性シートの、ランプイメージ測定値の測定装置の概略図である。
【図2】本発明に用いられる架橋重合体粒子の観察像を模式的に示す図である。
【図3】本発明の実施例及び比較例に於ける、ランプイメージ測定値と全光線透過率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11 蛍光管
12 光源保護カバー用シート
13 輝度計
21 粒子像に於ける長い方の主軸
22 粒子像に於ける短い方の主軸

Claims (3)

  1. 透明樹脂100重量部に対して、2次元平面上に投影した時の形状が円又は楕円状でかつ下記式(II)〜(IV)を同時に満足する架橋重合体粒子を0.1〜40重量部含有する表面層(A)と、透明樹脂100重量部に対して上記架橋重合体粒子の条件を満たす同一又は異なる架橋重合体粒子を0〜10重量部含有する基材層(B)とから成り、かつ上記表面層(A)中の架橋重合体粒子の含有量が上記基材層(B)中の架橋重合体粒子の含有量よりも多い2層シートで、表面層(A)の厚み(t A )と基材層(B)の厚み(t B )の比率(t B /t A )が40〜65であり、かつ該シートのランプイメージ測定値(LR)とJIS・K−7105に準じて測定した全光線透過率(TT)との関係が、下記式(I)を満足することを特徴とする光源保護カバー用光透過・拡散性シート。
    LR≧0.6+(50−TT)×0.002……(I)
    0.1≦H≦1.0……(II)
    0.1≦Dd≦20……(III)
    0.02≦|Nm−Nd|≦0.1……(IV)
    (但し、Hは架橋重合体粒子を2次元平面上に投影した像から求められる扁平率、Nmは透明樹脂の屈折率、Ndは架橋重合体粒子の屈折率、Ddは架橋重合体粒子の重量平均粒径(μm)を示す。)
  2. 基材層(B)の両面を表面層(A)で挟んだ構成を有する3層シートであることを特徴とする請求項に記載の光源保護カバー用光透過・拡散性シート。
  3. 透明樹脂がメタクリル樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載された光源保護カバー用光透過・拡散性シート。
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