JPH026828Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、複数の可動棚より成る電動式移動棚
のロツク装置に関するものである。

従来技術 集束時にそれぞれ隣接する可動棚の間口が相互
に当接し、かつ奥行方向に移動可能な様に配設さ
れた複数の可動棚より成る電動式移動棚は公知で
ある。

考案が解決しようとする問題点 一般に、電源切断状態にある電動式移動棚の各
可動棚を動かすことは比較的困難であるが、複数
人が力を合わせれば、各可動棚を一台ずつ動かす
ことは可能である。また、停電時の対策として、
手動ラチエツト式ハンドルを設けた電動式可動棚
も提案されている。

それ故、電源切断状態であつても可動棚を動か
すことは可能であり、盗難対策上不備である。そ
こで、可動棚にロツク装置を付して機密書類、貴
重品等の盗難を防ぐ必要が生ずる。

ところが、ロツク装置を付した場合、錯誤によ
りその施錠を行つたまま操作押釦を操作すると、
ロツク装置を破損させるか、あるいは走行用電動
機を焼損させる可能性がある。

問題点を解決するための手段および作用 本考案の目的は、電動式移動棚にロツク装置を
付し、ロツク装置の動作と安全停止バーの動作回
路とを関連させることにより、ロツク装置の破損
ないしは走行用電動機の焼損を防止する点にあ
る。

この目的は、各可動棚が、障害物を検知して動
作し、可動棚の移動を停止させる安全停止バー
を、その間口に面して備えるとともに該安全停止
バーの動作によつて異常表示がなされる構造の電
動式移動棚において、棚群中の最外端可動棚の台
枠部材に設けた施錠可能なロツクピンと、全可動
棚の集束時に前記ロツクピンが嵌入する床または
レール部に設けた嵌入孔と、前記ロツクピンの施
錠操作により動作するロツクピン位置検出スイツ
チとより成り、該ロツクピン位置検出スイツチ
は、前記最外端可動棚の安全停止バー動作回路に
介装され、前記ロツクピン位置検出スイツチが動
作すると、各可動棚の安全停止バーが作動した場
合と同じく、異常表示がなされるとともに全可動
棚の走行用電動機が動作しない様になつているこ
とによつて達成される。

斯かる構成によれば、ロツク装置を施錠する
と、床またはレール部に設けた嵌入孔内にロツク
ピンが嵌入して、手動により可動棚を動かすこと
はできなくなり、かつロツクピン位置検出スイツ
チが動作して安全停止バー動作回路が遮断され、
操作押釦スイツチによる棚の移動が不可能にな
る。

実施例 以下、第１図ないし第１１図に示した本考案の
一実施例について説明する。

電動式移動棚１は、床Ｆに固定立設された固定
棚２と、床Ｆに敷設されたレールＲ上をモータ
M₁，M₂，M₃によつて走行可能になされた複数
台の可動棚３₁，３₂，３₃とで構成され、最外端
可動棚３₃の台枠部分における幅方向中央部には、
後記ロツク装置本体２１が配設されている（第１
図ないし第３図参照）。

第２図、第３図は、最外端可動棚３₃の台枠部
分を示しており、複数本の支柱４が、枠部材５お
よび連結部材１１を主部材とし車輪Ｗを備えた台
枠に支持されている。そして、可動棚３₃の台枠
部外方間口面側であつて、棚幅長の中央に近い位
置における枠部材５に、床Ｆに形成された嵌入孔
ｆと共にロツク装置２０を構成するロツク装置本
体２１が配設されている。すなわち、枠部材５
は、断面コ字状体であつて、そのウエブ６に回転
板２３を具備する錠２２が取着され、上部フラン
ジ７にロツクピン位置検出リミツトスイツチ
KLSが取着され、かつ下部フランジ８およびそ
の補強板９に形成された開口１０に、頭頂板２５
を備え圧縮スプリング２６をもつて上方に付勢さ
れたロツクピン２４が上下動可能に嵌入せしめら
れている（第４図、第５図参照。但し、第５図は
第４図における−線矢視図である）。

また、固定棚２および各可動棚３₁，３₂，３₃
の一側面に、作動状態を表示する表示ランプを内
蔵した操作押釦スイツチPB₀，PB₁，PB₂，PB₃
がそれぞれ設けられ、固定棚２については制御回
路の電源を開閉させるキー・スイツチCSが追加
して設けられている（第１図参照）。そして、固
定棚２および各可動棚３₁，３₂，３₃の前端に異
常検出リミツトスイツチSB₀，SB₁，SB₂，SB₃
が付設され、かつ前記棚の前端間口面に沿う水平
姿勢の安全停止バー３０（第４図参照）が、異常
検出リミツトスイツチSB₀，SB₁，SB₂，SB₃（こ
れ等のｂ接点が、Sb₀′，Sb₁′，Sb₂′，Sb₃′として
第１０図に示されている）の可動片に装着されて
いる。

電動式移動棚１のロツク装置２０は、前記の様
に構成されており、次に、ロツク装置２０の動作
態様を電動式移動棚１の制御系（第８図ないし第
１１図参照）と関連させながら説明する。

(1) ロツク装置２０がOFFの場合（第４図、第
５図参照）： 回転板２３が、ほぼ水平姿勢になつており、ロ
ツクピン２４は圧縮スプリング２６によつて押し
上げられ、ロツクピン位置検出リミツトスイツチ
KLSの可動片２７は下方に傾斜して、ロツクピ
ン位置検出リミツトスイツチKLSが閉成状態に
ある。

異常検出リレーSB₀X，SB₁X，SB₂X，SB₃X
（但し、添数字０，１，２，３はそれぞれ固定棚
２、可動棚３₁，３₂，３₃、に対応する。以下、
他のリレー、リレー接点についても同様である）
が励磁されるならば、そのリレーａ接点ab₀x，
ab₁x，ab₂x，ab₃xが閉成され、異常検出回路監
視リレーSBXが励磁される。

異常検出回路監視リレーSBXの励磁により、
そのリレーｂ接点sbx′は開成され、異常点滅リレ
ーFRが消磁状態となり、そのリレー接点frが開
成され、異常表示ランプL₀S，L₁S，L₂S，L₃Sが
消灯状態になる。

また、異常検出回路監視リレーSBXの励磁に
より、そのリレーａ接点sbxが閉成され、操作押
釦スイツチPB₀，PB₁，PB₂，PB₃を押せば、そ
れぞれ補助保持リレーPB₀X，PB₁X，PB₂X，
PB₃Xが励磁され、それに応じてリレーａ接点
pb₀x，pb₁x，pb₂x，pb₃xがそれぞれ閉成され、
右方走行リレーM₁R，M₂R，M₃Rないし左方走
行リレーM₁L，M₂L，M₃Lがそれに対応して励
磁され、前記M₁R…M₃Lにそれぞれ対応して、
そのリレー接点m₁r，m₁l，m₂r，m₂l，m₃r，m₃l
が閉成され、タイマTM₁，TM₂，TM₃が励磁さ
れ、そのタイマ接点tm₁，tm₂，tm₃が閉成され、
電動機M₁，M₂，M₃が正、逆回転する。

(2) ロツク装置２０がONの場合（第６図、第７
図）： 錠２２の鍵穴に鍵４０を差し込んで、回転板２
３を回転させる（第５図における矢印Ａ参照）
と、回転板２３と頭頂板２５の接触関係で、圧縮
スプリング２６の弾発力に抗してロツクピン２４
が押し下げられ、床Ｆの嵌入孔ｆ内に進入する。
また、ロツクピン位置検出リミツトスイツチ
KLSが開成される。

その結果、異常検出リレーSB₃Xのみが消磁さ
れ、リレーａ接点sb₃xが開成され（sb₀x，sb₁x，
sb₂xは閉成されている）、異常検出回路監視リレ
ーSBXが消磁され、そのリレーｂ接点sbx′が閉
成される。さらに、リレーｂ接点sbx′の閉成によ
り、異常点滅リレーFRが励磁され、そのリレー
ａ接点frが閉成され、リレーｂ接点sb₃x′が閉成
され（リレーｂ接点sb₀x′，sb₁x′，sb₂x′は開成さ
れている）、異常表示ランプL₃Sのみが点滅する。

また、異常検出回路監視リレーSBXが消磁さ
れることにより、そのリレーａ接点sbxが開成さ
れ、操作押釦スイツチPB₀，PB₁，PB₂，PB₃の
いずれを押しても、補助リレーPB₀X、から
PB₃Xは励磁されず、そのリレーａ接点pb₀x，
pb₁x，pb₂x，pb₃xは開成状態にあり、走行リレ
ーM₁R〜M₃Lはいずれも消磁されたままであり、
そのリレーａ接点m₁r〜m₃lは全て開成されてお
り、電動機M₁，M₂，M₃が回転することはない。

斯様に、本実施例においては、可動棚３₁，３
_２，３₃を全て集束させ、錠２２の施錠を行つてロ
ツクピン２４を床Ｆの嵌入孔ｆに嵌入させること
により、ロツクピン位置検出リミツトスイツチ
KLSが開成されて、安全停止バー３０の動作に
より異常検出リミツトスイツチSB₃のｂ接点
sb₃′が開成された場合と同様に、異常表示ランプ
L₃Sが点滅し、操作押釦スイツチPB₀，PB₁，
PB₂，PB₃のいずれを押しても棚が移動すること
はないので、施錠の有無を容易に確認し得るとと
もに施錠状態で棚を動かしてロツク装置２０を破
損させ、あるいは電動機を焼損させるが如き事態
を避けることができる。なお、キー・スイツチ
CS用の鍵と錠２２用の鍵４０とを共用させない
方が盗難防止上有効である。

次に、第１２図ないし第１５図に示した他の実
施例に係るロツク装置について説明する。図中、
前記実施例のものと同一の部材（必ずしも同一形
状ではない）については、同一符号を付してい
る。

第１２図は、可動棚３₃の台枠部分を間口面側
から見た図であり、床部分は断面図として示して
いる。床Ｆに埋設されたレール５０は、断面Ｃ字
状型材５２と、該型材５２の内壁中央部に沿つて
一体に溶接されたレール本体５４とで形成され、
所定位置において、Ｃ字状型材５２に三つのＣ字
状ロツクピン受け５６が連接状態で溶接されてい
る。なお、Ｃ字状ロツクピン受け５６は、全可動
棚を集束させた時に、ロツクピンを嵌入させ得る
位置に付設されているのであるが、可動棚の停止
位置誤差を見込んで、三連接して設けたものであ
る。

ロツク装置本体６０は、レール真上に位置して
枠部材５の前面に螺子６２をもつて固定されてお
り、箱体６４と、該箱体６４に固着された錠６６
と、錠６６の鍵操作によつて揺動上下動される
“く字状”揺動板６８と、箱体６４の上壁に固着
された固定片７０に形成された長穴７２に上下動
自在に嵌合する係合ピン７４と一体になされた保
持板７６と、保持板７６の下端部に溶接固定され
たロツクピン７８と、箱体６４の側壁に固定され
た固定片８０によつて支持されたロツクピン位置
検出リミツトスイツチKLSとを主部材として形
成されている。

第１２図、第１３図に示す状態では、揺動板６
８が上限位置にあつて係合ピン７４を介して保持
板７６が押し上げられ、ロツクピン７８がＣ字状
ロツクピン受け５６内に嵌入しておらず、かつロ
ツクピン位置検出リミツトスイツチKLSの可動
片２７は傾斜姿勢にあつて、ロツクピン位置検出
リミツトスイツチKLSは閉成されている。従つ
て、前記実施例と同様異常表示ランプL₃Sは点滅
せず、可動棚３₃は走行可能である。

次に、錠６６の鍵操作によつて揺動板６８を、
第１２図において反時計回り方向に下限位置まで
回転させると、箱体６４の下壁および補強体８２
を貫通しているロツクピン７８が下降してＣ字状
ロツクピン受け５６の一つに嵌入し、同時に保持
板７６の突出部７７によつて可動片２７が押し下
げられてロツクピン位置検出リミツトスイツチ
KLSが開成される（第１４図、第１５図参照）。

従つて、前記実施例と同様に、可動棚３₃は不
動に錠止され、異常表示ランプL₃Sが点滅し、全
可動棚の電動機は、操作押釦スイツチPBを押し
ても動作しない。

なお、第１６図は、ロツクピン位置検出リミツ
トスイツチKLSの他の接続例を示しており、リ
ミツトスイツチSB₃のａ接点sb₃とａ接点である
KLSが並列に接続されている。この場合、第１
０図に示したリレーSB₃xのａ接点sb₃xの代りに
ｂ接点を用いれば良い。

考案の効果 以上の説明から明らかな様に、各可動棚が、障
害物を検知して動作し、可動棚の移動を停止させ
る安全停止バーを、その間口に面して備えるとと
もに該安全停止バーの動作によつて異常表示がな
される構造の電動式移動棚において、棚群中の最
外端可動棚の台枠部材に設けた施錠可能なロツク
ピンと、全可動棚の集束時に前記ロツクピンが嵌
入する床またはレール部に設けた嵌入孔と、前記
ロツクピンの施錠操作により動作するロツクピン
位置検出スイツチとより成り、該ロツクピン位置
検出スイツチは、前記最外端可動棚の安全停止バ
ー動作回路に介装され、前記ロツクピン位置検出
スイツチが動作すると、各可動棚の安全停止バー
が作動した場合と同じく、異常表示がなされると
ともに全可動棚の走行用電動機が動作しない様に
なつていることを特徴とするロツク装置が提供さ
れた。

斯かる構成を採用するならば、棚を集束させた
状態で、施錠によりロツクピンを嵌入孔に嵌入さ
せると、ロツクピン位置検出スイツチが開成さ
れ、異常表示がなされて、安全停止バーによつて
障害物が検知された場合と同じ状態になり、施錠
の確認を行い得るとともに各可動棚の操作押釦ス
イツチを押しても、それぞれの電動機は動作せ
ず、ロツク装置の破損、あるいは電動機の焼損が
防止される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る電動式移動棚
の側面図、第２図はその最外端可動棚の底部正面
図、第３図は同じく底部平面図、第４図は該最外
端可動棚に付されたロツク装置の縦断側面図、第
５図はその−線矢視図、第６図、第７図はそ
れぞれ第４図、第５図に対応する動作態様図、第
８図は前記電動式移動棚における電動機の電源回
路図、第９図ないし第１１図はその制御回路図、
第１２図は他の実施例に係るロツク装置の一部欠
裁正面図、第１３図はその縦断側面図、第１４
図、第１５図はそれぞれ第１２図、第１３図に対
応する動作態様図、第１６図は制御系の他の配線
例を示す図である。 １……電動式移動棚、２……固定棚、３……可
動棚、４……支柱、５……枠部材、６……ウエ
ブ、７……上部フランジ、８……下部フランジ、
９……補強板、１０……開口、１１……連結部
材、２０……ロツク装置、２１……ロツク装置本
体、２２……錠、２３……回転板、２４……ロツ
クピン、２５……頭頂板、２６……圧縮スプリン
グ、２７……可動片、３０……安全停止バー、４
０……鍵、５０……レール、５２……Ｃ字状型
材、５４……レール本体、５６……Ｃ字状ロツク
ピン受け、６０……ロツク装置本体、６２……螺
子、６４……箱体、６６……錠、６８……揺動
板、７０……固定片、７２……長穴、７４……係
合ピン、７６……保持板、７８……ロツクピン、
８０……固定片、８２……補強材、CS……キ
ー・スイツチ、Ｆ……床、ｆ……嵌入孔、KLS
……ロツクピン位置検出リミツトスイツチ、Ｌ…
…表示ランプ、PB……操作押釦スイツチ、Ｒ…
…レール、SB……異常検出リミツトスイツチ、
Ｗ……車輪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 各可動棚が、障害物を検知して動作し、可動棚
   の移動を停止させる安全停止バーを、その間口に
   面して備えるとともに該安全停止バーの動作によ
   つて異常表示がなされる構造の電動式移動棚にお
   いて、 棚群中の最外端可動棚の台枠部材に設けた施錠
   可能なロツクピンと、全可動棚の集束時に前記ロ
   ツクピンが嵌入する床またはレール部に設けた嵌
   入孔と、前記ロツクピンの施錠操作により動作す
   るロツクピン位置検出スイツチとより成り、該ロ
   ツクピン位置検出スイツチは、前記最外端可動棚
   の安全停止バー動作回路に介装され、前記ロツク
   ピン位置検出スイツチが動作すると、各可動棚の
   安全停止バーが作動した場合と同じく、異常表示
   がなされるとともに全可動棚の走行用電動機が動
   作しない様になつていることを特徴とする電動式
   移動棚のロツク装置。