JPH026287Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は、回転エネルギを蓄勢するフライホ
イール装置に関するものである。

〔従来技術〕

第１図は、外筒形発電電動機として作用する従
来のフライホイール装置のフライホイールロータ
とステータ部分を示す断面図である。図において
１はフライホイールロータ、２はフライホイール
ロータ１を軸承している回転軸、３，３ａはフラ
イホイールロータ１の下部内壁に固定した複数個
のロータマグネツト、４はロータマグネツト３と
相対して設けたステータである。

従来のフライホイール装置は上記のように構成
され、通常時には電動機として作用する。すなわ
ちステータ４のコイルに外部電源より電圧が印加
されると、フライホイールロータ１が矢印５の方
向に回転してエネルギを蓄勢する。外部電源等異
常時においては、フライホイール装置は発電機と
して作用し、フライホイールロータ１に蓄勢され
たエネルギによりステータ４から負荷例えば
CPUに電力を供給して、停電補償装置として用
いられる。このため、フライホイール装置には通
常時に充分なエネルギを蓄勢する必要があり、フ
ライホイールロータ１は高速度で回転している。

しかし、従来のフライホイール装置においては
高速度で回転しているフライホイールロータ１に
何等かの欠陥が生じ、または回転数が所定回転数
より大となる等によりフライホイールロータ１が
材料強度以上の遠心力を受けてフライホイールロ
ータ１の外周が拡がり、さらにフライホイールロ
ータ１の破壊につながつてフライホイール装置そ
のものの機能を失う可能性があつた。また安全対
策上からもフライホイールロータ１の破壊を防止
する必要がある。

〔考案の概要〕

この考案は上記した問題点を解決するために必
要な保護対策を行なつたフライホイール装置を提
供することを目的とするものである。

この考案のフライホイール装置は、フライホイ
ールロータ構造上強度の弱い部分に該当するフラ
イホイールロータ外周に、所定の間隙を介して設
けた保護リングと、該保護リングに装着され、フ
ライホイールロータと保護リングとの摩擦による
温度上昇を検出する異常検出センサとを備え、フ
ライホイールロータの異常回転を防止するもので
ある。

〔実施例〕

この考案を実施例に基いて説明する。

第２図は、この考案一実施例のフライホイール
ロータ、ステータ部を示す断面図である。図にお
いて第１図に示した従来例と同一符号は同一構成
を示す。６はフライホイールロータ１の下部外周
に対して間隙８を介して設けた保護リング、７は
保護リング６に装着した温度センサである。この
実施例のフライホイールロータ１は図に示したよ
うに、構造上から内壁座ぐり部分１ａに最も応力
を受け易い。このためフライホイールロータ１の
下部外周がフライホイールロータ１の異常回転に
より外側に拡がり、破壊につながり易い。したが
つて、フライホイールロータ１の座ぐり部１ａの
強度に応じた所定の間隙８を介して環状の保護リ
ング６を設けることにより、フライホイールロー
タ１に所定以上の変形が発生した場合、フライホ
イールロータ１の外周が保護リング６に接触する
ような構成としたものである。

上記のように構成されたフライホイール装置に
おいて、フライホイールロータ１の欠陥等により
フライホイールロータ１が異常回転し、あらかじ
め設定した間隙８以上の変形が発生した場合には
フライホイールロータ１と保護リング６が接触
し、この接触摩擦によりフライホイールロータ１
の回転にブレーキをかける。さらに保護リング６
に装着した温度センサ７により、フライホイール
ロータ１と保護リング６の接触時の摩擦熱を検出
してフライホイール装置に電力を供給していた電
源を遮断し、またはステータ４及びロータマグネ
ツト３，３ａを有するフライホイールロータ１か
らなる電動機に制動作用をさせるなどして、保護
リング６と電動機の制動作用を併用してフライホ
イールロータ１が破壊に至る前に、フライホイー
ルロータ１の異常回転を低下させることができ
る。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案では、フライホイー
ルロータ外周に所定の間隙を介して設けた保護リ
ングと、前記保護リングに装着されフライホイー
ルロータと保護リングとの摩擦による温度上昇を
検出する異常検出センサとを備えるため、保護リ
ングは異常回転したフライホイールの制動及び逸
脱による装置の破壊を防止するだけでなく、検出
装置の一つとして構成され、異常回転初期のフラ
イホイールロータが連続的に保護リングに接触し
た際に発生する摩擦熱を異常検出センサで検出す
るものである。

このため、フライホイールロータの異常回転に
対する安全対策として、構造の単純化及び早期検
出の確実性が生れ、更に低価格で実現可能である
等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフライホイール装置のフライホ
イールロータとステータ部分を示す断面図、第２
図は、この考案実施例のフライホイールロータと
ステータ部を示す断面図である。 １……フライホイールロータ、２……回転軸、
３，３ａ……ロータマグネツト、４……ステー
タ、６……保護リング、７……温度センサ、８…
…間隙。なお各図中同一符号は同一または相当部
分を示すものとする。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 保護リングを備えた回転エネルギを蓄勢するフ
   ライホイールロータを有するフライホイール装置
   において、 前記フライホイールロータ構造上強度の弱い部
   分に該当するフライホイールロータ外周に、所定
   の間隙を介して設けた前記保護リングと、 前記保護リングに装着され、フライホイールロ
   ータと保護リングとの摩擦による温度上昇を検出
   する異常検出センサとを備えたことを特徴とする
   フライホイール装置。