JPH0258364B2 - - Google Patents

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JPH0258364B2
JPH0258364B2 JP19517183A JP19517183A JPH0258364B2 JP H0258364 B2 JPH0258364 B2 JP H0258364B2 JP 19517183 A JP19517183 A JP 19517183A JP 19517183 A JP19517183 A JP 19517183A JP H0258364 B2 JPH0258364 B2 JP H0258364B2
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JP
Japan
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yarn
roll
stretching
speed
elongation
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JP19517183A
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English (en)
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JPS6088116A (ja
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Kazuyuki Kitamura
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Priority to CA000465647A priority patent/CA1235269A/en
Priority to DE19843437943 priority patent/DE3437943A1/de
Priority to GB08426341A priority patent/GB2148788B/en
Priority to FR8416069A priority patent/FR2553794B1/fr
Priority to US06/662,822 priority patent/US4621021A/en
Priority to SU843805252A priority patent/RU1827000C/ru
Publication of JPS6088116A publication Critical patent/JPS6088116A/ja
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  • Artificial Filaments (AREA)
  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(イ) 技術分野 本発明はポリヘキサメチレンアジパミド繊維に
関する。更に詳しくは、ゴム補強用としてタイヤ
コード、ベルト等に用いられる高寸法安定性、高
耐疲労性ポリヘキサメチレンアジパミド繊維に関
する。 (ロ) 従来技術 ポリヘキサメチレンアジパミド繊維は、強度、
タフネス、耐熱性、染色性、発色性等がすぐれて
いるため、産業資材用、インテリア寝装用、衣料
用繊維として巾広く使用されている。特に強度、
タフネス、耐熱性、耐疲労性、ゴムとの接着性等
にすぐれているため、タイヤコード用繊維として
広く使用されている。 近年、タイヤにも省エネルギー技術が要求さ
れ、より燃費の少ないタイヤが求められている。
そのために、タイヤメーカーはより転がり抵抗の
小さいタイヤおよびより軽量なタイヤを追求して
いる。それに伴ない、タイヤコードにも、より寸
法安定性の高い糸並びにより強度の高い糸が要求
されている。また、タイヤの耐久性を向上せしめ
る事はタイヤの寿命延長による経済効果は勿論安
成性向上の観点からも必要であり、タイヤコード
にもより耐疲労性のすぐれた糸が要求されてい
る。 ナイロン66繊維は、ナイロン6繊維に比べる
と、耐熱性、寸法安定性はすぐれているが、ポリ
エチレンテレフタレート繊維に比べると、耐熱
性、特に耐湿熱性、耐アミン分解性はすぐれてい
るがポリエチレンテレフタレート繊維に比較して
寸法安定性が低い事が最大の欠点である。従つ
て、寸法安定性の要求されるラジアルカーカス分
野には主としてスチール、ポリエチレンテレフタ
レート、レーヨン等が用いられて来た。スチー
ル、レーヨンは重量当りの強力が低いためにタイ
ヤ当りのコード使用量が増え、タイヤの重量増
加、コスト上昇をひきおこしている。ポリエチレ
ンテレフタレートは耐熱性特に耐湿熱性が低く、
そのためタイヤの走行温度の高くなるトラツクバ
スタイヤ、高速タイヤ等には使用が限定される。
そこでナイロン66繊維のすぐれた高強度、耐熱
性、耐疲労性を生かし、更に寸法安定性を改善す
る事が求められていた。 ポリエステル系の寸法安定性、耐疲労性の改善
方法は、公開特許公報昭53−58032に開示されて
いる。この方法は、主としてポリエチレンテレフ
タレートよりなるポリエステルを高応力下で溶融
紡糸し、9×10-3〜70×10-3という比較的高複屈
折率の未延伸糸を熱延伸する事を特徴としてお
り、未延伸糸の引取速度としては1000乃至
2000m/minが採用されている。この公開特許以
降、高速紡糸糸を延伸し寸法安定性、耐疲労性を
改善する検討が種々行なわれている。ポリヘキサ
メチレンアジパミド繊維に関しては、公開特許公
報昭58−60012に、ポリヘキサメチレンアジパミ
ドを溶融紡糸し、2000m/min以上の紡糸速度で
引取り、該繊維を延伸する事を特徴とする方法が
開示されている。しかしながら紡糸速度を早く
し、紡出糸の配向度を上げると延伸性が悪化す
る。特にこの傾向は結晶化速度の著しく大きいポ
リヘキサメチレンアジパミドで著しい。従つて、
ポリヘキサメチレンアジパミドの紡糸速度を早く
すればする程、得られた延伸糸の強伸度は低下す
るという欠点を持つ。一般にタイヤコードの本来
的機能は補強材料であり、タイヤコードの強伸度
が低下すると、タイヤ中の糸の使用量を増加する
必要があり、そのため、タイヤの重量増および製
造コスト上昇をもたらす。 (ハ) 発明の目的 本発明者はポリヘキサメチレンアジパミドの高
速紡出糸の延伸糸を有する優れた疲労性、寸法安
定性を保持しつつ強伸度の高い延伸糸を得るべく
鋭意研究を重ねた結果、紡糸速度1000m/分以上
の高速紡糸により得られたポリヘキサメチレンア
ジパミド繊維を延伸速度100m/分以下で延伸す
ることにより高速紡出糸を用いても優れた強伸度
を有するのみならず、寸法安定性、耐疲労性にお
いてもすぐれたポリヘキサメチレンアジパミド繊
維が得られるとの知見を得て、これに基づき本発
明に到達した。 すなわち、本発明の目的は、強伸度、寸法安定
性および耐疲労性にすぐれたポリヘキサメチレン
アジパミド繊維を提供するにある。 (ニ) 発明の構成 本発明に係るポリヘキサメチレンアジパミド繊
維は、 (1) 蟻酸相対粘度 5〜150、 (2) 強度 7.5g/d以上、 (3) 伸度 12%以上、20%以下 (4) 5.3g/d時中間伸度 8%以下、 (5) (伸度−5.3g/d時中間伸度) 6%以上 (6) 160℃の乾熱収縮率 5%以下、 (7) 寸法安定性 13%以下 なる要件を具備することを特徴とする。 更に本発明繊維は (8) 結晶配向度 0.85以上、0.92未満、 (9) 結晶完全度 60%以上、 (10) 測定周波数110Hzにおける力学的損失正接
(tanδ)のピーク温度Tnaxが次式を満足する。 100≦Tnax+4(9.5−DS)≦116 但しDSは強度(g/d) なる要件を具備する。 (ホ) 発明の効果 本発明によつて得られる高強力ポリヘキサメチ
レンアジパミド繊維はすぐれた強伸度、寸法安定
性および耐疲労性を有しており、タイヤコード用
素材、ベルト用素材として用い得る。 (ヘ) 実施態様 本発明で用いるポリヘキサメチレンアジパミド
は、次式の繰返し単位を主体とするものである。 他のアミド形成単位を10重量%以下添加して変
性したポリヘキサメチレンアジパミドも本発明方
法に用いる事ができる。このような少量のアミド
形成単位としては、セバシン酸、ドデカン酸等の
脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸等の芳香族ジカルボン酸、デカメチレンジアミ
ン等の脂肪族ジアミン、メタキシリレンジアミン
等の芳香族ジアミン、ε−アミノカプロン酸等の
ω−アミノカルボン酸、カプロラクタム、ラウリ
ンラクタム等のラクタム類が用いうる。また、上
記ポリヘキサメチレンアジパミドに20重量%以下
のポリカプラミド、ポリヘキサメチレンセバカミ
ド等他種のポリアミドを配合したものを用いる事
もできる。 更に、上記ポリヘキサメチレンアジパミドに
は、通常用いられる添加剤、たとえば酢酸銅、塩
化銅、よう化銅、2−メルカプトベンズイミダゾ
ール銅錯塩等の銅化合物、2−メチルカプトベン
ズイミダゾール、テトラキス−〔メチレン−3−
(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフエニ
ル)−プロピオネート〕−メタン等の熱安定剤、乳
酸マンガン、次亜リン酸マンガン等の光安定剤、
リン酸、フエニルフオスフオン酸、ピロリン酸ナ
トリウム等の増粘剤、二酸化チタン、カオリン等
の艶消剤、エチレンビスステアリルアミド、ステ
アリン酸カルシウム等の滑剤、および可塑剤を含
ませることができる。 本願発明で使用するポリヘキサメチレンアジパ
ミドは蟻酸相対粘度が50以上150以下である事が
必要である。ここでいう「蟻酸相対粘度」とは、
ポリマーを90%蟻酸に溶解したポリマー濃度8.4
重量%溶液の25℃における溶液相対粘度である。
蟻酸相対粘度が50未満の場合、得られたポリヘキ
サメチレンアジパミド繊維の耐疲労性が著しく低
下する。蟻酸相対粘度が150を超えると、延伸性
が上がらず、十分な強度を有する原糸を得る事が
できず、また寸法安定性も低くなる。ポリヘキサ
メチレンアジパミドの好ましい蟻酸相対粘度は60
〜100である。 水分率0.1%以下に乾燥した上記ポリマーをエ
クストルーダー型紡糸機を用いて紡糸するか、或
は、連続重合完了后の溶融状態の上記ポリマーを
配管でスピンヘツドに導き直接紡糸する。この時
の溶融温度は270℃〜320℃が好ましい。紡出され
た糸条は冷却風で冷却された後、油剤を付与さ
れ、引取りローラで引き取られた後巻取られる。
引取りローラーを用いず油剤を付与後直接巻取り
機に巻取る事もできる。 巻取り速度は1000m/分以上、6000m/分以下
である事が必要である。巻取り速度が1000m/分
未満では延伸された繊維の耐疲労性および寸法安
定性の向上が小さい。巻取り速度が6000m/分を
超えると延伸糸の強伸度の低下が大きくなる。よ
り好ましくは5000m/分以下である。 ポリヘキサメチレンアジペート繊維は紡糸速度
が約600m/分〜4000m/分の間では巻取られた
糸が吸湿伸長する為、正常な巻取りが不可能とな
る。その為1000m/分〜4000m/分の巻取速度の
時は、冷却された糸条をスチームセツトした後巻
取るか、或いは紡出糸条を引取りロールで引取つ
た後連続して次のロールとの間で2.0倍以下の延
伸を行つたのち巻取る必要がある。 巻取速度が4500m/分を超えると、巻取張力が
大きくなり、糸条の収縮により紙管が捲取機より
抜けなくなつたり捲取チーズの端面が耳高になつ
たりする。特にこの傾向は巻取速度が5000m/分
をこすと著しくなる。この場合は紡出糸条を引取
りロールで引取つた後、次のロールとの間でそれ
に10%以下の弛緩を与えて後巻取る事が必要とな
る。 本発明繊維を得る為には延伸前の高配向ポリヘ
キサメチレンアジペート未延伸糸の複屈折率は20
×10-3〜50×10-3であることが好ましい。20×
10-3未満では延伸された繊維の耐疲労性および寸
法安定性の向上が小さい。一方、50×10-3を超え
ると、本願発明のような延伸方法を工夫しても強
度の発現が不充分である。より好ましくは25×
10-3ないし45×10-3である。 一般にタイヤコードの様なデニールの大きい未
延伸糸の延伸においては最終の延伸ロール速度で
数百m/分〜数千m/分が採用されている。延伸
速度の上昇は生産性の上昇となり、特に近年では
直接紡糸延伸方法の採用により数千m/分の高速
となつて来た。しかし我々が鋭意検討した結果、
高配向未延伸糸を延伸する場合は、低配向未延伸
糸の場合に比して延伸速度の延伸糸物性に及ぼす
影響が極めて大きい事が判明した。本発明繊維を
得る為には、延伸速度は最終の延伸ロール速度が
100m/分以下である事が必要である。これを超
えると得られる繊維の強伸の発現が十分でないだ
けでなく、耐疲労性、寸法安定性も低下する。よ
り好ましくは、50m/分以下である。 物性的には延伸速度が低すぎる事による欠点は
発生しないが、生産性の低下が著しい。実用上採
用しうる延伸速度は2m/分以上である。 本発明繊維を得る為の延伸は1段延伸及び2段
以上の多段延伸のいずれも採用する事ができる。 本発明における延伸ロールとしては、通常使用
されている積極駆動ロール2対を使用したネルソ
ンロールユニツト、積極駆動ロールとフリーロー
ルの組み合わせ、或はスフやモノフイラメント等
の多糸条の延伸に用いられるように積極駆動ロー
ルを5本〜9本組み合わせたロールユニツトを用
いる事ができる。 延伸ロールの前には延伸糸条に張力をかける
為、フイードロールをもうけ、フイードロールと
延伸ロールの間で5%未満のストレツチをかける
事が好ましい。勿論延伸ロールを3段以上の多段
にし、第1段延伸ロールと第2段延伸ロールの間
で5%未満のストレツチをかける事もできる。 第1段延伸ロールは鏡面仕上げされていること
が好ましく、第2段以降の延伸ロールは鏡面、あ
るいは10S以下の梨地面が好ましく、また、鏡
面、梨地面が交互に混在していてもよい。ネルソ
ンロールユニツトあるいは積極駆動ロールとフリ
ーロールの組み合わせに対する糸条の周回回数は
2回〜7回が用いられる。鏡面程回数は少なくて
すみ、梨地の粗度が粗くなる程多くなる。7回以
上の周回回数も採用されるが、ロール長が長くな
り経済的でなくなる。 延伸ロールは、通常室温より高い温度に保たれ
る。例えば、高配向未延伸糸を従来方法で延伸す
る特開昭58−60012号公報では、第1延伸ロール
は80〜150℃、第2延伸ロールは160〜240℃に保
持されている。勿論本発明でもこのような温度を
採用してもよいが、本発明では延伸ロールを室温
に保持しても延伸が何ら支障なく行なえる。これ
によつて設備が簡略化され、また省エネルギーに
もなる。 本発明繊維を得るには延伸ロールの間に糸条加
熱体を設けて加熱延伸を行う。糸条加熱体は糸条
を接触加熱或いは非接触加熱せしめる。糸条加熱
体の温度は接触加熱の場合180〜260℃、非接触加
熱の場合は200〜280℃が採用される。接触加熱の
場合180℃未満では十分な延伸が行なわれず、260
℃を超えると糸条は熔断する。非接触加熱の場合
200℃以下では十分な延伸が行なわれず、280℃以
上では糸条は熔断する。通常糸条加熱体としては
ホツトプレートが多く用いられるが、従来方法で
は該温度は180〜220℃が採用されている。例え
ば、特開昭58−60012号公報では150〜210℃が採
用されている。本発明の繊維を得る方法でも接触
加熱で180〜230℃、非接触加熱で200〜240℃とい
う温度も採用されるが、より高強伸度、より高寸
法安定性の繊維を得る為には糸条加熱体の温度を
高温にした方がよい。好ましくは接触加熱で230
〜255℃、非接触加熱で240〜275℃である。接触
加熱で糸条加熱体の温度を高くすると、糸条加熱
体上に糸に付与した仕上剤よりのタール物が蓄積
しやすい。従つて、非接触加熱を採用する事が好
ましい。 本発明繊維を得る為に好適な例を添附図面につ
いて説明する。第1図に紡糸工程、第2図に1段
延伸の時の延伸工程、第3図に2段延伸の時の延
伸工程を示すが、本発明はこの例に限定されな
い。 第1図において、溶融されたポリヘキサメチレ
ンアジパミドは多数の細孔を持つ紡口1より吐出
され、紡口直下に設けた加熱筒2により糸条近傍
の温度を調整された雰囲気を通り、次いで冷風チ
ヤンバー3より定速で吹き出す冷風により冷却固
化され、スチームコンデイシヨナー5に吹き込ん
でいるスチーム4でセツトされ、オイリングロー
ル6で仕上剤を付与せしめた後、引取りロール7
で引き取りながらワインダー8にて未延伸糸パツ
ケージ9として巻き取られる。 この様にして巻取られた未延伸糸パツケージ9
は第2図の延伸工程の原糸として延伸熱処理装置
に供給される。未延伸糸パツケージより解舒され
た糸条はフイードロール10に供給され、第1延
伸ロール11との間で数%のストレツチをかけら
れる。第1延伸ロール11と第2延伸ロール13
の間には糸条加熱体12が設置され、糸条は第1
延伸ロール11と第2延伸ロール13の間で熱延
伸され、延伸糸14として巻き取られる。 また、未延伸パツケージ9は同様に第3図の延
伸工程の原糸として延伸熱処理装置に供給され
る。未延伸糸パツケージ9より解舒された糸条は
フイードロール10に供給され、第1延伸ロール
11との間で数%のストレツチをかけられる。第
1延伸ロール11と第2延伸ロール13の間、並
びに第2延伸ロール13と第3延伸ロール16の
間にはそれぞれ糸条加熱体12,15が設置さ
れ、糸条は第1延伸ロールと第2延伸ロール、第
2延伸ロールと第3延伸ロールの間で2段熱延伸
され延伸糸14として巻き取られる。また、第3
図の第2延伸ロールと第3延伸ロールの間で15%
以下の弛緩熱処理をする事もできる。 以上述べた製法で作られたポリヘキサメチレン
アジペート繊維は次の如き特性を有している。 (1) 蟻酸相対粘度 5〜150、 (2) 強度 7.5g/d以上、 (3) 伸度 12%以上、20%以下 (4) 5.3g/d時中間伸度 8%以下、 (5) (伸度−5.3g/d時中間伸度) 6%以上 (6) 160℃の乾熱収縮率 5%以下、 (7) 寸法安定性 13%以下 (8) 結晶完全度 60%以上、 (9) 結晶配向度 0.85以上、0.92未満、 (10) 測定周波数110Hzにおける力学的損失正接
(tanδ)のピーク温度Tnaxが次式を満足する、 100≦Tnax+4(9.5−DS)≦116 (但し、D.S.は強度(g/d) 蟻酸相対粘度は90%蟻酸にポリマー濃度8.4重
量%となるように溶解せしめた溶液の25℃におけ
る相対粘度である。強伸度および中間伸度は20
℃、65%RHの温湿度調整された部屋で24時間コ
ンデイシヨニングされた試料を島津製作所製オー
トグラフS−100を用い、80回/mの撚りを入れ
た25cmの原糸長で降下スピード30cm/分、チヤー
トスピード60cm/分で求めた値である。乾熱収縮
率は20℃、65%RHの温湿度調整された部屋で24
時間コンデイシヨニングされた試料にデニールの
1/20相当の荷重(初荷重)をかけて測長した
1.0mの原糸を160℃のエアーオーブン中で30分自
由収縮させた後上記部屋で4時間コンデイシヨニ
ングした後初荷重相当の荷重をかけて測長して求
めた。 寸法安定性は5.3g/d時の中間伸度と160℃の
乾熱収縮率を和したものである。 結晶配向度は理学電気製広角X線散乱装置を用
いて、CuKaを線源として測定した。(1,0,
0)赤道線干渉のデバイ環上に沿つた強度分布の
半値幅H゜から次式を用いて求めた。 fc=180゜−H゜/180゜ 結晶完全度は理学電気製広角X線散乱装置を用
いて、CuKaを線源として測定した。(1,0,
0),(0,1,0)+(1,1,0)の結晶面間隔
α(100)、α{(010)+(110)}より次式を用いて

めた。 α(100)/α{(010)+(110)}−1/0.189 ×100(%) Tnaxは東洋ボールドウイン社製Vibron DDV
−C型を使用し、110Hzの測定周波数、昇温速
度3℃/分乾燥空気中で求めた力学的損失正接
(tanδ)のピーク温度より求めた。 本発明に係るポリヘキサメチレンアジパミド繊
維は、5.3g/d定反応の伸び(5.3g/d時中間
伸度)が小さく、剛性が高いにもかかわらず熱収
縮率が低い。従つて、寸法安定性が高い繊維とな
つている。また、中間伸度が低いにもかかわら
ず、破断伸度が大きく破断エネルギーが大きい。
結晶配向は従来糸と余り変わらないが、結晶安全
度は高く、また非晶部ルーズで動き易くなつてい
る。非晶部の動き易さの目安となるTnaxは繊維
の引き伸ばしによつて変化し、繊維本来の動き易
さを見るには引張強度の補正を行う必要がある。
その補正は引張強度1g/d当り4である。 本発明の繊維は従来の高速紡糸された未延伸糸
を数百m〜数千mの速度で延伸された繊維に比し
すぐれた寸法安定性、疲労性を有する。 (ト) 実施例 次に本発明方法を実施例をあげて具体的に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 デイツプコードの物性測定法は原糸のそれに準
じたが強伸度測定は80日/mの撚りは入れずに測
定した。また、「中間伸度」は原糸については5.3
g/d時の伸度であるが、デイツプコードについ
ては2.65g/d時の伸度である。「耐疲労性」は
JIS L−101(7) 3・2・2・1A法に準じ、グツ
ドイヤー法のチユーブ疲労試験を行つた。 チユーブ形状 内径 12.5mm 外径 26mm 長さ 230mm 曲げ角度 90゜ 内 圧 3.5Kg/cm2G 回転数 850rpm 上記条件下に疲労試験を行ないチユーブが破裂
するまでの時間を測定した。 実施例 1 ヘキサメチレンジアンモニウムアジペートの50
%水溶液を2000部/時の割合で定量供給し、濃縮
槽で70%に濃縮後、第1反応器中17.5Kg/cm2の圧
力を保ちつつ220℃から250℃まで1.5時間で昇温
せしめた。ついで、第2反応器中で温度を280℃
に昇温しつつ圧力を常圧まで戻した。気液分離槽
で水蒸気を分離後、後重合器中350mmHg、280℃
で15分間重合した後配管で紡糸スピンヘツドに導
き、298℃で0.27mmφの孔624個を有する紡糸口金
から紡出した紡出糸の蟻酸相対粘度は65であつ
た。直ちに冷却し、スチーミングした後紡糸油剤
を付与し第1表に示した。引取りスピードで回転
する引取りロールに周回せしめた後引取りスピー
ドと等速で巻き取つた。次いで該未延伸糸を室温
のフイードロールと室温の第1延伸ロールの間で
1%の伸長をかけた後、第1延伸ロールと室温の
第2延伸ロールの間で第1表に示す延伸倍率にて
延伸した。その際第1延伸ロールと第2延伸ロー
ルの間に238℃、250mmのホツトプレートを設置し
た。延伸速度は第2延伸ロール周速で15m/分で
ある。延伸比は15分間糸切れのしない最大延伸比
である。ここで得られた延伸糸物性を第1表に示
す。 上述のように得られた1890dの原糸に下撚を
32.0T/10cm、さらに上撚を32.0T/10cmかけ2
本合糸して生コードとなし、リツツラー社のコン
ピユートリーターを用い、第1ゾーンは温度160
℃、張力2.0Kg/コード、時間140秒、第2ゾーン
は温度230℃、張力3.8Kg/コード、時間40秒、第
3ゾーンは温度230℃、張力2.6Kg/コード、時間
40秒でレゾルシン・ホルマリンラテツクス液によ
るデイツプ処理を行つた。接着剤付着量は4.5%
である。このデイツプコードの物性を第2表に示
した。 紡糸速度が1000m/min以上で、結晶完全度は
高くなりTnaxは低下しすぐれた寸法安定性およ
び耐疲労性を有している事がわかる。また紡糸速
度が早くなる程寸法安定性および疲労性は向上す
るが強度が低くなる。
【表】
【表】 実施例 2 実施例1において紡糸速度を1500m/分、
3000m/分となし、他は同じ条件で製造した未延
伸糸を、同じく実施例1の延伸方法にて延伸速度
のみ第3表および第4表に示す条件に設定し、延
伸糸を得た。これらの延伸糸を実施例1と同様に
してデイツプコードを得た。結果を第3表〜第6
表に示す。 延伸速度が100m/分を超えると結晶完全度、
強伸度、寸法安定性および耐疲労性の低下が見ら
れる。 比較例 1 実施例1において紡糸速度を1500m/分、
3000m/分となし、他は同じ条件で製造した未延
伸糸を第1ネルソンローラーに引き取り、引き続
き順次より大きな周速で回転する第2−第4ネル
ソンローラーに導き、3段階に分けて延伸熱セツ
トを行ない、1500m/分の速度で巻き取つた。第
1〜第4ネルソンローラーを構成する各ゴデツト
ロール組をG1〜G4とすると各ロールの温度は
G1:室温、G2:80℃、G3:220℃、G4:230℃と
した。各ロールの周速比はG2/G1=1.01、G3
G2=可変、G4/G3=1.6、巻取速度/G4=0.95で
あつた。これらの延伸糸を実施例1と同様に処理
し、デイツプコードを得た。結果を第3表〜第6
表に併記した。 実施例2に比して結晶完全度、強度、寸法安定
性および耐疲労性の低下が見られる。
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 3 実施例2において使用した1500m/分の紡糸速
度の未延伸糸を用い、実施例1の延伸方法にてヒ
ーター温度のみ第7表に示す条件に設定し、延伸
糸を得た。これらの延伸糸を実施例1と同様にし
てデイツプコードを得た。結果を第8表に示す。 延伸温度の高い方が延伸性も向上し、結晶完全
度が上がり、寸法安定性もよくなる事が判る。
【表】
【表】 実施例 4 実施例2において使用した1400m/分の紡糸速
度の未延伸糸を用い、実施例1の延伸方法の中で
第1延伸ロールと第2延伸ロールの間に第4図に
示したヒーター表面に糸条溝18をもち表面を含
め保温材19で保温されたヒーター17を設け
た。ヒーター長は500mmであり、糸条はヒーター
溝中をヒーターに非接触となるように走行せしめ
た。ヒーター温度を第9表に示す条件に設定し、
延伸糸を得た。これらの延伸糸を実施例1と同様
にしてデイツプコードを得た。結果を第10表に示
す。 非接触加熱の方がより温度が上げられ、延伸性
も向上する事が判る。
【表】
【表】
【表】 実施例 5 第11表に示した蟻酸相対粘度のチツプを用いて
押出機で溶融し、305℃で0.25mmφの孔624個を有
する紡糸口金から紡糸し、350℃に加熱された150
mmの加熱筒を通し、冷却し、スチーミング後、紡
糸油剤を付与し、1400m/minの引取りスピード
で回転する引取りロールに周回せしめた後、引取
りスピードと等速で巻き取つた。次いで、該未延
伸糸を室温のフイードロールと105℃の第1延伸
ロールの間で1%の伸長をかけた後、第1延伸ロ
ールと第2延伸ロールの間で第11表に示す延伸倍
率にて延伸した。なお、第2延伸ロールの温度は
220℃である。その際第1延伸ロールと第2延伸
ロールの間に240℃、250mmの接触式ホツトプレー
トを設置した。延伸速度は12m/分である。ここ
で得られた延伸糸物性を第11表に示す。これらの
延伸糸を実施例1と同様にしてデイツプコードを
得た。結果を第12表に示す。
【表】
【表】 粘度が上昇すると疲労性が向上するが、到達強
度は蟻酸相対粘度80〜90でほぼ飽和する事が判
る。 比較例 2 実施例5で使用した未延伸糸を使用し、第1ネ
ルソンローラーに引き取り、引き続き順次より大
きな周速で回転する第2−第4ネルソンローラー
に導き、3段階に分けて延伸熱セツトを行ない、
1500m/分の速度で巻き取つた。第1−第4ネル
ソンローラーを構成する各ゴデツトローラー組を
G1〜G4とすると各ロールの温度はG1:室温、
G2:80℃、G3:220℃、G4:230℃とした。各ロ
ールの周速比はG2/G1=1.01、G3/G2=可変、
G4/G3=1.6巻取速度/G4=0.95である。これら
の延伸糸を実施例1と同様に処理しデイツプコー
ドを得た。結果を第13表、第14表に示した。 実施例5に比して強度の低下、結晶完全度、寸
法安定性、耐疲労性の低下が見られる。
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のポリヘキサメチレンアジパミ
ド未延伸糸を製造する為の代表的な溶融紡糸装置
の配置図であり、第2図は1段延伸の延伸熱処理
装置の配置図、第3図は2段延伸の延伸熱処理装
置の配置図である。第4図は非接触ヒーターの断
面図である。 1……紡口、2……加熱筒、3……冷風チヤン
バー、4……スチーム配管、5……スチームコン
デイシヨナー、6……オイリングロール、7……
引き取りロール、8……ワインダー、9……未延
伸糸パツケージ、10……フイードロール、11
……第1圧延ロール、12……糸条加熱体、13
……第2延伸ロール、14……延伸糸パツケー
ジ、15……糸条加熱体、16……第3延伸ロー
ル、17……ヒーター、18……糸条溝、19…
…保温材。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (1) 蟻酸相対粘度 50〜150、 (2) 強度 7.5g/d以上、 (3) 伸度 12%以上、20%以下、 (4) 5.3g/d時中間伸度 8%以下、 (5) (伸度−5.3g/d時中間伸度) 6%以上 (6) 160℃の乾熱収縮率 5%以下、 (7) 寸法安定性 13%以下 (8) 結晶配向度 0.85以上、0.92未満、 (9) 結晶完全度 60%以上、 (10) 測定周波数110Hzにおける力学的損失正接
    (tanδ)のピーク温度Tmaxが次式を満足する、 100≦Tmax+4(9.5−DS)≦116 (但し、DSは強度(g/d)を表わす。) なる要件を具備するポリヘキサメチレンアジパミ
    ド繊維。
JP19517183A 1983-10-20 1983-10-20 高寸法安定性,高耐疲労性ポリヘキサメチレンアジパミド繊維 Granted JPS6088116A (ja)

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DE19843437943 DE3437943A1 (de) 1983-10-20 1984-10-17 Polyhexamethylenadipinsaeureamid-faser mit hoher masshaltigkeit und hoher ermuedungsfestigkeit und verfahren zu ihrer herstellung
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US06/662,822 US4621021A (en) 1983-10-20 1984-10-19 Polyhexamethylene adipamide fiber having high dimensional stability and high fatigue resistance, and process for preparation thereof
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