JPH02555Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ガス管等をワンタツチで連結結合し
または解離する管継手に関するものである。

従来から、この種の管継手は、係合溝を外周面
に周設したプラグをソケツトに挿入し、該ソケツ
トに内蔵させたボールを該プラグの係合溝に係合
させて該プラグと該ソケツトとをワンタツチで連
結結合させ、且つ、該ソケツトに内蔵するボール
を該プラグの係合溝から外すことにより該ソケツ
トと該プラグとをワンタツチで解離させる構造の
ものであり、非常に便利なものとして、社会一般
の広範囲に亘つて使用されてきた。

しかしながら、該管継手には、ガス等が流通す
る延長方向にあるガス器具等を移動させ、該管継
手をガスが流れる方向（以下「流体流通方向」と
いう。）と同一方向に地面上を引きずつたりした
場合、該ソケツトの着脱用ガイドが、他の物と接
触したりして、流体流通方向と反対の方向（以下
「流体流通逆方向」という。）に引き戻される場合
があり、その場合に、該管継手の連結結合が、不
用意に解離させられガスの突出という事態を招来
するという欠点を有していた。

本考案は、上記の実情に鑑みてなされたもので
あり、ソケツトにプラグを挿入することによつて
両者がワンタツチで連結結合され、且つ、該ソケ
ツトに内蔵されている弁部が押動されて開弁する
管継手において、ソケツト本体の壁体に形成され
たボール保持孔にボールを保持させ、前記のソケ
ツト本体の外周に前記のボールを該ソケツトの中
心軸方向に押圧する環状の突縁を有する着脱用ガ
イドを摺動且つ回動自在に嵌合し、該着脱用ガイ
ドと前記のソケツト本体との間に中間子を摺動且
つ回動自在に嵌合し、該ソケツト本体と該着脱用
ガイドとの間にスプリングを介装して該着脱用ガ
イドをプラグ側に弾発させるとともに、該着脱用
ガイドと該中間子との間に前記スプリングより弾
発力が大きいスプリングを介装して該着脱用ガイ
ドを弁部側に弾発し且つ該中間子をプラグ側に弾
発させ、プラグ結合前においては前記着脱用ガイ
ドの突縁が中間子側に位置し、結合時においては
ボール位置に位置し弁部側に移動しないようにソ
ケツトを構成し、プラグは、環状の係合溝と前記
ソケツトの中間子を弁部側に押し込むフランジと
を設けてなり、該プラグは前記のソケツトに挿入
し該プラグの係合溝に前記のボールが係合するよ
うに構成したことを特徴とするものである。

本願考案の主たる目的は、ソケツトの着脱用ガ
イドが流体流通逆方向に往動された場合にも、該
ソケツトとプラグとの連結結合が解離することが
ない管継手を提供することである。

以下、本考案を図面に表した一実施例に基づい
て説明する。

第１図は、本考案の一実施例たる管継手の連結
結合前の状態を表した断面図であり、第２図は、
第１図の連結結合時の状態を表した断面図であ
り、第３図は、第２図の解離時の状態を表した断
面図である。

１は、ソケツト２と該ソケツト２に内蔵する弁
部３と該ソケツト２の一端に連結結合するホース
結合部材４と該ソケツト２の他端にワンタツチで
脱着自在に連結結合するプラグ５等からなる管継
手である。

ソケツト２は、第１図ないし第３図に示す様
に、ソケツト本体６、ボール７、中スプリング
８、大スプリング９、中間子１０及び着脱用ガイ
ド１１からなるものであり、ソケツト本体６に穿
設されたボール保持孔２０にボール７を嵌挿して
設け、該ソケツト本体６の外周をスライドするよ
うにして中間子１０と着脱用ガイド１１とを設
け、中スプリング８を該ソケツト本体６と該着脱
用ガイド１１との間に設けて該着脱用ガイド１１
をガス等の器具が接続してある側（以下「流出口
側」という。）に弾発し、大スプリング９を該中
間子１０と該着脱用ガイド１１との間に設けて該
着脱用ガイド１１を流出口側と反対側（以下「流
出口側」という。）に弾発する様に構成されたも
のである。

また、該ソケツト２は、後記のプラグ５の挿入
部４２を該ソケツト本体６に挿入させ、且つ、該
プラグ５のフランジ４４で中スプリング８及び大
スプリング９の弾発力に抗して該中間子１０を流
入口側に押動することによつて、該ボール７を半
径方向に変位させて該プラグ５の係合溝４６に係
合させ、該プラグ５と連結結合するものであり、
また、該プラグ５との連結結合後に、該着脱用ガ
イド１１を大スプリング９の弾発力に抗して押動
することによつて、該ボール７と該係合溝４６と
の係合を外し、該プラグ５との連結結合を解離さ
せる様に形成したものである。

ソケツト本体６は、その外周面が、流出口側か
ら順に径が大きくなる第１段円筒１２、第２段円
筒１３、第３段円筒１４、第４段円筒１５及び第
５段円筒１６を有する多段円筒状の金属からなる
ものであり、該第１段円筒１２の流出口側には、
ストツパワツシヤ１８を保持する溝１９が周設し
てあり、該第２段円筒１３の壁体には、３つのボ
ール７を保持するボール保持孔２０が、軸心の方
に向かうに従つて漸次狭くなるようにして３箇所
穿設され、また、その内周面には、その軸心方向
に後記のプラグ５を挿入する挿入孔１７を有する
内第１段２１及び後記のゲージ元３２と螺合する
雌ネジ３５を有し、且つ、該内第１段２１の径よ
りも大きい径の内第２段２２が設けられている。

ボール７は、ステンレスからなるものであり、
前記の３箇所のボール保持孔２０に、１個ずつ保
持されており、後記の着脱用ガイド１１の突縁２
３でソケツト２の中心軸方向に押動され、プラグ
５の係合溝４６に係合される様に設けられてい
る。

中スプリング８は、ステンレスからなるスプリ
ングであり、前記のソケツト本体６の第３段円筒
１４の外周壁と後記の着脱用ガイド１１の突縁２
３の後端との間に介装され、該着脱用ガイド１１
をソケツト本体６から流出口側に弾発する様に設
けられている。

大スプリング９は、ステンレスからなるスプリ
ングであり、後記の中間子１０と着脱用ガイド１
１とを互いに反発させる様に、該中間子１０の外
周壁と該着脱用ガイド１１の突縁２３の外周壁と
の間に介装されたものであり、該中間子１０を流
出口側に弾発し、該着脱用ガイド１１を流出口側
に弾発している。大スプリング９は、前記中スプ
リング８と比較して、その弾発力が大きい。該大
スプリング９は、着脱用ガイド１１の突縁２３の
外周壁周面の深い嵌合溝２３ａに設けられている
ので、該中間子１０と該着脱用ガイド１１との軸
方向の距離を短くすることができる。

中間子１０は、前記のソケツト本体６の第１段
円筒１２周壁のストツパワツシヤ１８から第２段
円筒１３までの間を軸方向にスライドする様に、
該第１段円筒１２の周壁に摺動且つ回動自在に嵌
合して設けられたものである。

着脱用ガイド１１は、前記の中スプリング８で
流出口側に弾発され、前記の大スプリング９で流
入口側に弾発され、且つ、前記のソケツト本体６
の第４段円筒１５周壁面上をスライドする様に、
該第４段円筒１５の周壁面上に摺動且つ回動自在
に嵌合して設けられ、また、該着脱用ガイド１１
には、該着脱用ガイド１１を流入口側にスライド
させた時に、前記のボール８をソケツト本体６の
中心軸方向に押圧する環状の突縁２３が、前記大
スプリング９から軸心よりに設けられている。そ
して、着脱用ガイド１１は、その環状の突縁２３
がボール７の位置より流入側に移動することはな
く、その位置は中スプリング８の圧縮時における
長さによつて規定されている。

弁部３は、ゴムパツキン２４、バルブ具２５、
半丸パツキン２６、バルブ本体２７及びバルブス
プリング２８等からなるものであり、該ソケツト
２と該プラグ５との連結結合時には、バルブ本体
２７が流入口側に押動されて開弁し、該ソケツト
２と該プラグ５との解離時には、バルブ本体２７
が流出口側に押動されて閉弁するように構成され
て成るものである。

ゴムパツキン２４は、ゴム等の弾性体からなる
ものであり、前記のソケツト本体６の内第２段２
２の奥に密着する様に挿入して設けてある。

バルブ金具２５は、金属からなるものであり、
その中央に弁座の働きとする孔が設けてあり、前
記のゴムパツキン２４及び前記の内第２段２２と
の間にに保持されている。

半丸パツキンン２６は、前記のバルブ金具２５
と後記バルブ本体２７を密封することができるゴ
ム等の弾性体からなるものであり、弁体の働きを
し、後記のバルブ本体２７に嵌設してある。

バルブ本体２７は、円柱状の金属からなるもの
であり、その流出口側から中端まで軸方向に流通
路２９が穿設してあり、該流通路２９の奥から半
径方向に向けて流通孔３０が穿設してあり、ま
た、その外壁には、流出口側から前記の半丸パツ
キン２６を挿着し係止することができ、且つ、流
入口側からバルブスプリング２８を挿入し係止す
ることができる係止片３１が周設されてある。

バルブスプリング２８は、ステンレスからなる
スプリングであり、前記のバルブ本体２７に、流
入口側から挿入されたものであり、後記のホース
結合部材４を結合することによつて、該バルブ本
体２７を流出口側に押圧するようにして設けられ
てある。

該ホース結合部材４は、ゲージ元３２、兼用ナ
ツト３３及びホース口３４等からなるものであ
り、前記のソケツト２とガスボンベ等からのホー
スを連結結合するものである。

ゲージ元３２は、金属からなる中空状のもので
あり、その一端外壁には、前記のソケツト本体６
の雌ネジ３５と螺合する雄ネジ３６が設けてあ
り、その内壁には、前記の弁部３のバルブスプリ
ング２８の径より小さい径の段部３７が設けてあ
り、他端外壁には、後記の兼用ナツト３３と係合
するフランジ３８が設けてある。

また、該ゲージ元３２は、前記のバルブ金具２
５及びバルブスプリング２８を流出口側に弾発す
るようにして、前記のソケツト本体６の雌ネジ３
５と該ゲージ元３２の雄ネジ３６を螺合して結合
してある。

兼用ナツト３３は、金属からなる雌ネジ４０を
有する有孔ナツトであり、前記のゲージ元３２と
後記のホース口３４とを連結結合するように、後
記のホース口３４の雄ネジ３９と該雌ネジ４０と
を螺合して、該兼用ナツト３３と該ホース口３４
とで該ゲージ元３２を挟持固定する様にして設け
てある。

ホース口３４は、金属からなる中空状のもので
あり、ガスボンベ等からのホースを連結結合する
ことができる竹子状のホース結合部４１を有して
なるものであり、前記の兼用ナツト３３と螺合し
て前記のゲージ元３２と連結結合してある。

一方、プラグ５は、ソケツト２に挿入される挿
入部４２と該挿入部４２の他端に設けた竹子状の
ホース結合部４３と該挿入部４２及び該ホース結
合部４３の間の外壁に設けたフランジ４４とから
なり、その中心部に流体通路４５を有している。
また、該挿入部４２には、その先端部から軸心方
向の少し内側に入り込んだ所に、ソケツト２のボ
ール７と結合することができる環状の係合溝４６
が周設されている。

次に、本考案に係る管継手の作動状況について
説明する。

先ず、第１図に示した様に、ホース結合部材４
のホース結合部４１に、ガスボンベに連結されて
いるホースを結合する。

そして、プラグ５のホース結合部４３に、ガス
器具に連結されているホースを結合する。

次に、第２図に示した様に、プラグ５の挿入部
４２をソケツト２に流出口側から挿入すると、プ
ラグ５のフランジ４４が、ソケツト２の中間子１
０の端部を流体流通逆方向に押し、該中間子１０
が、大スプリング９を流体流通逆方向に収縮さ
せ、該大スプリング９が着脱用ガイド１１を流体
流通逆方向に押動する。

さらに、該プラグ５を該ソケツト２に挿入する
と、該プラグ５の係合溝４６が該ソケツト２のソ
ケツト本体６のボール保持孔２０に合致し、且
つ、該プラグ５のフランジ４４が中間子１０、大
スプリング９を介して着脱用ガイド１１を流体流
通逆方向に押動してボール７を軸心方向に押圧
し、該ボール７を変位させ該係合溝４６に係合さ
せ、該プラグ５と該ソケツト２を連結結合させ
る。

また、この場合、該プラグ５の挿入部４２の端
部が、弁部３のバルブ本体２７を流体流通逆方向
に押動して、バルブ金具２５と半丸パツキン２６
との密封状態を解き、該弁部３を開弁するのであ
る。

また、連結結合されたプラグ５とソケツト２と
を解離させる場合には、第３図に示した様に、該
ソケツト２の着脱用ガイド１１を流体流通方向に
押動して、該着脱用ガイド１１の突縁２３をボー
ル７位置から変位させ該ボール７とプラグ５の係
合溝４６との係合を解き、且つ、該着脱用ガイド
１１で大スプリング９を流体流通方向に押圧し、
該大スプリング９で中間子１０を流体流通方向に
押動し、該中間子１０で該プラグ５のフランジ４
４を流体流通方向に押動して行うのである。

しかして、該管継手１は、プラグ５とソケツト
２との連結結合後に、ガス器具等を引つ張つたり
して、該管継手１を流体流通方向に引きずつたり
して引つ掛けたりしても、該プラグ５と該ソケツ
ト２との連結結合が外れることなく、安心して使
用することができる。

本考案は、上記の実施例に限定されるものでは
なく、例えば、第４図ないし第６図に示したよう
に、ホース結合部材４を、ゲージ元３２を延長し
てなるホース結合部材４′となしてもよく、また、
ソケツト２に挿入するプラグ５を、ゲージ元３
２′に兼用ナツト３３′でホース口３４′を螺合し
たものから成るものにしてもよい。

本考案は、上記の様に構成されているので、プ
ラグ５とソケツト２との連結結合及びその解離を
簡単に成すことができ、また、使用時において、
管継手１を流体流通方向に引つ張つたりして、引
つ掛けても外れる心配がなく安心して使用するこ
とができる管継手が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例たる管継手の連結
結合前の状態を表した断面図であり、第２図は、
第１図の連結結合時の状態を表した断面図であ
り、第３図は、第２図の解離時の状態を表した断
面図であり、第４図は、他の実施例たる管継手の
連結結合前の状態を表した断面図であり、第５図
は、第４図の連結結合時の状態を表した断面図で
あり、第６図は、第５図の解離時の状態を表した
断面図である。 １……管継手、２……ソケツト、３……弁部、
４，４′……ホース結合部材、５……プラグ、６
……ソケツト本体、７……ボール、８……中スプ
リング、９……大スプリング、１０……中間子、
１１……着脱用ガイド、１２……第１段円筒、１
３……第２段円筒、１４……第３段円筒、１５…
…第４段円筒、１６……第５段円筒、１７……挿
入孔、１８……ストツパワツシヤ、１９……溝、
２０……ボール保持孔、２１……内第１段、２２
……内第２段、２３……突縁、２３ａ……嵌合
溝、２４……ゴムパツキン、２５……バルブ金
具、２６……半丸パツキン、２７……バルブ本
体、２８……バルブスプリング、２９……流通
路、３０……流通孔、３１……係止片、３２，３
２′……ゲージ元、３３，３３′……兼用ナツト、
３４，３４′……ホース口、３５……雌ネジ、３
６……雄ネジ、３７……段部、３８……フラン
ジ、３９……雄ネジ、４０……雌ネジ、４３……
ホース結合部、４２……挿入部、４３……ホース
結合部、４４……フランジ、４５……流体通路、
４６……係合溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ ソケツトにプラグを挿入することによつて両
   者がワンタツチで連結結合され、且つ、該ソケ
   ツトに内蔵されている弁部が押動されて開弁す
   る管継手において、 ソケツト本体の壁体に形成されたボール保持
   孔にボールを保持させ、 前記のソケツト本体の外周に前記のボールを
   該ソケツトの中心軸方向に押圧する環状の突縁
   を有する着脱用ガイドを摺動且つ回動自在に嵌
   合し、 該着脱用ガイドと前記のソケツト本体との間
   に中間子を摺動且つ回動自在に嵌合し、該ソケ
   ツト本体と該着脱用ガイドとの間にスプリング
   を介装して該着脱用ガイドをプラグ側に弾発さ
   せるとともに、 該着脱用ガイドと該中間子との間に前記スプ
   リングより弾発力が大きいスプリングを介装し
   て該着脱用ガイドを弁部側に弾発し且つ該中間
   子をプラグ側に弾発させ、 プラグ結合前においては前記着脱用ガイドの
   突縁が中間子側に位置し、結合時においてはボ
   ール位置に位置し弁部側に移動しないようにソ
   ケツトを構成し、 プラグは、環状の係合溝と前記ソケツトの中
   間子を弁部側に押し込むフランジとを設けてな
   り、 該プラグは前記のソケツトに挿入し該プラグ
   の係合溝に前記のボールが係合するように構成
   したことを特徴とする、管継手。 ２ 着脱用ガイドと中間子との間のスプリングが
   突縁の外周に設けられている、実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の管継手。