JPH0255490B2 - - Google Patents

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JPH0255490B2
JPH0255490B2 JP57093698A JP9369882A JPH0255490B2 JP H0255490 B2 JPH0255490 B2 JP H0255490B2 JP 57093698 A JP57093698 A JP 57093698A JP 9369882 A JP9369882 A JP 9369882A JP H0255490 B2 JPH0255490 B2 JP H0255490B2
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reduction
chamber
metal
lid
evaporation chamber
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Hiroshi Ishizuka
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Priority to CA000428280A priority patent/CA1202183A/en
Priority to US06/496,939 priority patent/US4565354A/en
Priority to NO831930A priority patent/NO161508C/no
Priority to DE8383850145T priority patent/DE3376022D1/de
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はTi,Zr,Hfの四塩化物またはNb,
Taの五塩化物のような金属塩化物の溶融金属Mg
による還元、即ちいわゆるクロル法で得られるス
ポンジ状金属を減圧下で加熱することにより、こ
れらの金属に介在している残留金属Mg及び
MgCl2を蒸発・除去するための装置及び方法に関
する。
Ti,Zr等の金属の工業的生産は一般に上記の
クロル法によつて行なわれているが、こうして得
られるスポンジ状の金属には未反応の金属Mgや
副生成物のMgCl2が比較的多量介在しているの
で、これらを真空中で蒸溜してMg及びMgCl2
気化・分離する操作が続いて行なわれる。この工
程はこれらの生成金属及び介在物から成る堆積物
を(1)取出し可能な容器(内筒)に保持したまゝ取
出し、別に設けた真空蒸溜装置の外筒上部に(例
えば特公昭48−34646に記載のように)または(2)
下部に(本出願人による特願昭56−77461に記載)
に設けた加熱部に移し換え、或は(3)両工程に兼用
される装置の場合は移し換えることなく(例えば
特公昭55−36254等に記載)、これを減圧下にて外
方から約1000℃近くに加熱しMg及びMgCl2の蒸
気圧を高くして分離を促進する一方、このような
加熱部と共軸的に設置されている冷却部を外壁の
水冷によつて冷却することにより気相のMg及び
MgCl2を凝縮・付着せしめて除去する構成のもの
が提案されている。これらの例において、冷却部
には還元工程に用いられるのと同様の構成の内筒
が空で収容され、この内面に凝縮物を付着して次
回の還元工程に用いられる。更にバツチ当りの処
理量を大きくする時にはこのような内筒を用いな
い構成が採られることもあるが、この場合環元工
程後に反応容器を冷却部と組合わされるものと、
予め冷却部を反応容器の上方に共軸的に配置して
仕切つておき、環元工程後にこの仕切を取去るも
の(4)が知られ、前者の構成はさらに生成金属を堆
積せる容器を冷却後倒置して冷却部の上方に取付
ける例(5)と、容器の上方に冷却部を載置する例(6)
とがある。
このような従来技術において(1),(2),(5),(6)の
構成は工程ごとに専用の装置を用いることから、
各装置自体は単純かつ効率のよい設計にすること
ができる。特に加熱部を下部に置く(2)や(6)の場合
には大容量の装置を得ることが容易である。しか
しながら、還元工程から分離工程へ移行する際に
内筒の移動を要するため還元装置から取出す際の
冷却、移動、装置の分解及び組立て等に要する労
力や時間並びに堆積物再加熱のためのエネルギー
が必要である。堆積物を外方から加熱する場合
Mg及びMgCl2の蒸発は内筒壁面から次第に中心
部へ移行するが、この際に中心部への熱の伝達は
部分的乃至本質的に介在物が除去された多孔質の
スポンジ状金属を介して、しかも減圧下で行なわ
れるので熱伝達効率が至つて低く、これが分離工
程に長時間を要する原因の一つになつている。
一方堆積物の移し換えを伴なわない(3)や(4)の方
式においては上記の欠点のうち堆積物の冷却、内
筒の移動、装置の分解及び組立、堆積物再加熱の
ためのエネルギー等において大幅な節約は期待で
きるが、反面、加熱部と冷却部との仕切及びこの
開閉に複雑な機構を要する欠点がある。さらにこ
の場合加熱部は(2)や(6)と同様に冷却部より下方に
置かれ、冷却部の下端と加熱部の上端とが接続さ
れるが、この構成ではMg及びMgCl2の凝縮物は
冷却部の壁面に固体として付着し、引続いて凝縮
すらMg及びMgCl2はこの上に固着させなければ
ならず、従つてこの構成における真空分離工程は
この付着物を介しての小さい冷却速度によつて律
速される。また一旦凝縮物が付着しても加熱部か
ら放射される一次或は二次熱線によつて加熱部へ
落下する部分が生じ、結局この型式の分離装置に
おいても充分な処理速度は得られない欠点があ
る。
さらに冷却部でMg及びMgCl2を付着せしめた
容器を還元工程で使用する場合、上記のどの構成
においても加熱部と冷却部とを切離し還元装置と
して組立てる必要があり、この操作にて装置に入
つた空気は高価なArガスを用いて再び置換する
必要があつた。
従つて本発明はこのような従来技術に伴なう欠
点を除去するためになされたものであつて、その
要旨とするところは第一に、下端が閉じ上端が開
いた筒状体と上端を閉じる着脱可能な蓋体とから
なる還元蒸発室及び還元蒸発室を周囲から加熱す
る炉、並びに下端が閉じ上端が開いた筒状体と上
端を閉じる着脱可能な蓋体とからなる凝縮室、及
びこの凝縮室を外方から冷却する冷却装置を有
し、これらの両室の蓋体同志を開閉可能な加熱接
続管で接続し、還元蒸発室では内部に溶融保持さ
れたMgにより外部から供給される金属塩化物を
還元して金属を生成し、更に続けて副生成物の
MgCl2及び残存Mgを蒸発させて生成金属から除
去し、上記接続管を経て凝縮室に導き凝縮・回収
するようにした金属塩化物の還元精製装置であつ
て、還元蒸発室の蓋部が、還元蒸発室に向かつて
開いた筒状小室、この小室の周囲に設けられ高温
ガス・冷風を択一的に通すべくしたガスジヤケツ
ト、小室内を軸に添つて延びる塩化物供給管を備
えていることを特徴とする金属塩化物の還元精製
装置に存し、次に第二の発明ではこのような装置
において特に上記還元蒸発室及び凝縮室に内筒を
用いる構成を要旨とし、さらに第三の発明はかゝ
る装置を用いて残留Mg及び副生成物MgCl2の除
去を効率的に行なう方法、特に本質的に閉じた底
部をもつ容器部と該容器部から分離可能な蓋部と
から成る本質的に外気から遮断された還元蒸発室
内にMgを溶融保持し、該Mg上に金属塩化物を
供給し還元反応により金属を析出せしめ、金属塩
化物の供給を停止したのち該室の温度を上昇さ
せ、副生成物のMgCl2及び残留Mgから成る介在
物を減圧下にて気化せしめて上記蓋部から、該室
と分離して設けた凝縮室の上部へ導き、かくして
該介在物の大部分が生成金属から分離した時に該
蓋部を冷却して内面上にMg及びMgCl2を付着せ
しめ以て還元蒸発室内に残存するMg及びMgCl2
の蒸気の少くとも一部分を回収することを特徴と
する金属塩化物の還元精製方法に存する。
本発明において還元蒸発室は各様に構成するこ
とができる。これは例えば底部が閉じた単一の筒
体で構成してもよいし、或は大気から内部を隔離
する第一の筒体(外筒)の内側に、多数の穿孔を
もつロストル状の底板を取付けた開放下端を有す
る第二の筒体(内筒)を配置してもよい。前者の
構成では筒体の容積に比してバツチ当りの金属析
出量を大きくすることができる。後者の場合堆積
可能な生成金属の量は多少減少するが、生成金属
の副生成物(MgCl2)からの分離及び該室外への
取出しが容易であり、さらに蒸溜工程時に気化さ
れた介在物が放出される表面積が大きいので、こ
の工程に要する時間が短かくて済む。この筒底部
にはMgCl2副生成物を融液状で室外へ排出するた
めの管を取付けることができる。この場合、単一
筒構成においては生成金属は筒体に直接析出する
ことになるので、この管に金属が入り込むのを抑
制しまたMgCl2の排出を容易にするために、堆積
物を保持する台を筒体底面から隔てゝ設けるのが
好ましい。筒構成の開いた上端には蓋体が気密に
取付けられる。蓋体の中央部にはTiCl4等の金属
塩化物を供給するための管が配置される。蓋体に
はまたMgやMgCl2の蒸気を該室から凝縮室へ導
く接続管がバルブ等を介して取付けられる。塩化
物供給管やバルブは、内部を約750℃以上に保ち
うる加熱手段を講じた小室内に配置するのが工程
途中における凝固物による詰りを防ぐ上で有利で
ある。また精製工程の終期にこの蓋体を冷却して
少量残存しているMgやMgCl2を凝固付着せしめ
るために、空冷等による適当な冷却手段も併せて
設けられる。還元蒸発室にはまた必要に応じて
Mgを融液状で導入するための管が蓋体を貫通し
て、或はその他の部分に設けられる。このような
還元蒸発室に熱を供給する加熱炉が筒構成の周囲
に配置される。炉はエネルギーコストの面ではガ
ス焚きのものが有利であるが、電熱炉の場合は
(例えば特願昭56−50896に詳記されているよう
に)(外)筒と炉壁との間の空間を密閉構造とし
てアルゴン等の不活性ガスを充たすことにより筒
外表面の酸化を効果的に防止できるほか、さらに
この圧力を還元工程では正圧に、蒸溜工程では負
圧にし室内圧に近く保つようにすると、筒壁内外
の圧力差による壁材の変形を防ぐことができる。
一方凝縮室も冷却手段が講じられるほかは上記
還元蒸発室とほゞ同様の構成が採られる。つまり
還元蒸発室が単一筒構成の時は単一筒で、内外筒
方式の時は該方式で凝縮室が構成され、この外方
に適当な冷却手段が講じられる。後者の場合凝縮
室の外筒は還元蒸発室のものと同一に構成すれ
ば、工程の移行時に筒構成を分解して内筒を取出
す手間や高価なArガスの放出という無駄を省く
ことができる。冷却手段としてはこのような筒構
成全体を水中に浸したり、或はその外表面を水で
濡らすことによつて達成できる。この外、上記の
手間やArガスの無駄は避けられないが、内外筒
構成の場合には、外筒を、周囲に水ジヤケツトを
備えた凝縮専用の構成とすることができる。
還元蒸発室と凝縮室とは接続管により連結され
るが、これには還元工程時に両室を隔離するため
バルブや毎回取換えられる仕切板等が配置され
る。この接続管にはMgやMgCl2が固化しないよ
う適当な加熱手段が設けられる。MgやMgCl2
管内で一部液化するのでこれを冷却室へ流入させ
るために、冷却室へ向かつて下り勾配を設けるの
が好ましい。
次に本発明を、その実施に適した装置を示す添
付の図面によつて説明する。第1図は単一筒溝成
の、第2図は内外筒構成のそれぞれ還元精製装置
の概略を示す縦断面図である。図において全体を
1で表わされる還元蒸発室は本質的に円筒状の単
一筒体2で構成され、電熱式の炉3内に置かれ
る。炉壁の外周は鉄皮4で密に覆われている。筒
体2の開いた上端は蓋体5で密閉される。蓋体は
詳しくは、鋼製円板6並びにその下面に取付けら
れ断熱材を充填した缶7、中央の円筒状小室8、
及びセラミツク質の保温被覆9で覆われ該小室を
取囲む空気ジヤケツト10から構成される。小室
8には頂部から筒体へ向かつて金属塩化物供給管
11が、側部に室内減圧のための排気接続端12
及び蒸気取出接続端13が設けられる。これらの
接続端は還元工程時にはバルブV11,V12の操作
により密閉され、また狭くなつた小室底部の開口
は塩化物供給管11と共に昇降可能な鞘管14底
部のフランジ15によつて開閉が可能である。小
室の周囲のジヤケツト10には管16,17を介
して高温の燃焼ガスまたは冷風が必要に応じて流
される。必須ではないが、この図では特にMgを
溶融状で導入するために筒体2の底面近くまで管
18が延びている。生成された金属は底面から多
少隔てて設けた台19上に堆積する。副生成物の
MgCl2は融液状にて筒体底部に溜まり、底面に延
びている管20からバルブV13を経て室外へ排除
される。筒体と炉との間の空間(炉内空間)21
は密閉され圧力制御手段(図示せず)が講じられ
ている。
一方凝縮室22は上記還元蒸発室の場合と同様
に単一筒方式の筒体23とこの頂部を閉鎖する蓋
体24とから構成され、筒体部分は水槽25の水
中に浸されている。蓋体24には還元蒸発室1か
らの蒸気を導くために、Mg及びMgCl2が凝固し
ない温度を供しうる加熱手段を設けた接続管26
でバルブV14を経て蒸気取出接続端13と連結さ
れる。筒体23及び蓋体24は各様に構成し得る
が、この図の例のように還元蒸発室1における蓋
体5と同一構造にすれば、この凝縮工程において
内部にMg(及びMgCl2)を析出した筒体23を、
蓋体24を取りはずすことなく水槽25から炉3
へ移し換えることにより容易に次の還元工程へ移
れる点で有利である。勿論これらの部材には機能
的に重大な変化をもたらさない限り多少の変更を
加えることができる。接続管26は内部で一部分
液化したMg又はMgCl2が凝縮室へ流入できるよ
うに凝縮室へ向かう下り勾配がつけられている。
このように構成された凝縮室22が運転される
時、Mg導入管やMgCl2排出管は後述のように利
用されない場合にはこれらが封鎖されることは明
らかである。
一方第2図は還元蒸発室27及び凝縮室28が
それぞれ内外筒方式にて構成される場合の例を示
す断面図である。こゝでは第1図における生成金
属堆積台19の代りに、取りはずし可能なロスト
ル状底板29,30を底部に有する第二の筒体
(内筒)31,32が共通のボルト締めにより蓋
体33,34に支えられて各室を構成する第一の
筒体(外筒)35,36に設置されているほか
は、第1図と本質的に同様の構成が用いられる。
こゝでも凝縮室は冷却手段としての水槽37にそ
の筒体部分が配置されている。これらの各室2
7,28は第1図と同様な接続管によつてそれぞ
れの蓋体の接続端38,39で連結される。
このように構成された還元精製装置において、
還元工程を行なう時には、塩化物供給管11,4
0及び鞘管14,41を所定の位置まで下降せし
めて還元蒸発室の蓋体5,33の開口を塞ぐと共
に、接続端のバルブV12,V22を閉じる。管18,
42から所定量の溶融Mgを導入したあと、管1
1,40から金属塩化物、例えばTiCl4を液相ま
たは気相にてMg浴面へ供給する。両者の反応に
よりTi等の生成金属が台19または内筒の底板
29上に堆積する。副生成物のMgCl2の大半は管
20,43を経て連続的または間欠的に室外へ除
かれる。還元工程が終ると塩化物供給管等を引上
げる一方接続管両端のバルブV12,V14,V22
V24を開く。バルブV15,V25を経て接続端44,
45から、或は(さらに)バルブV16,V26及び
凝縮室底部に延びている管46,47を通じて両
室を減圧すると共に、炉により堆積物を加熱して
Mg及びMgCl2を気化する。こうして発生した蒸
気は接続管を伝つて凝縮室へ入り、ここで或はこ
れまでに液化し、さらに器壁または器底に触れて
固化し付着する。この間還元蒸発室上方の空気ジ
ヤケツト10,48には高温のガスが送られ、こ
の小室全体を750℃以上としこの内面に凝固物の
付着がが生じないようにする。この操作は生成金
属に介在するMg及びMgCl2が本質的に除去され
るまで続けることもできるが次のようにすればこ
の分離操作を効率的に済ますことができる。即ち
これらのMgやMgCl2の大部分が除去された時点
で室上部の空冷ジヤケツトに高温ガスの代りに冷
風を送りこんで冷却し、これらの蒸気を凝縮し少
くともその一部分を蓋体表面に付着せしめるので
ある。この場合の付着物はこの蓋体を次の蒸溜工
程において凝縮室に用い、精製工程開始前に蓋体
を加熱することによつて回収される。単一の筒体
内または内筒内には精製されたTiの生成金属が
得られ、これは還元蒸発室を分解して回収され
る。一方凝縮室として使用され内面にMg及び
MgCl2を内面に付着せしめた単一筒体又は内外筒
は蓋体と共に炉内配置して還元蒸発室として用い
られる。
実施例 1 本質的に第2図に示される装置構成を用いて
TiCl4のMg還元により金属Tiの製造を行なつた。
SUS316ステンレス鋼製の還元蒸発室外筒は内径
1.7m、長さ4.5m、肉厚32mmの円筒状で、中に内
径1.6m、長さ3.7m、肉厚19mmのSUS430ステン
レス鋼製の内筒が蓋体を介して支えられ、全体は
外径2.5m、高さ5mの周囲を鉄皮で覆つた電熱
炉内に配置された。炉内空間、即ち外筒と炉との
間の空間は気密に構成された。一方凝縮室外筒は
還元蒸発室の外筒と同一構成のもので、この中に
上記と同様の蓋体に支えられて、同一構成の空の
内筒が吊下げられた。両室の頂部を、周囲に密閉
式の電熱炉を配した内径150mm、長さ約3mの接
続管で連結した。
この装置において還元蒸発室をアルゴン雰囲気
とし約7トンの溶融Mgを導入し、内筒を約800
℃に昇温したあと液状TiCl4を400Kg/時の割合
で供給して反応操作を行なつた。副生成する
MgCl2を外筒底部から間欠的に排出しながら約50
時間にわたり通算20トン装入してTiCl4の吹込み
を停止した。底板下に残つたMg及びMgCl2を全
部排出し、内筒を吊下げているボルトを回して内
筒を少し下降せしめ、蓋体下面との間に間隙を形
成した。凝縮室内を排気すると共に還元蒸発室の
蓋体及び接続管を加熱して約800℃とした後バル
ブを開いて、水槽中に浸した凝縮室と連結した。
還元蒸発室を約950〜1000℃に加熱し、Mg及び
MgCl2を蒸発せしめて凝縮室へ導き、内筒壁面に
凝縮付着せしめた。この際還元蒸発室において周
囲の炉の作動及び蓋体空気ジヤケツトへの高温ガ
ス(燃焼ガス)の送入により室全体を、また接続
管を周囲の炉により、約800℃まで昇温すると同
時に、還元蒸発室及び接続管の周囲の炉内空間を
排気した。このようにして精製操作を行ない、結
局両室連結後約80時間で還元蒸発室の真空度が
10-3Torrに達するまで続けた。冷却後連結ボル
トをはずして還元蒸発室の蓋をはずし、次いで内
筒を取出した。この内筒からは結局5トンのTi
スポンジが回収された。凝縮室の内筒にはMg及
びMgCl2が付着しているが、これは外筒から取出
すことなく加熱炉内に配置され次の還元工程に用
いられた。一方生成Tiを取出した内筒は再び蓋
体を取付けて凝縮室の内筒として用いた。
実施例 2 本質的に第1図に示される装置構成を用いて
TiCl4の還元によるTiの製造を行なつた。内径1.7
m、長さ4.5mの筒体は肉厚32mmのSUS410ステン
レス鋼製で、前記実施例と同一構成の電熱炉内に
配置され、炉内空間は同様に密閉構造とした。凝
縮室は上記筒体と同一構成のものに同一の蓋体を
取付け、水を循環できる構造の鋼製円筒状容器に
入れた。
この装置において還元蒸発室をアルゴン雰囲気
とし、約9トンの溶融Mgを導入し、還元蒸発室
を約800℃に昇温したあと液状TiCl4を400Kg/時
の割合で供給して反応を行なつた。副生成する
MgCl2を筒体底部から間欠的に排出しながら60時
間余にわたり通算25トン装入してTiCl4の吹込み
を停止し、底板下方のMg及びMgCl2を全部排出
した。凝縮室内を排気してから接続管両端のバル
ブを開いて還元蒸発室と連結した。還元蒸発室の
蓋の空気ジヤケツトに高温ガスを送ることにより
蓋体内面を、また周囲の炉の操作により接続管を
約800℃に維持した。さらに周囲の炉を操作して
還元蒸発室を約1000℃まで昇温し、一方凝縮室を
収容した容器に水を張り循環せしめた。還元蒸発
室及び接続管の周囲の炉内空間を排気し減圧し
た。このような条件下で約70時間加熱操作を行な
い蒸発したMg及びMgCl2を凝縮室の筒体内面に
付着せしめた。この際Mg等の通過量が減少して
接続管内の温度上昇が鈍つた時点で還元蒸発室蓋
体ジヤケツトへの高温ガスの送入を停め、代りに
冷風を送つて冷却し、室内に残つているMg及び
MgCl2の蒸気を蓋体内面上で固化・付着せしめ
た。
上記要領にて操作を行ない、結局約6.2トンの
Tiが内筒から回収された。Tiを取出した内筒は
MgやMgCl2を付着せしめた蓋体と再び組合わさ
れて次の操作において凝縮室として使用され、こ
の時これらの付着物を溶かして落下せしめた。
上記の実施例においては還元及び精製工程並び
に筒体の分解及び組立を含む一バツチサイクルに
要した全時間は例えば実施例1の場合約10日間
で、これは同じ程度のTiスポンジの製造を行な
うための従来の、還元及び精製工程を別々の筒体
にて行なう構成における約15日間に比べて大巾な
向上を示すものである。
以上の説明から明らかなように、本発明におい
ては 1 還元工程により生成された金属は移送するこ
となく直ちに精製工程、即ち真空蒸溜操作に供
することができるので、工程の切換に要する労
力や時間の節約並びに移送に関連して従来必要
だつた冷却及びこれに続く再加熱のための時間
やエネルギーの節約が達成された。
2 精製工程を行なう際、従来のように被処理堆
積物を保持せる筒体と凝縮物を付着すべき筒体
とを軸方向に組合わせて一体化し炉内へ装入す
ること(或は炉の装着)及び取出し(取りはず
し)が不要になるので、これに関連して従来不
可欠の大荷重グレーンが不要となり、また、こ
れは収容する建物の天井高さを小さくすること
ができ、或は既存の建物ではより大容量の装置
を設置することができる。
3 従来装置においては、還元工程から精製工程
へ移行する際の装置分解時に、筒体内に残留し
ている未反応塩化物(例えばTiCl4)が大気中
に洩出することがあつたが、この事故は皆無と
なり環境汚染がこの点で防がれた。
4 従来広く使用されている冷却部を上部にし蒸
発部を下部に置く真空蒸溜装置構成においてし
ばしば生じていた凝固物(Mg及びMgCl2)の
蒸発部への落下のトラブルが根本的に解決さ
れ、この面からも処理時間が短縮された。
5 従来方法において還元工程終期にしばしば生
じ歩留りの低下及び生成金属の発火の原因とな
つていた低級塩化物が生成しなくなり、製品の
歩留り及び品質の向上が達成された。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本考案の実施に適した装置
構成の例を示す概略断面図である。 図において、1……還元蒸発室、2……筒体、
3……炉、5……蓋体、18……Mg導入管、1
9……生成金属堆積台、20……MgCl2排出管、
22……凝縮室、23……筒体、24……蓋体、
25……水槽、26……接続管、27……還元蒸
発室、28……凝縮室、31,32……内筒、3
3,34……蓋体、35,36……外筒、37…
…水槽、40……塩化物供給管、42……Mg導
入管、48……空気ジヤケツト、V1116、V21
26……バルブ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下端が閉じ上端が開いた筒状体と上端を閉じ
    る着脱可能な蓋体とからなる還元蒸発室及び還元
    蒸発室を周囲から加熱する炉、並びに下端が閉じ
    上端が開いた筒状体と上端を閉じる着脱可能な蓋
    体とからなる凝縮室、及びこの凝縮室を外方から
    冷却する冷却装置を有し、これらの両室の蓋体同
    志を開閉可能な加熱接続管で接続し、還元蒸発室
    では内部に溶融保持されたMgにより外部から供
    給される金属塩化物を還元して金属を生成し、更
    に続けて副生成物のMgCl2及び残存Mgを蒸発さ
    せて生成金属から除去し、上記接続管を経て凝縮
    室に導き凝縮・回収するようにした金属塩化物の
    還元精製装置であつて、還元蒸発室の蓋部が、還
    元蒸発室に向かつて開いた筒状小室、この小室の
    周囲に設けられ高温ガス・冷風を択一的に通すべ
    くしたガスジヤケツト、小室内を軸に添つて延び
    る塩化物供給管を備えていることを特徴とする、
    金属塩化物の還元精製装置。 2 上記還元蒸発室及び凝縮室のそれぞれの筒状
    体内に、両端が開放され下端に生成金属受板を有
    する、本質的に同一構造の第二の筒状体を、筒状
    体と共軸的に配置した、特許請求の範囲第1項記
    載の金属塩化物の還元精製装置。 3 本質的に閉じた底部をもつ容器部と該容器部
    から分離可能な蓋部とから成り本質的に外気から
    遮断された還元蒸発室内にMgを溶融保持し、該
    Mg上に金属塩化物を供給し還元反応により金属
    を析出せしめ、金属塩化物の供給を停止したのち
    該室の温度を上昇させ副生成物のMgCl2及び残留
    Mgからなる介在物を減圧下にて気化せしめて上
    記蓋部から、該室と分離して設けた凝縮室の上部
    へ導き、かくして該介在物の大部分が生成金属か
    ら分離した時に該蓋部を冷却することにより、蓋
    部の内面上にMg及びMgCl2を付着せしめ、以て
    還元蒸発室内に残存するMg及びMgCl2の蒸気の
    少なくとも一部分を回収することを特徴とする金
    属塩化物の還元精製方法。
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