JPH0254786A - 防食被覆鋼矢板のマスキング方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、土木・建設用に使用されている鋼矢板に、高
防食、耐久性等を兼備させるために、防食被覆を行う際
のマスキング方法に関するものである。

〔従来の技術〕

鋼矢板は、河川、港湾、海岸等において、連続的に地中
に打設し、防護棚を形成することにより、護岸、泥砂流
出入の防止用として広（使用されてきた。

これらの鋼矢板が使用される環境では、水、大気、太陽
光などに曝されているため腐食が起こりやすい、特に、
港湾、海岸等では、海水の飛沫、潮の干満等により、激
しい腐食が発生する環境となっている。

そのため、このような過酷な環境に用いられる鋼矢板に
は、防食処理を行っている。

防食処理としては、従来は、タールエポキシ樹脂や、ア
スファルト、ジンクリンチ等の塗料による塗装が行われ
てれきた。しかし、長期間（例えば２０年から４０年）
の防食性能を得ることが難しく、近年では防食性、耐久
性の優れたウレタンエラストマー塗装の方法が使用され
るようになってきている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ウレタンエラストマー塗装による防食処理は、経済性の
面より、腐食が激しい環境となる部分、例えば海水の飛
沫帯や、潮の干満帯に相当する部分の鋼矢板に限定し防
食処理が施されることが多い。

そのため、防食処理を行う部分を限定するため、それ以
外の部分にマスキングをした後塗装を施し、その後マス
キング材を除去する方法が一般的である。

マスキング方法としては、通常下記の２つの方法が行わ
れている。第１の方法は、塗装周辺をガムテープ、ビニ
ールテープ又はガラステープ等でマスキングし、塗装後
そのマスキング材を除去する方法であり、第２の方法は
、非塗装部に剥離剤を塗布しておき、塗装後剥離する方
法である。

しかし、第１の方法では、塗料の飛散を考慮してマスキ
ングする必要があり、テープによるマスキング面積が大
きくなり、作業性や費用の面で問題があること、テープ
除去時、塗装の膜厚が厚いため剥がしにり＜、剥がす時
にテープが切れてしまう等の作業性が悪いという問題が
あった。

又、第２の方法では、剥離剤による剥離性が不確実であ
り、塗装仕上げ端面の仕上がりが悪いという問題があっ
た。

さらに、鋼矢板の爪部については、形状が複雑なため、
マスキングの作業性が悪いといった問題と、マスキング
の確実性が劣るといった問題があった。特に、爪部に塗
料が浸入し、付着すると、爪同士の嵌合が出来なくなり
、鋼矢板の打設作業をも阻害することもあった。

このことから、従来の鋼矢板の防食処理部のマスキング
方法には、未だ解決されなければならない問題点を存し
ており、作業性の良い、経済性の優れた防食鋼矢板のマ
スキング方法の開発が望まれていた。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは、鋼矢板のウレタンエラストマー塗装によ
る、防食被覆鋼矢板のマスキング方法における上述のよ
うな問題点を解決すべく種々検討した結果、塗料飛散防
止用として、一辺に粘着剤を塗布したテープを取りつけ
たマスキング用シートを、非塗装部に貼付し、さらに、
マスキング用樹脂を塗装部と非塗装部との境界に連続し
て装着することが効果的であることを知り、本発明を完
成した。

かくして本発明の要旨とするところは、ウレタンエラス
トマー塗装により、防食被覆鋼矢板を製造する方法にお
いて、塗装前に、（Ｉ）一辺に粘着剤を塗布したテープ
を取りつけたマスキング用シートを非塗装部に貼付し、
（Ｉｉ）マスキング用樹脂部材を塗装部と非塗装部との
境界に連続して装着し、（Ｉｉｉ　）塗装を行った後、
上記マスキング用シート、及びマスキング用樹脂部材を
取り除くことにより、塗装端面部の仕上がり良（、さら
に効率良く作業出来るマスキング方法を提供することに
ある。゛ 〔作用〕 次に、本発明の作用について詳述する。

ここに、塗料飛散防止を図るマスキング用シートは、通
常ビニールあるいはポリエチレン製シートを用いるが、
塗料による破損、塗料の浸透等が発生しないような材料
であれば良い。又、一辺に粘着剤を塗布するテープは、
クリープ紙、ビニール、ポリエチレン、ガラス等が材料
として用いられているが、経済性の面からクリープ紙が
用いられる場合が多い。

マスキング用樹脂部材は、塗装後マスキング材料を除去
する時に、樹脂部材を持ちながら引き剥がすと作業性良
く除去出来るため、引き剥がす時に切断せず、ある程度
の柔らかさを持つ樹脂部材を用いれば良い。特に、シリ
コーン樹脂は、よく離型剤としてもちいられ、今回のウ
レタンエラストマー塗装に用いるウレタン樹脂との剥離
性が良いため、引き剥がし作業も容易である。更に、使
用後シリコーン樹脂部材に付いたウレタン樹脂を容易に
除去することが出来、シリコーン樹脂部材を再利用する
ことが出来る。

一方、爪部については、形状が複雑で、爪部の内側に塗
料が入り込むと、鋼矢板を組み合わせて打設する時、嵌
合がうまくゆかずに作業性を低下させることがあるため
、確実なマスキングをする必要がある。

そのため、爪部の隙間を塞ぐように、マスキング用樹脂
部材を装着し、更にマスキング用シートを貼付すること
により、塗料が爪部内側へ浸入することを防止出来る。

塗装後、マスキング用シート、およびマスキング用樹脂
部材を取り除くが、その時ヘラを除去しようとする境界
部に沿わせて塗膜を切断しながら、マスキング用樹脂部
材を引き剥がすようにして除去して行くことにより、効
率良く作業することが出来る。

以上により、所定範囲外へ塗料が付着することを防止出
来、塗装端面部の外観を仕上がり良く、効率良く防食塗
装を行うことが出来る。

〔実施例〕

以下、具体的な実施例を図面を用いながら説明する。

防食被覆鋼矢板の製造には、第１表に示す材料を用いて
、第２表に示す塗装工程にて防食塗装を行う。

その実施例として、１０ｍ長さの鋼矢板を用い、その長
平方向の中央部付近の２ｍ長さにウレタンエラストマー
塗装を行った例を、工程を順に追いながら説明する。

第２表　塗装工程 第１図は、鋼矢板の凹側の面を塗装時のマスキング状況
、第２図は、鋼矢板の凸側の面を塗装時のマスキング状
況を示す。

塗装される鋼矢板１の塗装部１４と非塗装部１５との境
界部から、非塗装部にかけては、スプレー塗装時塗料が
飛散しても非塗装部には塗料がかからないように、十分
な大きさを持ったマスキング用シート３がかけられてお
り、境界部は粘着剤付きテープ２で固定されている。

更に、境界部は、塗装後の引き剥がしを容易にするため
に、マスキング用樹脂部材４をテープ上に置く。

第１図に相当するマスキング方法を詳細に示したのが、
第３図に示す断面図である。まず、粘着剤付きテープ２
を付けたマスキング用シート３を塗装部の境界に貼付し
た後、マスキング用樹脂部材４をテープ上に置く。その
マスキング用樹脂部材の断面の形は、角形でも良いが、
後工程のウレタンエラストマー塗装での塗装膜厚が、塗
装境界部１６のみで厚くなるのを防ぐため、境界部側を
斜めに切断した断面形にするのが望ましい。

更に、マスキング用樹脂部材は、可塑性を持つ樹脂を用
いることにより、塗装部の境界で鋼矢板を隙間無（装着
することが出来、塗料がその隙間から非塗装部へ浸入す
ることを防ぐことが出来る。

以上のようなマスキング処理をした後、スプレーを用い
てウレタンエラストマー塗装し、鋼矢板にウレタン樹脂
層５を形成させる。

その後、非塗装部に置いたマスキング材料を、不用なウ
レタン樹脂と共に除去するのであるが、塗装境界部１６
にヘラを差し込んでウレタン樹脂を切断しながら、マス
キング用樹脂を少しずつ持ち上げるようにして引き剥が
す、このようにすることにより、塗装境界部はきれいな
切断面を保ち、更に効率良く作業することが出来る。

一方、第２図に相当するマスキング方法で、鋼矢板の底
面１１及び立ち上がり部１２は、第３図と同様なマスキ
ング方法であるが、爪部１３については、塗料が爪部内
側に流れ込まないようなマスキング方法が必要である。

それを詳細に示したのが第４ａ図及び第４ｂ図である。

まず、マスキング用樹脂部材４を爪部の隙間に装着する
。この時、樹脂部材の厚さは隙間の幅と同程度にするこ
とにより、樹脂部材を爪部と隙間無く詰めることが出来
る。更に、樹脂部材の断面は角形でも良いが、後工程の
ウレタンエラストマー塗装での塗装膜厚が、塗装境界部
のみで厚くなるのを防ぐため、境界部側を斜めに切断し
た断面形にするのが望ましい。

次に、粘着剤付きテープ２を付けたマスキング用シート
３を貼付する。貼付位置については、第４ａ図に示すよ
うに爪部先端にテープを貼付する場合、又は、第４ｂ図
に示すようにマスキング用樹脂部材４と爪部先端の両方
に粘着剤付きテープ２を貼付する場合があり、マスキン
グ用樹脂部材とテープとの接着性や、マスキング用樹脂
部材の変形等の問題があれば、第４ａ図のような貼付方
法となり、そのような問題が無ければ、マスキング部へ
の塗料浸入防止の面より第４ｂ図の方が望ましい。

なお、爪部についてのウレタンエラストマー塗装後のマ
スキング材料の除去については、既に述べた除去方法と
同様の方法で行う。

又、第４ａ図、第４ｂ図の粘着剤付きテープ２の上に、
更にマスキング用樹脂部材を装着し、より確実な塗料の
浸入防止、マスキング用材料の除去作業の効率化を図っ
ても良い。

第２表の塗装工程の中で、＜ｃ、）と（ｅ）の予熱、及
び（ｄ）の前塗装としてブライマー塗装を行っているが
、この処理は被覆材と鋼矢板との密着力の向上、及び塗
装境界部や外力による被覆部の破壊等における耐食性の
劣化を防止する目的で行っており、樹脂の塗装の前処理
としては一般的なものである。

又、マスキングを前塗装の前に行う工程としているが、
マスキング用シート３を取りつけた後、前塗装を行い、
その後マスキング用樹脂部材を装着し、ウレタンエラス
トマー塗装を行っても良い。

この工程で行うと、ブライマー処理部が、ウレタン樹脂
被覆部より若干はみ出した塗装となり、ブライマー塗装
がウレタン樹脂被覆の下に確実になされ、密着性、耐食
性を確実に確保することが出来る。

以上のようにして製造した、防食被覆鋼矢板から境界部
を含むサンプルを切り出し、第３表に示す代表的な密着
性、耐食性のテストを行った結果、本発明の方法にて製
造した防食鋼矢板は、優れた性能を有していることが確
認できた。

第３表　性能６Ｉ認テスト結果 〔発明の効果〕 以上述べたように、本発明のマスキング方法を用いるこ
とにより、塗装端面部の外観を仕上がり良く、更に効率
良（作業することが出来る。

更に、防食鋼矢板に要求される密着力、及び塗装境界部
の耐食性も優れた性能を有するものであり、これを実際
の工事に使用する時は高い信頼度を持って使用すること
が出来る。

【図面の簡単な説明】

鋼矢板 粘着剤付きテープ マスキング用シート マスキング用樹脂部材 ウレタン樹脂 底面　　　　　　１２：立ち上がり部 爪部　　　　　　１４：塗装部 非塗装部　　　　１６：塗装境界部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ウレタンエラストマー塗装により、防食被覆鋼矢板を製
   造する方法において、塗装前に、（ I ）一辺に粘着剤
   を塗布したテープを取りつけたマスキング用シートを非
   塗装部に貼付し、（II）マスキング用樹脂部材を塗装部
   と非塗装部との境界に連続して装着し、（III）塗装を
   行った後、上記マスキング用シート、及びマスキング用
   樹脂部材を取り除くことにより、塗装端面部の仕上がり
   良く、さらに効率良く作業出来ることを特徴とする、防
   食被覆鋼矢板のマスキング方法。