JPH025330B2 - - Google Patents
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- JPH025330B2 JPH025330B2 JP56157594A JP15759481A JPH025330B2 JP H025330 B2 JPH025330 B2 JP H025330B2 JP 56157594 A JP56157594 A JP 56157594A JP 15759481 A JP15759481 A JP 15759481A JP H025330 B2 JPH025330 B2 JP H025330B2
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-
- H—ELECTRICITY
- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03H—IMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
- H03H9/00—Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
- H03H9/02—Details
- H03H9/02535—Details of surface acoustic wave devices
- H03H9/02543—Characteristics of substrate, e.g. cutting angles
- H03H9/02574—Characteristics of substrate, e.g. cutting angles of combined substrates, multilayered substrates, piezoelectrical layers on not-piezoelectrical substrate
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- Acoustics & Sound (AREA)
- Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)
Description
本発明は、特性的に優れた新しい構造の弾性表
面波素子に関するものである。 弾性表面波(Surface Acoustic Wave)を利
用することにより各種の電気的信号を扱うための
弾性表面波素子を構成する構造(基板)としては
従来、 1 圧電体基板のみの構造(圧電体単結晶基板、
圧電セラミツクス基板等)、 2 非圧電体基板上に圧電膜を形成した構造 3 半導体基板上に圧電膜を形成した構造、 等が知られている。 これらのうち、同一半導体基板上に集積回路と
共に弾性表面波素子を形成することができる3の
モノリシツク構造が用途上有利であり、今後発展
していくと思われる。 ところで上述の3のモノリシツク構造として
は、現在のところシリコン(Si)単結晶基板上に
スパツタリング法等により酸化亜鉛膜(ZnO)膜
を形成した構造がよく知られているが、このZnO
膜は以下のような欠点が存在するために実用上に
あたつては問題がある。 1 電圧印加により電気的不安定性が生ずる。 2 良質な膜が形成しにくいため、比抵抗、圧電
性等の点で十分再現性のあるものが得られな
い。 3 シリコン単結晶基板上に保護膜(SiO2)を
必要とする。 4 高周波領域において弾性表面波の伝播損失が
多い。 5 弾性表面波伝播特性において分布が大きい。 6 通常のシリコンICプロセスと合致しない。 本発明はこれらの問題点に対処してなされたも
のであり、シリコン単結晶層上に窒化アルミニウ
ム単結晶エピタキシヤル層を形成した弾性体構造
(基板)を用いることを根本的特徴とするもので、
特に(001)結晶面から成るシリコン単結晶層を
用いた弾性表面波素子を提供することを目的とす
るものである。以下図面を参照して本発明実施例
を説明する。 第1図は本発明実施例による弾性表面波素子を
示す断面図で、1はシリコン単結晶基板で(001)
結晶面もしくはこれと等価な面でカツトされたも
のから成り、2はその上に形成された窒化アルミ
ニウム(AlN)単結晶エピタキシヤル層でその
圧電軸は上記シリコン単結晶基板1面に直角にな
るように形成される。3,4は上記窒化アルミニ
ウム単結晶エピタキシヤル層2表面に形成された
くし型状から成る弾性表面波発生用電極および検
出用電極で、hは窒化アルミニウム単結晶エピタ
キシヤル層2の膜厚である。 以上の構造の弾性表面波素子に対しそのシリコ
ン単結晶基板1の〔110〕軸方向と等価な方向へ
弾性表面波を励振(伝播)させた時、第5図に示
すような弾性表面波の速度分散特性が得られた。
同図において横軸は窒化アルミニウム単結晶エピ
タキシヤル膜2の膜厚hの規格化された厚さを
2πh/λ(ここでλは弾性表面波の波長)で示し、
縦軸は弾性表面波の位相速度Vpを示すものであ
る。同図から明らかなように2πh/λが約5.0まで
弾性表面波としてのモードは消失しなかつた。 しかし2πh/λの0〜5.0の範囲に対応したVp
は約5083m/secから約5600m/secまで右上りに
上昇しており、この変化は大きな位相速度を保持
した変化であり、また膜厚に対する分散は小さか
つた。 第6図は電気機械結合係数の特性曲線を示すも
ので、横軸は第5図と同様な2πh/λで示し、縦
軸は電気機械結合係数Kの二乗値K2を百分率で
示すものである。同図において曲線Aが第1図の
構造に対応した特性で、規格化膜厚2πh/λの3.1
近傍においてK2は約0.5%が得られた。この値は
通常弾性表面波を発生および検出させるに充分な
値である。 第2図a,bは本発明の他の実施例を示す断面
図で、aはシリコン単結晶基板1の表面部に弾性
表面波発生用電極3および検出用電極4を形成し
た後、これらを覆うように窒化アルミニウム単結
晶エピタキシヤル層2を形成した構造を示し、b
は上記シリコン単結晶基板1表面部に部分的に高
抵抗層7もしくは空乏層を形成し、これらの層に
低抵抗シリコンから成るくし型状の弾性表面波発
生用電極5および検出用電極6を埋込み形成した
後にこれらを覆うように窒化アルミニウム単結晶
エピタキシヤル層2を形成した構成を示すもので
ある。 以上の構造の弾性表面波素子に対し第1図の構
造と同様にシリコン単結晶基板1の〔110〕軸方
向と等価な方向へ弾性表面波を励振させることに
より、第5図に示すような速度分散特性が得ら
れ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2
の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小さいこと
がわかつた。 また第6図の曲線Bは電気機械結合係数の二乗
値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
3.1近傍においてK2は約0.61%が得られた。この
値は通常弾性表面波を発生および検出させるに充
分な値である。 第3図a,bは本発明のその他の実施例を示す
もので、aはシリコン単結晶基板1の表面部に部
分的に第2電極として一対のしやへい電極8を形
成した後、これらを覆うように窒化アルミニウム
単結晶エピタキシヤル層2を形成しこの表面に第
1電極として弾性表面波検出用電極3および検出
用電極4を形成した構造を示し、bは上記シリコ
ン単結晶基板1表面部に部分的に低抵抗シリコン
層9を形成した後、これらを覆うように窒化シリ
コン単結晶エピタキシヤル層2を形成しこの表面
に第1電極として上記発生用電極3および検出用
電極4を形成した構造を示すものである。 以上の構造の弾性表面波素子に対し第1図の構
造と同様にシリコン単結晶基板1の〔110〕軸方
向と等価な方向へ弾性表面波を励振させることに
より、第5図に示すような速度分散特性が得ら
れ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2
の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小さいこと
がわかつた。 また第6図の曲線Cは電気機械結合係数の二乗
値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
0.29近傍においてK2は約0.34%が得られ、さらに
2πh/λの4.1近傍においてK2は約0.44%が得られ
いわゆるダブルピーク特性が得られた。 特に前者の第1ピークを与える薄い膜厚におい
ては分散は非常に少なく、超高周波、低分散特性
に優れていることがわかつた。これらにおける
K2値は通常弾性表面波を発生および検出させる
に充分な値である。 第4図a,bは本発明のその他の実施例を示す
もので、aはシリコン単結晶基板1表面部に第1
電極として弾性表面波発生用電極3および検出用
電極4を形成した後、これらを覆うに窒化アルミ
ニウム単結晶エピタキシヤル層2を形成し、この
表面に部分的に第2電極として一対のしやへい電
極8を形成した構造を示し、bは上記シリコン単
結晶基板1表面部に部分的に高抵抵抗層7もしく
は空乏層を形成し、これらの層に低抵抗シリコン
から成るくし型状の第1電極としての上記発生用
電極5および検出用電極6を埋め込み形成した
後、これらを覆うように窒化アルミニウム単結晶
エピタキシヤル層2を形成しこの表面に第2電極
として一対のしやへい電極8を形成した構造を示
すものである。 以上の構造の弾性表面波素子に対し第1図の構
造と同様にシリコン単結晶基板1の〔110〕軸方
向と等価な方向へ弾性表面波を励振させることに
より、第5図に示すような速度分散特性が得られ
窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2の規
格化膜厚2πh/λに対して分散が小さいことがわ
かつた。 また第6図の曲線Dは電気機械結合係数の二乗
値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
0.19近傍においてK2は約0.26%が得られ、さらに
2πh/λの3.6近傍においてK2は約0.54%が得られ
ダブルピーク特性が得られた。特に前者の第1ピ
ークを与える薄い膜厚においては分散は非常に少
なく、超高周波、低分散性に優れていることがわ
かつた。これらにおけるK2値は通常弾性波を発
生および検出させるに充分な値である。 第1図乃至第4図a,bの構造において、特に
窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2をこ
の圧電軸がシリコン単結晶基板1面に平行かつそ
の〔110〕軸と等価な方向になるように形成した
場合の本発明のその他の実施例について以下説明
する。 先ず第1図と同一構造に形成した弾性表面波素
子を用意し、そのシリコン単結晶基板1の〔110〕
軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振させた
時、第7図に示すような弾性表面波の速度分散特
性が得られた。 同図において横軸および縦軸は第5図と同一で
あり、規格化膜厚2πh/λが約5.0まで弾性表面波
としてのモードは消失しなかつた。 しかし2πh/λの0〜5.0の範囲に対応した位相
速度Vpは約5083m/secから約5570m/secまで
右上りに上昇しており、この変化は大きな位相速
度を保持した変化であり、また膜厚に対する分散
は小さかつた。特に2πh/λが1.0近傍では分散は
極小値をとるため非常に小さくなつた。 また2πh/λが0.2近傍でも分散は極大値をとる
ため小さくなつた。 第8図の曲線Aは電気機械結合係数の二乗値
K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの2.5
近傍においてK2は約0.95%が得られた。また速度
分散の小さい1.0近傍でも0.65%が得られた。こ
れらの値は通常弾性表面波を発生および検出させ
るに充分な値である。 次に第2図a,bと同一構造に形成した弾性表
面波素子を用意し、そのシリコン単結晶基板1の
〔110〕軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振さ
せることにより、第7図に示すような速度分散特
性が得られ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシ
ヤル層2の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小
さいことがわかつた。 また第8図の曲線Bは電気機械結合係数の二乗
値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
0.39近傍においてK2は約0.15%が得られ、さらに
2πh/λの3.0近傍においてK2は約0.5%が得られ
ダブルピーク特性が得られた。これらのK2値は
通常弾性表面波を発生および検出させるに充分な
値である。 次に第3図a,bと同一の構造に形成した弾性
表面波素子を用意し、そのシリコン単結晶基板1
の〔110〕軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励
振させることにより、第7図に示すような速度分
散特性が得られ、窒化アルミニウム単結晶エピタ
キシヤル層2の規格化膜厚2πh/λに対して分散
が小さいことがわかつた。 また第8図の曲線Cは電気機械結合係数の二乗
値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
2.0近傍においてK2は約1.1%が得られた。 特に第7図において2πh/λが1.0近傍の速度分
散が小さいところで約0.8%のK2が得られた。こ
れらの値は通常弾性表面波を発生および検出させ
るに充分な値である。 次に第4図a,bと同一構造に形成した弾性表
面波を用意し、そのシリコン単結晶基板1の
〔110〕軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振さ
せることにより、第7図に示すような速度分布特
性が得られ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシ
ヤル層2の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小
さいことがわかつた。 また第8図の曲線Dは電気機械結合係数の二乗
値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
2.7近傍においてK2は約0.56%のピークが得られ
た。 特に速度分散の小さい2πh/λが1.0近傍で約
0.12%のK2が得られた。これらの値は通常弾性表
面波を発生および検出させるに充分な値である。 第1図乃至第4図a,bの構造の弾性表面波素
子において、そのシリコン単結晶基板1の〔100〕
軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振させた場
合の本発明のその他の実施例について以下説明す
る。 先ず第1図と同一構造の弾性表面波素子の場
合、第9図に示すような弾性表面波の速度分散特
性が得られた。同図において横軸および縦軸は第
5図と同一であり、規格化膜厚2πh/λが約5.0ま
で弾性表面波としてのモードは消失しなかつた。 しかし2πh/λの0〜5.0の範囲に対応した位相
速度Vpは約4920m/secから約5500m/secまで
右上りに上昇しており、この変化は大きな位相速
度を保持した変化であり、また膜厚に対する分散
は小さかつた。 第10図の曲線Aは電気機械結合係数の二乗値
K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの3.1
近傍においてK2は約0.49%が得られた。この値は
通常弾性表面波を発生および検出させるに充分な
値である。 次に第2図a,bと同一構造の弾性表面波素子
の場合、第9図に示すような速度分散特性が得ら
れ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2
の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小さいこと
がわかつた。 また第10図の曲線Bは電気機械結合係数の二
乗値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
3.1近傍においてK2は約0.57%が得られた。この
値は通常弾性表面波を発生および検出させるに充
分な値である。 次に第3図a,bと同一構造の弾性表面波素子
の場合、第9図に示すような速度分散特性が得ら
れ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2
の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小さいこと
がわかつた。 また第10図の曲線Cは電気機械結合係数の二
乗値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
0.25近傍においてK2は約0.35%が得られ、さらに
2πh/λの4.0近傍においてK2は約0.44%が得られ
いわゆるダブルピーク特性が得られた。 特に前者の第1ピークを与える薄い膜厚におい
ては分散は非常に少なく、超高周波、低分散特性
に優れていることがわかつた。これらにおける
K2値は通常弾性表面波を発生および検出される
に充分な値である。 次に第4図a,bと同一構造の弾性表面波素子
の場合、第9図に示すような速度分散特性が得ら
れ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2
の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小さいこと
がわかつた。 また第10図の曲線Dは電気機械結合係数の二
乗値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
0.20近傍においてK2は約0.28%が得られ、さらに
2πh/λの3.5近傍においてK2は約0.51%が得られ
いわゆるダブルピーク特性が得られた。 特に前者の第1ピークを与える薄い膜厚におい
ては分散は非常に少なく、超高周波、低分散特性
に優れていることがわかつた。これらにおける
K2値は通常弾性表面波を発生および検出させる
に充分な値である。 第1図乃至第4図a,bの構造において、特に
窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2をこ
の圧電軸がシリコン単結晶基板1面に平行かつそ
の〔100〕軸と等価な方向になるように形成した
場合の本発明のその他の実施例について以下説明
する。 先ず第1図と同一構造に形成した弾性表面波素
子を用意し、そのシリコン単結晶基板1の〔100〕
軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振させた
時、第11図に示すような弾性表面波の速度分散
特性が得られた。 同図において横軸および縦軸は第5図と同一で
あり、規格化膜厚2πh/λが約0.5まで弾性表面波
としてのモードは消失しなかつた。 しかし2πh/λの0〜5.0の範囲に対応した位相
速度Vpは約4921m/secから約5600m/secまで
右上りに上昇しており、この変化は大きな位相速
度を保持した変化であり、また膜厚に対する分散
は小さかつた。 第12図の曲線Aは電気機械結合係数の二乗値
K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの2.5
近傍においてK2は約0.9%のピークが得られた。
特に2πh/λが1.0の近傍で約0.6%のK2が得られ、
かつ第11図のように分散は極小点で非常に小さ
い。これらの値は通常弾性表面波を発生および検
出させるに充分な値である。 次に第2図a,bと同一構造に形成した弾性表
面波素子を用意し、そのシリコン単結晶基板1の
〔100〕軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振さ
せることにより、第11図に示すような速度分散
特性が得られ、窒化アルミニウム単結晶エピタキ
シヤル層2の規格化膜厚2πh/λに対して分散が
小さいことがわかつた。 また第12図の曲線Bは電気機械結合係数の二
乗値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
0.34近傍においてK2は約0.15%が得られ、さらに
2πh/λの3.1近傍においてK2は約0.48%が得られ
ダブルピーク特性が得られた。これらのK2値は
通常弾性表面波を発生および検出させるに充分な
値である。 次に第3図a,bと同一構造に形成した弾性表
面波素子を用意し、そのシリコン単結晶基板1の
〔100〕軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振さ
せることにより、第11図に示すような速度分散
特性が得られ、窒化アルミニウム単結晶エピタキ
シヤル層2の規格化膜厚2πh/λに対して分散が
小さいことがわかつた。 また第12図の曲線Cは電気機械結合係数の二
乗値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
2.0近傍においてK2は約1.0%が得られた。特に
2πh/λが1.0近傍において、約0.7%のK2が得ら
れかつ第11図のように分散は極小点で非常に小
さい。これらの値は通常弾性表面波を発生および
検出させるに充分な値である。 次に第4図aとbと同一構造に形成した弾性表
面波を用意し、そのシリコン単結晶基板1の
〔100〕軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振さ
せることにより、第11図に示すような速度分布
特性が得られ、窒化アルミニウム単結晶エピタキ
シヤル層2の規格化膜厚2πh/λに対して分散が
小さいことがわかつた。 また第12図の曲線Dは電気機械結合係数の二
乗値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
2.7近傍においてK2は約0.55%のピークが得られ
た。 この値は通常弾性表面波を発生および検出させ
るに充分な値である。 以上説明して明らかなように本発明によれば、
シリコン単結晶基板(層)上に窒化アルミニウム
単結晶エピタキシヤル層を形成した弾性体構造を
用い、特に(001)結晶面から成るシリコン単結
晶基板を用いて弾性表面波を伝播させるように構
成するものであるから、特性的に優れた弾性表面
波素子を得ることができる。 なお本文各実施例における窒化アルミニウム単
結晶エピタキシヤル層の膜厚hの最適範囲は各特
性図から明らかであるが、各実施例ごとに示せば
次表のようになる。
面波素子に関するものである。 弾性表面波(Surface Acoustic Wave)を利
用することにより各種の電気的信号を扱うための
弾性表面波素子を構成する構造(基板)としては
従来、 1 圧電体基板のみの構造(圧電体単結晶基板、
圧電セラミツクス基板等)、 2 非圧電体基板上に圧電膜を形成した構造 3 半導体基板上に圧電膜を形成した構造、 等が知られている。 これらのうち、同一半導体基板上に集積回路と
共に弾性表面波素子を形成することができる3の
モノリシツク構造が用途上有利であり、今後発展
していくと思われる。 ところで上述の3のモノリシツク構造として
は、現在のところシリコン(Si)単結晶基板上に
スパツタリング法等により酸化亜鉛膜(ZnO)膜
を形成した構造がよく知られているが、このZnO
膜は以下のような欠点が存在するために実用上に
あたつては問題がある。 1 電圧印加により電気的不安定性が生ずる。 2 良質な膜が形成しにくいため、比抵抗、圧電
性等の点で十分再現性のあるものが得られな
い。 3 シリコン単結晶基板上に保護膜(SiO2)を
必要とする。 4 高周波領域において弾性表面波の伝播損失が
多い。 5 弾性表面波伝播特性において分布が大きい。 6 通常のシリコンICプロセスと合致しない。 本発明はこれらの問題点に対処してなされたも
のであり、シリコン単結晶層上に窒化アルミニウ
ム単結晶エピタキシヤル層を形成した弾性体構造
(基板)を用いることを根本的特徴とするもので、
特に(001)結晶面から成るシリコン単結晶層を
用いた弾性表面波素子を提供することを目的とす
るものである。以下図面を参照して本発明実施例
を説明する。 第1図は本発明実施例による弾性表面波素子を
示す断面図で、1はシリコン単結晶基板で(001)
結晶面もしくはこれと等価な面でカツトされたも
のから成り、2はその上に形成された窒化アルミ
ニウム(AlN)単結晶エピタキシヤル層でその
圧電軸は上記シリコン単結晶基板1面に直角にな
るように形成される。3,4は上記窒化アルミニ
ウム単結晶エピタキシヤル層2表面に形成された
くし型状から成る弾性表面波発生用電極および検
出用電極で、hは窒化アルミニウム単結晶エピタ
キシヤル層2の膜厚である。 以上の構造の弾性表面波素子に対しそのシリコ
ン単結晶基板1の〔110〕軸方向と等価な方向へ
弾性表面波を励振(伝播)させた時、第5図に示
すような弾性表面波の速度分散特性が得られた。
同図において横軸は窒化アルミニウム単結晶エピ
タキシヤル膜2の膜厚hの規格化された厚さを
2πh/λ(ここでλは弾性表面波の波長)で示し、
縦軸は弾性表面波の位相速度Vpを示すものであ
る。同図から明らかなように2πh/λが約5.0まで
弾性表面波としてのモードは消失しなかつた。 しかし2πh/λの0〜5.0の範囲に対応したVp
は約5083m/secから約5600m/secまで右上りに
上昇しており、この変化は大きな位相速度を保持
した変化であり、また膜厚に対する分散は小さか
つた。 第6図は電気機械結合係数の特性曲線を示すも
ので、横軸は第5図と同様な2πh/λで示し、縦
軸は電気機械結合係数Kの二乗値K2を百分率で
示すものである。同図において曲線Aが第1図の
構造に対応した特性で、規格化膜厚2πh/λの3.1
近傍においてK2は約0.5%が得られた。この値は
通常弾性表面波を発生および検出させるに充分な
値である。 第2図a,bは本発明の他の実施例を示す断面
図で、aはシリコン単結晶基板1の表面部に弾性
表面波発生用電極3および検出用電極4を形成し
た後、これらを覆うように窒化アルミニウム単結
晶エピタキシヤル層2を形成した構造を示し、b
は上記シリコン単結晶基板1表面部に部分的に高
抵抗層7もしくは空乏層を形成し、これらの層に
低抵抗シリコンから成るくし型状の弾性表面波発
生用電極5および検出用電極6を埋込み形成した
後にこれらを覆うように窒化アルミニウム単結晶
エピタキシヤル層2を形成した構成を示すもので
ある。 以上の構造の弾性表面波素子に対し第1図の構
造と同様にシリコン単結晶基板1の〔110〕軸方
向と等価な方向へ弾性表面波を励振させることに
より、第5図に示すような速度分散特性が得ら
れ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2
の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小さいこと
がわかつた。 また第6図の曲線Bは電気機械結合係数の二乗
値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
3.1近傍においてK2は約0.61%が得られた。この
値は通常弾性表面波を発生および検出させるに充
分な値である。 第3図a,bは本発明のその他の実施例を示す
もので、aはシリコン単結晶基板1の表面部に部
分的に第2電極として一対のしやへい電極8を形
成した後、これらを覆うように窒化アルミニウム
単結晶エピタキシヤル層2を形成しこの表面に第
1電極として弾性表面波検出用電極3および検出
用電極4を形成した構造を示し、bは上記シリコ
ン単結晶基板1表面部に部分的に低抵抗シリコン
層9を形成した後、これらを覆うように窒化シリ
コン単結晶エピタキシヤル層2を形成しこの表面
に第1電極として上記発生用電極3および検出用
電極4を形成した構造を示すものである。 以上の構造の弾性表面波素子に対し第1図の構
造と同様にシリコン単結晶基板1の〔110〕軸方
向と等価な方向へ弾性表面波を励振させることに
より、第5図に示すような速度分散特性が得ら
れ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2
の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小さいこと
がわかつた。 また第6図の曲線Cは電気機械結合係数の二乗
値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
0.29近傍においてK2は約0.34%が得られ、さらに
2πh/λの4.1近傍においてK2は約0.44%が得られ
いわゆるダブルピーク特性が得られた。 特に前者の第1ピークを与える薄い膜厚におい
ては分散は非常に少なく、超高周波、低分散特性
に優れていることがわかつた。これらにおける
K2値は通常弾性表面波を発生および検出させる
に充分な値である。 第4図a,bは本発明のその他の実施例を示す
もので、aはシリコン単結晶基板1表面部に第1
電極として弾性表面波発生用電極3および検出用
電極4を形成した後、これらを覆うに窒化アルミ
ニウム単結晶エピタキシヤル層2を形成し、この
表面に部分的に第2電極として一対のしやへい電
極8を形成した構造を示し、bは上記シリコン単
結晶基板1表面部に部分的に高抵抵抗層7もしく
は空乏層を形成し、これらの層に低抵抗シリコン
から成るくし型状の第1電極としての上記発生用
電極5および検出用電極6を埋め込み形成した
後、これらを覆うように窒化アルミニウム単結晶
エピタキシヤル層2を形成しこの表面に第2電極
として一対のしやへい電極8を形成した構造を示
すものである。 以上の構造の弾性表面波素子に対し第1図の構
造と同様にシリコン単結晶基板1の〔110〕軸方
向と等価な方向へ弾性表面波を励振させることに
より、第5図に示すような速度分散特性が得られ
窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2の規
格化膜厚2πh/λに対して分散が小さいことがわ
かつた。 また第6図の曲線Dは電気機械結合係数の二乗
値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
0.19近傍においてK2は約0.26%が得られ、さらに
2πh/λの3.6近傍においてK2は約0.54%が得られ
ダブルピーク特性が得られた。特に前者の第1ピ
ークを与える薄い膜厚においては分散は非常に少
なく、超高周波、低分散性に優れていることがわ
かつた。これらにおけるK2値は通常弾性波を発
生および検出させるに充分な値である。 第1図乃至第4図a,bの構造において、特に
窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2をこ
の圧電軸がシリコン単結晶基板1面に平行かつそ
の〔110〕軸と等価な方向になるように形成した
場合の本発明のその他の実施例について以下説明
する。 先ず第1図と同一構造に形成した弾性表面波素
子を用意し、そのシリコン単結晶基板1の〔110〕
軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振させた
時、第7図に示すような弾性表面波の速度分散特
性が得られた。 同図において横軸および縦軸は第5図と同一で
あり、規格化膜厚2πh/λが約5.0まで弾性表面波
としてのモードは消失しなかつた。 しかし2πh/λの0〜5.0の範囲に対応した位相
速度Vpは約5083m/secから約5570m/secまで
右上りに上昇しており、この変化は大きな位相速
度を保持した変化であり、また膜厚に対する分散
は小さかつた。特に2πh/λが1.0近傍では分散は
極小値をとるため非常に小さくなつた。 また2πh/λが0.2近傍でも分散は極大値をとる
ため小さくなつた。 第8図の曲線Aは電気機械結合係数の二乗値
K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの2.5
近傍においてK2は約0.95%が得られた。また速度
分散の小さい1.0近傍でも0.65%が得られた。こ
れらの値は通常弾性表面波を発生および検出させ
るに充分な値である。 次に第2図a,bと同一構造に形成した弾性表
面波素子を用意し、そのシリコン単結晶基板1の
〔110〕軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振さ
せることにより、第7図に示すような速度分散特
性が得られ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシ
ヤル層2の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小
さいことがわかつた。 また第8図の曲線Bは電気機械結合係数の二乗
値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
0.39近傍においてK2は約0.15%が得られ、さらに
2πh/λの3.0近傍においてK2は約0.5%が得られ
ダブルピーク特性が得られた。これらのK2値は
通常弾性表面波を発生および検出させるに充分な
値である。 次に第3図a,bと同一の構造に形成した弾性
表面波素子を用意し、そのシリコン単結晶基板1
の〔110〕軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励
振させることにより、第7図に示すような速度分
散特性が得られ、窒化アルミニウム単結晶エピタ
キシヤル層2の規格化膜厚2πh/λに対して分散
が小さいことがわかつた。 また第8図の曲線Cは電気機械結合係数の二乗
値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
2.0近傍においてK2は約1.1%が得られた。 特に第7図において2πh/λが1.0近傍の速度分
散が小さいところで約0.8%のK2が得られた。こ
れらの値は通常弾性表面波を発生および検出させ
るに充分な値である。 次に第4図a,bと同一構造に形成した弾性表
面波を用意し、そのシリコン単結晶基板1の
〔110〕軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振さ
せることにより、第7図に示すような速度分布特
性が得られ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシ
ヤル層2の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小
さいことがわかつた。 また第8図の曲線Dは電気機械結合係数の二乗
値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
2.7近傍においてK2は約0.56%のピークが得られ
た。 特に速度分散の小さい2πh/λが1.0近傍で約
0.12%のK2が得られた。これらの値は通常弾性表
面波を発生および検出させるに充分な値である。 第1図乃至第4図a,bの構造の弾性表面波素
子において、そのシリコン単結晶基板1の〔100〕
軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振させた場
合の本発明のその他の実施例について以下説明す
る。 先ず第1図と同一構造の弾性表面波素子の場
合、第9図に示すような弾性表面波の速度分散特
性が得られた。同図において横軸および縦軸は第
5図と同一であり、規格化膜厚2πh/λが約5.0ま
で弾性表面波としてのモードは消失しなかつた。 しかし2πh/λの0〜5.0の範囲に対応した位相
速度Vpは約4920m/secから約5500m/secまで
右上りに上昇しており、この変化は大きな位相速
度を保持した変化であり、また膜厚に対する分散
は小さかつた。 第10図の曲線Aは電気機械結合係数の二乗値
K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの3.1
近傍においてK2は約0.49%が得られた。この値は
通常弾性表面波を発生および検出させるに充分な
値である。 次に第2図a,bと同一構造の弾性表面波素子
の場合、第9図に示すような速度分散特性が得ら
れ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2
の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小さいこと
がわかつた。 また第10図の曲線Bは電気機械結合係数の二
乗値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
3.1近傍においてK2は約0.57%が得られた。この
値は通常弾性表面波を発生および検出させるに充
分な値である。 次に第3図a,bと同一構造の弾性表面波素子
の場合、第9図に示すような速度分散特性が得ら
れ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2
の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小さいこと
がわかつた。 また第10図の曲線Cは電気機械結合係数の二
乗値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
0.25近傍においてK2は約0.35%が得られ、さらに
2πh/λの4.0近傍においてK2は約0.44%が得られ
いわゆるダブルピーク特性が得られた。 特に前者の第1ピークを与える薄い膜厚におい
ては分散は非常に少なく、超高周波、低分散特性
に優れていることがわかつた。これらにおける
K2値は通常弾性表面波を発生および検出される
に充分な値である。 次に第4図a,bと同一構造の弾性表面波素子
の場合、第9図に示すような速度分散特性が得ら
れ、窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2
の規格化膜厚2πh/λに対して分散が小さいこと
がわかつた。 また第10図の曲線Dは電気機械結合係数の二
乗値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
0.20近傍においてK2は約0.28%が得られ、さらに
2πh/λの3.5近傍においてK2は約0.51%が得られ
いわゆるダブルピーク特性が得られた。 特に前者の第1ピークを与える薄い膜厚におい
ては分散は非常に少なく、超高周波、低分散特性
に優れていることがわかつた。これらにおける
K2値は通常弾性表面波を発生および検出させる
に充分な値である。 第1図乃至第4図a,bの構造において、特に
窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル層2をこ
の圧電軸がシリコン単結晶基板1面に平行かつそ
の〔100〕軸と等価な方向になるように形成した
場合の本発明のその他の実施例について以下説明
する。 先ず第1図と同一構造に形成した弾性表面波素
子を用意し、そのシリコン単結晶基板1の〔100〕
軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振させた
時、第11図に示すような弾性表面波の速度分散
特性が得られた。 同図において横軸および縦軸は第5図と同一で
あり、規格化膜厚2πh/λが約0.5まで弾性表面波
としてのモードは消失しなかつた。 しかし2πh/λの0〜5.0の範囲に対応した位相
速度Vpは約4921m/secから約5600m/secまで
右上りに上昇しており、この変化は大きな位相速
度を保持した変化であり、また膜厚に対する分散
は小さかつた。 第12図の曲線Aは電気機械結合係数の二乗値
K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの2.5
近傍においてK2は約0.9%のピークが得られた。
特に2πh/λが1.0の近傍で約0.6%のK2が得られ、
かつ第11図のように分散は極小点で非常に小さ
い。これらの値は通常弾性表面波を発生および検
出させるに充分な値である。 次に第2図a,bと同一構造に形成した弾性表
面波素子を用意し、そのシリコン単結晶基板1の
〔100〕軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振さ
せることにより、第11図に示すような速度分散
特性が得られ、窒化アルミニウム単結晶エピタキ
シヤル層2の規格化膜厚2πh/λに対して分散が
小さいことがわかつた。 また第12図の曲線Bは電気機械結合係数の二
乗値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
0.34近傍においてK2は約0.15%が得られ、さらに
2πh/λの3.1近傍においてK2は約0.48%が得られ
ダブルピーク特性が得られた。これらのK2値は
通常弾性表面波を発生および検出させるに充分な
値である。 次に第3図a,bと同一構造に形成した弾性表
面波素子を用意し、そのシリコン単結晶基板1の
〔100〕軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振さ
せることにより、第11図に示すような速度分散
特性が得られ、窒化アルミニウム単結晶エピタキ
シヤル層2の規格化膜厚2πh/λに対して分散が
小さいことがわかつた。 また第12図の曲線Cは電気機械結合係数の二
乗値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
2.0近傍においてK2は約1.0%が得られた。特に
2πh/λが1.0近傍において、約0.7%のK2が得ら
れかつ第11図のように分散は極小点で非常に小
さい。これらの値は通常弾性表面波を発生および
検出させるに充分な値である。 次に第4図aとbと同一構造に形成した弾性表
面波を用意し、そのシリコン単結晶基板1の
〔100〕軸方向と等価な方向へ弾性表面波を励振さ
せることにより、第11図に示すような速度分布
特性が得られ、窒化アルミニウム単結晶エピタキ
シヤル層2の規格化膜厚2πh/λに対して分散が
小さいことがわかつた。 また第12図の曲線Dは電気機械結合係数の二
乗値K2特性を示すもので、規格化膜厚2πh/λの
2.7近傍においてK2は約0.55%のピークが得られ
た。 この値は通常弾性表面波を発生および検出させ
るに充分な値である。 以上説明して明らかなように本発明によれば、
シリコン単結晶基板(層)上に窒化アルミニウム
単結晶エピタキシヤル層を形成した弾性体構造を
用い、特に(001)結晶面から成るシリコン単結
晶基板を用いて弾性表面波を伝播させるように構
成するものであるから、特性的に優れた弾性表面
波素子を得ることができる。 なお本文各実施例における窒化アルミニウム単
結晶エピタキシヤル層の膜厚hの最適範囲は各特
性図から明らかであるが、各実施例ごとに示せば
次表のようになる。
【表】
以上説明した本発明によれば次のような効果が
得られる。 1 エピタキシヤル膜による窒化アルミニウム膜
を用いるので、膜質が均一であり高周波での伝
播損失が小さい。 2 弾性表面波音速が大きいため高周波での波長
が大きくなり、くし型電極等の製造が容易にな
る。 3 弾性表面波音速の周波数分散が小さく抑えら
れるので、信号伝播に伴なう波形歪が小さくな
る。 4 共通半導体基板上に集積回路および弾性表面
波素子を形成するモノリシツク構造が可能とな
る。 5 窒化アルミニウム膜はバンドギヤツプが約
6.2eVと大きくまた比抵抗1016Ωcm以上のもの
が得られるため、電気的に安定であり、MO−
CVD技術を用いて容易に形成できるためシリ
コンのICプロセスと合致する。 以上のように本発明による構造は、特に弾性表
面波素子と半導体集積回路とを同一半導体基板上
に形成することができるため広範囲の用途への適
用が可能となる。
得られる。 1 エピタキシヤル膜による窒化アルミニウム膜
を用いるので、膜質が均一であり高周波での伝
播損失が小さい。 2 弾性表面波音速が大きいため高周波での波長
が大きくなり、くし型電極等の製造が容易にな
る。 3 弾性表面波音速の周波数分散が小さく抑えら
れるので、信号伝播に伴なう波形歪が小さくな
る。 4 共通半導体基板上に集積回路および弾性表面
波素子を形成するモノリシツク構造が可能とな
る。 5 窒化アルミニウム膜はバンドギヤツプが約
6.2eVと大きくまた比抵抗1016Ωcm以上のもの
が得られるため、電気的に安定であり、MO−
CVD技術を用いて容易に形成できるためシリ
コンのICプロセスと合致する。 以上のように本発明による構造は、特に弾性表
面波素子と半導体集積回路とを同一半導体基板上
に形成することができるため広範囲の用途への適
用が可能となる。
第1図、第2図a,b、第3図a,bおよび第
4図a,bはいずれも本発明実施例を示す断面
図、第5図乃至第12図はいずれも本発明により
得られた結果を示す特性図である。 1……シリコン単結晶基板、2……窒化アルミ
ニウム単結晶エピタキシヤル層、3,4,5,6
……くし型電極、7……高抵抗シリコン層、8…
…しやへい電極、9……低抵抗シリコン層。
4図a,bはいずれも本発明実施例を示す断面
図、第5図乃至第12図はいずれも本発明により
得られた結果を示す特性図である。 1……シリコン単結晶基板、2……窒化アルミ
ニウム単結晶エピタキシヤル層、3,4,5,6
……くし型電極、7……高抵抗シリコン層、8…
…しやへい電極、9……低抵抗シリコン層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (001)結晶面もしくはそれと等価な面から
成るシリコン単結晶層と、この上に形成されかつ
圧電軸が配向した窒化アルミニウム単結晶エピタ
キシヤル層と、これら所定位置に形成された電極
とを含むことを特徴とする弾性表面波素子。 2 上記窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル
層の圧電軸がシリコン単結晶層に垂直になるよう
に形成されたことを特徴とする特許請求の範囲第
1項記載の弾性表面波素子。 3 上記窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル
層の圧電軸がシリコン単結晶層に平行かつその
〔110〕結晶軸と等価な方向になるように形成され
たことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
弾性表面波素子。 4 上記窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル
層の圧電軸がシリコン単結晶層に平行かつその
〔100〕結晶軸と等価な方向になるように形成され
たことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
弾性表面波素子。 5 上記シリコン単結晶層面上の〔110〕軸と等
価な方向に弾性表面波を伝播させることを特徴と
する特許請求の範囲第2項又は第3項記載の表面
弾性波素子。 6 上記シリコン単結晶層面上の〔100〕軸と等
価な方向に弾性表面波を伝播させることを特徴と
する特許請求の範囲第2項又は第4項記載の表面
弾性波素子。 7 上記窒化アルミニウム単結晶エピタキシヤル
層の膜厚hが、2πh/λ<5.0(ただし、λは弾性
表面波の波長を示す)の範囲に属することを特徴
とする特許請求の範囲第2項乃至第6項のいずれ
かに記載の表面弾性波素子。 8 上記電極が窒化アルミニウム単結晶エピタキ
シヤル層の表面部に形成されたことを特徴とする
特許請求の範囲第1項乃至第7項のいずれかに記
載の弾性表面波素子。 9 上記電極がシリコン単結晶層と窒化アルミニ
ウム単結晶エピタキシヤル層間に形成されたこと
を特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第7項の
いずれかに記載の弾性表面波素子。 10 上記電極が窒化アルミニウム単結晶エピタ
キシヤル層の表面部に一対の第1電極として形成
され、上記シリコン単結晶層と窒化アルミニウム
単結晶エピタキシヤル層間に他の第2電極として
一対のしやへい電極が形成されたことを特徴とす
る特許請求の範囲第1項乃至第7項のいずれかに
記載の弾性表面波素子。 11 上記電極がシリコン単結晶層と窒化アルミ
ニウム単結晶エピタキシヤル層間に一対の第1電
極として形成され、上記窒化アルミニウム単結晶
エピタキシヤル層の表面部に他に第2電極として
一対のしやへい電極が形成されたことを特徴とす
る特許請求の範囲第1項乃至第7項のいずれかに
記載の弾性表面波素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15759481A JPS5859617A (ja) | 1981-10-05 | 1981-10-05 | 弾性表面波素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15759481A JPS5859617A (ja) | 1981-10-05 | 1981-10-05 | 弾性表面波素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5859617A JPS5859617A (ja) | 1983-04-08 |
JPH025330B2 true JPH025330B2 (ja) | 1990-02-01 |
Family
ID=15653119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15759481A Granted JPS5859617A (ja) | 1981-10-05 | 1981-10-05 | 弾性表面波素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5859617A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04207106A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-29 | Kubota Corp | 乗用型芝刈機 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0388406A (ja) * | 1989-04-11 | 1991-04-12 | Sanyo Electric Co Ltd | 弾性表面波素子 |
-
1981
- 1981-10-05 JP JP15759481A patent/JPS5859617A/ja active Granted
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
NATIONAL TECHNICAL REPORT=1976 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04207106A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-29 | Kubota Corp | 乗用型芝刈機 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5859617A (ja) | 1983-04-08 |
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