JPH0252753B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、制動機能を備えた開閉装置に関す
る。

扉や蓋等の開閉体に用いられるヒンジ等の開閉
装置の中には、開閉体の開閉動作を制御するため
にスプリングを用いたものが多い。このスプリン
グは、一般に開閉体の重量を減殺する方法として
用いられるために、開閉体を閉じた状態で最大の
弾力を有するようになつており、したがつて、弾
力に強いスプリングを用いると、開閉体の開方向
のトルクに対して過剰なる附勢力を与えてしま
い、該開閉体の閉じた状態が安定せず、かつ一定
の開角度以上では該開閉体を急激に弾ね上げてし
まうという問題があり、弱いものを用いると開閉
体を一定の開角度以上において急激に弾ね上げる
ことはないが、開閉体による閉じ方向のトルクに
対してその重量を減殺する充分な抑止力とはなり
得ず、スプリングを用いる意味を半減させてしま
うという問題があつた。

この発明はかかる点に鑑みなされたもので、そ
の目的とするところは、トーシヨンコイルスプリ
ングを用いたものにおいて、該スプリングに捩じ
りトルクが加われば加わるほど、摩擦力が増大し
て開閉体が急激に閉じないように成した開閉装置
を提供せんとするにある。

以下にこの発明を図面に示す一実施例に基づい
て詳細に説明すると、第１図乃至第３図におい
て、１は例えば開閉体が蓋や扉である場合に、本
体側へ取りつけられる取付部材であり、筒状のス
プリングケース部１ａと、このスプリングケース
部１ａより延設させた取付部１ｂと、スプリング
ケース部１ａの一側壁１ｃからスプリングケース
部１ａの軸心方向に突設させた固定軸１ｄを有し
ている。

２は開閉体が例えば蓋や扉である場合に、該扉
等の側へ取りつけられる支持部材であり、この支
持部材２の一側からは筒状の回転軸２ａが突設さ
れ、固定軸１ｄと回動自在な嵌合状態にある。そ
して、回転軸１ｄの一端部をかしめることによ
り、回転軸２ａが外れないようになつている。

この回転軸２ａの回りにはトーシヨンコイルス
プリング３が環巻きされており、このトーシヨン
コイルスプリング３の一端部３ａは取付部材１
に、他端部３ｂは支持部材２に各々係止されてい
る。回転軸２には切欠４が設けられ、この切欠４
には、例えば含油樹脂から成る摩擦部材５が移動
可能に嵌め込まれ、一側面を固定軸１ｄに接触さ
せている。

そして、この切欠４の位置は、支持部材２の回
転に伴いトーシヨンコイルスプリング３が最大に
巻き込まれた場合にその腹部３ｃが最も回転軸２
ａに近接する位置にくるように予じめ設計されて
いる。

したがつて、第２図に示したように、開閉体を
開いた位置において、支持部材２は直立してお
り、この支持部材２の回転軸２ａに嵌合させた摩
擦部材５は右斜上部にあつて、その外面とトーシ
ヨンコイルスプリング３の腹部３ｃとの間には、
間隙Ｐが存在しているので、摩擦力はこの状態で
は何ら生じていない。

開閉体の閉じ動作に伴い支持部材２及び回転軸
２ａが時計方向に回転すると、摩擦部材５は回転
軸２ａと共に時計方向へ回転し、同時に巻き込ま
れトーシヨンコイルスプリング３は、その直径を
減少させつつ第３図に矢印イで示したように左斜
上方へ引張られることにより、摩擦部材５の外面
と接触し、これを固定軸１ｄ側へ押圧させるの
で、該摩擦部材５と固定軸１ｄとの間に摩擦力が
生じ、制動力が生ずるものである。丁度この状態
を示したのが第３図である。

支持部材２を今度は反時計方向へ回転させる
と、このトーシヨンコイルスプリング３は除々に
巻き戻され、摩擦部材５に対する押圧を解くの
で、制動力が除々に解除されるものであり、支持
部材２をさらに回転させると、トーシヨンコイル
スプリング３のトルクが支持部材２に加わつてい
るトルクに勝ることになり、自動的に支持部材２
を回転させることになる。

このように実施した場合には、摩擦力の発生解
除が除々になされるという利点がある。

第４図乃至第６図は他の実施例を示し、図面に
依れば取付部材６側に設ける固定軸６ａが筒状を
呈すると共に、支持部材７側に設ける回転軸７ａ
が筒状の固定軸６ａに嵌め込まれるように構成さ
れており、回転軸７ａの予じめ計算された位置に
切欠８が設けられ、この切欠８内に摩擦部材が移
動可能に嵌め込まれている。

このように実施しても、支持部材７の時計方向
の回転に伴いトーシヨンコイルスプリング１０が
第６図に矢印ロで示したように左斜下方へ引張ら
れ、摩擦部材９を回転軸７ａ側へ押圧させるの
で、これにより制動力を得ることができるもので
ある。支持部材７を今度は反時計方向に回転させ
ると、トーシヨンコイルスプリング１０に摩擦部
材９に対する押圧が解除されるので、制動力が解
除される。

このように実施すると、摩擦部材９が回動する
ことがないので、使用中に外れてしまう心配がな
いという利点がある。

尚、上記した実施例はいずれも一例であつて、
取付部材や支持部材の形状、構造等については、
実施例のものに限定されず、種々のものがあり得
る。

また、トーシヨンコイルスプリングの取付部材
側の端部は必ずしも係止させなくとも良い。

さらに、以上の実施例ではこの発明をヒンジに
応用した場合につき説明したが、この発明はこれ
に限定されることなく、ヒンジ以外の開閉装置を
始め、制動力を必要とする他の分野にも広く応用
できることは言うまでもない。

以上詳細に説明したようにこの発明は簡単な構
成で、支持部材の回転に伴い、必要な制動力を得
ることができるという作用効果を奏し得る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示し、第１図はそ
の正面断面図、第２図は同側断面図、第３図はそ
の動作関係を説明するための同側断面図であり、
第４図は他の実施例を示す正面断面図、第５図は
第４図の側断面図、第６図はその動作関係を説明
するための同側断面図である。 １，６……取付部材、１ｄ，６ａ……固定軸、
２，７……支持部材、２ａ，７ａ……回転軸、
３，１０……トーシヨンコイルスプリング、４，
８……切欠、５，９……摩擦部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 取付部材と、この取付部材に設けた固定軸
   と、支持部材と、この支持部材に設けた前記固定
   軸と嵌合させられる回転軸と、前記固定軸又は回
   転軸に設けた切欠に移動可能に収装された摩擦部
   材と、この摩擦部材の回りに環巻きされて前記取
   付部材と支持部材との間に弾設されたトーシヨン
   コイルスプリングとから成り、前記摩擦部材の位
   置を支持部材の回転に伴い巻き込まれるトーシヨ
   ンコイルスプリングが前記固定軸又は回転軸に対
   して最も接近する位置に定めたことを特徴とす
   る、開閉装置。