JPH025148B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、主としてバスや鉄道車輌、建設機械
など大型でかつ長尺の被塗物を塗装する設備で、
詳しくは、被塗物を塗装場に位置固定しておい
て、塗装装置側の位置移動によつて塗装を行なう
トラベリング塗装設備に関する。

上例の如き大型長尺物に対するトラベリング塗
装方法として従来から知られている方法には、 ○イ 駆動走行自在な台車に作業者が搭乗してその
台車移動に伴なつて人為的に塗装を行なう方
法。と、 ○ロ 駆動走行自在な台車に自動塗装機、具体的に
は自動スプレー、又は、自動スプレーとそれを
上下または左右、若しくは上下左右に移動させ
る機構とを装備させ、もつて台車移動に伴なつ
て自動的に、つまり無人塗装を行なう方法。
とがある。

然し、前者○イの場合は、作業位置移動が多く、
塗装作業性、即ち能率が非常に悪いとともに、多
大な作業労力を要し、その上、塗料ミストの飛散
により作業者の健康面に多大な悪影響を及ぼす欠
点があつた。

これに比し後者○ロ場合は、作業能率面、労力
面、健康面で前者○イの場合より勝れているもの
の、被塗物の形状が複雑なものの場合、被塗物全
域に亘つて確実、均一な塗装が行なわれにくく、
塗料ロスを招いたり、作業者によるタツチアツプ
塗装を要するなどの欠点があつた。

本発明は、かかる実情に鑑み、長尺で大型被塗
物に対して連続作業形態で非常に能率良く、省力
的、衛生的に塗装できるばかりでなく、被塗面全
域に亘つて均質な塗装を効率良く実行することが
できるトラベリング塗装設備を提供する点に目的
がある。

上記の目的を達成すべく開発された本発明によ
るトラベリング塗装設備は、一定経路に沿つて駆
動走行自在な台車に、それの走行用駆動装置及び
ブースケーシングを装備させるとともに、前記ブ
ースケーシング内には、スプレーガンの作動を司
る塗装ロボツト及びこれの位置を上下に駆動調節
可能な機構が備えられ、かつ、被塗物の形態に応
じて予めインプツトされたプログラムに従つて前
記台車の走行及び塗装ロボツトの作動ならびにそ
れの上下位置調節動作を自動制御可能な制御機構
を設けてあることを特徴構成とする。

このような特徴構成を有する本発明によるトラ
ベリング塗装設備による作用効果は次の通りであ
る。

即ち、自走台車及び塗装ロボツトの採用によ
り、既記の従来方法○イに比べて塗装作業の能率向
上、省力化、及び作業者の健康面への悪影響回避
を図れ、かつ、塗装ロボツトの上下位置駆動調節
機構の装備により特に背丈の大きい被塗物の自動
塗装が可能で被塗物の大きさに対する作業範囲の
拡大が図れるといつた利点を有するが、特に本発
明設備が、既記の従来方法○ロで示したものと根本
的に相違する点は、従来方法○ロで示したものにお
いては自走台車と自動塗装機とが唯単に組合せら
れただけであつて、両者の動きに被塗物の形態に
対応しての相関的、有機的な関連がなく、それが
ために既述したように被塗物の形状が複雑なもの
の場合、被塗面全域に亘つての塗装に確実性、均
一性を欠き、塗料の多大なロス、作業者によるタ
ツチアツプ塗装を要して自動塗装である割に作業
能率が悪いといつた欠点を呈していたのである
が、これに反し、本発明のものにおいては、台車
の走行、塗装ロボツトの動作、及び塗装ロボツト
の上下位置調節動作が前記自動制御機構に予め連
動プラグラムとしてインプツトされていて、その
連動プログラムに従つて順次的、選択的、同時的
に自動作動されるといつた具合に、各動作が相関
的、有機的に関連づけられており、是れによつ
て、被塗面の移り替りに応じて適正な量の塗料が
適正なスピードで確実に被塗面に吹付けられ、も
つて、形状が複雑な被塗物であつても、その被塗
面全域に亘つて、ロスなく、又は、ロスの非常に
少ない状態で確実、均一な塗装が行なえ、しかも
タツチアツプ塗装が不要であることも加わつて全
体作業能率を著しく向上できるに至つたのであ
る。

以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述する
と、第１図はトラベリング塗装設備全体の概略プ
ランであつて、Ａはトンネル状の簡単な覆いが施
こされた塗装場であつて、車輌等の大型被塗物Ｂ
を載置した運搬車Ｃ，又は、被塗物Ｂが直接に塗
装場Ａ内に搬入されて位置固定されるようになつ
ている。前記塗装場Ａ内の被塗位置固定部の横一
側又は両横側には後述する台車１を一定経路に沿
つて往復駆動走行させるレール１１が敷設されて
いる。

前記台車１は、前記レール１１上に転載された
車輪１２をモータ変速装置、ブレーキを含む走行
用駆動装置２を介して駆動回転させることにより
自走するものであり、この自動台車１上に、第２
図で明示の如く被塗物位置固定部側にのみ向かつ
て開口するブースケーシング３が固定装備され、
このブースケーシング３内に、スプレーガン９の
向き姿勢変更作動を司る多軸多関節の塗装ロボツ
ト４が天井から懸垂される状態に設けられ、この
塗装ロボツト４の上下位置を駆動調節可能な機構
の一例として油圧シリンダ１０が前記ブースケー
シング３の天井部に縦姿勢に固定されているとと
もに、前記スプレーガン９に塗料を供給するユニ
ツト６、スプレーガン９からの塗料噴出量を制御
するユニツト１３、油圧ユニツト１４、電源ユニ
ツト８が前記ブースケーシング３及び台車１上の
適所に配置され、かつ、前記ブースケーシング３
内で発生した塗料ミストを外部に排出するブース
内排気装置７として排気集合チヤンバー７Ａ，排
気フイルター７Ｂ，排気ダクト７Ｃを設けてい
る。

而して、前記台車１の走行及び塗装ロボツト４
の作動ならびに前記油圧シリンダ１０の作動を、
被塗物の形態に応じて予めインプツトメモリーさ
れたプログラムに従つて自動制御可能な制御機構
５を台車１に搭載させたものである。

尚、図中１５は被塗物検出センサーであり、こ
のセンサー１５による被塗物の検出結果に基づい
て前記自動制御機構５をプログラム通りに制御動
作させるように構成されている。１６は防爆型照
明具、１７はタラツプ兼用手摺、１８は覗き窓で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は全体の概略平面図、第２図は要部の拡
大斜視図である。 １……台車、２……走行用駆動装置、３……ブ
ースケーシング、４……塗装ロボツト、５……制
御機構、６……塗料供給ユニツト、７……ブース
内排気装置、８……電源ユニツト、９……スプレ
ーガン。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一定経路に沿つて駆動走行自在な台車１に、
   それの走行用駆動装置２及びブースケーシング３
   を装備させるとともに、前記ブースケーシング３
   内には、スプレーガン９の作動を司る塗装ロボツ
   ト４及びこれの位置を上下に駆動調節可能な機構
   １０が備えられ、かつ、被塗物の形態に応じて予
   めインプツトされたプログラムに従つて前記台車
   １の走行及び塗装ロボツト４の作動ならびにそれ
   の上下位置調節動作を自動制御可能な制御機構５
   を設けてあることを特徴とするトラベリング塗装
   設備。 ２ 前記塗装ロボツト４が、前記ブースケーシン
   グ３の天井から懸垂されて取付けられている特許
   請求の範囲第１項に記載のトラベリング塗装設
   備。 ３ 前記台車１が塗料供給ユニツト６、ブース内
   排気装置７、電源ユニツト８を装備したものであ
   る特許請求の範囲第１項又は第２項に記載のトラ
   ベリング塗装設備。