JPH025113Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は横型回転圧縮機に係り、特に給油装置
の改良に関する。

(ロ) 従来の技術 従来例を第１図に基いて説明すると、１は底部
にオイル２を貯溜した密閉容器３内に電動機部４
と回転圧縮機部５とを並設するとともに、これら
の一部をオイル２中に浸漬し、この両機部をオイ
ル２の油面に対して水平な横型回転軸６で連結し
て収納した横型回転圧縮機である。回転圧縮機部
５はシリンダ７と、このシリンダ内を横型回転軸
６の偏心部８により回転するローラ９と、このロ
ーラに弾性手段１０により常時圧接してシリンダ
７内を高圧区域と低圧区域とに区画する摺動羽根
１１と、シリンダ７内の開口部を閉塞する横型回
転軸６の軸受部１２，１３を有する側部枠体１
４，１５と、一方の側部枠体１５に装着して吐出
マフラー１６を形成するカツプマフラー体１７と
により構成されている。摺動羽根１１はシリンダ
７の下側に設けられている。１８は横型回転軸６
の一端側の側部枠体１５に取付けた略Ｌ字状の給
油パイプで、この給油パイプの下端にはオイル中
に開口している。１９は電動機部４と回転圧縮機
部５との間で密閉容器３内を仕切る環状仕切板
で、この仕切板は密閉容器３内壁との間で上部に
ガス通路２０を、下部にオイル通路２１を形成し
ている。２２は密閉容器３外に設けた吐出バイパ
ス管で、このバイパス管は回転圧縮機部５の吐出
側と、この回転圧縮機部から遠い側の密閉容器３
と電動機部４とで囲まれた空間２３とを連通して
いる。２４は冷却回路に冷媒を循環させる吐出管
である。

この構造の横型回転圧縮機では回転圧縮機部５
で圧縮されて吐出バイパス管２２から密閉容器３
内の空間２３に流入した冷媒を、電動機部４側か
ら回転圧縮機部５側へ向かつて流し、環状仕切板
１９のガス通路２０で圧力を低下させ、密閉容器
３内の底部に貯溜されたオイル２を、環状仕切板
１９のオイル通路２１を介して電動機部４側から
回転圧縮機部５側へ圧力差で流し、この回転圧縮
機部側の油面を上昇させ、給油パイプ１８から汲
上げられるオイル２が不足しないようにしてい
る。

(ハ) 考案が解決しようとする課題 しかしながら、回転圧縮機部５はシリンダ７内
で圧縮された高圧ガス冷媒の一部が下側の摺動羽
根１１の摺動面の隙間からオイル２中に流出する
ため、このオイル中に流出した前記冷媒が気泡と
なつて上部空間に拡散しながら流れ、給油パイプ
１８から横型回転軸６の給油孔２５を介して各摺
動部に供給されたオイル２にガス冷媒が混入し、
このガス冷媒によつてオイルが供給されにくくな
り、摺動部に摩耗が発生する問題があつた。

本考案は上記の問題を解決するもので、圧縮機
部からオイル中にリークしたガス冷媒を上方に導
いて、給油パイプの開口付近のオイル中に圧縮機
部からリークしたガス冷媒が流れ込まないように
した横型回転圧縮機を提供することを目的とした
ものである。

(ニ) 課題を解決するための手段 本考案は底部にオイルを貯溜した密閉容器内
に、水平な回転軸を有する電動機部と、この電動
機部により回転軸を介して駆動される圧縮機部と
を備えた横型回転圧縮機において、前記圧縮機部
に回転軸の給油孔に連通した給油パイプを設け、
この給油パイプにオイル中に浸漬した部分に開口
を設け、前記給油パイプの開口と圧縮機部との間
に略半円状の邪魔板を、前記圧縮機部側に隙間を
あけてオイル中で立設したものである。

(ホ) 作用 本考案は上記のように構成したことにより、給
油パイプの開口の幅よりも大きくし、かつ、圧縮
機部側に隙間を設けた邪魔板を前記圧縮機部と給
油パイプの開口との間のオイル中に立設させ、圧
縮機部からオイル中にリークしたガス冷媒を邪魔
板で給油パイプに流れにくくするとともに、この
邪魔板と圧縮機部との間の隙間で上部空間に導い
て排出し、給油パイプの開口付近のオイル中に圧
縮機部からリークしたガス冷媒が混入しにくくし
たものである。

(ヘ) 実施例 以下本考案を第２図及び第３図に示す実施例に
基いて説明する。

尚、第１図の従来例との同一部品または相当部
品には同一符号を符し、説明を省略する。

従来例との違いは回転圧縮機部５と給油パイプ
１８との間にカツプマフラー体１７と一体に形成
された邪魔板２７を立設させ、このカツプマフラ
ー体を密閉容器３内に配置したときにオイル２中
で邪魔板２７と密閉容器３の内壁との間にオイル
連通孔２６を形成するとともに、この邪魔板と回
転圧縮機部５との間に密閉容器３内の上部空間と
連通する環状隙間２８を設けた点である。

この違いにより回転圧縮機部５で圧縮された高
圧のガス冷媒の一部は圧力差で摺動羽根１１の摺
動面の隙間から密閉容器３内のオイル２中にリー
クしてもカツプマフラー体１７と一体に形成され
た邪魔板２７により給油パイプ１８側に流出する
のを防止され、しかも、邪魔板２７と回転圧縮機
部５との間の環状隙間２８を上昇して密閉容器３
内の上部空間に排出されている。そして、給油パ
イプ１８から各摺動部に供給されるオイル２中に
はガス冷媒が流入しにくくされ、各摺動部はオイ
ル不足で摩耗するのを防止できるようにされてい
る。

尚、上記説明では邪魔板２７をカツプマフラー
体１７と一体に形成して説明したが、第４図及び
第５図のように側部枠体１５と一体に邪魔板２９
を形成してもよく、その場合には環状隙間２８の
間隔を一定にできるものである。

(ト) 考案の効果 以上のように本考案によれば、給油パイプの開
口と圧縮機部との間に略半円状の邪魔板を、前記
圧縮機部側に隙間をあけてオイル中で立設したの
であるから、圧縮機部から密閉容器内のオイル中
に流出したガス冷媒を、邪魔板で給油パイプの開
口側に流れるのを遮断するとともに、圧縮機部と
邪魔板との間の隙間で密閉容器内の上方に導き、
前記邪魔板によつて給油パイプの開口付近のオイ
ル中に圧縮機部からリークしたガス冷媒を流れに
くくでき、前記給油パイプから各摺動部に供給さ
れるオイルに混入する冷媒量を減少させ、各摺動
部が摩耗するのを防止できるようにしたものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の横型回転圧縮機の断面図、第２
図は本考案の一実施例を示す横型回転圧縮機の断
面図、第３図はカツプマフラー体の平面図、第４
図及び第５図は他の実施例を示す側部枠体の平面
図及び断面図である。 １……オイル、３……密閉容器、４……電動機
部、５……回転圧縮機部、６……横型回転軸、１
８……給油パイプ、２７，２９……邪魔板、２８
……環状隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部にオイルを貯溜した密閉容器内に、水平な
   回転軸を有する電動機部と、この電動機部により
   回転軸を介して駆動される圧縮機部とを備えた横
   型回転圧縮機において、前記圧縮機部には回転軸
   の給油孔に連通した給油パイプが設けられ、この
   給油パイプにはオイル中に浸漬した部分に開口が
   設けられ、前記給油パイプの開口と圧縮機部との
   間には略半円状の邪魔板が前記圧縮機部側に隙間
   をあけてオイル中で立設されていることを特徴と
   する横型回転圧縮機。