JPH0250920B2 - - Google Patents

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JPH0250920B2
JPH0250920B2 JP57015946A JP1594682A JPH0250920B2 JP H0250920 B2 JPH0250920 B2 JP H0250920B2 JP 57015946 A JP57015946 A JP 57015946A JP 1594682 A JP1594682 A JP 1594682A JP H0250920 B2 JPH0250920 B2 JP H0250920B2
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culture
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observed
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JP57015946A
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Hamao Umezawa
Tomio Takeuchi
Tsutomu Sawa
Fumiaki Kanai
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Microbial Chemistry Research Foundation
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Microbial Chemistry Research Foundation
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Publication of JPH0250920B2 publication Critical patent/JPH0250920B2/ja
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、新規物質MG245―CF2―A、その
金属錯体およびそれらの製造法に関する。 本発明は、サツカロポリスポラ属に属する或る
種の微生物が、バナジウム塩の存在下、マウスエ
ーリツヒ腹水癌細胞から調製したチミジル酸合成
酵素を阻害する作用を有する物質を生産するとい
う知見に基くものである。この抗生物質(本発明
者によりMG245―CF2―Aと命名された)を生
産する能力を有する微生物は、本発明者によつて
東京都品川区微生物化学研究所構内の土壤から採
取、分離されたものである。 本発明の新規物質MG245―CF2―Aの理化学
的性状は次の通りである。 (1) 元素分析値: C 48.80% H 5.80% N 9.37% O 33.37% (2) 分子量: マススペクトルのピークから427
と推定される。 C―13NMRスペクトルおよび元素分析の値
から427とと計算され、マススペクトルによる
値を支持している。 (3) 分子式: C18H25N3O9 C―13NMRスペクトルおよび元素分析の値
からC18H25N3O9と推定される。酸加水分解物
の分析から2,3―ジヒドロキシ安息香酸、ス
レオニン、N―ヒドロキシオルニチンが確認さ
れ、H―1 NMRスペクトルからこれらの物
質が1分子ずつペプチド結合している構造が推
定され、この構造から分子式はC18H25N3O9
計算され、C―13 NMRスペクトルおよび元
素分析の値から得られた分子式を支持してい
る。 (4) 構造式: 酸加水分解物を標品と比較した結果、
MG245―CF2―Aの構成成分として2,3―
ジヒドロキシ安息香酸、L―スレオニン、N―
ヒドロキシオルニチンが確認された。H―1
NMRスペクトルから、これらの物質が1分子
ずつペプチド結合している構造が推定され、マ
ススペクトルにより構造に示すようなつながり
を持つた構造が推定される。 (5) 融点: 105℃〜109℃ (6) 比旋光度〔α〕25 D+6.1゜(c=1 メタノール
) (7) 赤外線吸収スペクトル:第2図に示した通り
である。 (8) 赤外線吸収スペクトル:第2図に示した通り
である。 (9) 溶剤に対する溶解性:水、メタノールによく
溶け、エタノール、アセトンにやや溶けるが、
クロロホルム、酢酸エチル、ヘキサンにはほと
んど溶けない。 (10) 呈色反応:ライドンスミス反応、トリフエニ
ルテトラゾリウムクロリド反応、過マンガン酸
反応に陽性を示し、ニンヒドリン反応、坂口反
応、アンスロン反応に陰性を示す。 (11) 塩基性、酸性、中性の区別:紙電気泳動の
結果、酸性物質の挙動を示す。 (12) 物質の色:白色粉末 (13) セルロース薄層クロマトグラフイー〔セル
ロースとしてアビセルSF(フナコシ薬品社製)
を用いる〕のRf値:n―ブタノール:メタノ
ール:水(4:1:2) 0.76 MG245―CF2―Aおよびそのバナジウム錯体
は、マウス白血病L―1210をMEM培地、10%牛
血清、105細胞/mlの濃度で48時間細胞培養する
場合、それぞれ50μg/ml、45μg/mlで細胞の
生育を50%阻害する。MG245―CF2―Aのバナ
ジウム錯体はマウス白血病L―1210、エーリツヒ
癌に対する治療実験で以下に示すように延命効果
を示した。 MG245―CF2―Aバナジウム錯体(以下、
MG245―CF2―VAという)の制癌活性 (イ) マウス白血病L―1210に対する効果(iP―iP
系) 1群8匹の雌性CDF1系マウス(6〜7週
令)に105細胞/0.25ml/マウスのL―1210白
血病細胞を腹腔内に接種し、直後より生理的食
塩水に溶解したMG245―CF2―VAを1日1回
10日間連続して腹腔内に投与し延命率を求め
た。結果を第1表に示す。
【表】
【表】 (ロ) エールリツヒ腹水癌に対する効果 1群4匹の雌性ICRマウス(6週令)に2×
106細胞/0.25ml/マウスのエールリツヒ癌細
胞を腹腔内に接種し、直後より生理的食塩水に
溶解したMG245―CF2―VAを1日1回、10日
間連続で腹腔内に投与し延命率を調べた。その
結果を第2表に示す。MG245―CF2―VAは、
エールリツヒ腹水癌に対しても制癌効果を示し
た。
【表】 またMG245―CF2―VAは毒性が低く、マウ
スを用いて試験した結果、腹腔内投与でLP50
は200mg/Kg以上であつた。従つて、本物質は
制癌剤としての用途が期待される。 以上のとおり、MG245―CF2―Aおよび、そ
の金属錯体の理化学的性状ならびに生物学的性質
について詳記したが、MG245―CF2―Aは構成
成分として2,3―ジヒドロキシ安息香酸を含有
する点で、エシエリシア・コリの生産するエンテ
ロバクチン、N―ヒドロキシオルニチンを含有す
る点でストレプトミセス・サブトロピカスの生産
するアルボマイシンに類似であるが、MG245―
CF2―Aの化学構造式は既に示したとおりで、そ
れらとは明らかに異なり、MG245―CF2―Aは
新規物質と判定できる。 次にMG245―CF2―Aおよびその金属錯体の
製造法について説明する。 MG245―CF2―Aは、サツカロポリスポラ属
に属し、且つMG245―CF2―A生産能を有する
微生物を培地に培養し、培養物中にMG245―
CF2―Aを蓄積させ、培養物からMG245―CF2―
Aを採取することによつて得ることができる。ま
たMG245―CF2―Aの金属錯体は、MG245―
CF2―Aの水溶液に周期律第4周期に属する遷移
金属を添加し、反応させることによつて容易に得
ることができる。以下に詳細説明する。 本発明において用いることのできる菌株の例
は、実施例記載のサツカロポリスポラ
(Saccharopoly―spora)MG245―CF2(微生物受
託番号:微工研菌寄第5734号)であるが、本菌株
の変異株も使用することができる。 この生産菌は、昭和54年6月、微生物化学研究
所において研究所構内の土壌より分離された放線
菌で、微工研へ寄託してMG245―CF2の菌株番
号が付された。 MG245―CF2株の菌学的性状 1 形 態 MG245―CF2株は顕微鏡下で基性菌糸が比
較的長く、不規則に分枝し、分枝した基生菌糸
の先端に1〜2個の胞子状のものが観察され
る。特にスターチ・無機塩寒天培地(ISP―培
地4)およびリンゴ酸石灰寒天培地ではそれら
しきものが認められる。気菌糸は短く、かぎ状
又はらせん状を呈し、その先端に胞子の連鎖を
認める。胞子は卵形から長円形で、ほぼ0.5μ×
0.8μの大きさで、成熟した場合は15〜20個以上
の連鎖となる。胞子の表面は特異な毛様構造を
呈する。 2 各種培地における生育状態 色の記載について〔 〕内に示す標準はコン
テイナー・コーポレーシヨン・オブ・アメリカ
のカラー・ハーモニー・マニユアル
(Container Corporation of AmericaのColor
harmony manual)を用いた。 (1) シユクロース・硝酸塩寒天培地(27℃培
養) 発育は黄茶〔3ni;Clove Brown〕で、白
色の気菌糸をまばらに、うすく着生する。溶
解性色素は培養7日目ごろから認められ、茶
色を呈する。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地(27℃
培養) 菌の生育が悪く、培養10日目頃から無色の
発育がやつと観察できる。14日目頃から発育
はうす黄〔2ca;Lt Ivory〕〜うす黄だいだ
い〔2gc;Bamboo〕を呈するが、気菌糸は
着生しない。又、溶解性色素の産生も認めら
れない。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP
―培地5、27℃培養) うす黄〜うす黄茶2gc;Bamboo〕の発育
上に、わずかにうすく白色の気菌糸を着生す
る。又、茶色味をおびた溶解性色素が培養後
7日目頃から認められる。 (4) スターチ・無機塩寒天培地(ISP―培地
4、27℃培養) 発育はうす黄〜うす黄だいだい〔2gc;
Bam―boo〕、気菌糸はうつすらと所々に着
生し、白色〜茶白を呈する。溶解性色素は認
められない。 (5) チロシン寒天培地(ISP―培地7、27℃培
養) うす黄〔2gc;Bamboo〕〜うす黄色
〔2le:Old Gold〕の発育上に白色の気菌糸
をうつすらと着生する。又、茶色味をおびた
溶解性色素が培養7日目頃からわずかに認め
られる。 (6) 栄養寒天培地(27℃培養) 発育はうす黄だいだい〜うす黄茶〔3ie;
Maple Sugar〕で、まばらにうすく白色の
気菌糸を着生する。又、溶解性色素は認めら
れない。 (7) イースト・麦芽寒天培地(ISP―培地2、
27℃培養) うす黄茶〔3ie;Maple Sugar〕〜にぶ黄
だいだい〔3pg;Golden Brown〕の発育上
に、白〜茶白の気菌糸をわずかに、薄く着生
する。溶解性色素は培養7日目頃より認めら
れ、茶色を呈する。 (8) オートミール寒天培地(ISP―培地3、27
℃培養) 発育はうす黄〔2ec;Biscuit〕〜うす黄だ
いだい〔2ea;Lt Wheat〕で、気菌糸の着
生は悪く、培養22日目ごろに、わずかに茶白
の気菌糸が認められる程度である。溶解性色
素の産生は認められない。 (9) グリセリン・硝酸塩寒天培地(27℃培養) うす黄〜うす黄だいだい〔2gc;Bamboo〕
〜うす黄茶〔2pg、Mustard Gold〕の発育
上に乏しい白色〜茶白の気菌糸を着生する。
溶解性色素は培養10日目ごろからわずかに認
められ、茶色味をおびる。 (10) スターチ寒天培地(27℃培養) うす黄〜うす黄だいだい〔2gc;Bamboo〕
の発育上に、白〜灰白の気菌糸をうつすらと
着生し、わずかに茶色味をおびた溶解性色素
を産生する。 (11) リンゴ酸石灰寒天培地(27℃培養) 生育は良い方でうす黄〜うす黄茶〔3le;
Cinnamon〕、まばらにうすく白色の気菌糸
を着生する。溶解性色素は、培養7日目頃よ
り認められ、初めは茶色味をおびているが、
後にうす赤茶を呈する。 (12) セルロース(27℃培養) 発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解性色
素も認められない。 (13) ゼラチン穿刺培養 単純ゼラチン培養(20℃培養)では、培養
10日目頃からわずかに菌の生育が認められ、
発育は無色、気菌糸は着生せず、溶解性色素
も認められない。 グルコース・ペプトン・ゼラチン培地(27
℃培養)の場合は、培養3日目頃より無色の
発育が認められるが、気菌糸は着生せず、溶
解性色素も認められない。 (14) 脱脂牛乳(37℃培養) うす黄茶の発育上に、うつすらと白色の気
菌糸を着生する。溶解性色素は培養7日目頃
からわずかに認められ、茶色味をおびてく
る。 3 生理的性質 (1) 生育温度範囲 MY寒天培地(マルトース 1.0%、酵母
エキス0.4%、糸寒天3.5%、PH6.0)を用い、
20℃、24℃、27℃、30℃、33℃、37℃、40
℃、72℃、45℃、50℃の各温度で培養を行な
つた結果、20〜42℃の温度で生育するが、最
適温度は30〜37℃である。 (2) ゼラチンの液化(15%単純ゼラチン、20℃
培養及びグルコース・ペプトン・ゼラチン、
27℃培養) 単純ゼラチン(20℃培養)では、培養10日
目頃からわずかに液化が始まり、20日間経過
してもその作用は弱い。グルコース・ペプト
ン・ゼラチン(27℃培養)の場合も培養10日
目頃から液化が始まり、単純ゼラチンに比較
するとやや強いが中等度程度である。 (3) スターチの加水分解(スターチ・無機塩寒
天培地及びスターチ寒天培地、共に27℃培
養) いずれの場合も培養開始後7日目頃から水
解性が認められた。その作用は中程度から強
い方である。 (4) 脱脂牛乳の凝固・ペプトン化(脱脂牛乳、
37℃培養) 凝固作用は認められない。ペプトン化は培
養開始後7日目頃に始まり10日目には完了し
た。 (5) メラニン様色素の生成(トリプトン・イー
ストブロス、ISP培地1;ペプトン・イース
ト・鉄寒天、ISP―培地6;チロシン寒天、
ISP―培地7;いずれも27℃培養) いずれの培地でも、メラニン様色素の生成
は認められない。 (6) 炭素源の利用性(プリトハム・ゴトリーブ
寒天培地、ISP―培地9、27℃培養) グルコース、D―フラクトース、シユクロ
ース、ラフイノース、D―マンニトールを利
用して生育するが、L―アラビノース、D―
キシロース、イノシトール、L―ラムノース
は利用しない。 (7) リンゴ酸石灰の溶解(リンゴ酸石灰寒天、
80℃培養) 培養7日目頃から、発育周辺のリンゴ酸石
灰を溶解し、その作用は中程度〜強い方であ
る。 (8) 硝酸塩の還元反応(1.0%硝酸カリ含有ペ
プトン水、ISP―培地8、27℃培養) 陽性である。 以上の性状を要約するとMG245―CF2株は、
顕微鏡下で不規則に分枝した比較的長い基生菌
糸を有し、その先端に1〜2個の胞子様のもの
を観察することがある。かぎ状又はらせん状の
短い気菌糸の先端には胞子鎖を形成し、胞子の
表面は特異な毛様構造を呈している。種々の寒
天培地で、うす黄茶〜にぶ茶だいだい〜黄茶の
発育上に白〜茶白の気菌糸を着生し、溶解性色
素はうす茶〜うす赤茶〜茶色を呈する。メラニ
ン様色素の生成はいずれの培地においても陰性
である。牛乳は凝固せずにペプトン化し、その
作用は中等度〜強い方である。ゼラチンの液化
作用は認められるが弱い方である。またスター
チの水解性は中程度から強い方である。生育温
度範囲は20〜42℃であり、最適生育温度は30〜
37℃である。 MG245―CF2株はリシバリエら(Leche―
valierら;インターナシヨナル・ジヤーナル・
オブ・スイステイマチツク・バクテリオロジ
イ、20巻、1970)の提唱する細胞壁タイプの
型を示し、メリ―2,6―ジアミノピメリン酸
とアラビノース、ガラクトースを有する。さら
に薄層クロマトグラフイー法により脂質として
LCN―A(リピド・キヤラクタリステイツク・
オブ・ノカルデア)およびクロマトグラフイー
法によりノカルドミコリツク・アシド
(Nocardomyco―lic acid)を含まないことが
確かめられた。 以上の結果に基づき、既知菌属を検索すると、
MG245―CF2株に類似の菌属としてミクロポリ
スポラ(Micropolyspora)属(バージーズ・マ
ニユアル・オブ・デイターミネイテブ・バクテリ
オロジイ、第8版 861頁)およびサツカロポリ
スポラ属(ジエー・レーシイ J.Laceyら: ジ
ヤーナル・オブ・ゼネラルマイクロバイロジイ、
88巻、75頁、1975年)があげられる。ミクロポリ
スポラ属は胞子の表面が毛様構造を示さず、
MG245―CF2株と明らかに異なる。一方、サツ
カロポリスポラ属は胞子表面に特異な毛様構造を
有し、MG245―CF2株ときわめて類似している。
次に、実際にサツカロポリスポラ・ヒルスタ
(Saccharopolyspora hirsuta)KCC A―017株
を入手し、MG245―CF2株と比較検討した結果
の大要を次表に記す。
【表】
【表】 表に示す様にMG245―CF2株とサツカロポリ
スポラ・ヒルスタKCC A―0170株とは、形態的
に気菌糸および基生菌糸の形状や胞子表面の毛様
構造などよく類似している。MG245―CF2株で
は基生胞子状のものがまれに観察されるが、
Laceyらがサツカロポリスポラ・ヒルスタの記載
に述べているように、これは胞子を着生した気菌
糸がコロニー表面で崩壊した像であるかもしれな
い(文献5)。また両株は気菌糸の色、発育の色、
溶解性色素などもほぼ一致している。生育温度範
囲は前者が20〜42℃であるのに対し、後者は24〜
45℃でやや高いのが特微的で、生育最適温度につ
いても同様の事がいえる。その他の生理的諸性質
については、硝酸塩の還元性が異なつた結果を示
すが、メラニン色素の生成、スターチの加水分
解、牛乳の凝固、ペプトン化、ゼラチンの液化
等々両株の性質はすべて一致している。炭素源の
利用性については、MG245―CF2株がイノシト
ール、L―ラムノースを利用しないのに対し
KCC A―0170株はそれらを利用して発育する。
D―キシロースについても一致した成績は示して
いない。しかしその他の炭素源については両株と
も同じ利用性を示している。さらに細胞壁組成の
分析によれば両株はともにリシバリエらの提唱す
る型であり、脂質としてNocardomycolicacid
およびLCN―Aを含まないことが確認された。 以上の結果よりMG245―CF2株はサツカロポ
リスポラ属に属する菌であり、サツカロポリスポ
ラ・ヒルスタに極めて近縁の種であると考えられ
る。よつてMG245―CF2株をサツカロポリスポ
ラ・ヒルスタ(Saccharopolyspora hirsuta)
MG245―CF2とする。なお、MG245―CF2株を
工業技術院微生物工業技術研究所に昭55年10月3
日保管委託申請し、申請書受理番号は第5734号で
ある。 上記の菌株を用いてMG245―CF2―Aを生産
し、MG245―CF2―VAを製造する方法を説明す
る。 本発明によるMG245―CF2―A生産菌の培養
には、通常の微生物の発酵に用いられる各種の培
地が用いられる。例えば炭素源としてはグルコー
ス、グリセリン、シユークロース等が、また窒素
源としては大豆粉、酵母エキス、アスパラギン等
が用いられる。食塩や炭酸カルシウム等の無機塩
を併用することもあり、必要により消泡剤を添加
することもある。培養方法としては、振盪培養
法、深部通気撹拌培養等の液体培地を使用する方
法が適当である。培養温度は15〜40℃、好ましく
は20〜35℃である。培養日数は2〜5日が適当で
ある。MG245―CF2―Aは主として培養液内に
蓄積される。 MG245―CF2―Aの検定は、マウスエーリツ
ヒ腹水癌細胞を磨砕し、105000gで超遠心して得
られる上清中に含まれるチミジル酸合成酵素に対
し、MG245―CF2―Aが硫酸バナジルなどのバ
ナジウム化合物存在下で反応を阻害する性質を利
用して行なう。 MG245―CF2―Aは、前記の理化学的性状を
有するので、その性状に従つて常法により抽出、
精製することが可能であり、例えば以下に示す方
法が効率的である。 有効成分を含む培養液をダイアイオンHP―20
(三菱化成製)を充填したカラムに通塔させると
有効成分は吸着される。カラムを脱イオン水で洗
つた後、有効成分を20%アセトンで溶出させる。
溶出液を減圧濃縮したのち、PHを2にしてn―ブ
タノールで有効成分を抽出する。抽出液を減圧乾
固したのち、水を加えて水溶液とし、DEAE―セ
フアデツクスC―25(フアーマシア社製)を充填
したカラムに通塔させると有効成分は吸着され
る。カラムを脱イオン水で洗つた後、0〜1モル
の食塩の濃度勾配溶出を行なう。有効成分を含む
水溶液をダイアイオンHP―20を充填したカラム
に通塔、20%アセトンで溶出し食塩を除いた有効
成分を含む液を減圧乾固した後、少量のメタノー
ルに溶解する。ついでセフアデツクスLH―20
(フアーマシア社製)を充填したカラムでメタノ
ールを溶出液としてゲル過を行ない、精製品を
得る。 またMG245―CF2―VAは、MG245―CF2―A
の性状に従つて常法により製造することが可能で
あり、例えば以下に示す方法が効率的である。 MG245―CF2―Aの0.1〜10%、好ましくは1
〜5%水溶液にチタン、バナジウム、鉄等、周期
律第四周期に属する遷移金属の0.1〜10%水溶液
を加え、混合し錯体を形成する。ついで、DEAE
―Sephadex―A―25、Dowex―1のような陰イ
オン交換樹脂あるいは、およびDiaion―HP―20
のような吸着樹脂に錯体を吸着させ、樹脂を水洗
して未反応物を除去する。ついで、適当な脱着
剤、例えば陰イオン交換樹脂を使用した場合は、
食塩水、塩酸等で、吸着樹脂の場合には含水メタ
ノール、あるいは含水アセトン等で溶出する。つ
いで、食塩水を用いて溶離したときは、再度吸着
樹脂を用いて脱塩したのち、塩酸含水メタノー
ル、含水アセトンを用いて溶離した場合はそのま
ま、減圧濃縮、乾固してMG245―CF2―Aの金
属錯体を得る。 つぎに実施例により本発明を説明する。 実施例 1 500ml容坂口フラスコ10本にグルコース1%、
グリセリン1%、シヨ糖1%、オートミール0.5
%、大豆粉2%、乾燥酵母1%、カザミノ酸0.5
%、炭酸カルシウム0.1%、消泡用シリコン0.01
%を含む液体培地を100mlずつ分注して綿栓を施
し、120℃、20分加圧滅菌し、サツカロポリスポ
ラ(Saccharopolyspora)MG245―CF2(微工研
菌寄第5734号)を植菌し、30℃、4日間振蘯培養
をする。ついで、この培養液を500ml容坂口フラ
スコ100本にグリセリン1.5%、綿実粉1.5%、食
塩0.3%、L―アスパルギン0.2%を含む液体培地
を110mlずつ分注して綿栓を施し、120℃、20分加
圧滅菌した培地に3mlずつ植菌する。27℃、4日
間振盪培養をして培養液9を得た。この培養液
(PH7.8)をダイアイオンHP―20(三菱化成製)1
を充填した塔に通過させると有効成分は樹脂に
吸着される。この塔を水で洗浄後、80%アセトン
水で有効成分を溶出させ、減圧濃縮して1の水
溶液にする。1規定塩酸でPHを2としn―ブタノ
ール1を加え振盪すると有効成分はn―ブタノ
ールに抽出される。水層から1のn―ブタノー
ルでさらに2回抽出を行ない、n―ブタノール抽
出液を合わせ減圧濃縮乾固する。有効成分を水
500mlに溶解し、DEAE―セフアデツクスC―25
(フアーマシア社製)200mlを充填した塔に通過さ
せると有効成分は樹脂に吸着される。この塔を水
で洗浄後、0〜1モルの食塩の濃度勾配溶出(2
)を行なう。有効成分は、食塩濃度0.3M付近
で溶出される。 ついで、ダイアイオンHP―20(三菱化成製)
200mlを充填した塔にこの溶出液を通過させると
有効成分は樹脂に吸着される。この塔を水で洗浄
後、有効成分を20%アセトンで溶出し、減圧濃縮
乾固する。有効成分をメタノール5mlに溶解し、
セフアデツクスLH―20 400mlを充填した塔で、
メタノールを溶出液としてゲル過を行い、活性
区分を減圧濃縮乾固してMG245―CF2―Aの純
品36mgを得た。 このMG245―CF2―A20mgを水5mlに溶解し、
硫酸バナジル27.6mgを5mlの水に溶解したものを
加え、5分間撹拌混合する。ついで、DEAE―セ
フアデツクスC―25(フアーマシア社製)50mlを
充填した塔に、この混合液を通過させると有効成
分は樹脂に吸着される。塔は水で洗浄後、0.5M
食塩水で溶出する。活性区分を集めダイアイオン
HP―20(三菱化成製)100mlを充填した塔に通過
させると有効成分は樹脂に吸着される。塔を水で
洗浄後、50%アセトン水で有効成分を溶出し、減
圧下、濃縮乾固してMG245―CF2―VAの純品9
mgを得た。MG245―CF2―Aのバナジウム錯体
は、バナジウムを2.18%含み、セフアデツクスG
―25で分子量2500〜3000と推定された。従つて、
V(MG245―CF2―A)6の構造を有すると推定さ
れる。融点は185〜190℃で、緑色の粉末である。 実施例 2 500ml容坂口フラスコ10本にグルコース1%、
グリセリン1%、シヨ糖1%、オートミール0.5
%、大豆粉0.2%、乾燥酵母1%、カザミノ酸0.5
%、炭酸カルシウム0.1%、消泡用シリコン0.01
%を含む液体培地を100mlずつ分注して、綿栓を
施し、120℃、20分加圧滅菌し、サツカロポリス
ポラMG245―CF2(微工研菌寄第5734号)を植菌
し、30℃、4日間振蘯培養をする。 ついで、この培養液を20容ステンレススチー
ル製培養槽にグリセリン1.5%、綿実粉0.5%、食
塩0.3%、L―グルタミン酸0.5%を含む液体培地
12を仕込み、120℃、20分殺菌、冷却後240ml植
菌する。27℃にて通気撹拌培養し(通気量12/
分、撹拌数250rpm)4日後に培養液10.5を得、
実施例1と同様にHP―20塔クロマトグラフイ
ー、n―ブタノール抽出、DEAE―セフアデツク
スの塔クロマトグラフイー、セフアデツクスLH
―20のゲル過を行つた後、減圧乾燥乾固して
MG245―CF2―Aの純品250mgを得た。これを水
50mlに溶解し、三塩化バナジウム100mgを加え5
分間撹拌したのち、実施例1と同様にDEAE―セ
フアデツクス塔クロマトグラフイーHP―20塔ク
ロマトグラフイーを行つた後、減圧下、乾燥乾固
し、MG245―CF2―VA247mgを得た。
【図面の簡単な説明】
第1図はMG245―CF2―Aの紫外線吸収スペ
クトルで、MG245―CF2―Aを10μg/mlの濃度
に水に溶解して測定したものである。第2図は
MG245―CF2―Aの赤外線吸収スペクトルで、
臭化カリウム錠として測定したものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 構造式 で示されるMG245―CF2―Aとバナジウムとの
    錯体で、一般式 Vn(MG245―CF2―A)o (ここで、Vはバナジウムを表わし、m,nは整
    数である) で表わされるMG245―CF2―Aのバナジウム錯
    体。 2 サツカロポリスポラ属に属し、且つMG―
    245―CF2―A生産能を有する微生物を培地に培
    養し、培養物中にMG―245―CF2―Aを蓄積さ
    せ、培養物からMG245―CF2―Aを回収し、次
    いでMG245―CF2―Aの水溶液中でバナジウム
    と反応させることを特徴とするMG245―CF2―
    Aのバナジウム錯体の製造法。
JP57015946A 1982-02-02 1982-02-02 新規物質mg245―cf2―aのバナジウム錯体、およびその製造法 Granted JPS58134064A (ja)

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