JPH0571234B2 - - Google Patents

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JPH0571234B2
JPH0571234B2 JP60141554A JP14155485A JPH0571234B2 JP H0571234 B2 JPH0571234 B2 JP H0571234B2 JP 60141554 A JP60141554 A JP 60141554A JP 14155485 A JP14155485 A JP 14155485A JP H0571234 B2 JPH0571234 B2 JP H0571234B2
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tokimycin
hydrochloride
toquimycin
antibiotic
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Nobuo Tanaka
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Banyu Phamaceutical Co Ltd
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【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は医薬の分野で有用な抗腫瘍性を有する
新規ナフトキノン系抗生物質、その医薬上許容し
得る塩およびその製造法に関する。 従来の技術 ナフトキノン系抗腫瘍性抗生物質は、アドリア
マイシン、アクラルビシンなどアンスラサイクリ
ン系の抗腫瘍性抗生物質をはじめとして、数多く
知られている。アドリアマイシン,アクラルビシ
ンなどは臨床に使用され、優れた治療効果を示し
ている。 発明が解決しようとする問題点 既存のアドリアマイシン、アクラルビシンなど
の制癌剤は優れた作用を示すが、癌細胞はこれら
の制癌剤に対し耐性を獲得することが知られてお
り、治療上の問題点となつている。 問題点を解決するための手段 前掲の公知のアンスラサイクリン系抗腫瘍性抗
生物質の問題点を解決すべく、本発明者等は広く
微生物の培養物について種々検索した。その結
果、栃木県南河内町の薬師寺の土壊から採取分離
したストレプトミセス属に属する放線菌が抗菌活
性および抗腫瘍性活性を有するナフトキノン系物
質を産生することを発見した。本物質を単離し、
理化学的性状、生物学的性状および抗菌スペクト
ラムの観点から公知物質と比較検討した結果、本
物質は新規物質であり、さらにアドリアマイシン
およびアクラルビシンに対して耐性のマウスリン
パ腫L5178Y細胞の発育を阻止することを見出し
て、本発明を完成した。 なお、この物質が新規物質あることから、本物
質をトキマイシンAと命名した。 すなわち、本発明は新規抗生物質トキマイシン
Aおよびその医薬上許容し得る塩、さらにストレ
プトミセス属に属する抗生物質トキマイシンA生
産菌を栄養源を含む培地に好気的に培養し、トキ
マイシンAを生成蓄積せしめ、これを採取するこ
とを特徴とする新規抗生物質トキマイシンAの製
造法に関するものである。 本発明の新規抗生物質トキマイシンAの生産菌
の1例としては、本発明者らにより新たに分離さ
れたIM7923T株がある。 IM7923T株の菌学的性状は下記の通りである。 1 形態 IM7923T株の気菌糸は、短糸であり、不規則
に分枝している。その先端で胞子鎖を形成し、巻
き込む形(不完全ならせん型)をとる。成熟した
胞子鎖は10個以上の胞子の連鎖を認め、胞子は円
柱状(1.1〜1.3×0.33〜0.53マイクロメートル位)
で、胞子の表面は平滑である。輪生枝は認められ
ない。 2 各種培地における生育状態(27℃、2週間培
養) (1) シユクロース・硝酸塩寒天培養 発育はわずかである。赤味がかつた灰白色の粉
状気菌糸をわずかに着生し、溶解性色素は認めら
れない。 (2) グルコース・アスパラギン寒天培地 発育は、中程度である。淡赤褐色の粉状の気菌
糸を着生し、淡黄色の溶解性色素をわずかに認め
る。 (3) グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP−
培地5) 発育はわずかである。淡褐灰色の粉状の気菌
糸をわずかに着生し、溶解性色素は認められな
い。 (4) スターチ・無機塩寒天培地(ISP−培地4) 発育は良好である。淡赤褐色のビロード状の
気菌糸を着生し、淡褐灰色の溶解性色素をわず
かに認める。 (5) チロシン寒天培地(ISP−培地7) 発育はわずかである。淡灰白色の粉状の気菌
糸をわずかに着生し、溶解性色素は認められな
い。 (6) 栄養寒天培地 発育はわずかである。気菌糸をほとんど着生せ
ず、溶解性色素も認められない。 (7) イースト・麦芽寒天培地(ISP−培地2) 発育は良好である。赤色のビロード状の気菌
糸を着生し、淡黄褐色の溶解性色素をわずかに
認める。 3 生理的性質 (1) ゼラチンの液化 グルコース・ペプトン・ゼラチン培地(27℃培
養)で、ゼラチンの液化が認められる。 (2) スターチの加水分解 スターチ・無機塩寒天培地(27℃培養)で、ス
ターチの加水分解が認められる。 (3) 脱脂牛乳の凝固・ペプトン化(脱脂牛乳、27
℃培養) 明らかな凝固は認められず、ペプトン化が認
められる。 (4) メラニン様色素の生成 ペプトン・イースト・鉄寒天培地およびオー
トミール培地でメラニン様色素の生成が認めら
れるが、チロシン寒天培地ではほとんど生成が
認められない。 (5) 炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリープ寒
天培地ISP−培地9,27℃培養) D−グルコース,D−フルクトースを利用し
て発育するが、L−アラビノース、D−キシロ
ース、D−マントニトール、シユクロース、ラ
ムノース、ラフイノース、イノシトールはほと
んど利用しない。 (6) 生育温度(イースト・麦芽寒天ISP−培地
2,2週間培養) 20〜37℃で発育し、至適温度は20〜30℃であ
る。 以上の性状を要約すると、IM7923T株は、ス
トレプトミセス(Streptomyces)属に属し(な
お、この菌株の全菌体の成分からL型のジアミノ
ピメリン酸(LL−DAP)を検出)、気菌糸はま
つすぐでやや曲つており、胞子鎖は不完全ならせ
ん型を示す。輪生枝は認められず、胞子の表面は
平滑である。気菌糸は赤色を呈することが多く、
メラニン様色素を生成することが多い。蛋白質分
解能は脱脂牛乳の凝固は極めて弱いが、脱脂牛乳
のペプトン化およびゼラチンの液化性は中程度で
ある。D−グルコースおよびD−フルクトースは
利用するが、L−アラビノース、D−キシロー
ス、D−マンニトール、シユクロース、ラフイノ
ースおよびイノシトールは利用しない。 以上の性状からすると、ストレプトミセス・バ
ージニエ(Streptomyces virginiae)とほぼ一致
するので、本発明者らは本菌株をストレプトマイ
セス・バージニエ(Streptomyces virginiae)
IM7923株と命名した。 本菌株は微工研に寄託されており、その微工研
受託番号は微工研菌寄第8321号(F−EPM−
P8321)である。 IM7923株は他の放線菌の多くの菌株の場合に
みられるようにその性質が変化しやすく、例えば
紫外線、エツクス線、放射線、薬品等を用いる人
為的変異手段で変異しうるものであるが、いずれ
の変異株であつても抗生物質トキマイシンAの生
産能を有するものはすべて本発明の方法に使用す
ることができる。 つぎにトキマイシンAの製造法について、説明
する。 本発明のトキマイシンAの製造を実施するに当
り、トキマイシンAの生産菌株ストレプトミセ
ス・バージニエ(Streptomyces virginiae)
IM7923株を栄養源含有培地に接種して好気的に
発育させることによりトキマイシンAを含む培養
物が得られる。培養物としては放線菌の栄養源と
して公知のものが使用できる。たとえば市販され
ているペプトン、肉エキス、コーン・スチープ・
リカー、綿実粉、落花生粉、大豆粉、酵母エキ
ス、NZ−アミン、カゼインの水解物、魚粉、硝
酸ソーダ、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム
等窒素源、市販されているグリセリン、蔗糖、デ
ンプン、グルコース、マルトース、糖蜜などの炭
水化物あるいは脂肪などの炭素源および食塩、リ
ン酸塩、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウムなど
の無機塩を使用できる。その他必要に応じて微量
の金属塩を添加することもできる。これらのもの
以外でも、該生産菌が利用し、トキマイシンAの
生産に役立つものであればいずれでも使用するこ
とが出来る。 培養方法としては、一般の抗生物質の生産方法
と同様に行なえばよく、固体培養でも液体培養で
もよい。液体培養の場合は静置培養、撹拌培養、
振盪培養、通気培養などいずれを実施してもよい
が、特に通気撹拌培養が好ましい。また、培養温
度は、およそ15℃〜40℃の範囲が好ましく、培地
のPHは約4〜8の範囲で、およそ8時間〜168時
間、好ましくは24時間〜144時間培養する。 培養物から目的とするトキマイシンAを採取す
るには微生物の生産する代謝物の培養物から採取
するのに通常使用される分離手段が適宜利用され
る。培養液中のトキマイシンAは、まず培養液に
過助剤を加え、過あるいは遠心分離により菌
体を除去して、得られた培養液を適宜の担体に
接触させて液中の有効成分を吸着させ、ついで
適当な溶媒で有効成分を脱着させるか、または該
培養液を適当な有機溶媒による抽出操作を繰り
返すことにより得られたトキマイシンA含有分画
を濃縮後高速液体クロマトグラフイーによる不純
物の除去により得られる。 さらに詳しく述べるならば、培養液を、たと
えばダイヤイオンHP−20またはCHP−20Pとい
うような多孔性吸着樹脂もしくは、たとえばダウ
エツクス50、アンバーライトIRC−50というよう
なイオン交換樹脂に接触させて、トキマイシンA
を該樹脂に吸着させる。ついで、該吸着樹脂の場
合にはメタノール、エタノール、アセトン、、ア
セトートリル等の有機溶媒と水との混合溶媒で、
該イオン交換樹脂の場合には0.5N酢酸などの酸
で溶出させることによりトキマイシンA含有分画
を得る。また酢酸ブチル、酢酸エチルなどの有機
溶媒により培養液を抽出後、得られた抽出液を
酸性水で抽出し、ついで該酸性抽出液を該有機溶
媒で再び抽出するという操作を繰り返すことによ
りトキマイシンA含有分画が得られる。次に前記
の各操作により得られたトキマイシンA含有分画
を濃縮後たとえばC−18シリカ(ワツトマン社製
ヌクレオシル5C18またはLRP−1)などの充填
剤を用いたカラムおよび展開溶媒としてメタノー
ル、水、酢酸の混液、たとえばメタノール:水:
酢酸が30:70:1の体積比で構成されてなる混液
を使用する高速液体クロマトグラフイーに付すこ
とにより、トキマイシンAが得られる。またトキ
マイシンAは前記の抽出法、分離法および精製法
を適宜組合せるかまたは繰り返すことにより採取
することもできる。 一方菌体中のトキマイシンAは含水アセトン含
水メタノール、含水エタノールまたは含水アセト
ニトリルで培養菌体を抽出し、得られた抽出液を
濃縮後培養液中のトキマイシンAの抽出精製法と
同様に処理することにより、得ることができる。 またトキマイシンAは塩の形に変換することも
できる。その塩は医薬上許容し得る塩ならばいず
れでもよいが、代表的な塩としては無機酸および
有機酸との塩、たとえば塩酸塩、硫酸塩、リン酸
塩、酢酸塩などを挙げることができる。 以上の如くして得られたトキマイシンAは次の
ような理化学的性状を有する。 (a) 元素分析 C29H35NO11・H2O C H N O 実験値(%) 58.3 6.1 2.3 33.5 理論値(%) 58.9 6.3 2.4 32.5 (b) 分子式 C29H35NO11 (c) マススペクトル:FAB−MS (m/z);574[M+H]+ (d) 融点(分解) トキマイシンAの塩酸塩の融点(分解)は
106〜112℃である。 (e) 赤外部吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤
法) トキマイシンAの塩酸塩の赤外部吸収スペク
トルは第1図に示す通りである。 (f) 紫外部吸収スペクトル トキマイシンAの塩酸塩の紫外部吸収スペク
トルは第2図に示す通りであり、その吸収極大
は以下の通りである。 0.01N塩酸水溶液中において; λnax(E1% 1cm)=215(326),254(143),435
(35.5) 0.01N水酸化ナトリウム水溶液中において; λnax(E1% 1cm)=268(90),285(sh),525(43.5) 水中において; λnax(E1% 1cm)=215(333),254(137),435
(35.5) (g) 1H−NMRスペクトル(400MHz,D2O) トキマイシンAの塩酸塩の1H−NMRスペクト
ルは第3図に示す通りである。 (h) 比旋光度 トキマイシンAの塩酸塩の比旋光度は〔α〕
22.5 D=−50.0゜(C=0.098,H2O)である。 (i) 呈色反応 トキマイシンAの塩酸塩についての呈色反応
は次の通りである。 酢酸マグネシウム ……陽性 ニトロプルシド−アセトアルデヒド ……陽性 ドラーゲンドルフ ……陽性 ニンヒドリン ……陰性 エルソンモルガン ……陰性 (j) 溶剤に対する溶解性 トキマイシンAの塩酸塩についての溶剤に対
する溶解性は以下の通りである。 水,メタノール,エタノールに可溶。 アセトン,酢酸エチル,クロロホルム,ヘキサ
ンに不溶。 (k) 物質の外観 トキマイシンAの塩酸塩は吸湿性の粉末ある
いは結晶性粉末である。 l 塩基性,酸性,中性の区別 塩基性 また本発明者らは、前記トキマイシンAの他、
トキマイシンAと類似の性質を示す化合物で、
各々C28H33NO11,C29H37NO11,C29H33NO11
C28H35NO11,C28H31NO11の分子式で示されるト
キマイシンB、トキマイシンAの還元物、トキマ
イシンA酸化物、トキマイシンBの還元物、トキ
マイシンBの酸化物およびそれらの塩がトキマイ
シンA産生菌により生産されるという知見も既に
得ている。 抗生物質トキマイシンAの諸性状と既知抗生物
質の諸性状とを比較検討した結果、抗生物質トキ
マイシンAはグリセウシンA〔ジヤーナル・オ
ブ・アンチビオテツクス(Journal of
Antibiotics)第22巻,第7頁(1976年)の紫外
部吸収スペクトルおよび赤外部吸収スペクトルと
同じような該スペクトルを示すが、構成元素、元
素分析値、分子量および1H−NMRスペクトルに
おいて、グリセウシンAとは異なる。したがつ
て、トキマイシンAはグリセウシンAと同じ骨格
構造を有するものと考えられる。一方、諸性状が
完全一致する抗生物質は存在しないことから、抗
生物質トキマイシンAは新規な抗生物質あると確
認した。 作 用 次にトキマイシンAの生物学的性状について述
べる。 () 抗菌作用 トキマイシンAのミユラー・ヒントン寒天培地
上で各種細菌及びイースト・シユクロース寒天培
地上での各種真菌に対する最低発育阻止濃度をそ
れぞれ第1表および第2表に示す。
【表】
【表】
【表】 培地
培養温度:27℃
前掲の抗菌スペクトルから明らかな如く、トキ
マイシンAはグラム陰性細菌および真菌に対して
は200μg/mlの濃度においてもほとんど抗菌作
用を示さないが、グラム陽性および抗酸性細菌に
は抗菌活性を有するナフトキノン系の抗生物質で
あることは明らかである。 () 抗癌作用 試験例 (1) トキマイシンAは10%胎児牛血清添加RPMI−
1640培地中で、ヒトの白血病K562細胞、マウス
の白血病P388及びL1210細胞の発育を阻止する。
また、10%馬血清添加RPMI−1640培地中でマウ
スのリンパ腫L5178Y細胞及びそのアドリアマイ
シン耐性株、アクラルビシン耐性株、並びにブレ
オマイシン耐性株の発育を阻止する。また、10%
胎児牛血清添加DMEM培地でマウスのLewis肺
癌、B16メラノーマ細胞の発育を阻止する。これ
らの癌細胞に対する50%発育阻止濃度を第3表に
示す。
【表】
【表】 試験例 (2) IMCカルシノーマの106個の細胞を腹腔に移植
した7週令のCDF1マウス(雌)一群6匹に、24
時間後、トキマイシンAを1日あたり1mg/Kgの
投与量で9日間連続投与したところ、トキマイシ
ン投与群は無投与群に対して174%の延命率
(T/C)を示した。 試験例 (3) エールリツヒ腹水癌の106個の細胞を腹腔に移
植した6週令のICRマウス(雌)一群6匹に、24
時間後、トキマイシンAを1日あたり2mg/Kgの
投与量で9日間連続投与したところ、トキマイシ
ンA投与群は無投与群に対して229%の延命率
(T/C)を示した。 () 毒性 マウスにおけるトキマイシンAの急性毒性
(LD50)は、静脈内投与で約20mg/Kgであり、皮
下投与では約50mg/Kgである。 前記の生物学的性状から明らかな如く、トキマ
イシンAはグラム陽性菌および抗酸性細菌に対し
て抗菌活性を有するのみならず、マウスのエール
リツヒ癌、IMC癌などの癌細胞の増殖を阻止す
る。したがつて、トキマイシンAは抗菌剤または
制癌剤として使用することができる。 本発明の抗生物質トキマイシンAは抗菌剤また
は制癌剤として使用する場合、抗生物質トキマイ
シンAと共に適合しうる薬剤担体を含有する医薬
製剤の形で使用することができる。該担体は、例
えば水、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、
デン粉、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植
物油、ポリアルキレングリコールおよび石油ジエ
リー等の経口投与、皮下投与または非経口投与に
適する有機または無機不活性担体である。医薬製
剤は、本発明の抗生物質トキマイシンA以外の治
療上有効な物質を含有してもよい。医薬製剤は、
固状(例えば錠剤、糖衣錠またはカプセル)また
は液状(例えば液剤、懸濁剤または乳濁剤)にす
ることができる。 医薬製剤は、減菌してもよくおよび/または防
腐剤、安定剤、湿潤濁剤、浸透圧調整剤または緩
衝剤用の塩等の補助剤を含有してもよい。 活性成分の投与量は、投与経路、患者の年令体
重、容態および治療する疾患に応じて異なるが、
成人に対する代表的な投与量は経口投与または非
経口投与、好ましくは静脈内注射の場合、1日当
り1ないし10mgの範囲である。 実施例 次に、実施例により本発明を更に説明する。本
発明は実施例に限定されるものではなく、実施例
の修飾手段は勿論、本発明によつて明らかにされ
たトキマイシンAの性状に基づいて公知の手段を
施してトキマイシンAを生産、濃縮、抽出、精製
する方法をすべて包括する。 実施例 寒天斜面培地に培養した放線菌IM7923T株を
オートミル2%、イーストエキス0.1%からなる
液体培地(PH7.2)100mlを含む500ml容三角フラ
スコに接種し、27℃で40時間、回転振盪機(毎分
180回転)上で培養して種培養液を得た。 次に上記と同じ組成の液体培地50を含む100
容のステンレス・スチール製ジヤー培養器3基
に種培養液(それぞれに三角フラスコ10本分、約
1)を接種し、27℃で70時間培養した(撹拌:
毎分400回転、通気量:毎分25)、培養液約115
を2N塩酸でPH3.3に調製し、硅藻土5.5Kgを加
え、ろ過し、イオン交換水20で洗滌し、ろ液
(PH4.5)約125を得た。 ろ液をダイヤイオンHP−20,5のカラムに
吸着させ、イオン交換水20つづいて30%メタノ
ール20で洗滌後、0.01N塩酸:メタノール
(30:70)混液25で溶出し、活性分画約11を
集めた。活性分画を約400mlに濃縮し、2N苛性ソ
ーダでPH4.0に調製し、ろ過し、100mlのイオン交
換水で洗滌し、約500mlのろ液(PH4.5)を得た。
このろ液をダイヤイオンHP−20,1のカラム
に吸着させ、イオン交換水2つづいて30%メタ
ノール6で洗滌後、0.01N塩酸:メタノール
(30:70)混液5で溶出し、活性分画約800mlを
集めた。活性分画を約250mlに濃縮し、1Mリン酸
緩衝液(PH7.8)でPH7.2に調製後、250ml酢酸ブ
チルで3回抽出した。酢酸ブチル層を集め(約
750ml)、150mlの0.01NHClで2回抽出し、水層
(約300ml)を1Mリン酸緩衝液(PH7.8)でPH4.5
に調製後、ダイヤイオンCHP−20P、200mlのカ
ラムに吸着させ、イオン交換水400mlつづいて30
%メタノール600mlで洗滌後、0.01N塩酸:メタ
ノール(60:40)2で溶出し、活性分画約400
mlを集めた。活性分画を約10mlに濃縮し、1Mリ
ン酸緩衝液(PH7.8)でPH4.0に調製した。さらに
センシユウ科学製SSC ODS762(20外×250mm)
分取用カラムを用い、逆相シリカゲルHPLCを行
つた。移動相:水−メタノール−酢酸(70:30:
1)混液、流速:毎分10ml。トキマイシンA及び
B分画をそれぞれ集め、各分画を10mlに濃縮後、
ブタノール20ml、メタノール20ml、2N塩酸0.5ml
を加え、この混液を10mlに濃縮後、ヘキサン50ml
を加え、氷冷し、4℃に一夜保ち塩酸塩の結晶状
の沈澱を得た。沈澱を集め、乾燥し、トキマイシ
ンA塩酸塩約200mg及びトキマイシンB塩酸塩約
10mgを得た。 発明の効果 本発明の抗生物質トキマイシンAは、アドリア
マイシンおよびアクラルビシンに対して耐性のマ
ウスリン腫L5178Y細胞の発育を阻害し、延命効
果を示す。従来の制癌剤に耐性を有する癌種に対
しても有効な新規制癌性抗生物質である。
【図面の簡単な説明】
第1図はトキマイシンAの塩酸塩を臭化カリウ
ム錠剤法で測定した赤外部吸収スペクトルを示
す。第2図は水溶液中、0.01N塩酸溶液中及び
0.01N苛性ソーダ溶液中でそれぞれ測定したトキ
マイシンAの塩酸塩の紫外部吸収スペクトルを示
す。第3図はトキマイシンAの塩酸塩の1H−
NMRスペクトルを示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 次の理化学的性状を有する抗生物質トキマイ
    シンAおよびその医薬上許容し得る塩。 (a) 元素分析値(%) C:58.3 H:6.1 N:2.3 O:33.5 (b) 分子式 C29H35NO11 (c) マススペクトル:FAB−MS (m/z);574[M+H]+ (d) 融点(分解) トキマイシンAの塩酸塩の融点(分解)は
    106〜112℃である。 (e) 赤外部吸収スペクトル(臭化カリウム錠剤
    法) トキマイシンAの塩酸塩の赤外部吸収スペク
    トルは第1図に示す通りである。 (f) 紫外部吸収スペクトル トキマイシンAの塩酸塩の紫外部吸収スペク
    トルは第2図に示す通りであり、その吸収極大
    は以下の通りである。 0.01N塩酸水溶液中において; λnax(E1% 1cm)=215(326),254(143),435
    (35.5) 0.01N水酸化ナトリウム水溶液中において; λnax(E1% 1cm)=268(90),285(sh),525(43.5) 水中において; λnax(E1% 1cm)=215(333),254(137),435
    (35.5) (g) 1H−NMRスペクトル(400MHz,D2O) トキマイシンAの塩酸塩の1H−NMRスペクト
    ルは第3図に示す通りである。 (h) 比旋光度 トキマイシンAの塩酸塩の比旋光度は〔α〕
    225 D=−50.0゜(C=0.098,H2O)である。 (i) 呈色反応 トキマイシン塩酸塩についての呈色反応は次
    の通りである。 酢酸マグネシウム ……陽性 ニトロプルシド−アセトアルデヒド ……陽性 ドラーゲンドルフ ……陽性 ニンヒドリン ……陰性 エルソン・モルガン ……陰性 (j) 溶剤に対する溶解性 トキマイシンAの塩酸塩についての溶剤に対
    する溶解性は次の通りである。 水,メタノール,エタノールに可溶。 アセトン,酢酸エチル,クロロホルム,ヘキサ
    ンに不溶。 (k) 物質の外観 トキマイシンAの塩酸塩は吸湿性の粉末ある
    いは結晶性粉末である。 l 塩基性,酸性,中性の区別 塩基性 G ストレプトミセス属に属する抗生物質トキマ
    イシンA生産菌を栄養源を含む培地に好気的に培
    養し、トキマイシンAを生成蓄積せしめ、これを
    採取することを特徴とする抗生物質トキマイシン
    Aの製造法。
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