JPH0633272B2 - 新規抗生物質ラクトキノマイシンbおよびその製造法 - Google Patents

新規抗生物質ラクトキノマイシンbおよびその製造法

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JPH0633272B2
JPH0633272B2 JP23342185A JP23342185A JPH0633272B2 JP H0633272 B2 JPH0633272 B2 JP H0633272B2 JP 23342185 A JP23342185 A JP 23342185A JP 23342185 A JP23342185 A JP 23342185A JP H0633272 B2 JPH0633272 B2 JP H0633272B2
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lactoquinomycin
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は医薬の分野で有用な抗腫瘍性を有する新規ナフ
トキノン系抗生物質およびその塩およびその製造法に関
する。
(ロ)従来の技術 キノン系抗腫瘍性抗生物質はアドリアマイシン、アクラ
ルビシンなどアンスラサイクリン系の抗腫瘍性抗生物質
をはじめとして、数多く知られている。アドリアマイシ
ン、アクラルビシンなどは臨床に使用され、優れた治療
効果を示している。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 アドリアマイシン、アクラルビシンなどの現用制癌剤は
優れた治療効果を示すが、癌細胞はこれらの制癌剤に対
し耐性を獲得することが知られており、治療上の問題点
となつている。
(ニ)問題点を解決するための手段 本発明者は広く微生物の培養物について種々検索した結
果、昭和59年10月に神奈川県平塚市の土壌から採取
分離したストレプトミセス属に属する放線菌が抗菌性活
性および抗腫瘍活性を示す新規物質を生産することを発
見し、活性物質を単離・精製し、構造を決定し、ラクト
キノマイシンと命名した。
さらに検討を加えた結果、上記の放線菌がラクトキノマ
イシンの他に、抗菌性活性および抗腫瘍活性を有する新
規物質を生産することを見い出し、本物質を単離・精製
し、構造決定を行った結果、公知物質とは異なる新規な
構造を有しており、本物質をラクトキノマイシンBを命
名した。さらに、アドリアマイシンおよびブレオマイシ
ンに耐性なマウスのリンパ腫L5178Y細胞の発育を感受性
細胞よりも強く阻止することを見い出した。
すなわち、本発明は新規抗生物質ラクトキノマイシンB
およびその塩または金属錯体、さらには、ストレプトミ
セス属に属するラクトキノマイシンB生産菌を栄養源を
含む培地に培養し、ラクトキノマイシンB又はその塩、
又はその金属錯体を生成蓄積せしめ、これを採取するこ
とを特徴とする新規抗生物質ラクトキノマイシンB及び
その塩、又はその金属錯体に関するものである。
(ホ)作用 本発明の新規抗生物質ラクトキノマイシンB及びその
塩、又はその金属錯体の生産菌の一例として、本発明者
により、新たに分離されたIM8442T株が掲げられる。
IM8442T株の菌学的性状は下記の通りである。
IM8442T株の菌学的性状 1.形態 IM8442T株は顕微鏡下で、分枝した基中菌糸より比較的
長い、ほぼまっすぐな気菌糸を形成し、輪生枝は認めら
れない。成熟した胞子鎖は20個以上の胞子のほぼまっ
すぐな連鎖を認め、胞子の大きさは0.4〜0.6×1.0〜1.3
マイクロメーター位で、胞子の表面は平滑である。
2.各種培地における生育状態 (1)シュクロース・硝酸寒天培地 発育は中等度である。淡黄色の粉状の気菌糸を僅かに着
生し、溶解性色素は認められない。
(2)グルコース・アスパラギン寒天培地 発育は僅かである。淡黄色の粉状の気菌糸を中等度に着
生し、溶解性色素は認められない。
(3)グリセリン・アスパラギン寒天培地(ISP−培地5) 発育は中等度である。灰色のビロード状の気菌糸を良好
に着生し、黄褐色の溶解性色素を認める。
(4)スターチ・無機塩寒天培地(ISP−培地4) 発育は良好である。黄褐灰色のビロード状の気菌糸を良
好に着生し、暗黄褐色の溶解性色素を認める。
(5)チロシン寒天培地(ISP−培地7) 発育は良好である。褐灰色の毛状の気菌糸を豊富に着生
し、暗褐灰色の溶解性色素を認める。
(6)栄養寒天培地 発育は僅かである。淡黄色の粉状の気菌糸を僅かに着生
し、暗褐灰色の溶解性色素を認める。
(7)イースト・麦芽寒天培地(ISP−培地2) 発育は良好である。灰色のビロード状の気菌糸を良好に
着生し、暗褐灰色の溶解性色素を認める。
3.生理的性質 (1)ゼラチンの液化 グルコース・ペプトン・ゼラチン培地(27℃培養)でゼ
ラチンの液化が認められる。
(2)スターチの加水分解 スターチ・無機塩寒天培地(27℃培養)でスターチの加
水分解が認められる。
(3)脱脂牛乳の凝固・ペプトン化(脱脂牛乳、27℃培
養) 明らかな凝固は認められず、ペプトン化が認められる。
(4)メラニン様色素の生成 ペプトン・イースト・鉄寒天培地およびトリプトン・イ
ースト液体培地でメラニン様色素の生成が認められる。
(5)炭素源の利用性(プリドハム・ゴトリーブ寒天培地I
SP−培地9、27℃培養) D−グルコース、L−アラビノース、D−キシロース、
ガラクトース、サリシンを利用して発育するが、シュク
ロース、D−フラクトース、ラフィノース、ラムノー
ス、イノシトール、D−マニトールはほとんど利用しな
い。
(6)生育温度 10〜37℃で発育し、至適生育温度は27〜30℃である(イ
ースト・麦芽培地)。20〜37℃で発育し、至適温度は20
〜30℃である(オートミール培地)。
以上の性状を要約すると、IM8442T株はストレプトミセ
ス(Streptomyces)属に属し、なお、この菌株の全菌体
からエル型のジアミノピメリン酸(LL-DAP)を検出、気
菌糸はまっすぐでやや曲っており、胞子鎖もまっすぐで
やや曲っている。輪生枝は認められず、胞子の表面は平
滑である。気菌糸は灰色を呈することが多く、メラニン
様色素をある種の培地で生成する。蛋白分解能は脱脂牛
乳の凝固は極めて弱いが、脱脂牛乳のペプトン化および
ゼラチンの液化性は中等程度である。D−グルコース、
L−アラビノース、D−キシロース、ガラクトース、サ
リシンを利用するが、シュクロース、D−フラクトー
ス、ラフィノース、ラムノース、イノシトール、D−マ
ニトールはほとんど利用しない。
以上の性状からすると、ストレプトミセス・タナシエン
シス(Streptomyces tana-shiensis)とほぼ一致するの
で、本発明者らは本菌株をストレプトミセス・タナシエ
ンシス(Streptomyces tanashiensis)IM8442T株と命名
した。
本菌株は通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に
寄託されており、その微工研受託番号は微工研菌寄第83
27号(FERMP−8327)である。
IM8442T株は他の放線菌の多くの菌株の場合にみられる
ようにその性質が変化しやすく、例えば紫外線、エック
ス線、放射線、薬品等を用いる人工的変異手段で変異し
うるものであるが、いずれの変異株であっても抗生物質
ラクトキノマイシンBの生産能を有するものはすべて本
発明の方法に使用することができる。
つぎにラクトキノマイシンB又はその塩、又はその金属
錯体の製造法について説明する。
本発明によれば、ストレプトミセス属に属するラクトキ
ノマイシンB生産菌を培養してラクトキノマイシンB又
はその塩、又はその金属錯体を蓄積せしめ、その培養物
からラクトキノマイシンB又はその塩、又はその金属錯
体を採取することによりラクトキノマイシンB又はその
塩、又はその金属錯体を製造することができるが、ラク
トキノマイシンB又はその塩、又はその金属錯体は純粋
な状態で、或いは粗製の状態で、また溶液の状態で、或
いは固体の状態で採取される。
本発明化合物の製造を実施するに当り、ラクトキノマイ
シンBおよびその塩、又はその金属錯体の生産菌株スト
レプトミセス・タナシエンシス(Streptomyces tanas-h
iensis)IM8442T株を栄養源含有培地に接種して
好気的に発育させることによりラクトキノマイシンBを
含む培養物が得られる。栄養物としては放線菌の栄養源
として公知のものが使用できる。たとえば市販のペプト
ン、肉エキス、コーン・スチープ・リカー、綿実粉、落
花生粉、大豆粉、酵母エキス、NZ−アミン、カゼイン
の水解物、魚粉、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、
硫酸アンモニウムなどの窒素源、市販されているグリセ
リン、蔗糖、デンプン、グルコース、マルトース、糖密
などの炭水化物あるいは脂肪などの炭素源および食塩、
リン酸塩、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウムなどの無
機塩を使用できる。その他、必要に応じて金属塩を添加
することもできる。これらのもの以外でも、該生産菌が
利用し、ラクトキノマイシンBおよびその塩、又はその
金属錯体の生産に役立つものであれば、いずれでも使用
することができる。
培養方法としては、一般の抗生物質の生産方法と同様に
行えばよく、固体培養でも液体培養でもよい。液体培養
の場合は静置培養、撹拌培養、振盪培養、通気培養など
いずれを実施してもよいが、特に通気培養が好ましい。
また、培養温度は、およそ10℃〜40℃の範囲が好まし
く、培地のpHは約4〜8の範囲で、およそ8時間〜16
8時間、好ましくては24時間〜144時間培養する。
培養物から目的とするラクトキノマイシンBを採取する
には微生物の生産する代謝物の培養物から採取するのに
通常使用される分離手段が用いられる。培養液中のラク
トキノマイシンBは、まず培養液に濾過助剤を加え濾
過、あるいは遠心分離により菌体を除去して、得られた
培養濾液を有機溶媒により抽出し、続いて水層のpHを適
宜変化させ、有機溶媒層と水層とに転溶する操作を繰り
返えすか、或いは適宜、担体に接触させて濾液又は水溶
液中の有効成分を吸着させ、次いで適当な溶媒で有効成
分を脱着させることにより精製できる。又高速液体クロ
マトグラフィーや薄層クロマトグラフィーなども抽出精
製に利用可能である。
さらに詳しく述べるならば、培養液体をpH8に調整後、
酢酸エチル、酢酸ブチル等の有機溶媒にラクトキノマイ
シンBを転溶させ、有機溶媒層のみを分離する。この有
機溶媒層を適宜な酸性水で抽出後、水層を分離し、pH8
に調整する。酢酸エチル、酢酸ブチルなどの有機溶媒に
よる抽出操作を繰り返えすことによりラクトキノマイシ
ンB含有分画が得られる。
また、このラクトキノマイシンBを含有する水層を凍結
乾燥するか、或いは転溶後の有機溶媒層を脱水、濃縮
し、ヘキサンなどを加えると、粉末状のラクトキノマイ
シンBの塩又はその遊離塩基を得ることができる。
次いで、得られたラクトキノマイシンB又は、その塩を
水に溶解させた後、CM−トヨパール650Mなどのイオン交
換樹脂に吸着させる。吸着したラクトキノマイシンBを
食塩を含む酢酸緩衝液で樹脂から溶出し、上記の抽出方
法に従つて、ラクトキノマイシンB又はその塩を結晶性
粉末として得ることができる。代表的な塩としては種々
の無機酸又は有機酸との塩、例えば、塩酸塩、硫酸塩、
酢酸塩などをあげることができる。
ラクトキノマイシンBの金属錯体は、ラクトキノマイシ
ンBの水溶液に種々な金属イオンを加えることにより、
容易に製造できる。代表的なラクトキノマイシンBの金
属錯体としては、鉄、銅、コバルト、白金、亜鉛、など
との金属錯体をあげることができる。又培養液からもラ
クトキノマイシンBの金属錯体が得られる。更に、ラク
トキノマイシンB又はその金属錯体は塩の形で生産する
こともでき、代表的な塩としては種々の無機酸又は有機
酸との塩、例えば塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩などをあげる
ことができる。
本発明の抗生物質ラクトキノマイシンBは抗菌剤または
制癌剤として使用する場合、抗生物質ラクトキノマイシ
ンBと共に適合しうる薬剤担体を含有する医薬製剤の形
で使用することができる。該担体は、例えば水、ゼラチ
ン、アラビアゴム、ラクトース、デン粉、ステアリン酸
マグネシウム、タルク、植物油、ポリアルキレングリコ
ールおよび石油ジエリー等の経口投与、皮下投与または
非経口投与に適する有機または無機不活性担体である。
医薬製剤は、本発明の抗生物質ラクトキノマイシンB以
外の治療上有効な物質を含有してもよい。医薬製剤は、
固状(例えば錠剤、糖衣錠またはカプセル)または液状
(例えば液錠、懸濁剤または乳濁剤)にすることができ
る。医薬製剤は、滅菌してもよくおよび/または防腐
剤、安定剤、湿潤濁剤、浸透圧調整剤または緩衝剤用の
塩等の補助剤を含有してもよい。
活性成分の投与量は、投与方法、患者の年令、体重、容
態および治療する疾患に応じて異なるが、成人に対する
代表的な投与量は経口投与または非経口投与、好ましく
は静脈内注射の場合、1日当り10ないし100mgの範囲で
ある。
次に実施例により、本発明を更に説明するが、本発明は
実施例にのみ限定されるものではなく、実施例の修飾手
段は勿論、本発明によって明らかにされたラクトキノマ
イシンBの性状に基づいて公知の手段を施してラクトキ
ノマイシンBを生産、濃縮、抽出、精製する方法もすべ
て包括される。
I.実施例 寒天斜面培地に培養した放線菌IM8442T株をオートミル
2%、イーストエキス0.1%からなる液体培地(pH7.2)
100mlを含む500ml容の坂口フラスコに接種し、27℃40時
間振盪機(毎分150回転)上で培養し、種培養液を得
た。
次に上記と同じ組成の液体培地100mlを含む500ml容の坂
口フラスコ25本に上記の種培養液2mlを接種し、27℃で
88時間培養した(撹拌:毎分150回転)。
培養液(約2)を高速遠心又は、濾過で菌体と上清と
に分け、上清を2N NaOH水溶液でpH8に調整したのち、等
量の酢酸エチルで2回抽出する。酢酸エチル層から10分
の1量の0.01N塩酸水溶液に逆転せしめ、その溶液を2N
水酸化ナトリウム液でpH8に調整してから再び等量の酢
酸エチルで2回抽出する。酢酸エチル層は無水硫酸ナト
リウムで乾燥したのち1/20量まで濃縮する。これにn
−ヘキサンを適量加え冷所に放置すると橙色の粗結晶が
得られる。この粗結晶を10mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH
5.5)に溶解させた後、CM−トヨパール650Mカラムに吸
着させる。カラムから10mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.
5)中で100〜200mM食塩濃度勾配で溶出させる。2つの
活性分画が分別溶出される。溶出される活性分画をpH7.
5に調整した後、酢酸エチルで抽出する。抽出液を無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮する。濃縮後n−ヘ
キサンを加え、冷所に放置すると、ラクトキノマイシン
Bの淡黄色結晶を約10mg得た。
ラクトキノマイシンBの理化学的性状 (a)分子量(FDマススペクトルの測定による) 473(M+:m/z473) (b)分子式 C2427NO9 (c)融点 149−152℃(分解) (d)元素分析 C2427NO9として (e)赤外部吸収スペクトル クロロホルム中で測定したラクトキノマイシンBの赤外
部吸収曲線は第1図に示す通りである。
(f)紫外部吸収スペクトルおよび可視部吸収スペクトル ラクトキノマイシンBの紫外部及び可視部吸収曲線は第
2図に示す通りである。又各溶液中における吸収極大お
よびε値は以下の通りである。
i) メタノール λmax(nm) ε 239 15,100 287 3,450 369 5,300 ii) 0.01N塩酸含有メタノール λmax(nm) ε 240 16,800 285 3,550 366 5,650 iii) 0.01N水酸化ナトリウム含有メタノール λmax(nm) ε 223(sh) 19,800 287 6,430 442 6,240 (g) 1H核磁気共鳴スペクトル ラクトキノマイシンBの重クロロホルム中で測定した1
H核磁気共鳴スペクトル(400MHz)は第3図に示す通り
である。
(h) 13C核磁気共鳴スペクトル ラクトキノマイシンBの重クロロホルム中で測定した13
C核磁気共鳴スペクトル(100MHz)は第4図に示す通り
である。
(i)溶剤に対する溶解性 ラクトキノマイシンBはエーテル、クロロホルム、酢酸
エチル、アセトン、メタノール、水に溶けやすいが、n
−ヘキサンにはほとんど溶けない。
(j)呈色反応 ラクトキノマイシンBの呈色反応は以下の通りである。
酢酸マグネシウム反応 陽性 ドラーゲンドルフ反応 陽性 ニンヒドリン反応 陰性 ニトロプルシド−アセト アルデヒド反応 陰性 又、ラクトキノマイシンBは塩基性水溶液中で橙黄色、
酸性水溶液中で淡黄色を呈する。
(k)塩基性、酸性、中性の区別 ラクトキノマイシンBは塩基性物質である。
(l)Rf値 ラクトキノマイシンBはシリカゲル薄層クロマトグラフ
ィーで、クロロホルム・エタノール混液(1:1)で展
開してRf0.28、メタノールで展開してRf0.30にそれ
ぞれ単一のスポットを示した。
(m)比施光度▲〔α〕29 D▼+145.5℃(C0.15、メタノ
ール) ラクトキノマイシンBは上述の性状から既知抗生物質と
は明らかに区別され、新規抗生物質であることが確認さ
れた。
II.薬理試験例 (1)抗菌作用 ラクトキノマイシンBのミューラ・ヒントン寒天培地で
の各種細菌およびイーストエキス・シュウクロース寒天
培地での各種真菌に対する最低発育阻止濃度は第1表−
(1)及び(2)に示す。
(2)抗癌作用 ラクトキノマイシンBは10%胎児牛血清添加RPMI−1640
培地中でのヒトの白血病K562細胞、マウスの白血病P388
細胞及びL1210細胞の発育を阻止する。また、10%馬血
清添加RPMI−1640培地中でマウスのリンパ腫L5178Y細胞
及びそのアドリアマイシン耐性株、アクラルビシン耐性
株、並びにブレオマイシン耐性株の発育を阻止する。こ
れらの癌細胞に対する50%発育阻止濃度を第2表に示
す。
(3)マウスにおけるラクトキノマイシンBの急性毒性
(LD50)は静脈内投与した場合約40mg/kgであった。
(ヘ)発明の効果 本発明の抗生物質ラクトキノマイシンBは主としてグラ
ム陽性菌の発育を阻止する。又、アドリアマイシンおよ
びブレオマイシンに対して耐性のマウス・リンパ腫L517
8Y細胞の発育を強く阻止する。
従って、ラクトキノマイシンBはグラム陽性菌に対する
抗菌剤及び抗腫瘍剤ことに薬剤耐性癌細胞に対する抗腫
瘍剤としての用途が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ラクトキノマイシンBのクロロホルム中で測
定した赤外吸収スペクトルを示す。 第2図は、ラクトキノマイシンBのメタノール中、0.01
N塩酸含有メタノール中、および0.01N水酸化ナトリウム
含有メタノール中で測定した紫外部吸収スペクトルおよ
び可視部吸収スペクトル図を示す。 第3図は、ラクトキノマイシンBの重クロロホルム中で
測定した1H核磁気共鳴スペクトルを示す。 第4図は、ラクトキノマイシンBの重クロロホルム中で
測定した13C核磁気共鳴スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 17/18 C12R 1:465) (C12N 1/20 C12R 1:465)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) で表わされる抗生物質ラクトキノマイシンBおよびその
    塩または金属錯体。
  2. 【請求項2】ストレプトミセス属に属する抗生物質ラク
    トキノマイシンB生産菌を栄養源を含む培地で好気的に
    培養し、ラクトキノマイシンB又はその塩またはその金
    属錯体を生成蓄積せしめ、培養物からこれらを採取する
    ことを特徴とする抗生物質ラクトキノマイシンB又はそ
    の塩又はその金属錯体の製造法。
JP23342185A 1985-10-21 1985-10-21 新規抗生物質ラクトキノマイシンbおよびその製造法 Expired - Lifetime JPH0633272B2 (ja)

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