JPH0250407B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は電子式デジタル表示秤の表示装置に
関する。

一般に電子式デジタル表示秤は、商品の重量を
計量・表示するのみでなく、風袋量、商品の単価
（たとえば100ｇ当たりの価格）および値段を演
算・表示することもできる。したがつて、取引に
際し大変便利である。

ところで、１つの取引（１人の顧客に対する取
引）に商品が何個含まれているかを知ることは、
つぎの(1)および(2)の理由から秤の取扱者（レジ
係）にとつても顧客にとつても大切である。

(1) 取扱者が秤量済の商品の一部をカウンタ等に
置き残し、その一部が顧客に手渡されないおそ
れがある。そして、このような場合に、取引の
商品個数を知つておき、顧客に手渡した商品の
個数をその取引の商品個数に照合するようにす
れば、そのような取引のミスが生じない。

(2) 顧客もカウンタ等に手渡された商品の一部を
置き忘れるおそれがある。そして、このような
場合に、紙袋等に詰めた商品の個数を前述の取
引の商品個数に照合するようにすれば、そのよ
うな置き忘れがなくなる。

そこで、電子式デジタル表示秤で取引の商品個
数をも表示するようにすれば、取引上一層の便宜
を実現することができる。

また、以上のように取引の商品個数をその取引
の際に表示するほかに、一日の精算時に一日の取
引の回数や商品の品目（たとえば、ウインナ・ソ
ーセージ、牛バラ肉）ごとの取引の回数または売
り上げを表示すれば、同様に便宜を図ることがで
きる。

しかしながら、上述した商品の個数または取引
の回数などのデータを表示する表示器を、上述し
た重量・風袋量・単価および値段を表示する表示
器と別個に配設することは表示装置の構成を複雑
かつ大型化するばかりではなく、表示欄が多くな
るのでかえつて必要なデータの視認を行ないにく
くする虞れがある。

この発明は、このような事情を考慮してなされ
たもので、上述した商品の個数または取引の回数
などのデータを極めて簡単な構成で表示すること
ができるとともに、表示の見易い新規な電子式デ
ジタル表示秤を提供することを目的としている。

この発明は、取引の際または一日の精算の際の
ように、重量または値段の表示欄に合計データを
表示する場合には、風袋量の表示欄および単価の
表示欄は使用されない点に注目してなされたもの
で、これらの未使用表示欄に商品個数や取引回数
などの上記合計データに関係するデータを表示す
ることを特徴としている。

以下、この発明の一実施例について説明する。
第１図はこの実施例の電子式デジタル表示秤１の
外観を示している。第１図において、この電子式
デジタル表示秤１は、本体ケース１１、秤量皿１
２および表示器１３等からなつている。この本体
ケース１１はほぼ箱形に形成され、その前面（第
１図では手前側の面）にキーボード１５が設けら
れている。このキーボード１５は21個のプリセツ
トキー１５１、テンキー（10個）１５２、クリア
キー１５３、風袋キー１５４および６個のフアン
クシヨンキー１５５からなつている。またこの本
体ケース１１内には後述する（第２図参照）回路
部２０が収納されている。

秤量皿１２は本体ケース１１上に取り付けられ
ている。この秤量皿１２に商品を載せると、後述
するロードセル（第２図参照）によつてその商品
の重量が電気信号に変換されるようになつてい
る。

また、表示器１３は支持棒１４によつて本体ケ
ース１１の背面（第１図では奥まつた側の面）に
取り付けられている。この表示器１３の表示面に
は左から右に風袋量表示欄１３１、重量表示欄１
３２、単価表示欄１３３および値段表示欄１３４
がこの順に設けられている。そして、後に第２図
で詳述するように、１つの商品の秤量ごとに風袋
の重量（風袋を用いるときのみ）、商品の重量、
単価（100ｇ当りの価格）および商品の値段がそ
れぞれ風袋量表示欄１３１、重量表示欄１３２、
単価表示欄１３３および値段表示欄１３４に表示
される。また、個々の商品の重量、値段を累計し
ていく際には、それまで秤量した商品の個数、重
量合計および値段合計がそれぞれ風袋量表示欄１
３１、重量表示欄１３２および値段表示欄１３４
に表示されるようになつている。なお、この際風
袋量表示欄１３１の最上位桁には「Ｃ」が表示さ
れるようになつている。

つぎに、回路部２０の構成について説明する。
第２図はこの回路部２０を示している。第２図に
おいて、回路部２０は、ロードセル２０１、Ａ−
Ｄ変換器（アナログ・デジタル変換器）２０２、
各種の制御部２０３〜２０５、演算部２０６、値
段計算部２０８、重量計算部２０７、各種のレジ
スタ２０９〜２１６、ゲート２１７〜２１９およ
び表示部２２０等からなつている。

ロードセル２０１は、秤量皿１２（第１図参
照）に載置された物（商品または風袋）の重量を
アナログの電気信号に変換するものである。Ａ−
Ｄ変換器２０２はこのアナログの電気信号をパラ
レルのデジタル信号に変換するものである。この
デジタル信号は重量レジスタ２１０に送出され
る。こののち、つぎに述べる風袋制御部２０５お
よび単価制御部２０４の制御の下で、この重量デ
ータおよび単価データ（後述する）に対して所定
の演算等が実行され、風袋量、商品の正味量、値
段および単価の表示が行われるようになつてい
る。

風袋制御部２０５は風袋キー１５４（第１図参
照）のキー出力に基づいてゲート２１９に制御信
号を送出するものである。この制御信号が送出さ
れると、ゲート２１９が開となり重量レジスタ２
１０の重量データ（風袋量データ）が風袋レジス
タ２１１に転送されるようになつている。この風
袋レジスタ２１１の風袋量データはつぎに述べる
単価制御部２０４の制御の下に重量計算部に転送
され、またゲート２１７を介して表示部２２０に
送出され、風袋量表示欄１３１に表示されるよう
になつている。

単価制御部２０４は、テンキー１５２およびプ
リセツトキー１５１のキー出力に基づいて所定の
メモリ（図示しない）に商品ごとの単価データを
ストアし、また、プリセツトキー１５１のキー出
力に基づいて該当する商品の単価データを前述の
メモリから単価レジスタ２０９に転送するもので
ある。この単価レジスタ２０９の単価データはゲ
ート２１７を介して表示部２２０に送られ、この
結果、単価表示欄１３３（第１図参照）に単価が
表示されるようになつている。また、この単価デ
ータは値段計算部２０８にも送出されている。

重量計算部２０７は重量レジスタ２１０の重量
データ（商品の重量データ）から風袋レジスタ２
１１の風袋量データを減算し、こうして商品の正
味量を算出するものである。こうして得られた正
味量データは正味量レジスタ２１２に転送される
ようになつている。また、この正味量データは正
味量レジスタ２１２から値段計算部２０８に送出
されている。

値段計算部２０８は、この正味量データと前述
の単価データとを乗算して値段データを算出する
ものである。この値段データは値段レジスタ２１
３に転送され、こののちゲート２１７を介して表
示部２２０に送出され、この結果、この値段デー
タが値段表示欄１３４に表示されるようになつて
いる。

演算制御部２０３は、演算部２０６を制御し、
値段レジスタ２１３の値段データおよび正味量レ
ジスタ２１２の正味量データを商品の秤量ごとに
累計するものである。すなわち、フアンクシヨン
キー１５５（＋）からキー出力が生じると、演算
制御部２０３から加算の制御信号ｘ１が演算部２
０６に送出される。演算部２０６はこの制御信号
ｘ１に基づいて値段レジスタ２１３の値段データ
を商品の秤量ごとに累計して、これによつて値段
合計データを算出する。この値段合計データは、
値段合計レジスタ２１６に転送され、さらにゲー
ト２１８を介して表示部２２０に送られ、この結
果、値段合計が値段表示欄１３４に表示されるよ
うになつている。また、同様にして演算部２０６
は商品の正味量データを商品の秤量ごとに累計し
て、重量合計データを算出する。この重量合計デ
ータは重量合計レジスタ２１５に転送され、この
のちゲート２１８を介して表示部２２０に送られ
る。この結果、重量合計が重量表示欄１３２に表
示されるようになつている。

また、演算部２０６は、商品の秤量後にフアン
クシヨンキー１５５（＋）を押圧操作した回数を
計数し、取引の商品個数のデータ（個数合計デー
タとする）を得るようになつている。この個数合
計データは個数合計レジスタ２１４に転送され、
さらにゲート２１８を介して表示部２２０に送出
され、この結果、個数合計が風袋量表示欄１３１
に表示されるようになつている。

また、演算制御部２０３は、フアンクシヨンキ
ー１５５（＋）からキー出力が生じると、制御信
号ｘ２として２値論理信号の“１”を直接にまた
はインバータ２２２を介してゲート２１８，２１
７にそれぞれ送つている。そして、フアンクシヨ
ンキー１５５（＋）を押して合計を算出・表示す
る際には、ゲート２１８のみが開となり、このた
め、値段合計、重量合計および個数合計が各表示
欄１３４，１３２，１３１（第１図参照）で表示
される。他方、秤量直後すなわちフアンクシヨン
キー１５５（＋）を押すまえには、演算制御部１
５５の制御信号ｘ２が“０”であるため、インバ
ータ２２２の出力が“１”となり、この結果、ゲ
ート２１７が開となつて、今度は秤量されている
商品の値段、重量、単価がそれぞれ各表示欄１３
４，１３２，１３３に表示される。なお、風袋量
表示欄１３１に合計個数が表示されるときには、
この表示欄１３１の最上位桁に「Ｃ」が表示さ
れ、これによりその表示が合計個数についてのも
のであることが判断できるようになつている。

つぎに、この実施例の電子式デジタル表示秤１
の動作について説明する。まず、１回の秤量につ
いてその動作を説明し、そののち、値段や重量を
合計する動作について説明する。

第１図および第２図において、風袋付きの商品
を秤量するには、はじめに、風袋のみを秤量皿１
２に載せる。そうすると、風袋の重量に応じたア
ナログ信号がロードセル２０１からＡ−Ｄ変換器
２０２に送られ、パラレルなデジタル信号に変換
される。このデジタル信号は重量データとして重
量レジスタ２１０に転送される。こののち、風袋
キー１５４を押圧操作すると、風袋制御部２０５
からゲート２１９に制御信号が送られ、ゲート２
１９が開となる。この結果、重量データは風袋量
データとして風袋レジスタ２１１に転送される。

ところで、このとき制御信号ｘ２は“０”であ
るため、ゲート２１７が開となつている。したが
つて、風袋レジスタ２１１の風袋量データが表示
部２２０に送られ、風袋量が風袋量表示欄１３１
に表示される。

こののち、秤量する商品の品目、たとえばウイ
ンナ・ソーセージ、牛バラ肉に応じたプリセツト
キー１５１を押圧操作して該当する単価データ
（図示しないメモリに書き込まれている）を単価
レジスタ２０９に転送する。このときにも前述の
とおり演算制御部２０３の制御信号ｘ２は“０”
であり、このため、ゲート２１７が開である。し
たがつて単価データも表示部２２０に送られ、単
価が単価表示欄１３３に表示される。

こののち、風袋付の商品を秤量皿１２に載せ
る。そうすると、その重量に応じたアナログ信号
がロードセル２０１から出力され、Ａ−Ｄ変換器
２０２でデジタル信号に変換され、さらに、重量
レジスタ２１０に転送される。この重量レジスタ
２１０の重量データは、さらに重量計算部２０７
で風袋レジスタ２１１の風袋量データ分だけ減算
される。こうして、正味量データが計算され、こ
の正味量データは正味量レジスタ２１２に転送さ
れる。このときにも、ゲート２１７は前述のとお
り開であるため、正味量データは表示部２２２に
送られて、商品の重量（正味量）が重量表示欄１
３２に表示される。

また、正味量レジスタ２１２のデータは、値段
計算部２０８に送られ、ここで単価データに乗算
される。こうして、商品の値段データが算出さ
れ、このデータが値段レジスタ２１３に転送され
る。このときにも、ゲート２１７は前述のとおり
開であるため、値段データが表示部２２０に送ら
れて、値段が値段表示欄１３４に表示される。

以上のようにして、商品の秤量が行われ、その
風袋量、重量、単価および値段がそれぞれの表示
欄１３１〜１３４にそれぞれ表示される。

なお、商品に風袋を付けないときには、秤量皿
１２に何も載せない状態で風袋キー１５４を押圧
操作し、これによつて風袋レジスタ２１１の内容
をゼロにクリアすればよい。この後の操作は風袋
付の商品の秤量と同様である。

つぎに、いま述べた秤量に続けて複数の商品を
秤量し、それら商品の値段合計、重量合計および
個数合計を演算・表示する場合について説明しよ
う。まず、いま述べたように秤量が行われ、風袋
量、商品の重量（その値をA1とする）、単価およ
び値段（その値をB1とする）が演算・表示され
たとする。こののち、フアンクシヨンキー１５５
（＋）を押圧操作する。そうすると、演算部２０
６で、値段合計レジスタ２１６のデータ（この時
点ではゼロ）に値段レジスタ２１３の値段データ
B1が加算される。この加算データ（B1＋０）は
値段合計データ（B1）としてレジスタ２１６に
転送される。同様に、正味量レジスタ２１２のデ
ータA1が重量合計データとしてレジスタ２１５
に転送される。また、フアンクシヨンキー１５５
（＋）が１回だけ押圧操作されたため、個数合計
レジスタ２１４のデータ（当初ゼロ）に「１」が
加算され、その加算データ（０＋１＝１）が個数
合計データとしてレジスタ２１４に転送される。

ところで、フアンクシヨンキー１５５（＋）を
押圧操作したため、この際演算制御部２０３の制
御信号ｘ２は“１”となつている。したがつて、
ゲート２１８が開となつており、値段合計データ
（B1）重量合計データ（A1）および個数合計デ
ータ(1)が表示部２２０に送られ、各表示欄１３
１，１３２，１３４に「Ｃ…１」「A1」、「B1」
が表示される。

こののち、他の商品を前述と同様に秤量し、そ
の商品の風袋量、重量（その値をA2とする）が
演算・表示される。こののち、フアンクシヨンキ
ー１５５（＋）を押圧操作すると、前述と同様な
演算（加算）が演算部２０６で行われる。この結
果、値段合計レジスタ２１６のデータは「B1＋
B2」となる。また、重料合計レジスタ２１５の
データは「A1＋A2」となり、個数合計レジスタ
２１４のデータは「２」となる。そして、各表示
欄１３１，１３２，１３４に「Ｃ…２」、「A1＋
A2」、「B1＋B2」が表示される。

同様に１つの取引の各商品をそれら商品ごとに
秤量し、その秤量のつどフアンクシヨンキー１５
５（＋）を押圧操作する。そうすると、１つの取
引が完了した時点では、表示欄１３１，１３２，
１３４にその取引の商品個数、重量合計および値
段合計が表示される。なお、この表示では表示欄
１３１の最上位桁で「Ｃ」を表示させているた
め、その表示が取引の商品個数に関するものであ
ることを判断できる。

なお、この実施例では風袋量表示欄１３１で取
引の商品個数を表示させるようにしている。しか
し、その商品の取引の商品個数を単価表示欄１３
３で表示させるようにしてもよい。また、取引の
商品個数が増大して風袋表示欄１３１のみでは表
示しきれないときに、風袋表示欄１３１にあわせ
て単価表示欄１３３でも表示を行わせ、表示容量
を増大させるようにしてもよい。また、この実施
例では取引の商品個数を表示する際には、風袋量
表示欄の最上位桁に「Ｃ」を表示させ、これによ
つて表示モードの区別ができるようにしている。
しかし、この「Ｃ」の表示のかわりに風袋量表示
欄１３１の左側方等にサインランプを設け、この
サインランプの点滅によつて表示モードを表わす
ようにしてもよい。

以上、一実施例について説明したように、この
発明は取引の際または一日の精算の際等に、風袋
量の表示欄または単価の表示欄でその取引の商品
個数または一日の取引の回数（顧客の人数）等を
表示するようにしている。したがつて、秤の取扱
者は、顧客に手渡した商品の個数をこの取引の商
品個数に照合することにより、取引のミスをしな
くなる。また、顧客は紙袋等に詰め込んだ商品の
個数を前述の取引の商品個数に照合することによ
り、商品の置き忘れ等をすることがない。また、
一日の精算時に取引の回数などを風袋量表示欄、
単価表示欄に表示することもでき、便利である。
さらに、取引の商品個数等を表示するために特別
の表示欄を必要としないから、部品点数がさほど
増加せず、また表示器がコンパクトに構成できる
ばかりでなく、従来に比べ表示欄が増加しないか
ら表示データを視認する場合に移動させる視線の
範囲も増加せず表示が見易い。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の電子式デジタル
表示秤１の外観を示す斜視図、第２図はこの電子
式デジタル表示秤１の回路部２０を示すブロツク
図である。 １……電子式デジタル表示秤、１３……表示
器、１３１……風袋量表示欄、１３２……重量表
示欄、１３３……単価表示欄、１３４……値段表
示欄、２０……回路部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 商品を計量する毎に、その商品の重量、値
   段、単価、及び風袋量の各データを各表示欄にわ
   けて表示する表示手段と、 商品の値段の合計値を記憶する記憶手段と、 前記値段表示欄に表示されている値段データの
   合計を指令する指令手段と、 該指令手段の操作において、前記値段データを
   前記記憶手段に記憶されているデータに加算して
   新たな値段の合計値を算出し、この算出結果を前
   記記憶手段に記憶させる演算手段と、 前記指令手段が操作された回数を計数する計数
   手段と、 前記指令手段の操作において、前記演算手段に
   よつて算出された新たな値段の合計値を前記値段
   表示欄に表示するとともに、前記計数手段の計数
   結果を前記単価表示欄または風袋量表示欄に表示
   する表示制御手段と、 を具備することを特徴とする電子式デジタル表示
   秤の表示装置。