JPH02500360A - 粘膜組織上での高い保持力を有するリポソーム - Google Patents

粘膜組織上での高い保持力を有するリポソーム

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JPH02500360A JP50485887A JP50485887A JPH02500360A JP H02500360 A JPH02500360 A JP H02500360A JP 50485887 A JP50485887 A JP 50485887A JP 50485887 A JP50485887 A JP 50485887A JP H02500360 A JPH02500360 A JP H02500360A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 日日 岬 ) 粘膜組織上での高い保持力を有するリポソーム1、発明の分野 本発明は、粘膜組織への結合を高めるように設計されたリポソーム、および該リ ポソームを用いる薬剤供給系および方法に関する。
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粘膜体表面(例えば、角膜表面)、および体腔表面に沿った表面上皮組織は、薬 剤を投与するのに潜在的に有用な部位である。例えば、多くの眼科疾患(例えば 、ウィルス感染やバクテリア感染、および緑内障のような慢性の病気)は、眼球 表面に対して局部的に薬剤を投与することにより治療され得る。他の粘膜組織部 位(これには9例えば、鼻9ロ、喉。
直腸、腟および胃が包含される)もまた、直接に薬剤を投与するのに重要な対象 領域である。
最近では、多くの眼科薬剤は、溶液状で眼球表面に適用されている。この方法の 主要な問題点は、薬剤の取り込みが制限されていることである。これは、涙を流 すことにより、薬剤溶液がかなり速く拭い去られるからである。薬剤が急速に除 去されるので、眼科薬剤は一日に何度も投与しなければならない。現在必要とさ れるような頻繁な投薬は、患者の協力が得られにくくなり、しかも1通常の緑内 障治療薬の場合に・は、適用後数時間にわたって視覚がかすむので、患者には全 く不快となる。
溶液状薬剤の角膜表面上における保持力は、薬剤溶液の粘度を増すような重合体 (例えば、ヒドロキシエチルセルロースまたはメチルセルロース)を使用するこ とにより、増大させ得る。例えば、涙の出ない目(dry eye)を治療する 際に。
角膜表面の湿気を保つために1重合体を含有する粘性液体が用いられる。しかし ながら、たとえ粘度を増加させても、約1時間以上経つと、最初に適用した液体 はほとんど保持されない。それゆえ、頻繁な投薬が必要となる。
体腔部位に対し、廃剤は、長い期間にわたって粘膜組織に対し薬物治療を施すた めの便利な方法である。また、胃で薬剤を放出させるためには、多様な速度で破 壊するような緩徐放出粒子が通常用いられる。たとえ廃剤や緩徐放出粒子が。
粘膜領域における。薬剤の放出を遅らせ得るとしても9通常体腔に存在する流体 により薬剤が急速に「除去」されるために、粘膜に吸収され得る薬剤は、放出薬 剤のほんのわずかな割合にすぎない。
粘膜組織における薬剤供給を高めるために、リポソームを用いる考えが提案され ている。しかし、この方法は、以前は。
粘膜組織におけるリポソームの保持が比較的小さいために。
限界があった(Lee)。本発明に基づいてなされた研究は2例えば、従来のリ ポソームの角膜表面上での保持が、1時間後には約5%を下回ることを示してい る。それゆえ、たとえリポソームが、数時間にわたって薬剤放出を制御する可能 性を有するとしても、標的部位におけるリポソームの保持力が乏しいために、こ の特徴は過去においては利用可能になっていない。
リポソームの保持力をある程度改良することは、リポソーするリポソームについ て、報告されている。おそらく、保持力の増大は、リポソーム表面の正電荷と、 ムチン(これは。
負電荷を帯びた糖タンパク質であり、粘膜組織の周囲に隠れて存在している)と の相互作用に起因する。本発明に従って行われた眼球による保持の研究により、 40モルパーセントのコレステロールアミン濃度にて、1時間経過後のリポソー ムの保持力は、帯電していないリボン、−ムと比較して、最初に適用されたリポ ソームの約5%〜約10%で増加することが示された。このわずかな増大は、リ ポソーム保持力(これは。
リポソームを粘膜表面に適用してから数時間にわたり、効果的な薬剤放出を得る のに必要とされている)に関し、充分な増加とはいえない。
比較的長鎖のアルキルアミン(例えば、ステアリルアミン)は、眼球粘膜に対す るリポソームの保持力を増大させるために、用いられている(Schaef f  er)。しかしながら、このタイプの帯電したアミンは、高レベルでは、毒性 を持つ傾向にある(Yashihara)。従って、これらのアミンは、最大の リポソーム保持特性を得るモル濃度では、使用できない。この問題点は、このタ イプの単一鎖分子が、リポソーム二重層から容易に分離するために、また分子そ れ自体がリポソーム二重層構造を不安定化する傾向にあるために1部分的に増大 する。
4、発明の背景 従って9本発明の一般的な目的は、薬剤を粘膜組織部位に投与するために、粘膜 組織上での保持力が著しく高められた薬剤/リポソーム組成物を提供することに ある。
より特定の目的は、数時間にわたって制御された薬剤放出速度で、目に薬剤を投 与する際に使用する。このような組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、涙の出ない目の治療のための。
改良されたリポソーム組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、多くの可能なリポソーム賦形剤の1つに処方するた めに、粘膜組織に対する結合親和力が高められた薬剤/リポソーム組成物を提供 することにある。
本発明のある局面によれば、リポソームの外部表面が以下の表面正電荷を有する なら、粘膜組織に対するリポソームの結合力が著しく高くなることが発見されて いる:この表面正電荷は、(a)膜と比較的強固に結合した小胞形成脂質により 。
脂質−外部脂質二重層に固定されており、そして(b)このような小胞形成脂質 の極性の先端領域から、少なくとも約3原子長のスペーサーにより9間隔をおい て配置されている。表面正電荷の濃度は、典型的には、約20〜50モルパーセ ントの間である。リポソーム表面から正電荷が間隔をおかれていることに加えて 、粘膜組織上でのリポソームの保持力を高めることに寄与するべく、この二重層 膜内では、比較的強固な充填が見いだされている。この充填効果は、コレステロ ールまたはコレステロール誘導体が約20〜50モルパーセントの間の濃度で存 在することによるか、または主として飽和アシル鎖部分を有するリン脂質成分ま たはジグリセリド成分の使用による力)のいずれかにより達成され得る。この正 電荷は、小胞を形成するリン脂質成分またはコレステロール成分に対し、誘導さ れ得る。
より特定すると1本発明は、リポソームが以下の(a)および(b)を含む外部 脂質二重層の表面を有するような、リポソーム組成物を包含する:(a)中性の 小胞形成脂質成分を約40〜80モルパーセントの間、そして(b)以下の(i ) 、 (ii)、 (iii)および(iv)を有する。正に帯電した小胞形 成脂質成分を約20〜60モルパーセントの間: (i)3〜4個の炭素骨格上 に備えられた2つの脂肪族鎖、(首)脂肪族鎖を備えていない炭素原子にて、該 骨格に結合された極性原子、 (iii)少なくとも3原子長のスペーサーを介 して、該極性原子に連結されたアミン。
および(iv)正味の正電荷。このリポソームはまた。少なくとも3原子長のス ペーサーアームにより、A環の3位に連結さ′れたアミン基を有するコレステロ ール誘導体を含有し得る。
このリポソームは、好ましくは、リン脂質成分またはジグリセリド成分中にて、 約20〜50モルパーセントの間のコレステロールまたはコレステロール類似物 またはアミン誘導体。
および/または主として飽和のアシル鎖部分を含有させることにより、比較的密 に詰められた脂質構造を有する。
ある好ましい正に帯電した脂質成分は、以下の形状を有する。アミンから誘導さ れたリン脂質である:PE−NH−[ニー Y−N。
ここで、 PE−N)I2は、ホスファチジルエタノールアミンであり、そして Yは、塩基性アミノ酸、または塩基性アミノ酸を含有するペプチドである。この 誘導されたPRは、 PRと、このアミノ酸またはペプチドの無水物とを結合さ せることにより形成される。
ある好ましいコレステロール誘導体は以下の形状を有する:Ch−0−C−Y− N。
ここで、 Ch−DI(はコレステロールであり、そしてYは少なくとも2原子 長の炭素含有鎖である。この脂質成分は、コレステロールと、アミノ酸またはペ プチドの無水物とを結合させることにより形成される。
他の好ましいコレステロール誘導体は、以下の形状を有する: Ch−N)I−Y−N。
ここで、 Ch Nl2はコレステロール−3−アミンであり、そしてYは少な くとも2原子長の炭素含有鎖である。この成分は、ジアミンと、コレステロール −3−ハライドとを結合させることにより形成される。
このリポソーム組成物は、さらに1組織部位近くの保持力を増すために(同様に 、粘膜組織に対する保持力を増すために)、処方され得る。眼科での用途のため に、この処方物は。
ックス中にて、放出を遅らせるために処方され得る。鼻腔および口腔の薬剤供給 のためにエアロゾル化されたリポソーム。
および局所用途のだめのクリーム状処方物またはフオーム状処方物もまた。開示 されている。
組織部位にて、数時間にわたる持続的な薬剤放出のために。
粘膜組織に薬剤を投与する改良された方法もまた1本発明の一部を形成する。こ の方法は、上述の新規なリポソーム組成物を利用する。
さらに他の局面では9本発明は、上述のタイプの正に帯電したリポソームの、好 ましくは光学的に透明な懸濁液を眼球表面に適用することにより、涙の出ない目 を治療する方法を包含する。この懸濁液は、リポソームを眼球部位により多く保 持するために、粘性の増した重合体を含有し得る。このリポソーム性脂質は、涙 の出ない目の組織の潤滑特性に寄与する。
本発明のこれらの目的および他の目的および特徴は、以下の本発明の詳細な説明 を、添付の図面と関連させて読むことにより、より完全に明らかとなる。
図面の簡単な説明 第1図は、高濃度のりシニルホスファチジルエタノールアミン(リシニルPH) で調製されたリポソームの、眼球組織での保持力を示す。これには、中性のリポ ソーム対照(黒い四角)、10モルパーセントのリシニルPR(白い丸)、20 モルパーセントのリシニルPE (白い三角)、30モルパーセントのリシニル PH(白い四角)および40モルパーセントのリシニル旺(黒い丸)が包含され る。
第2図は、高濃度のりシンリシニルPHで調製されたリポソームの、眼球組織で の保持力を示す。これには、中性のリポソーム対照(黒い四角)、10モルパー セントのりシンリシニルPE (白い丸)、20モルパーセントのりシンリシニ ルPE(黒い三角)、および30モルパーセントのりシンリシニルPR(白い四 角)が包含される。
第3図は9種々のエピ−コレステリル誘導体で調製されたリポソームの、眼球組 織での保持力を示す。これには、コレステロール対照(黒い四角)、コレステリ ルアミン(白い丸)。
およびコレステリルピペラジン(白い三角)が包含される。
第4図は9種々のコレステロールエステルアミンで調製されたリポソームの、眼 球組織での保持力を示す。これには。
コレステロール対照(黒い四角)、グリシンのコレステロールエステル(白い丸 )、β−アラニン(黒い三角)、およびε−アミノカプロン酸(白い四角)が包 含される。
第5図は、0モルパーセント(黒い記号)または40モルパーセント(白い記号 )のいずれかのコレステロールで調製されたリポソームの眼球組織での保持力、 およびリシンPε (丸)またはりシンリシニルPE (三角)のいずれかの2 0モルパーセントで調製されたリポソームの眼球組織での保持力を示す。
第6図は、緩衝液(黒い記号)を含有する懸濁液、または重合体(白い記号)を 含有する懸濁液のいずれかでの、リシンPE (丸)またはりシンリシニルPE (三角)のいずれかで調製されたリポソームの、眼球組織での保持力を示す。そ して。
第7図は9重合体付加物を含有する懸濁液での、 20モルパーセント(白い丸 )または30モルパーセント(黒い丸)のリシニルPRで調製されたリポソーム 、または10モルパーセント(白い三角)または20モルパーセント(黒い三角 )のりシンリシニルPBで調製されたリポソーム、および重合体付加物を有する 中性リポソーム(黒い四角)または重合体付加物を有しない中性リポソーム(白 い四角)の、眼球組織での保持力を示す。
発明の詳細な説明 本発明のリポソームを調製する際に用いられる。正に帯電した脂質成分は、以下 により特徴づけられる: (i)3〜4個の炭素骨格上に備えられた2つの脂肪 族鎖、(ii)脂肪族鎖を備えていない炭素原子にて、該骨格に結合された極性 原子、(iii)少なくとも3原子長のスペーサーを介して、該極性原子に連結 されたアミン、および(iv)正味の正電荷。例示の脂質成分には、ジグリセリ ド、およびそれらのアミン類似物(これらの化合物では、極性原子は、それぞれ 、ヒドロキシル酸素またはアミンである);糖脂質(この化合物では、極性原子 は。
糖残部を脂質骨格に連結しているアセタール酸素である) ;およびリン脂質( この化合物では、極性原子は、グリセロール骨格をリン酸部分の極性先端基に連 結しているリン酸エステルの酸素である)が包含される。これらの全ての脂質タ イプでは、この極性原子は、コレステロールのヒドロキシル基にほぼ対応する位 置にて、この脂質小胞の外部二重層表面に配置される。このリポソー′ムはまた 。少なくとも3原子長の炭素含有鎖を介して、6員環のコレステロールA環に連 結されたアミン基を有する。正に帯電したコレステロール誘導体を含有し得る。
ジ脂肪族鎖脂質およびコレステロールの両方は、リポソーム二重層構造と比較的 強固に結合し、そして膜安定性に寄与している。これらの性質は、単一のアシル 鎖化合物(例えば。
脂肪酸またはそれらの誘導体)と対照をなしている。これらのアシル鎖化合物は 、水性懸濁液中にて、膜二重層構造から容易に解離され(Doody) 、そし て脂質二重層の融合を促進したり(Kantor)、リン脂質の放出を刺激した り(Massari) 、膜間の脂質交換を刺激する(Papahadjopo ulos)。ジ脂肪族脂質やコレステロール脂質の他の際だった特徴は、単一の アシル鎮成分と比較するとき、この二重層構造の脂質平面に配置されるより硬い ラジカルにある。
本発明の重要な局面によれば、リポソーム保持力が良好に増大するためには、正 に帯電したアミン基が、少なくとも3原子長の炭素含有スペーサーアームにより 、脂質の極性先端領域から間隔を置かれる必要があることが見いだされている。
このスペーサーは、明らかに、脂質に結合したアミン基を。
粘膜表面の環境にて、負に帯電した分子と容易に相互作用させる必要がある。3 原子長のスペーサーが必要なことの証拠は、眼球組織や他の粘膜組織に対するリ ポソームの結合に関し9本発明を支持して行われた多くの研究から得られる。こ れらの研究のうちの2つは、実施例Xで報告されているが。
種々の選択されたスペーサー鎖長を有するコレステアリルアミンおよびコレステ ロールアミンエステルの効果を試験している。コレステリルアミンに関するデー タは、第3図に要約されている。このデータは、リポソームの保持力に関し、エ ピ−コレステリルアミンを含有するリポソーム(白い丸)が。
非荷電のリポソーム(黒い丸)と類似点があることを示している。エピ−コレス テリルピペラジン誘導体を種々の原子長′(白い三角)で対照してみると、1時 間後に約50%の保持が示される。
鎖長に関するより体系的な研究はまた。実施例Xに報告されているが、グリシン のコレステロールエステル(白い丸)。
β−アラニン(白い四角)、およびε−アミノカプロン酸(黒い三角)を、それ ぞれ40モルパーセントで含有するリポソームの眼球保持力を比較している。第 4図かられかるように。
グリシン誘導体(この誘導体では、アミンは、2個だけの炭素原子を介して、コ レステロールのヒドロキシル酸素原子から間隔を置かれている)は、誘導されて いないコレステロールを含有する対照リポソーム(黒い四角)より、わずかに保 持力の増大がみられるにすぎない。対照的に、β−アラニン(3個の炭素スペー サー)およびε−アミノカプロン酸(6個の炭素スペーサー)の両方のコレステ ロール誘導体は、1時間後の結合保持力が数倍も増大した。
このスペーサー鎖は、飽和組成物および/またはへテロ原子組成物を種々の割合 で有する。炭素含有鎖である。好ましいタイプの釦は、簡単な飽和アシル鎖であ る。この領内の炭素原子はまた。エチレン性結合またはエチン性結合のいずれか を含有して2部分的に不飽和とされ得るか、および/または領内にエステル結合 、エーテル結合、チオエステル結合。
チオエーテル結合、アミド結合またはアミン結合を形成する。
炭素に連結した酸素(0)原子、イオウ(S)原子または窒素(N)原子を包含 し得る。この鎮原子自体は、炭素原子、水素原子。
0原子、S原子またはN原子、またはこれらの原子を含有する基(例えば、短鎖 のアシル基)などで、置換され得る。さらに、この鎖は、アミンを有するグリコ シド基を含有し得。
そしてそれ自体、適当なスペーサーアームを介して、脂質骨格に結合されている 。
正に帯電したアミンは、このアミンが、有効なpHで正に荷電されているという 唯一の必要条件を持った。第1級アミン。
第2級アミン、第3級アミンまたは第4級アミンのいずれかとされ得る。一般に 、第1級アミン、第2級アミンおよび第3級アミンは、約7.5〜10以下のp Hで、正に帯電している。
第4級アミンの1つの有利な点は、この種が、pHに無関係に常に正に帯電して いることにある。
選択された正に帯電した脂質成分の構造的な特徴および合成方法が、ここに考慮 されている。
B、ジ脂肪族脂質誘導体 ここで定義されるように、ジ脂肪族脂質という用語は、以下の<i) 、(ii )および(i i i)を有する両親媒性の脂質を包含することを意図する:  (i>3〜4個の炭素骨格、(ii)この骨格上にある2個の脂肪族鎖、および (iii>骨格炭素原子に結合した極性酸素原子または窒素原子(これらは、そ れ自体、脂肪族鎖を有しない)。この脂肪族鎖は、適度に安定な結合(これには 、アシルエーテル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミン結合、カーバ メート結合、またはジオキソラン環(Nagata)結合が包含される)により 、この骨格に結合される。上で示されるように9例示のジ脂肪族脂質には、ジグ リセリドおよびリン脂質(これらでは、この脂肪族鎖は、アシル結合を介して、 グリセロール骨格に結合された脂肪アシル鎖である)、および糖脂質(これでは 、アシル鎖の1つは。
アミド結合を介して、骨格に連結され得る)が包含される。
脂質成分中の脂肪族鎖は、好ましくは、少なくとも約12原子長、最適には、約 15〜20原子長の間である。この鎖はまた。
好ましくは実質的に不飽和である。実質的に不飽和とは、各鎮が高々1個の不飽 和結合、好ましくはエチレン性結合を有することを意味する。実質的に不飽和の 脂肪族鎖は、リポソーム中に・より良好な脂質バッキングを与える。この脂質バ ッキングは、粘膜表面に対するリポソームの結合を増すことが見いだされている 。さらに、より不飽和度の高い鎖は、長期間の保存でも、より高い化学安定性を 与える。このことは、脂質に対する酸化損傷が少なくなることにより立証される 。
誘導された形状では、ジグリセリド類似物およびジグリセリドアミン類似物は、 少なくとも3原子長のスペーサーアームにより、極性の酸素原子または窒素原子 に結合されたアミンを含有する。ジグリセリド誘導体は、グリセロールヒドロキ シル基またはアミン基を包含する公知の結合方法により形成され得る。一般に、 これらの方法は、以下で述べるように。
コレステロールまたはコレステリルアミンを誘導する際に用され、アミノ酸のジ グリセリドエステルが形成され得る。
ここで定義されているように、リン脂質という用語には。
ホスファチジル酸(PA)およびホスファチジルグリセロール(PG)。
ホスファチジルクロリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、 ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルセリン(PS)、プラズ マロゲン、およびスフィンゴミエリン(SM)が包含される。
リン脂質の極性末端領域は、リン脂質中にグリセロール/リン酸エステル結合を 形成するような、グリセロールヒドロキシ酸素原子として定義される。この酸素 原子は、脂質二重層表面にて、ジグリセリドのヒドロキシ酸素原子とおよそ同じ 放射状位置を占め、従って、コレステロール中の3−ヒドロキシ酸素原子とほぼ 同じ放射状位置を占める。
このリン脂質誘導体(PA誘導体以外)は、上のコレステロール誘導体やジグリ セリド誘導体とは、以下の点で異なる:この極性の末端領域のヒドロキシル酸素 は、それ自体、リン□酸エステル結合(すなわち、このリン酸−エステルは、各 クラスのリン脂質を定義しているリン酸エステル連結部分)を介して、少なくと も3原子長の、炭素含有鎖に連結されている。それゆえ2本発明で用いる正に帯 電したリン脂質(PA以外)を形成する際には、リン脂質中にて、リン酸−エス テル連結部分の末端またはそれに近い領域に、正味の正電荷を配置することだけ が必要である。PCおよびPEを含めたいくつかのリン脂質は、鎮状の末端アミ ンを含有する。このアミンは。
失熱のリン脂質にて、リン酸エステル基の負電荷と均衡を保っている。これらの リン脂質は、このリン酸エステル基のアシル化し、それによって、その電荷を中 和し、そして(末端アミンによる)正味の正電荷を誘導体に与えることにより。
所望の正に帯電した誘導体に転化され得る。エステル結合のあるリン酸エステル 基をメチル化するかまたはエチル化して。
対応するメチルリン酸誘導体またはエチルリン酸誘導体を形成する方法は公知で あり9本発明の用途における使用に適当である。
他の一般的な方法では、このリン脂質は、脂質のリン酸エステル連結部分にて9 反応性の末端基にアミン(例えば、アミノ酸)を結合させることにより、誘導さ れる。種々の結合反応(これには、適当な活性化剤や反応性の種が包含される) は公知であり、そして、天然のリン脂質にアミンを結合させるために容易に適用 され得る。例えば、 PEおよびプラズマロゲンは、以下で詳述しているように 、公知の結合反応によれば、末端の第1級アミンを介して、アミド結合によりア ミンと結合され得る。PIおよび種々の糖脂質(これは、末端グリコシド基を含 有する)は、先の過ヨウ素酸塩反応(Heath)後にて、アミンと結合され得 る。この反応は、初期のアルデヒド形成を包含し、そしてシッフ塩基を介して進 められる。PSは、公知のアミド形成反応により、末端酸基を介して結合され、 適当なアミンとされ得る。ここで、 PAと結合されるアミンは、脂質グリセロ ール部分に結合したリン酸エステル連結酸素から少なくとも3原子で、この帯電 したアミンを伸張するべく供されなければならないことは、注目される。
リン脂質に結合されたアミンは、この誘導されたリン脂質に対し、少なくとも1 個の正味の正電荷を与えるような、帯電したアミン基の全数を有する。それゆえ 、このアミンが。
アミド結合を介して、 PEまたはプラズマロゲンと連結される場合には、この アミンは、少なくとも2個のアミン基を有さなければならない。このアミン基の うちの1個は、リン酸エステルの負電荷と均衡を保って、リン脂質中の末端アミ ン電荷の損失を埋め合わせるためのものであり、2番目のアミン基は、単一の正 味の正電荷に寄与するためのものである。PBを誘導する際に使用するのに好ま しい二重アミンは、塩基性アミノ酸(例えば、リシン、オルニチン、ヒスチジン またはアルギニン)、またはこのようなアミノ酸の少なくとも1個を含有するペ プチドである。さらに例示すると、末端酸基を伴う、アミド結合によってPSを 誘導する際には、ジアミンもまた。酸基との反応に供するのに必要な1つのアミ ンであり。
そして単一の正味の正電荷を与えるための第2のアミンである。アミンから誘導 されたPEを形成するための以下の方法は典型例である。
カチオン性のPE誘導体を調製する際に用いられる。精製されたまたは部分的に 精製されたPRは、市販されているか、または公知の方法により調製され得る。
この脂質は、公知の方法に従って、アシル鎖組成物中で、精製されるかおよび/ または修飾され得る。以下で論じられるような、あるリポソー。
ムの処方や用途では、主として飽和アシル部分を有するPE成分を使用するのが 望ましい。他の用途のためには、より不飽和な脂質成分が好ましい。
アミンから誘導されたPE成分を形成するための1つの方法は、リシニルPEお よびリシンリシニルPEの調製のために実施例■で例示され、そしてアルギニル PHの調製のために実施例■で例示されている。第1段階として、この塩基性の アミノ酸またはペプチドは9例えば、ジ−t−ブチルジカーボネートとの反応に より、N−保護化される。この保護されたアミノ酸は1次いで、およそ等モル量 の縮合剤(例えば、ジシクロカルボジイミド(D(1:C) )との反応に供さ れ、保護されたアミノ酸の無水物が形成される。実施例Iで記述の反応条件は、 一般に、無水物形成反応に適当とされる。この無水物は、さらに9反応の副生成 物として形成されるジシクロヘキシル尿素を除去することなく、用いられ得る。
この無水物は、保護されたアミノ酸をアミド結合を介してPEと結合させるため に。
無水条件下にて、今度はPEとの反応に供される。この反応生成物は9例えば、 トリフルオロ酢酸で処理することにより。
脱保護化され、シリカゲル上のクロマトグラフィーにより。
精製され得る。溶出液フラクションは、実施例Iおよび■で記述のように、薄層 クロマトグラフィー(TLC)により、好都合にモーターされ得る。精製された 生成物は、乾燥残留物として、窒素下にて4℃で数か月間まで保存され得る。
アミンPE誘導体を形成するための第2の方法では、この保護されたアミンは、  D(’Cの存在下にてN−ヒドロキシコハク酸イミドとの直接反応に供され、 アミノ酸の対応するN−ヒドロキシコハク酸イミドエステルが形成される。典型 的な反応条件は、アミノ酸無水物を形成する際に用いられる条件に類似している 。得られた物質は、さらに精製することなく、PEとの反応に使用され得る。こ の反応生成物は、上述のようにそして実施例■で詳述するように、脱保護化され 、そして精製ここで定義されているように、コレステロールという用語は、(3 −ヒドロキシ−5,6−コレスチン)、および関連した類似物(例えば、3−ア ミノ−5,6−コレスチンおよび5,6−コレスチン)、およびコレスタンおよ び関連した類似物(例えば。
3−ヒドロキシーコレステン)を包含することを意図する。コレステロールの極 性末端領域は、極性原子(例えば、酸素または窒素)として定義されている。こ の原子は、従来の環どうしの位置による同定に従って、コレステロールのシクロ ペンタノパーヒドロフェナントレン核の6員A環の3位に直接結合している。こ のアミンから誘導されたコレステロールは。
以下の一般式を有する: Ch−0−X−Nまたハch−NH−X −N 、 ココテ、 Ch−0または Ch−Nは、3位の酸素または窒素を有するコレステリル造またはコレスタン構 造であり、Xは、少なくとも3原子長の炭素含有鎖であり、そしてNは、帯電し た第1級、第2級。
第3級または第4級アミンである。
コレステロール誘導体の一例は9次式のコレステロールエステルである: Ch −0−C−Y −N ここで、 Ch−OHは、3−ヒドロキシ−5,6−コレスチンであり。
モしてYは、少なくとも2原子長の炭素含有鎖である。
このコレステロールエステルを形成するために1式CO□−Y−Hのアミノ酸は 、ジ−t−ブチルジカーボネートとの反応によりNで保護され、そして適当な縮 合剤(例えば、 DCCI)と反応に供されて、保護された酸の対応する無水物 が形成される。この無水物は、およそ等モル量のコレステロールと反応に供され 、誘導され保護された化合物を形成する。この化合物は9次いで脱保護化され、 そして例えば、シリカゲルクロマトグラフィーで精製される。実施例■は、5種 のアミノ酸CD2(C112)、NH2(ここで、nは1〜5である)のコレス テロールエステルを形成するための、これらの反応方法を例示している。この反 応条件は、1個またはそれ以上の遊離のアミン基を有する他のアミノ酸に適用さ れる。上で示すように。
この遊離のアミンが、3個またはそれ以上の原子により、コレステロールヒドロ キシルから間隔をおかれているようなこれらのコレステロールエステル誘導体( 実施例■の化合物では、nが、2より大きいかまたは2に等しい化合物)だけが 。
粘膜組織に対するリポソームの結合力を著しく高める。
1個より多くの正味の正電荷が、塩基性のアミノ酸(例えば、リシン)との結合 によるか、または1個より多くの遊離のアミン基を有するペプチドとの結合によ るか、のいずれかにより、コレステロールに誘導され得ることが認識されている 。
第2のコレステロール誘導体は9次式のコレステリルアミンである: Ch −NH−X −N ここで、 Ch N112は、3−アミノ−5,6−コレスチンであり。
そしてXおよびNは、上で定義のものと同じである。
この誘導体は、コレステリル−3−ハライド(例えば、コレステリル−3−ヨー ダイト)と9式NH2−Y−Nのジアミン(ここで、Nは、第1級−第4級アミ ンであり、好ましくは。
第1級アミンである)との反応により形成される。典型的には、約10倍モル過 剰のジアミンが、適当な溶媒(例えば、ジメチルスルホキシド)中にて、コレス テリルハライドとの反応に供される。この生成物は、親油性溶媒(例えば、トル エン)により抽出され、そしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製 され得る。コレステリルヨーダイトおよびN、N”−ビス−(3−アミノプロピ ル)−ピペラジンから、(5−コレスチン−3−α−N−(3−(4−アミノプ ロピル)ピペラジノ)プロピル)アミン)を合成する反応の詳細は、実施例■で 得られる。対照化合物として合成されるコレステロール−3−アミンの合成は、 実施例■でも記述されている。
ジスルフィド結合により、チオコレステロールを誘導する方法もまた。報告され ている(l(uang、 Baldeschweiler)。
さらに、必要なコレステロール/スペーサーアーム/アミン構造を有する9種々 のコレステロールアミン化合物およびアミノグリコシド化合物が報告されている 。これらの化合物は、グリコシドに特異的な組織受容器官とのリポソーム相互作 用に基づいて1選択された表面グリコシドを含有するリポソームが、特定の組織 を標的とする可能性を試験するために。
種々の異なる帯電していないチオ結合グリコシドコレステロール類似物と共に、 調製された(Ponpipom、 1980.1981.1984 ;Chab ala ; Wu、 M ; Wj、 P ; Robbins ; Mauk ;およびDoebbert)。
゛これらのコレステロール誘導体のいくつかを包含するリポソームは9種々のグ リコシド特有の効果を示す。このような効果には、マクロファージによる取り込 みを高めること、皮下注射部位での保持を高めること、インビボでの安定性を増 大させること、および組織特異的なリポソーム分布を与えることが包含される。
種々の帯電していないグリコシド性のコレステロール誘導体との比較研究、およ び帯電されてはいるが非グリコシド性のコレステロール誘導体(これには、アミ ノヘキシルコレステロールおよびアミノエチルコレステリルカーバメートが包含 される)との比較研究によれば、観察される薬力学的効果は9本発明におけるよ うに、非特異的な電荷相互作用に関するよりもむしろ、主として1組織特異的な 受容器官とのグリコシド相互作用に関連していることが示唆さバーセントは比較 的低い(10パーセントヨリ低い)。
(以下余白) ■、リポソームの調製 本発明のリポソームは、中性の脂質とアミン誘導脂質との混合物から形成される 。この中性の脂質は、典型的には、全リポソーム脂質の約40〜80モルパーセ ントを構成し、主としてリン脂質(例えば、PCおよびPE) 、および/また はコレステロールまたはコレステロール類似物である。このアミン誘導脂質は、 好ましくは、全脂質成分の約20〜60モルパーセントを構成する。リポソーム 保持に対する電荷密度の影響を示す研究は以下の実施例Vlllに与えられてお り、第1図および第2図で示されている。第1図は、0〜40モルパーセントま で増加スモリシニルPEを含有するリポソームを用いて得られた。眼球による保 持の時間に対するプロットである。第1図かられかるように、リンニルPEを含 有しないリポソーム(黒い四角)は、1時間後には約5%より少ない量でしか保 持されなかった。リンニルPEの量を、10モルパーセント(白い丸)から、2 0モルパーセント (白い三角)に、30モルパーセント(白い四角)に、そし て40モルパーセント(黒い丸)に増加させると、保持力が次第に増大していっ た。リンニルPRの量が40モルパーセントのリポソームは、1時間後に50% 近くが保持されていることが示された。第2図は、リシンリンニルPεのモルパ ーセントを増加させたこと以外は、同様の保持効果の増大を示している。ここで 、20モルパーセントの帯電した脂質(黒い三角)および30モルパーセントの 帯電した脂質(白い丸)の両方は、眼球による保持の著しい増大を与えた。
一般に、約20〜50モルパーセントの間の帯電した脂質濃度にて、結合の増大 が得られる。しかし、帯電した脂質のモル比がさらに高くなってもかまわない。
この電荷濃度は、単一に帯電した脂質成分(例えば、リンニルPε)の約20モ ルパーセント、または二重に帯電した成分(例えば、リシンリンニルPEなど) の10モルパーセントのいずれかにより得られる。
上記の電荷濃度は、リポソーム中の最外部の脂質層にのみ適用される。従って、 これらのリポソーム自体は、その1つまたはそれ以上の二重層領域にわたって、 必ずしも均一な電荷密度を有する必要はない。実際には9本発明を支持して行わ れた研究では、以下のことが示される:小さな単ラメラ小胞(SUV)では、正 電荷は、小胞二重層を形成する2つの脂質層の外部において優先的に局在化する ように思われる。この研究は、実施例Vllに記述されている。そこで示される ように、 20モルパーセントのリンニルPεで形成されるSUVは、その外部 脂質層に、正の全脂質電荷の約75%を含む。そして。
20モルパーセントのりシンリシニルPEで形成されるSUvは。
その外部脂質層に、正の全脂質電荷の約92%を含む。この二重層間の異なる電 荷分布は、おそらく、二重層の内側に存在する。極性の高い電荷による反発に関 連していると思われる。
ある場合には、これらの研究は、リポソームの外部表面における必要な20モル パーセントの電荷分布が、これらのリポソームを処方する際に用いられる。20 モルパーセント より少ない実際の脂質により得られることが示される。
これらのリポソームは、さらに、少量の他の小胞形成脂質(例えば、脂肪酸、負 に帯電したリン脂質、糖脂質など)を、含有し得る。ただし、これらの少量の脂 質成分が、(a)粘膜組織に対するリポソームの結合親和力を著しく低減させな いこと、および(b)粘膜組織部位にて毒性を有さないことが必要である。最初 の、規定は、リポソームに含有され得る負に帯電した脂質の量を制限すると共に 、リポソーム二重層への脂質充填を破壊するような脂質の量も制限している。
以下の論述では、リン脂質成分およびステロール成分の選択の基準となる要件は 、一般に、中性の成分およびアミンから誘導された成分の両方に適用される。リ ン脂質成分またはコレステロール成分のいずれか、またはその両方は、少なくと もある種のアミンから誘導された種を含有し得ることが認められている。
リン脂質成分の選択の際に考慮すべき1つの事項は、アシル鎖部分の飽和の程度 である。本発明を支持して行われる実験では、以下のことが示される:アミンか ら誘導された脂質成分を用いて得られ°る。粘膜表面でのリポソーム保持力の増 大は、小胞二重層での脂質の充填密度を高める傾向にあるような脂質成分を用い ることにより、さらに高められる。特に。
コレステロールまたはコレステロール誘導体の添加、または高割合の飽和リン脂 質アシル鎖成分のいずれかにより(これらの両方は、脂質の充填を高めることが 知られている(Papah−adjopoulos、 1973) ) 、保持 力の増大が認められる。眼球表面に対するリポソームの結合力に対するコレステ ロールの影響についての研究は、実施例Vlllで詳述されている。このデータ が要約されている第5図を参照すると、40モルパーセントのコレステロールの 添加により(白い記号)、リンニルPE(丸)またはりシンリンニルPE(三角 )のいずれかを含有するリポソームの結合親和力が著しく増大することがわかる 。
アミンから誘導されたPHを添加せずに、コレステロールだけでは、充分な結合 力の、増大は得られない。PC/リシンPEリポソームにて、類似の結果が認め られた。ここで、飽和アシル鎮を有するPCは、卵PCよりも、アミンから誘導 されたリポソームの保持力を著しく増大させた。
リン脂質成分の飽和の程度はまた。捕捉された薬剤のリポソームからの放出速度 に対して、大きな影響を与える。一般に、飽和度の高い脂質は、捕捉された薬剤 の放出を引き延ばす。これらの脂質の転移温度付近では、放出速度の著しい増大 が認められる。多くの薬剤については、主として飽和脂質を有するリポソームに て、半減放出期間は、数時間から数日間である。このことは、粘膜表面に対する リポソームの結合が数時間以上にわたると、捕捉された薬剤の少量部分だけが。
組織への取り込みのためにリポソームから実際に放出されることを意味する。対 照的に、高モル量のコレステロールの存在は、薬剤の放出速度に実質的な影響を 与えない。この理由により、飽和脂質成分やジグリセリド成分よりもむしろコレ ステロールを包含することによって、リポソームへの密な充填を得るのに有利で あり得る。
脂質成分を選択する際に、さらに他に考慮すべき点は、脂質の酸化/過酸化損傷 の許容され得る程度である。以下のことは公知であり、そして本発明を支持して 行われる実験により、確認されている:すなわち、不飽和リン脂質およびコレス テロールの両方は、特に、脂質が冷凍温度以上の温度にて長期間保存される場合 、脂質の酸化損傷を引き起こす疑いがある。従って、脂質の酸化損傷の問題点は 、リポソーム生成物(例えば、眼科で用いる点眼組成物:これは1通常、室温で 販売され保存されている)については、非常に重大である。
主として飽和の脂質成分(例えば、飽和リン脂質およびジグリセリドおよびコレ スタンステロール)を用いることにより。
酸化が低減され得る。
脂質の過酸化損傷はまた。親油性の遊離基捕獲剤(例えば。
α−トコフェロール(α−T))と、水溶性で鉄特異的なキレート化剤(例えば 、デスフェリオキサミン)とを組合わせることにより、低減され得る。この保護 剤の組合せは、米国特許出願「リポソーム/アントラキノン薬剤組成物および方 法」、出願番号806.084号(1985年12月6日出願)で論じられてい る。この保護剤の組合せは、キレート化剤/遊離基捕獲剤の組合せが、リポソー ム懸濁液における遊離ラジカル反応の開始および生長の両方を阻害する能力に基 づいている。
この組成物に用いられる親油性の遊離基捕獲剤は、好ましくは、α−T、または それらの薬学的に許容可能な類似物またはエステル(例えば、コハク酸α−T) である。他の適当な遊離基捕獲剤には、ブチル化ヒドロキシトルエン(BIT)  。
没食子酸プロピル(Augustin)、およびそれらの薬学的に許容可能な塩 および類似物が包含される。ヒトへの非経口投与のために許容可能な、他の親油 性の遊離基抑制剤もまた。リポソーム中にて効果的なレベルで用いられ得る。こ の遊離基抑制剤は、典型的には、従来の方法に従って、リポソームを調製する際 に用いられる脂質成分に包含される。この保護化合物の好ましい濃度は、リポソ ームを構成する全脂質成分の約0.2モルパーセントと2モルパーセントの間で ある。
この水溶性で鉄特異的なキレート化剤は、天然のおよび合成のトリヒドロキサミ ン(tr ihydroxamic)酸の部類から選択され得る。このキレート 化剤は、第二鉄イオンに対する非常に高い結合定数(10”程度)、および2価 のカチオン(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)に対する比較的低い結合 定数により、特徴づけられる。天然の起源に由来する種々のトリヒドロキサミン 酸は公知である。これらには、フェリクロム類に属する化合物(例えば、フェリ クロム、フェリクロムA、およびアルボマイシン);フェリオキサミン類に属す る化合物(これには、フェリオキサミン類およびフサラミン類が包含される): およびフサラミン類に属する化合物が包含される。あるいは、このキレート化剤 は、テトラ酢酸またはペンタ酢酸キレート化剤(例えば、 EOTA、 DPT AまたはED3A)とされ得る。
このキレート化剤は、リポソーム懸濁液中の、第二鉄イオこれらのリポソームは 9種々の方法(例えば、 5zokaらにより詳述される方法)により調製され 得る。薬剤含有リポソームを調製する好ましい方法の1つは、参考文献3および 米国特許第4.235.871号に記載されている逆相蒸発法である。
この方法では、リポソームを形成する脂質の溶液を、より少量の水性媒質と混合 し、この混合物を分散させて油中水形エマルジョンを形成させる。捕獲される薬 剤は、この脂質溶液または水性媒質のいずれかに添加する。蒸発によって脂質溶 剤を除去したのち、得られたゲルをリポソームに転化させる。
カプセル化効率は、水溶性薬剤については50%までである。
この逆相蒸発小胞(REV)は、典型的には約2〜4ミクロンの平均サイズを有 し、主としてオリゴラメラ、すなわち1つあるいは少数の脂質二重層外皮を含む 。この小胞のオリゴラメラ特性により、薬剤の緩徐放出が促進され、それゆえ、 カプセル化された薬剤の放出半減期の低下に寄与し得る。本発明においてREV が有利な点は、脂質に対するカプセル化された薬剤の割合が高<、リポソームの 表面被覆により、より多くの薬剤量が投与されることである。REVの調製は実 施例■に記述されている。
高い薬剤カプセル化効率を望まない場合には、マルチラメラ小胞(MLV)を生 成するための簡単な脂質水和方法が好ましい。この方法では、適当な溶媒に溶解 したリポソーム形成脂質の混合物を、容器内で蒸発させて薄膜を形成し1次いで 。
この薄膜を薬剤の水溶液で被覆する。この脂質被膜を水和してMLVを形成する 。MLVの典型的な大きさは、約0.1ミクロンと10ミクロンの間である。こ のREV方法と同様に、カプセル化される薬剤を、水への溶解度に応じて、最初 の脂質または水和媒質のいずれかに添加する。このM L Vにカプセル化され 得る全薬剤物質の割合は、小胞の調製に使用された全薬剤に対するカプセル化さ れた薬剤の比率として計算され、水溶性薬剤の場合には典型的には約5〜20% の間である。MLVの調製もまた実施例■に例示されている。
REV調製物またはMLV調製物のいずれかは、より小さく比較的均一なサイズ のリポソームの懸濁液を0.1〜1.0ミクロンのサイズ範囲で生成するために さらに処理され得る。より小さくより均一なサイズのリポソームの有利な点は以 下のとおりである:(1)より均一な薬剤放出特性、(2)粘膜組織表面で認め られる。より高密度のリポソーム充填、および(3)眼科での用途におけるより 高い光学的透明性。サイズを定める有効な方法の1つは7選択された均一な孔サ イズ、典型的には0.2.0.4.0.6.0.8または1ミクロンの孔サイズ を有するポリカーボネート膜を通して、リポソームの水性懸濁液を押出すことを 包含する。(参考文献3)膜の孔サイズは、この膜を通して押出すことにより得 られたリポソームの最大サイズにほぼ対応しており、特に調製物を同じ膜を通し て2回またはそれ以上押出した場合には、よく対応している。より最近の方法は 、非対称のセラミックフィルターを用いた押出しを包含する。この方法は、 1 986年2月13日に出願された。
共有の米国特許出願第829.710号「リポソームの押出方法」に詳述されて いる。
あるいは、このREV調製物またはMLV調製物は、0.04〜0.08ミクロ ンの範囲のサイズにより特徴づけられる小さな単ラメラ小胞を生成するために処 理され得る。粒子サイズが小さいために、 SUV懸濁液は、必要に応じて全く 透明となり得、それゆえ、眼科での用途に有利である。SUvの他の有利な点は 。
上で示唆したように、粘膜表面においてリポソームの充填密度がより高くなるこ とである。このことは、より小さなリポソーム粒子を用いて得られる。この特徴 は9例えば0本発明の新規な用途の1つ(この場合、リポソームは、涙の出ない 目を治療する際の眼球潤滑剤として用いられる)において。
有益である。
SUvを生成するための1つの好ましい方法は、牛乳の均質化のために商業的に 用いられるタイプの従来の高圧ホモジナイザーを用いて、 MLV調製物を均質 化することによる。ここで、このMLV調製物は、 MLVが実質的にSUvに 転化するときを決定するために、定期的に粒子サイズをサンプリングしつつ、こ のホモジナイザーを通して循環される。この方法は。
実施例■に例示されている。この実施例Vは、中程度の圧力による均質化および 高圧による均質化の両方により、 MLVをSUvに転化することを記述してい る。
30モルパーセントのリンニルPE、または30モルパーセントのβ−アラニン のコレステロールエステルのいずれかを含有するSUvは、安定性について試験 された。この安定性はリポソームからのカプセル化された放射標識スクロースの 漏出により確認される。REVおよびMLVは、カプセル化に対して。
ずっと安定であると予想されている。膜が湾曲した歪を有することや、この膜が 不均一な電荷分布を有することに関連した漏出効果が、ずっと少なくなるからで ある。
最終的なサイズ分は後、これらのリポソームは、遊離の(捕捉されていない)薬 剤を除去するために、必要に応じて処理され得る。通常の分離方法(例えば、遠 心分離、透析濾過および分子ふるいクロマトグラフィー)が適当である。
以下の実施例は、アミンから誘導された脂質成分を合成するための特定の方法、 および選択された粘膜保持特性を有するリポソームを生成する特定の方法を例示 している。
C0粘膜組織に対するリポソームの結合上で示され、そして実施例Vll−XI で記述された。いくつかの研究は9本発明のリポソームが、眼球組織に対し高い 結合力を有することを示している。粘膜上皮組織に対するリポソームの高い保持 力は、正に帯電したリポソームのムチン(すなわち、負に帯電した糖タンパク質 )に対する静電気的な結合力を包含しているように思われる。この糖タンパク質 は。
結膜のコブレット細胞から生成され、そしてこの上皮組織に結合した状態にある 。多くの他の粘膜組織のタイプ(これには、鼻腔粘膜9口腔粘膜、膣粘膜、直腸 粘膜および胃腸粘膜・が包含される)の全ては、細胞結合ムチンを生成する上皮 細胞により特徴づけられるので9本発明のリポソームは、全てのタイプの粘膜組 織に対し、より高い保持を示すことが期待されている。実施例X11で報告され ている研究は、以下のことを立証している:著しく高いリポソーム保持力は9種 々の他のタイプの組織(これには、気管9食道、胃、小腸および直腸が包含され る)で見いだされている。この研究は、帯電していないリポソームの組織に対す る結合力を、20モルパーセントのステアリルアミンまたは20モルパーセント のりシンリンニルPEのいずれかを含有するリポソームの結合力と比較したもの である。実施例X1lO表Vlに要約されているように。
両方の正に帯電したリポソーム調製物は、大ていのタイプの粘膜組織に対し、中 性のリポソームの粘着力よりも高い粘着力を示した。Lys −1ys−PEリ ポソームは、ステアリルアミン含有のリポソームと比較して、気管9食道および 小腸に対し2倍の粘着率を示シ、そして胃や直腸に対してもこれよりは低いもの の著しく高い粘着率を示した。
(以下余白) ■、処方物および用途 上述のように調製された水性のリポソーム懸濁液は、眼科での用途に適当である 。これらの用途では、リポソームは。
小さな液滴状で目に適用される。眼科での用途のために、これらのリポソームは 、好ましくは、典型的には約5マイクロモル脂質/ m 1と50マイクロモル 脂質/ m 1の間の脂質濃度にて。
比較的小さなREVまたはMLVにサイズ分けされる。
は、その懸濁液中に、!!!濁液の粘度を高める作用のある高分子量重合体を含 有させることにより高められ得る。眼科用処方物で用いるための典型的な重合体 は、メチルセルロース。
ヒドロキシ再チルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニル アルコールである。これらの重合体の眼球による保持に対する影響は、実施例X Iで報告されている研究により試験された。最初の研究では、 20モルパーセ ントのリンニルPEまたはりシンリンニルPEのいずれかを用いて調製されたS Uvが、緩衝液のみの、または0.8%ヒドロキシエチルセルロースと0.2% ポリビニルアルコールとを含有する緩衝液の、希釈懸濁液に処方された。そして 、1時間にわたって、眼球による保持が測定された。ここでわかるように1重合 体(白い記号)の添加は、リンニルPE SUV (丸)およびリシンリンニル PH5IJV (三角)の両方にて、1時間後におけるリポソームの保持力レベ ルを著しく増大させた。
第2の研究では9種々の脂質組成物を有するSUVの保持に対する。 Neo− TearsTM重合体(Barnes Hindの製品、サニーベール、 CA )の影響を試験した。興味深いことに、これらの重合体は、帯電したSUVに対 する第6図に示される効果と対照的に、帯電していないリポソームの保持力をほ んのわずか高めたにすぎなかった(黒の四角 対 白の四角)。第7図における 他のデータプロットは、異なる濃度のリンニルPE (丸)およびリシンリンニ ルPR(三角)を含有するSUVの重合体溶液の保持力を示している。
ある一般的な用途では、リポソーム処方物は、眼球組織部位における。持続的な 薬剤放出を与えるために用いられる。
リポソームが捕捉された形状での供給に適当であり、数時間にわたる持続的な放 出に適当な眼科薬剤には9例えば、以下のものが包含される:抗ウィルス剤(例 えば、フルオロウラシル、ヨードウラシル、トリフルオロウリジン、ビダラビン 。
アジドチミジン、リバビリン、ホスホノホルメート、ホスホノアセテート、およ びアシクロバール):抗アレルギー剤(例えば、クロモリン、セメチジン、ナフ ァゾリン、ロドキサミン、およびフェニルエビネフィリン);抗炎症剤(例えば 。
プレディゾロン、デキサメタシン、およびスプラフエン):眼内の圧力を低下さ せることにより作用する抗緑内障剤(例えば、カルバコール、N−デメチルカル バコール、ピロカルピン);コリンエステラーゼ阻害剤として作用する抗緑内障 剤(例えば、イソフルオロフェート、エクソチオヨーデート。
およびデメカリウムブロマイド);およびβ−妨害剤として作用する抗緑内障剤 (例えば、チモロール、デパクソロール。
メチ−プラナロール、ラボブナロール、およびセリプロロール)。
このリポソーム懸濁液の1つの有利な点によれば、液滴状で供給される薬剤の量 は、遊離の溶液状で許容され得る量より、かなり高くすることができる。これは 、遊離の薬剤濃度の高いことに関連した。望ましくない副作用が低減されるから である。
これらのリポソーム懸濁液はまた。涙の出ない目を治療する眼科用に、有用であ る。この疾患は、目における湿気の保持が乏しいことにより特徴づけられ、多く の異なる病因を有する。この病因には、涙腺による水分の分泌が乏しいこと(S jδgren) 。
ゴブレット細胞によるムチンの分泌が乏しいこと(Le+np)、ビタミンAの 欠乏(Lawrence)、および慢性の眼瞼炎の結果としての膜形成脂質の変 質が包含される。これらの物質は、主として長鎖のアルコールおよび酸およびコ レステロールエステルであり、眼球前部における安定な涙の膜を形成するために 必要である(Anderson)。
涙の出ない目に対する従来の処方物は、液滴状で適用される場合には、水分の膜 を供給するような重合体溶液である。
この膜は、この溶液の粘性によって、眼球上での高い保持力を有する。本発明の リポソーム処方物は、これらの初期の処方物に優さる3つの重要な利点を提供す る。第1には、懸濁液中のリポソームが、眼球上にて、数時間にわたり、かなり の量で保持されることである。このことは、1時間後には大部分が除去される粘 性溶液とは対照的であ、る。第2には9表面に結合したリポソームが、カプセル 化され固定された水性流体を保持するためのマトリックスを提供することである 。
第3には、これらのリポソーム自体が、膜形成に必要な必須脂質を供給するため に、処方され得ることである。これらの膜を構成する長鎖アルコールおよび脂肪 酸、およびコレステロールエステルは、全て、安定な小胞構造に適合している。
さらに2本発明を支持して行われた実験では、水分が豊富な眼の環境が、リン脂 質を脱アシル化して長鎖の脂肪酸を与え得るホスホリパーゼを含有することが示 された。
涙の出ない目を治療するためにリポソーム懸濁液を処方する際には、いくつかの ことを考慮することが重要である。ある好ましい脂質組成物は、眼球表面におけ る膜形成に寄与するように設計された脂質成分を含有する。例えば、このリン脂 質成分は、加水分解後に最適な長鎖脂肪酸を与えるように選択し得る。長鎖アル コールおよび脂肪酸の少量もまた。リポソームをあまり不安定化させることなく 、含有させ得る。
脂質成分を選択する際に重要な他の考慮事項は、特に9通常行われるように、こ の処方物を室温で数か月間保存する場合に、保存中に起こり得る酸化性の脂質損 傷の程度を最小にすることである。第1IA節で上述したように、酸化損傷は。
以下のことにより低減され得る:すなわち、主として飽和すン脂質およびコレス テロール類似物(例えば、コレスタノール)を用い、そして親油性の遊離基捕獲 剤(例えば、α−トコフェノール)と水溶性で鉄特異的なキレート化剤(例えば 。
デスフェリオキサミン)との組み合わせた作用で遊離ラジカル反応を効果的に阻 害することにより、この酸化損傷が低減され得る。
特に室温またはそれ以上の温度にて、保存中に起こる脂質の加水分解を最小にす ることもまた1重要である。この問題点は、 pHを6.0.6.8.7.4ま たは8.0に調整したリポソーム/Neo−Tear”処方物中で観察されるリ ン脂質の加水分解の程度を測定するために考案された研究において、調べられて いる。70℃における脂質の加水分解は、1日後、2日後および5日後に測定さ れた。5日間のインキュベーション後に観察された加水分解の程度は、 pH6 ,0における5%以下から。
pH8,0における30%近くまでの範囲に及んだ。従って、 pH6−0に近 いpH9好ましくはpH6,5を越えないpHは、この問題点を最小限に抑える 。
さらに他に考慮すべき点は、リポソーム/重合体懸濁液の。
良好な光学的透明性を達成することである。リポソームのサイズ(これは、上で 論じられている)に加えて、これらのリポソームおよび重合体は、もし凝集が起 こるなら、これらのリポソーム/重合体複合体が振盪によって容易に分散され得 るように、凝集効果によって安定化されなければならない。
眼科用リポソームを処方する際に用いられるヒドロキシエチルセルロース/ポリ ビニルアルコール重合体およびNeo −TEARST”重合体の両方について 、室温で2か月保存した後に良好な光学的透明性が得られた。観察された曇りは 、緩やかに振盪することにより透明になった。
エアロゾル化されたリポソームまたはリポソーム噴霧物は。
鼻腔粘膜または口腔粘膜にリポソームを適用するための好都合な媒体である。あ る簡単な実施態様では、これらのリポソームは、希薄な水性懸濁液として処方さ れ、そして従来のポンプ式噴射ボトルまたは圧搾式噴霧ボトルから噴霧される。
より精巧な実施態様では、これらのリポソームは、加圧キャニスタ−((、an nister)系において、フルオロカーボン噴射剤溶媒を用いて使用するよう に処方される。噴射剤溶媒を用いて使用する適当ないくつかのリポソーム処方物 は、共有の米国特許出願番号筒737.221号、「リポソーム吸入系および方 法J (1985年5月22日出願)、およびPCT特許出願「リポソーム吸入 系および方法J (1986年5月22日出願)に開示され。
これらの出願の内容は、参考文献としてここに採用する。要約すると、これらの リポソームは、粉状または水性ペースト状で噴射剤中に懸濁されるか、または加 圧キャニスタ−から噴射剤を放出する間に、ペースト状または粉状で噴射剤と混 合され得る。
リポソームの形で鼻腔粘膜に供給するための薬剤の例には。
抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤(例えば、ベナドリル、ジフェンヒドラミンH CI 、フマル酸タレマスチン、プロメタシンHCI 、およびトリプロリジン IIcI ’) ;血管収縮剤(例えば。
二酒石酸メタラミノール、エピネフリン、ノアエピネフリン。
フェニルニブリンHC1,およびエフェドリン);ペプチドホルモン(例えば、 インシュリン、カルシトニン、成長ホルモン。
表皮成長因子、心房性す) IJウム排泄増加ペプチド、血圧上昇剤、およびオ キシトシン)が包含される。
口腔粘膜に対し供給するための薬剤の例には、麻酔剤(例えば、ペンシカイン、 リドカインHCI 、ディクロニンHCI) ;および抗ウィルス剤または抗菌 剤(例えば、アマンタデイン11cI 、フルオロウラシル、ヨードウリジン、 ゲンタマイシン。
エリスロマイシン、セファロスポリンおよびテトラサイクリン)が包含される。
特に、水溶性でリポソーム透過性の薬剤に対し、以下の(1)。
(2)および(3)の利点を提供する=(1)保存中における比較的良好な安定 性、(2)高い薬剤容量、および(3)遊離の薬剤に対する。リポソームに捕捉 された薬剤の割合が高いこと。
リポソームペーストまたはリポソームフオームは、火傷した皮膚または損傷した 皮膚、眼球組織、および体腔内に塗布するのに、適当である。これらの場合には 、この物質の高い粘度が、この物質を塗布部位にて保持するのに役立つ。
70%までのカプセル化された水分量を有する。リポソームペーストを生成する 方法は、共有の特許出願[リポソーム濃縮物および方法J (1986年5月7 日出願)に記述されている。
この濃縮物は、好ましくは、リポソーム懸濁物質の連続再生を用いた限外濾過に より形成される。
リポソームフオームは1例えば、シェービングクリームのような美顔用フオーム に用いられるように、従来のツーチェンバ一式噴射デバイスを用いて、調製され 得る。ここで、一方のチェンバー内に含まれている重いリポソーム懸濁液は。
他方のチェンバー内に含まれている噴射剤ガスと混合される。
このガス化された混合物またはフオームは、帯電していないノズルを介して、噴 射放出圧力下にて放出される。米国特許第3、326.416号には、ツーチェ ンバ一式フオーム噴射デバイスが記載されている。このデバイスは、リポソーム フオームを生成させるのに、容易に用い得る。
D、固体マトリックス処方物 本発明の高い保持力を有するリポソームは、いくつかのタイプの固体マ) IJ ソックス持体内に埋め込むかまたはカプセル化することにより、これらのリポソ ームが急速に排出されたり分解されたりすることを防止するか、および/または これらのリポソームをマトリックスから粘膜組織領域へ徐々に放出させることが できる。あるタイプのマトリックスは、埋め込まれたリポソームを放出するため に1体腔内で溶融するかまたは溶解するように設計された座薬である。座薬用の 従来の材料および調製方法は、リポソームが約60℃以上の転移温度にさらされ ない限り、適当である。
生物学的に適合する重合体(例えば、コラーゲン、ポリリシン、ポリ乳酸、ポリ アクリル酸メチル、ポリウレタン、ポリグリコール酸、ヒドロキシプロピルセル ロース、寒天およびアガロース)もまた9本発明のリポソーム用の適当なバルク 担体である。架橋状および/またはゲル状で、これらの重合体を調製する方法は 公知である。これらの方法は、約60℃以上のリポソームの転移温度が回避され るという条件下で。
リポソームを混合するのに容易に適用され得る。これらの重合体の多く (例え ば、寒天、コラーゲンおよびポリウレタン)は、透過性の架橋構造で処方され得 る。この構造は9選択された速度で、マトリックスを介しておよびマトリックス から外にリポソームを移動させる。このタイプのマトリックスは。
体腔(ここでは、マトリックスは、長期間にわたって適当な位置に保持され得る )への薬剤供給に、または眼科での用途(ここでは、移植物は、透明なレンズな どの形態を取り得る)に適当である。ポリ乳酸エステルのような他の重合体組成 物は、生物分解性固体として、処方され得る。これらの重合体組成物は、長期の 重合体分解期間にわたって、捕捉された物質を徐々に放出する。このようなマト リックスは9口や胃でのリポソームの放出に適当である。これらの重合体組成物 のいくつか(例えば、ポリリシン)は、リポソーム懸濁液中で重合することによ り1個々のリポソームの周囲に重合体殻を形成して9例えば、胃での急速な分解 からリポソームを保護するような被覆を形成し得る。
上述のことから9種々の目的および特徴がどのように適合するかが認められ得る 。本発明のリポソームにより、リポソーム表面における高濃度で間隔をおいた正 電荷によって、粘膜表面に対する著しく高い結合力が得られる。リポソーム中に おける密に充填された脂質の配置により、さらに結合力の増大が達成される。リ ン脂質、ジグリセリドおよびコレステロール脂質の部分(これらは、リポソーム 膜に正電荷を固定する)は、固く結合され、そして一般的には、脂質二重層中の 密な充填に寄与している。これまで提案されたより小さな単一のアシル鎖成分と は異なり9本発明の誘導された成分は。
粘膜組織に対し高い結合力を得るのに必要とされるような比較的高濃度でも、毒 性を示さない。
これらのリポソームは、広範囲の薬剤または他の薬学試験(例えば、ビタミン、 ペプチド、酵素または酵素補因子など)を含有するように調製し得る。これらの 薬剤や試薬は、持続的な放出形態で、粘膜組織に有効に投与される。特に、捕捉 された薬剤を徐々に放出させ、かつ粘膜部位にリポソームが長期間保持されるよ うなリポソームの組合せにより、捕捉された薬剤を、数時間にわたり持続的に放 出させ得る。それと同時に、この組合せにより、遊離の薬剤が高濃度であること に関連した副作用を低減させつつ、比較的高い薬剤投与量が可能となる。
他の治療上の用途では、高い保持力を有するリポソームは。
涙の出ない目を治療するための重合体溶液に対し、いくつかの利点を与える。
これらのリポソームは1種々の薬剤供給小胞に、処方され得る。これには、最適 な方式で、粘膜組織にリポソームを供給するための、懸濁液、エアロゾル、ペー ストおよび固体マトリックス小胞が包含される。
以下の実施例は2本発明の高い保持力を有するリポソームの形成方法および使用 方法、そして眼球組織や他の粘膜組織上における結合特性を例示している。
材料 し−リジン、し−アルギニン、L−ヒスチジン、L−オルニチン、L−リンニル ーリシン、およびL−リンニルーリシニルーリシンは、シグマ(Sigma)ケ ミカルCo、(セントルイス、MO)から、−塩酸塩の形で得たニジーtert −ブチルジカーボネートは、アルドリッチ(Aldrich)ケミカルC00( メルクォーキー、W1)から得たニジシクロへキシルカルボジイミド(DCCI )は、アルドリッチケミカルCo、(メルクォーキー。
11i1)から得た:卵ホスファチジルエタノールアミン(卵PE)および卵ホ スファチジルコリン(卵PC)は、アバンティポーラーリピッズ(Avanti  Po1arLipid)、Inc、 (バーミンガム。
−ダイドは、シグマケミカルCo、 (セントルイス、MO)から得たニゲリシ ン、β−アラニン、4−アミノ酪酸、5−アミノ吉草酸、および6−アミノカプ ロン酸は、シグマケミカル[:0.(セントルイス、MO)から得た;N、N” −ビス−(3−アミノプロピル)−ピペラジンは、アルドリッチケミカルCo、 (メルクォーキー、 Ml)から得た;カリウムフタルイミドは、アルドリッチ ケミカルCo、 (メルクォーキー、 Wl)から得たニトリニトロベンゼンス ルホン酸(TNBS)は、アルドリッチケミカルCo、 (メルクォーキー、  Wl)から得た;シリカゲルTLCプレートは、J、T、ベーカーケミカルC0 1(フィリップスパーク。
NJ)から得た; Kieselge 160 (7(1−230メツシユ)は 、E、M。
サイエンスカンパニー(サンフランシスコ、 CA)かう得り;アルミナ(80 〜200メツシユ)は、フィッシャーサイエンフィテインク(スプリングフィー ルド、 NJ)から得た;水酸化アルミニウム被覆TLCプレートは、E、メル ク(Merck) (ダムシュタット、ドイツ)から得た;セライト545は、 J、T、ベーカーケミカルCo、 (フィリップスパーク、 NJ)から得た;  13io−Gel A 40 Mアガロースは、バイオラッド(Bio−Ra d) (リッチセント、 CA)から得た;そして、 Neo−Tears ” は、バーンズハインズ(Barnes−t−1ines) (7ウトビユー、C A)から得た。
(以下余白) 実施例I リシンから誘導されるPEの調製 A、t−BOC−リシンの調製 20m1のジオキサン中の、1.ONの水酸化ナトリウム20 mlの溶液に対 し、L−リジンの1.83g (10mmole)を加えた。この混合物を、リ シンハイドロクロライドが完全に溶解するまで撹拌し2次いで、温度が5℃に低 下するまで、水浴にて冷却した。得られた溶液に対し、温度を10℃未満に保ち つつ。
ジー第3級−ブチルジカーボネートの4.8 g (22mmole)をゆっく りと加えた。1/2時間後、この水浴を取り除き、室温にてさらに172時間撹 拌を続けた。
真空下にて、ジオキサンおよび多量の水を除去し、残留物を、 50m1の水中 に取り出した。ptlが2〜3になるまで、 NaH3O1水溶液を加えた。得 られたジー第3級−ブトキシカルボニル−リシン(tBOC−リシン)を、酢酸 エチル50m1ずつを用いて連続して3回抽出した。抽出物を合併し、 15m 1の水で洗浄し。
無水硫酸す) IJウムで乾燥し、そして真空下にて蒸発させて。
4.01gの無色のオイルを得た。シリカゲル被覆プレートでの薄層クロマトグ ラフィー(TLC)(CHCI、 、 co3oH,)+20を65: 25  : 4 (v/v)の割合で用い、ニンヒドリンで視覚化した)により、この生 成物は、主としてし=0.53の単一生成物から構成されることがわかった。
を、 15m1のり00ホルムに溶解し、 DCCIの660mg (3,2m mole )で処理した。2〜3分後に、ジシクロヘキシル尿素の結晶が分離し 始めた。次にこの反応混合物を、室温にて一晩にわたり、放置した。
この懸濁液を吸引濾過し、ジクロロヘキシル尿素を除去した。この濾過ケーキを 、数m】のクロロポルムで洗浄した。この洗浄液を濾液と合わせ、速やかにtB O(’−!7シンのPEアミドの調製に用いた。
シリカゲル被覆プレートを用いた几C(CHCI3 、 CH30)1 、 H 2を65 : 25 : 4 (v/v)の割合で用い、ニンヒドリンで視覚化 した)により、 R,= 0.62の顕著なスポットが示された。
全クロロホルム溶液(濾液)(これは、tBOC−IJレシン無水物を1.5  mmoleを越えない量で含有する)を、卵PE0900mg(1,21mmo le)およびトリエチルアミンの200 tt 1 (1,43mmole)に 加えた。この溶液を、室温にて18時間放置し9次いで、真空下にて、一定重量 となるまで蒸発させた。この残留物を。
10m1のクロロホルムに再溶解させ、リシンのPEアミドの調製に直接用いた 。
シリカゲル被覆TLCプレートを用いて、得られた溶液の薄層クロマドグ57  イ((1”Hc13 、 C)130H、)12[1を65:25:4(v/v )の割合で用い、ニンヒドリンで視覚化した)を行なうと、 R,=0.60で リンを含有するスポットが得られた。
実施例ICと同様に調製されたtB[lc−リシンの粗PHアミド(これは、せ いぜい1.5 mmoleの生成物を含有するにすぎない)を、 10m1のク ロロホルムに溶解させ1次いで、5rnlのトリフルオロ酢酸および54μm  (3,Ommole )の水で処理した。
少量の酸化アルミニウム沸騰微粒子を加え、この混合物を。
23℃にて1時間放置した。この間、気体が発生した。
真空下にて溶媒を除去し、残留物を、 35m1のクロロホルムおよび35m1 の酢酸エチルに再溶解した。pHが10に達するまで。
10パーセントの炭酸ナトリウムが加えられた。必要に応じて遠心分離により、 相分離がなされた。有機相を、5mlの水で洗浄した。真空下にて一定の重量ま で蒸発させたところ、粗し−リシンPE01.30gが得られた。
この粗し−リシンPEを、 10m1のクロロホルムに溶解し、そして21 m m x270 mlクロマトグラフィー吸着カラム(これは。
70〜230メツシユのKieselgel 60が充填されている)の頂部に 配置した。5%のメタノールを含むクロロホルム100m1で展開を行い、続い て、10%のメタノールを含むクロロホルム100m1 、20%のメタノール を含むクロロホルム200m1 、そして100%メタノール400m1で展開 した。カラム溶出液50m1を分取し、 TLC(CHCI3 、 CH3DH ,H2Oを65:25:4の割合で用いる)により分析した。ニンヒドリン反応 が陽性で、リン酸エステルを含有する分画(これらは、 R,=0.15〜0. 17で出液中に存在していた。
Pεアミド生成物の、計算されたリン酸エステル値および実験的に決定されたリ ン酸エステル値は、それぞれ、 12.76%および12.88%であった。
し−アルギニンの174mg (1,0mmole )を、ジオキサン:水の2 :1溶液の3mlに懸濁させた。次いで、この懸濁液に対し、1.ONの水酸化 す) IJウムの1mlを加えた。得られた透明の溶液を、水浴中にて冷却し、 撹拌しつつ、ジー第3級−ブチルジカーボネートの240B (1,1mmol e )で処理した。
172時間後、この水浴を取り除いた。室温にてさらに1時間撹拌を続けた。
真空下にて、ジオキサンを除去した。残留物を、1−ブタノールの5ml中に取 り出した。これに、硫酸水素ナトリウム1水和物138mg (1,0mmol e )を含むImI!の氷冷水溶液を加えた。
1−ブタノール相を分離し、続いて真空除去したところ、無色でもろく大部分が tBO(’アルギニンでなる290■の固形物を実施例nAで得られた粗tBO c−アルギニン290mgの全量を。
りooホルム7.5mlに溶解した卵PEの150mg (0,20mmole )に加えた。次いで、この溶液に対し、 DCCIの290mg (1,41m mole)およびトリエチルアミン168μl (121mmole )を加え た。
次に、この溶液を、窒素の乾燥気流下にて、 0.8mlの容量にまで蒸発させ て、室温にて、−晩反応させた。
シリカゲル被覆プレートでの且Cクロマトグラフィー(これは、 Cl1C13 ,CI(3DH,H2Oを65 : 25 : 4 (v/v)の割合 で用い る)によれば、 R,=0.61でリン酸エステルを含有する主スポットが得ら れた。
C,L−アルギニル卵PEの調製 実施例I[Bで得られたtBOc−アルギニンの卵PEアミドのクロロホルム溶 液を、 2.Omlのクロロホルムおよび0.7mlのトリフルオロ酢酸および 18μmの水(l mmole)で希釈し、そして室温にて1時間放置した。
この期間の最終時点にて、5mlのクロロホルム、および無水炭酸ナトリウム8 00mg <7.55 mmole)の水(5ml)溶液をゆっくりと加え9次 いで、二酸化炭素の発生がおさまった後。
振とうした。遠心分離により相分離し9等容量のクロロホルムにより、水相を2 回再抽出した。
この合わせられたクロロホルム抽出物を、無水硫酸す)IJウムで乾燥し、そし て10 mm X240 mmクロマトグラフィー吸着カラム(これは、70〜 230メツシユのKieselgel 60で充填されている)の頂部に配置し た。
このカラムに、100%クロロホルム50m1.10%メタノールを含有スるク ロロホルム50m1.20%メタノールを含有するクロoホルA30m1,4Q %メタノールを含有するクロロポルム50rnl。
および100%メタノール10’Omlを順次流して、展開した。溶出液の20 m lを採取し、シリカゲル被覆プレートでのTLC(展開溶媒として、 CH Cl3 、 Ctl、[lH、H2Oヲ65: 25: 4 (v/v) (0 割合で用いる)により9分析した。Rrが約0.17で、リン酸エステルを含有 しニンヒドリン反応が陽性の分画を合併した。
乾燥するまで蒸発させることにより、無色のワックス状物質的9mgが得られた 。
PEアミド生成物について、計算されたリン酸エステル値。
および実験的に決定されたリン酸エステル値は、それぞれ。
10、56%および9.9%であった。
この章は、異なる鎖長のアミノ酸の5種のコレステロールエステルの調製を記述 している。この5種のエステルは、以下で示される一般式を有し9n=1〜5の 化合物が包含される。
すなわち、この化合物では、コレステロールヒドロキシル酸素を末端アミン基か ら分離するスペーサーアームの長さは。
2〜6炭素原子である: (以下余白) 一般に、このエステルは、以下の(A) 、(B) 、 (C)および(D)の 工程により、形成される:(A)対応するアミノ酸のNを保護すること、(B) この保護されたアミノ酸の無水物を形成すること、(C)この水素化物をコレス テロールと反応させて、対応するコレステロールエステルを形成すること、およ び(D)最終生成物を形成するべく、このエステルを脱保護すること。これらの 各工程は、3−アミノプロピオン酸のコレステロールエステル(n=2) (D 合成に関連して、以下に例示されている。5つの化合物の全てに対する反応物の 量や生成物の特徴は、n=2の化合物に関連した特定の詳細に沿って、説明され る。
ような、 tert−ブトキシカルボニルアミノ酸の一般的な調製に従う。
β−アラニンの4.45gm (50mmole)を、IN水酸化ナトリウム5 0m1.水50m1およびジオキサン100m1の混合物にて、溶解させた。得 られた溶液(これは、水浴中で冷却された)に対し、10℃にて撹拌しつつ、ジ ー第3級−ブチルジカーボネートの12.0gm (55mmole)を加えた 。この反応混合物の温度が5℃まで低下したとき、水浴を取り除き、そして室温 での撹拌をさらに1時間続けた。
減圧下にて溶媒を除去し、そして残留物を水浴にて冷却した。pHが2.5に低 下するまで、硫酸水素ナトリウムの10%水溶液を加えた。得られたオイルを、 酢酸エチル50m1ずつで3回抽出した。この酢酸エチルの抽出物を合併し、5 mlの水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空下にて一定重量 にまで蒸発させた。
この生成物(淡黄色のオイル)は、最終的には固化し、78〜79℃で融解する 無色の結晶7.35gmが生じた。収量は約78%であった。5i02被覆プレ ートでの几C(展開溶媒として、 CHCl、 。
CH,OH、H2Oを65:25:4の比で用い、そして視覚化のために加熱ニ ンヒドリンを用いる)では、 tBOcプロピオン酸は。
R,=0.62の青紫色のスポットとして現れた。
以下の表1では、全てのn=1〜5の化合物について、対応する分子量、出発物 質の量、収量、シリカゲル上でのR7値(これは、 CHCl3. C)130 H、H2O(65: 25 : 4 )で展開された)。
およびニンヒドリンの存在下で加熱したときの色が示されている。
(以下余白) 表I n 1 2 3 4 5 分子量 ?5.05 89.09 103.1 11?、2 131.25 m moleに対するmg 375 445 516 586 656粗tBOc酸 (mg’) 770 860 880 950 920Rf O,500,62 0,660,710,78ニンヒドリン反応の色 ピンク 青紫色 紫色 暗紫 色 茶色実施例■で得られたt−BDC−プロピオン酸の7.35gm (39 rnmole)を、 50m1のクロロホルムに溶解させた。得られた溶液に対 し。
DCCIの4.2gm (20,36mmole)を加えた。はとんどスクニシ シクロヘキシル尿素が分離し始めた。
23℃で2時間放置した後、この反応混合物を吸引濾過し。
副生成物のジシクロヘキシル尿素を除去した。濾過ケーキを。
10m1のクロロホルムで洗浄し、洗浄液を濾液と合併した。濾液を、減圧下に て乾燥するまで蒸発させると、無色で粘性のあるオイル9.41gmが得られた 。
シリカゲルTLCプレート(展開溶媒として、 (:HCl3.CH30H。
R20を65:25:4の割合で用い、そして視覚化のために加熱ニンヒドリン を用いる)にてクロマトグラフを行ったとき。
3−tBOc−アミノプロピオン酸無水物の生成物は、 R,=0.84でライ ラック色のスポットとして現れた。
以下の表■では、全てのn=1〜5化合物に対し、対応する収量; CHCl3 . CH30tl 、 R20が65:25:4で展開されたシリカゲル上のR 1値:およびニンヒドリンの存在下にて加熱されるときの色が示される。
表■ Rf O,500,840,840,850,85実施例IIIBで得られた粗 無水物の9.41gm (19,5n++++oleを越えない量)、およびコ レステロールの7.7gm (19,9mmole) 。
および20m1ピリジンを、6分間にわたり100 t:に加熱し1次いで、室 温まで自然に冷却させた。
真空下にてピリジンを蒸発させて、ピリジンで臭のある無色の結晶22.2gm が得られた。この結晶は、主として、 t−BOC−プロピオン酸のコレステロ ールエステルから構成されていた。
シリカゲル被覆TLCプレート(50%シクロヘキサン−50%酢酸エチルを展 開溶媒として用い、そして視覚化のために50%エタノール性硫酸で噴霧して加 熱される)にて、この生成物の薄層クロマトグラフィーを行い、 R,=0.6 6で赤色のスポットが得られた。
表■は、対応する収量、シクロヘキサン:酢酸エチルがCIで展開されたシリカ ゲルプレート上でのR1値、および硫酸存在下で加熱したときの色を示す。
500mgのコレステロール 1.6201.5281,4671.5771. 468から得られた粗生成物mg 3−tBOc−アミノプロピオン酸の粗コレステロールエステルの22.2gm を、 20m1のクロロホルムに溶解させた。これに対し。
少量の酸化アルミニウム沸騰チップと共に、トリフルオロ酢酸201111およ び水4rnlを加えた。この混合物を、23℃にて2時間放置し1次いで、真空 下にて乾燥状態まで蒸発させて、シロップ35gmを得た。
このシロップを、 100m1クロロホルムに再溶解させ、pHが10に上昇す るまで10%炭酸す)IJウム水溶液で充分に振とうした。得られた濃縮物を、 セライト545で被覆したフィルターにより吸引濾過して、懸濁している固体の ほとんどを除去した。
濾液の水相からクロロホルムを分離し、この水相を、 100+nlクロロホル ムで再抽出した。このクロロホルム相を合併し。
10%のNa5COsの20m lで洗浄し、そして乾燥状態まで蒸発させて、 白色ペースト15.2gmを得た。
100%クロロホルム、5%メタノールを含有するクロロホルムおよび10%メ タノールを含有するクロロホルムで連続的に洗浄することにより、シリカゲルカ ラムでこのペーストのクロマトグラフィーを行った。溶出液の両分を、 5in 2被覆プレートでのTLC(展開剤溶媒としてCHCl、 、 CH3011、 820を65:25:4で用いる)により9分析した。硫酸を噴霧しておだやか に加熱したとき、所望の生成物は、青緑色のスポットとして現れた。しは約0. 30であった。このクロマトグラフィーのカラム溶出液(これは、所望生成物だ けを含有する)を合わせて、乾燥状態まで蒸発させると、−20℃で固化する無 色のオイルが7.0gm得られた。この収量は、 15.3 mmoleまたは 約77%(最初に加えられたコレステロールの量を基準にして)であった。
以下の表■は、対応する収量、 C)l[l’1. :C)1.0)1 :R2 0(65:25:4)で展開されるときのシリカゲル上のRf値、およびニンヒ ドリンかH2SO,かいずれかの存在下で加熱されるときの色を示す。
(以下余白) 表■ R,0,650,300,590,590,55ニンヒドリン反応の色 橙黄色  青緑色 暗紫色 紫 紫)+2sO4を用いたときの色 赤色 赤色 赤色  赤色 赤色A、ピペラジンで連結されたコレステロールアミンコレステリルヨー ダイトの99.3mg (0,20mmole)およびN。
No−ビス−(3−アミノプロピル)−ピペラジンの400mg (2,0Ho le )を、 2.0mlジメチルスルホキシドに加えた。この懸濁液を、12 0℃まで加熱した油浴中にて、窒素雰囲気下で4時間放置した。室温まで冷却後 、2容量の水を加えて、この混合物を2倍容量のトルエンで連続して3回抽出し た。このトルエン抽出物を合わせて、乾燥状態まで蒸発させて、黄色がかったオ イル77mgを得た。
オイルの全量を、 1010mmX250のクロマトグラフィー吸着カラム(こ れは、80〜200メツシユのアルミナで充填されている)の頂部に配置した。
10%メタノールを含む塩化メチレン50m1を用い、続いて、20%メタノー ルを含む塩化メチレン50m1を用いて、展開がなされた。溶出液を10m1ず つ集めた。
この生成物は、10%メタノールを含有する塩化メチレン溶出液中に、主として 含有されていた。
減圧下にて乾燥状態まで蒸発させて、淡黄色のワックス様生成物10.0mgが 得られた。
水酸化アルミニウム被覆プレートでの且C(展開溶媒としてC)IC1,、CH 30H、t120を65 : 25 : 4 (v/v)の割合で用いる)によ り、 R,=0.20の生成物のスポットが得られた。このスポットは、典型的 な脂質のように12蒸気を吸収し、そしてニンヒドリンとの反応に供されて、鋼 板様の灰色を呈した。硫酸を用いて暖めたところ、このスポットは赤色となった 。
コレステリルヨーダイト198.6mg (0,40mmole) 、およびカ リウムフタルイミド148.2mg (0,80mmole)を、 2.0ml のジメチルスルホキシドに加えた。この混合物を、乾怪窒素雰囲気下にて、10 0℃1時間で加熱した。室温まで冷却後、 pHが3または4と低くなるように 、充分な量のIN塩酸と共に。
等容量の水を加えた。この混合物を、トルエン5mlずつの連続して8回で抽出 した。このトルエン抽出物を合わせて、減圧下で蒸発させ、粗製の結晶性物質1 00mgを得た。
N−エピ−コレステリルフタルイミド生成物を精製するために、この生成物を、 IN水酸化ナトリウムメタノール溶液10m1に取り出し、還流状態にて4時間 加熱し、そして2mlの水中に取り出した。塩化メチレンに抽出して、無水硫酸 ナトリウムで乾燥した後、得られた溶液を、1cmx25cmクロマトグラフィ ー吸着カラム(これは、80〜200メツシユのアルミナで充填されている)上 に配置した。
塩化メチレン50m lを用い、続いて、5%メタノールを含む塩化メチレン5 0m1により9次いで、10%メタノールを含む塩化メチレン50m1を用いて 、クロマトグラフィーで連続的に展開した。溶出液を20m1ずつ分取した。集 められた溶出液の第2の部分の蒸発により、シリカゲルプレートの几C(50% 酢酸エチル150%シクロヘキサンで展開された)では、まだ不純な物質10m gが得られた。
再びクロマトグラフィーにかけ、 50m1塩化メチレンを用い。
続いて、5%メタノールを含む塩化メチレン50m1により4次いで、10%メ タノールを含む塩化メチレン50m lを用いて、連続的に展開した。溶出液を 20m1ずつ分取した。集められた溶出液の第2の部分の蒸発により、シリカゲ ルプレートの且C(これは、50%酢酸エチル150%シクロヘキサンで展開さ れた)では、まだ不純な物質10mgが得られた。
30〜60°の石油エーテル50m1を用い、続いて、50%石油エーテルと5 0%塩化メチレンとの混合溶媒50m lにより9次いで。
塩化メチレン(これにより9分離がなされる) 50m1を用いて。
Al2O3にて再クロマトグラフィーを行なうことにより、100%塩化メチレ ンで溶出された最初の試料中に、所望のアミンが得られた。蒸発により、無色の オイル5mgが得られた。これは1本質的に純粋な、5−コレスタン−3−エピ −アミンであった。
シリカゲルプレートでの且C(展開溶媒として、50%酢酸エチル−50%シク ロヘキサンを用いる)により、 R,=0.65で単一のスポットが得られた。
このプレートを硫酸で噴霧したところ、このスポットは、穏やかに暖めるとすぐ に、青色に変わった。
(以下余白) 実施例■ この実施例は、以下の代表的な脂質組成物を用いる。逆相蒸発小胞(REV)  、多重ラメラ小胞(MLV)および小さな単ラメラ小胞(Sllν)の調製を記 述している:この脂質組成物は、卵PCを30モルパーセント、コレステロール を40モルパーセント。
そしてリシンの卵Pεアミドを30モルパーセントの割合で含有1モルパーセン トのα−トコフェノールを含有する上記脂質組成物の合計8mgを、ジエチルエ ーテルの1mlに溶解させた。13mMのリン酸塩、 140mMのNaC1を 含有する水性緩衝液(pHは7.4)を、 1.3mlの最終容量となるまで有 機溶媒に加えた。
溶液温度を室温またはそれ以下に維持しつつ、この混合物を。
音波により1分間乳化させた。室温にて、減圧下でエーテル溶媒を除去した。得 られたゲルを、上記緩衝液の1ml中に取り出し、激しく振とうした。得られた REV 9濁液は、顕微鏡で調べるき、約0.1 ミクロンと20ミクロンの間 の粒子サイズを有していた。これは、主として、1つまたはせいぜい数層の二重 層ラメラを有する。比較的大きな(1ミクロンより大きな)小胞から構成されて いた。
B、 MLV 上の脂質成分の総量93gを、1モルパーセントのα−トコフェノールと共に、 第3級ブタノール500m lに溶解させた。
この溶解した脂質を凍結乾煙し1次いで、この脂質薄膜に対し、生理食塩水緩衝 液(これは、リン酸塩13mM、 NaC1140mM 。
EDTAo、 02%を含有し、pHは7.4である)の1リツトルを加えた。
2時間かけて穏やかに振盪することにより、 MLVが形成された。このMLV を調べると、約0.05ミクロンと20ミクロンとの間の不均質なサイズを有す ることが示され、そして多層構造が支配的であることが示された。
c、suv 上記で得られたMLV v濁液の約1リツトルを、約9000 psiの圧力( これは、推奨される最適の操作圧力である)にて。
ガーリン((、aulin)ホモジナイザー、モデル15M (エベレット。
MA)に循環させた。何回もの循環後、サンプルを採取し、ダイナミックレーザ ー粒子ふるいにより粒子サイズを分析した。
分子ふるいクロマトグラフィー(これは、2%アガロースゲル(Bio −Ge l A 40!J )カラムを用いる)により1粒子サイズの分散もまた試験さ れた。カラムから溶出される脂質リンの様相は、大きな多重ラメラ小胞(これは 、ボイドボリュームに含有されている)から、小さな享ラメラ小胞(これは。
カラムに保持され、約0.08ミクロンと0.04ミクロンとの間のブロードな ピークとして溶出される)への変化を反映している。
脂質懸濁液がホモジナイザーにより循環されるにつれ、この小胞の平均粒子サイ ズは9次第に低下する。カラム溶出の様相に基づいて、約60%、75%、87 %および90%のMLVは。
ソfLソn、 10.20.30および50回の移送により、5UV(約0.0 6ミクロンを越えない)に変換された。この最終調製物は、良好な光学的透明性 を示した。
超高圧のホモジナイザー(フレンチプレッシャーセルホモジナイザー、 Mod el J4−3338 、 SLM−Aminco、ウルバナ、イリノイ)にて 、同様の;札v懸濁液をホモジナイズし、約20.000psiの圧力で操作し たとき、より小さなリポソームおよび良好な光学的透明性が得られた。カラム溶 出により、わずかに約5%の脂質小胞だけが、 MLVからSUVに完全に変換 されていないことが示された。
30モルパーセントのPC,40モルパーセントのコレステロールおよび30モ ルパーセントのリンニルPR(組成物1)、または70モルパーセントのPCお よび30モルパーセントのコレステリルβ−アラニンを含有するREVを、実施 例■と同様に調製した。リポソームの調製に用いられる水性媒体は、14Cスク ロースを含有しており、カプセル化された14eスクロースを有するREVを生 じた。この小胞は、遠心分離で洗浄すると。
遊離の14cスクロースが含まれなくなうfこ〇捕捉されたスクロースを含有す る。この洗浄されたリポソームは、生理食塩水衝液に再懸濁され、そして室温で 4時間にわたってインキュベートされた。放出されたスクロースの量は、インキ ュベーション期間にわたり、1時間ごとに測定された。両方のリポソーム組成物 について、4時間後に測定された遊離スクロースの量は、捕捉されたスクロース ′の全量の約10%であった。このことは、このリポソームが、低分子量の分子 のカプセル化については、全く安定なことを示しpc、 オよヒPEの10モル パーセントまたは20モルパーセントのいずれか、リンニルPEまたはりシニル 〜リンニルPEを含有するSUvは、実施例■と同様に調製された。各SUV調 製物の懸濁液は、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)、 膜不透過性の 化合物(これは、アミン基と反応して9分光光度法で決定され得るような黄色の 物質を形成する)でインキュベ−1・された。自然のままのリポソームでの発色 量を、このリポリンの割合(パーセント)は、数量化され得る。この結果は。
各調製物の平均および範囲(括弧内)として表現され、以下の表Vに示される。
(以下余白) 表V 表■に示されるように、アミノ基の約58%および54%は。
それぞれ、 PEの10 mole%および20 mole%を含有するリポソ ームの外部層上に現れた。これらの値は、 25 nmの直径を有する単層の小 胞について、外部単層と内部単層との間(およそ、60%対40%)のリン脂質 の理論的な分布にほぼ一致する。PEをIQ mole%のりシンPH(1分子 あたり1つの正味の正電荷を有する)で置き換えると、アミノ基の類似の分布( 外部層では58%)が得られた。リンニルPEの濃度が20 mole%にまで 増加させるか、またはりシンリンニルPE(1分子あたり2つの正味の正電荷を 有する)の10 mole%を用いることにより、外部表面にさらされたアミノ 基が、より高い割合(76%)となった。20 mole%のりシンリンニルP Hの場合には。
約92%のアミノ基が、外部表面にて見いだされた。
40モルパーセントのコレステロール、 10.20.30マタハ40モルパー セントのいずれかのリンニル卵PH(実施例■で得られた)、および残りのモル パーセントの卵PCを含有するリポソームが、実施例Vと同様に調製された。対 照SUVは、コレステロールおよび卵PCを、40:60のモル比で含有してい た。
全調製物は、 100 r+n+olの脂質あたり12’ l−PEを、約10 5カウント(1分間あたり) (CPIわの割合でで含有していた。リポソーム 調製物の最終濃度は、約10μmole脂質/mlであった。
兎の目にて、シンチレーションプローブ方法を用いて、インビボでの眼球による 保持の研究が行われた。各実験では。
約100 nmoleの脂質および1105cpの+25 I標識PEを含有す るリポソームの10μlを、兎の目に適用した。目の上に配置されたTプローブ を用いて、保持率を評価した。このプローブをプレキシグラススリーブホールダ ーに固定することにより。
目とプローブとの間を2cmの一定間隔とした。1/8インチ厚の鉛隔壁を、兎 の涙を分泌する器官の涙液鼻腔領域に置いた。
この隔壁は、鼻涙領域に排出される放射性物質を、効果的に遮断する。保持時間 は、他に指示されていない限り、1時間にわたって追跡された。チャートの記録 から、ピークの高さ保持率(%)は、最初の10μl試料の1分間あたりのカウ ント数(CPM)に基づいて、計算された。
保持割合は、2. 5.10.15.30.30.45および60分間で。
測定された。5つのS[IV調製物の保持時間は、第1図に示される。全ての値 は、4つの兎の目の測定値の平均を表す。この図かられかるように、 PCSU V (黒い四角)は保持性が悪く。
1時間以内に約5%未満にまで低下した。このPEグリシルSUVは、10モル パーセント(白い丸)から、20モルパーセント(白い三角) 、 30モルパ ーセント(白い四角)、40モルパーセント(黒い丸)へと進むにつれて、リン ニルPEの保持レベルが増加することを示している。この場合、1時間の保持率 は。
最初のCPMの約45%である。
40モルパーセントのクシニルPEリポソームの保持率は、1時間ごとに5時間 にわたって同様に測定された。このデータは、3時間以内に、リポソームカウン ト数が約20%にまで。
徐々に低下することを示している。その後、3時間と5時間の間では、わずかに 20%以下を下まわる値にまで非常にゆっくりした低下を示す。
第2の研究では、 SUV中のりシニルーリンニルPHの量を増していったとき の眼球による保持率の影響が調べられた。4つのSuv調製物をしらべると、り 0モルパーセントのコレステロール、 10.20マたは30モルパーセントの りシニルーリンニルPE、およびの卵P噴りの匍が含有されていた。対照(これ は、コレステロールおよび卵PEを40 : 600モル比で含有する)は、上 のものと同様である。上と同様にして、100μl (約100 nmole  )のリポソームを兎の目に適用することにより。
そして投与後、γカウンターにより、5分間隔で残留カウント数を測定すること により、調べられた。結果を第2図に示す。ここでは、対照は黒い四角により示 され、そして10.20および30モルパーセントのりシニルーリンニルPEを 有するSUVは、それぞれ、白い丸、黒い三角および白い四角で示される。上の 結果と一致して、二重に帯電したPEの量を増すと。
保持率が増大した。一般に、そして特に二重Jこ帯電した20 mole%リポ ソームについての保持時間は、単一帯電のPE SUVの対応する濃度について の保持時間により、著しく高かった。
コレステロールを含有するかまたは含有しないリンニルPEか、またはコレステ ロールを含有するかまたは含有しないリシンリンニルPEのいずれかを含有する 。4つのSUv調製物を。
眼球による保持に関して試験した。この組成物は、以下の(1)。
(2)、(3)および(4)であった:(1)卵PC:リンニルPEが80:  20ノ組1ffl物、(2)卵PC:リンニルPE:コレステロールが。
40 : 20 : 40の組成物、(3)卵PC:リンンリシニルPEが80  : 20の組成物、および(4)卵PC:リンンリシニルPE:コレステロー ルが40 : 20 : 40の組成物。このSUVは、実施例Vと同様にして 調製され、そして実施例νIllと同様にして、眼球による保持について試験さ れた。
この結果は第3図に示される。黒い丸は、それぞれ、リンニルおよびリシンリン ニルPHを有するコレステロールのないリンニルPE (白い三角)に対し、4 0モルパーセントのコレスチロールを添加すると、いずれの場合にも、眼球によ る1時間後の保持率が265倍に増加した。
30モルパーセントの卵PC,40モルパーセントの卵PEおよび以下の(a)  、(b) 、(c)または(d)の30モルパーセントを含有する4つのSU V調製物を調製した=(a)グリシンのコレステリルエステル、(b)β−アラ ニンのコレステリルエステル。
(C) ε−アミノカプロン酸のコレステリルエステル、および(d)コレステ ロール(対照)。実施例■にて示されるコレステリルエステル構造を参照すると 4組成物(a) 、(b)および(C)のnの値は、それぞれ、1. 2$よび 〉3である。この組成物は、実施例■と同様にして調製され、そして実施例Vl 11と同様にして眼球による保持が試験された。
この結果は第4図に示される。これかられかるように、グリシンエステルは、対 照5IIV (黒い四角)よりわずかに高い保持率を与えるにすぎなかった。対 照的に、β−アラニンおよびε−アミノカプロン酸エステルの両方は、1時間後 に約40%という高い保持率が得られた。これは、第1図および第3図にて、誘 導されていないコレステロール成分およびリシンから誘導されたPE成分を有す るSUVについての高い保持率に匹敵する。
第2の試験では、 80モルパーセントのPCおよび以下(7)(a) 。
(b)または(c)のいずれかを含有するS’UVが、実施例■と同様にして調 製された: (a)20モ)レバーセントのコレステリルアミン(実施例III ) 、(b)20モルパーセントのコレステリルの調製物の眼球による保持は、 上のように決定された。第5図かられかるように、この結果は、以下のことを示 している:すなわち、コレステロールピペラジン成分は、1時間後にて。
対照のコレステロールSUVよりも少なくとも約10倍の保持率の増大が得られ るが、コレステリルアミンは、わずかニ保持率が増大するにすぎない。
実施例XI 4四逆捜町遅竺り通二粗」3監すJ 最初の研究では、卵PC:UシニルPEを80 : 20で含有する5UvI  を、リン酸塩緩衝液(対照)、または0.8%ヒドロキシエチルセルロースおよ び0.2%ポリビニルアルコールを含有する重合体溶液のいずれかの等容量と混 合した。両方の組成物は。
1時間後、標識された脂質のカウント数で約20%の保持率を示した。このこと は、この重合体が、非コレステロールsUvにおいて、眼球による保持の点で非 常にわずかな改良しか与えないことを示す。
第2の研究では、40モルパーセントの卵PC,40モルパーセントのコレステ ロール、およびリンニルPEまたはりシンリンニルPHのいずれかの20モルパ ーセントから構成されるsUvを。
重合体溶液のリン酸エステル緩衝液のいずれかと混合した。
4つの調製物を、実施例Vlllと同様にして眼球による保持率について試験し た。この結果を第5図に示す。対照のリンニルPE 5IJV (黒い丸)につ いては、最低の保持率が認められた。
リンニルPE SUV (白い丸)に重合体溶液を添加すると、1時間後に、保 持率がほぼ2倍に増大する。対照のりシンリンニルPE SUV (黒い三角) では、リシンPE調製物のいずれかよりも実質的に高い保持率が得られた。保持 率は1重合体の存在により、さらに高められた。2つの研究の比較により、以下 のことが示される:(a)重合体は、アミンから誘導されたリポソームの眼球結 合力を高める。そして(b)この増大には。
リポソーム中におけるコレステロールの存在が必要である。
第3の研究では、リンニルPE (20モルパーセントまたは30モルパーセン ト)またはりシンリンニルPE (10モルパーセントまたは20モルパーセン ト)のいずれかを含有するSUvの眼球による保持率に関し、 Neo−Tea rsTM(市販の眼科用重合体溶液)の影響について試験された。対照の調製物 は、20モルパーセントのPEを含有していた。このSUVは、全て、40モル パーセントのコレステロールおよび卵PC轄りの割合)を含有していた。この重 合体溶液を、各SUV調製物の等容量と混合した。
重合体/SUV調製物の1時間にわたる眼球による保持率は。
第6図に示される。2つの低い保持率曲線は2重合体を有する対照5IIV ( 黒い四角)および重合体を有しない対照りUV <白い四角)についての曲線で ある。それゆえ、この重合体により、たとえ帯電の効果がなくても、ある程度の 改良が得られる。2つのリンニルPE SUVは、白い丸および黒い丸によって 示される保持率のプロット(それぞれ、 20モルパーセントおよび30モルパ ーセントのリンニルPE)を与えた。2つのりシンリンニルPHSUVは、白い 三角および黒い三角によって示される保持率プロット(それぞれ、 10モルパ ーセントおよび20モルパーセントのりシンリンニルPE)を与えた。Neo− TearsにおけるリンニルSUV ′J6よびリシンリンニルSUVの保持率 値と1重合体を添加していないものとの比較では(第1図および第2図)、この 重合体溶液が、アミンから誘導されたsUvの保持率を高めることが示される。
この項では2種々の粘膜組織に対するリシンリンニルPH3Uvの結合力が比較 されている。このリシンーリンニルがら誘導されたSuvの保持率が、帯電して いないsUvの保持率。
およびステアリルアミンを含有するsuvの保持率と比較される。初期の独自の 研究により、ステアリルアミンを含有するSUvが、対照の非荷電のsUvより も、わずかに増大した眼球結合力を与えるにすぎないことが示された。これら3 つのSUV調製物は、(a)PC: :]レスチロール: a−T (59:4 0: 1); (b)PC: ステア1Jルアミ7 : a−T (39:20 :40: 1) ;および(c)PC:リシンリレニルPE:コレステロール( 39: 20:40:1)であった。これらの3つの調製物は、それぞれ。
放射活性マーカーとして、”’ −I PEのほぼ同じ特異活性を含有していた 。
A0組織調製の方法 250g〜300gの体重のメスのSprague Dawleyラットを用い た。食道、気管、胃、小腸、大腸の直腸を解剖し切断した。
この組織を、イーグルの基本培地(BME) (これは、ペニシリンおよびスト レプトマイシン、1%ウシ胎児血清および10mrnヘルペス緩衝液で補足され た)で洗浄した。円柱状の組織を。
長方形の断片に開いた。
B0組織の付着性試験 この組織断片を、ガーゼ状のパッドに配置し、”’−I−PE−リポソーム試料 の20μlを、この試料が組織の裏側には全く接触しないように、管腔側に散布 した。1分〜数分後に、この試料をサイフオンで吸い上げた。BME培地を用い て、粘膜組織を一度洗浄した。サイフオンにより洗浄培地を除去した。
この組織を、細いピンセットにより穏やかに取り出し、上で記述のように補足B ME培地の各6mlで、3回洗浄した。次いで、この組織断片を +25 Iに ついてカウントした。カウント後、この組織断片を乾燥し9重量を測定した。こ の125 Iのカウント数は9次いで、各タイプの組織との比較のために。
100mg組織に標準化された。付着性を決定するために、同様の組織の少なく とも3つの断片が用いられた。
C,インキュベーション時間 モデルとして小腸を用い、試験リポソームの最小のインキュベーション時間を決 定した。小腸の試料3個が用いられた。
室温にて、上で記述のように、リシンリンニルーPE SUνの付着性が試験さ れた。用いられた全リポソーム試料は、 13.000cpm/20μ】であっ た。この結果を表■に示す。
表V インキュベーション 平均付着性 付着力%時間(分) 放射活性±S、D、  ±S、 D。
(cpm/mg 組織Wt、) このデータにより、インビトロでの付着性を決定するには。
1分間のインキュベーションで充分なことが示された。インキュベーション時間 が長くなるほど、付着性の程度は低くなり、そしておそらく、粘膜表面でのリポ ソームの部分的な分解により、より多くの変化が生じる。短いインキュベーショ ン時間で操作するのが困難なため、短いインキュベーション時間では試験がなさ れなかった。
D、異なる粘膜に対するリポソームの付着性の研究およそ等しい脂質濃度および 放射活性カウント数の、中性のステアリルアミンリポソームおよび1ys−1y s−PEリポソームを、気管1食道、胃、小腸および直腸の組織試料とインキュ ベートした。相対的な付着性(%)を9表Vlに表した。
表v1 正に帯電したリポソーム調製物の両方は、中性のリポソームの付着性と比較して 、はとんどのタイプの粘膜組織に対し。
付着力の増大を示した。Lys−1ys−PE !Jボソームは、気管9食道お よび小腸に対し、2倍の割合の付着力を示し、そして胃や直腸に対しては、ステ アリルアミンを含有するリポソームと比較して、付着力の増大が有意に低かった 。
この発明を実施するための用途および方法は、ここで記述されているものの、こ の発明をはずれることなく9種々の変形や改良がなされ得ることは明らかである 。
国際調査報告 J力合衆国 カリフォルニア 94306 ノ(ロ アルド、ブライ7 ストリ ート 3127

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.粘膜組織に対する結合力を増大させるために設計されたリポソーム組成物で あって,該組成物はリポソームを包含し,各リポソームは,以下の(a)および (b)を含有する外部脂質層を有する: (a)中性の小胞形成脂質成分を約40〜80モルパーセントの間,そして (b)以下の(i),(ii),(iii)および(iv)を有する,正に帯電 した小胞形成脂質成分を約20〜60モルパーセントの間:(i)3〜4個の炭 素骨格上に備えられた2つの脂肪族鎖,(ii)脂肪族鎖を備えていない炭素原 子にて,該骨格に結合された極性原子,(iii)少なくとも3原子長のスペー サーを介して,該極性原子に連結されたアミン,および(iv)正味の正電荷。
  2. 2.請求の範囲第1項に記載の組成物であって,前記正に帯電した脂質成分が, 次式の誘導されたリン脂質である:▲数式、化学式、表等があります▼ ここで,PE−NH2はホスファチジルエタノールアミン,そしてCO2−Y− NH2は,塩基性アミノ酸,または以下からなる群から選択される塩基性アミノ 酸を含有するペプチドである;リシン,アルギニン,ヒスチジン,オルニチン, およびこれらの塩基性アミノ酸の1種を含むペプチド。
  3. 3.請求の範囲第1項に記載の組成物であって,該組成物は,以下の(a)およ び/または(b)を含有することにより,比較的閉じて充填される脂質構造を有 する:(a)コレステロールまたはコレステロール類似物またはアミン誘導体の 約20〜50モルパーセントの間,そして(b)リン脂質成分中の主として飽和 の脂肪族鎖。
  4. 4.請求の範囲第1項に記載の組成物であって,ここで,該組成物は,さらに, 以下のコレステロール誘導体を含有する:このコレステロール誘導体は,少なく とも3原子長の炭素含有スペーサーアームを介して,6員環のコレステロールA 環に連結されたアミン基を有し,そして前記外部のリボソーム層にて,正に帯電 した小胞を形成する脂質成分の全モルパーセントが,約20〜60モルパーセン トの間である。
  5. 5.請求の範囲第4項に記載の組成物であって,前記誘導されたコレステロール が,以下の(a)および(b)の形状を有する: (a)Ch−O−C−Y−NH2, ここで,Ch−OHはコレステロールであり,そしてYは少なくとも2原子長を 有する炭素含有鎖であり,(b)Ch−NH−Y−NH2, ここで,Ch−NH2はコレステロール−3−アミンであり,そしてYは少なく とも2原子長を有する炭素含有鎖である。
  6. 6.目の角膜表面に前記リポソームを適用することにより,眼病を治療する際に 用いられる請求の範囲第1項に記載の組成物であって,該リボソームが高い粘性 の重合体を含有する水性媒体に懸濁されている。
  7. 7.請求の範囲第6項に記載の組成物であって,前記重合体は,ヒドロキシエチ ルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,ポリビニルアルコールおよびN eo−TearSTMからなる群から選択される,。
  8. 8.体腔表面に沿った粘膜組織に対し薬剤を投与する際に用いられる請求の範囲 第1項に記載の組成物であって,前記リボソームが,重合体基質にて処方される 。
  9. 9.非眼科系の粘膜組織に対し薬学上の試薬を投与する際に用いられる請求の範 囲第1項に記載の組成物であって,前記リボソームがトラップされた形状で該試 薬を含有し,該試薬は,以下からなる群から選択される:ベナドリール,ジフェ ヒドラミンHCI,フマル酸クレマスチン,プロメタジンHCI,トリプロリジ ンHCI,二酒石酸メタラミノール,エピネフリン,ノアエピネフリン,フェニ ルエフリンHCI,エフェドリン,インシュリン,カルシトニン,成長ホルモン ,表皮成長因子,アトリアルナトリウレティックペプチド,血圧上昇剤,オキシ トシン,ベンゾカイン,リドカインHCI,ディクロニンHCI,アマンタディ ンHCI,フルオロウラシル,インドウリジン,ゲタマイシン,エリスロマイシ ン,セファロスポリンおよびテトラサイクリン。
  10. 10.眼科系の組織に対し薬学上の試薬を投与する際に用いられる請求の範囲第 1項に記載の組成物であって,前記リポソームがトラップされた形状で該試薬を 含有し,該試薬は,以下からなる群から選択される:フルオロウラシル,イオド ウラシル,トリフルオロウリジン,ビダラビン,アジドチミジン,リバビリン, ホスホノホーメート,ホスホノアセテート,アシクロビア,クロモリン,セメチ ジン,ナファゾリン,ロドキサミド,フェニルエピネフリン,プレディソロン, デキサメタゾン,スプラフェン,カルバコール,N−デメチルカルバコール,ピ ロカルピン,イソフルオロフェート,エクソチオヨーデート,デメカリウムプロ マイド,トリモロール,デパクソロール,メチープラナロール,レボブナロール およびセリプロロール。
  11. 11.涙の出ない目を治療するための請求の範囲第1項に記載の組成物であって ,前記リポソームは,コレステロールエステルおよび長鎖脂肪族アルコールから なる群から選択される脂質を含有するよう処方される。
  12. 12.請求の範囲第11項に記載の組成物であって,前記リポソームが,以下か らなる群から選択される重合体を含有する水性媒体にて懸濁されている:ヒドロ キシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,メチルセルロース,ポ リビニルピロリドンおよびポリビニルアルコール。
  13. 13.粘膜表面ヘのリポソームの結合力を高める方法であって,該方法は,該リ ポソームが正に帯電した小胞を形成する脂質成分を約20〜60モルパーセント の間で含有するように処方することを包含し,該脂質成分は,以下の(i),( ii),(iii)および(iv)を有する:(i)3〜4個の炭素骨格上に備 えられた2つの脂肪族鎖,(ii)脂肪族鎖を備えていない炭素原子にて,該骨 格に結合された極性原子,(iii)少なくとも3原子長のスペーサーを介して ,該極性原子に連結されたアミン,および(iv)正味の正電荷。
  14. 14.請求の範囲第13項に記載の方法であって,該方法は,以下の(a)およ び/または(b)を含有することにより,比較的閉じて充填されている脂質構造 を有するよう,前記リポソームを処方することをさらに包含する:(a)コレス テロールまたはコレステロール類似物またはアミン誘導体の約20〜50モルパ ーセントの間,および(b)正に帯電した脂質成分中の主として飽和の脂肪族鎖 。
  15. 15.非眼科系の組織に対し薬剤を投与する際に用いられる請求の範囲第13項 に記載の方法であって,前記リポソームは,リポソームがトラップされた形状で 薬剤を含有するペく調製され,該薬剤は以下からなる群から選択される:ベナド リール,ジフェヒドラミンHCI,フマル酸クレマスチン,プロメタジンHCI ,トリプロリジンHCI,二酒石酸メタラミノール,エピネフリン,ノアエピネ フリン,フェニルエフリンHCI,エフェドリン,インシュリン,カルシトニン ,成長ホルモン,表皮成長因子,アトリアルナトリウレティックペプチド,血圧 上昇剤,オキシトシン,ベンゾカイン,リドカインHCI,ディクロニンHCI ,アマンタディンHCI,フルオロウラシル,インドウリジン,ゲタマイシン, エリスロマイシン,セファロスポリンおよびテトラサイクリン。
  16. 16.眼科系の粘膜組織に対し薬剤を投与する際に用いられる請求の範囲第13 項に記載の方法であって,前記リポソームは,リポソームがトラップされた形状 で薬剤を含有するべく処方され,該薬剤は,以下からなる群から選択される:フ ルオロウラシル,イオドウラシル,トリフルオロウリジン,ビダラビン,アジド チミジン,リバビリン,ホスホノホーメート,ホスホノアセテート,アシクロビ ア,クロモリン,セメチジン,ナファゾリン,ロドキサミド,フェニルエピネフ リン,プレディソロン,デキサメタゾン,スプラフェン,カルバコール,N−デ メチルカルバコール,ピロカルピン,イソフルオロフェート,エクソチオヨーデ ート,デメカリウムプロマイド,トリモロール,デパクソロール,メチープラナ ロール,レボブナロールおよびセリプロロール。
  17. 17.請求の範囲第13項に記載の方法であって,前記リポソームは,高分子量 の重合体の懸濁液にて,該懸濁液の粘度を増す重合体濃度で含有する。
  18. 18.涙の出ない目を治療する際に用いられる請求の範囲第13項に記載の方法 であって,前記リポソーム中の前記リン脂質成分は,主として,アシル鎖部分に て飽和されており,該方法は,さらに,該リポソームを,目の角膜表面に適用す ることを包含する。
  19. 19.請求の範囲第18項に記載の方法であって,前記リポソームは,コレステ ロールエステルおよび長鎖脂肪族アルコールからなる群から選択された脂質を含 有するべく処方される。
  20. 20.請求の範囲第18項に記載の方法であって,前記リポソームは,以下から なる群から選択される重合体を含有する懸濁媒体に含有されている:ヒドロキシ エチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,メチルセルロース,ポリビ ニルピロリドンおよびポリビニルアルコール。
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