JPH08510748A - リポソームが誘発する生理的副作用の低減 - Google Patents

リポソームが誘発する生理的副作用の低減

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JPH08510748A JP7500895A JP50089595A JPH08510748A JP H08510748 A JPH08510748 A JP H08510748A JP 7500895 A JP7500895 A JP 7500895A JP 50089595 A JP50089595 A JP 50089595A JP H08510748 A JPH08510748 A JP H08510748A
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Abstract

(57)【要約】 動物にリポソーム組成物を投与する方法がここに提供され、その方法は、生理活性剤に加えて、脂質と表面剤改質分子を含む脂質二分子膜を有する生理的副作用低減有効量のリポソームを含有するリポソーム組成物を動物に投与することを含むものである。リポソーム組成物を投与することによって、動物が被るおそれのある生理的副作用が、脂質の二分子膜内に表面剤改質分子を存在させることによって低減される。

Description

【発明の詳細な説明】 リポソームが誘発する生理的副作用の低減 本出願は、1993年5月21日出願の米国特許出願番号第065,928号 の一部継続出願である。 本発明は、ヒトなどの哺乳動物を初めとする動物に、リポソーム組成物を投与 する際に、リポソーム誘発生理的副作用を低減する方法に関する。これらのリポ ソーム組成物は、生理活性剤をカプセル化するのに使用することができる。 リポソームは、取り込まれた水性容積を含む完全に閉鎖された脂質二分子膜( lipid bilayer membrane)である。この二分子膜(bilayer)は、疎水性領域と 親水性領域を有する単分子膜(monolayer)からなる脂質分子で構成されている 。二分子膜の構造は、脂質単分子膜の疎水性(非極性)アシル鎖領域が二分子膜 の中心に向かって配向し、一方、親水性(極性)脂質ヘッドグループ(headgrou p)が水性相に向かって配向するようになっている。 リポソーム薬剤搬送系においては、薬剤のような生理活性剤は、リポソーム内 に取り込まれ、その後、治療しようとする患者に投与される(Rahman等、米国特 許第3,993,754号;Sears、米国特許第4,145,410号;Papahad jopoulos等、米国特許第4,235,871号;Schneider、米国特許第4,2 24,179号;及びFountain等、米国特許第4,588,578号等を参照さ れたい)。生理活性剤は、リポソームの脂質二分子膜内又はその水性区画(aque ous compartment)内に取り込まれることができる。生理活性剤、特 に治療薬又は診断薬をリポソーム組成物内にカプセル化することは、これらの薬 剤を体内の特定部位に搬送するための、十分に確立された方法である。 細網内皮系(RES)の食細胞により、リポソームを内在化することができる と考えられている。リポソームは、肝臓、腎臓、肺及び脾臓内の細網内皮組織に 造影剤を運ぶのに有用であると認められている。リポソームでカプセル化された ヨウ素標識化合物は、患者の循環系に注射されて、診断検査のために、ある特定 の器官を不透明にする(Schneider等、“注射可能な不透明化リポソーム組成物 ”、国際出願番号PCT/EP88/00447、1989年5月10日公開、 国際公開番号WO88/09615を参照されたい)。 脂質エマルジョンの粒径が2〜3μmと大きくなるにつれて、骨髄とは異なり 、肝臓及び脾臓内で、比較的大部分の粒子が食作用を受けることが認められてい る。しかし、ヨウ素標識脂質エマルジョンの注入の後で、生理的副作用が認めら れている。別の研究から、平均粒径が0.3ミクロンの硫黄コロイドを、副作用 を伴わずに使用できることがわかっている(Ivancev等、“肝臓に及ぼす静脈内 注射ヨウ素標識脂質エマルジョンの影響”、アクタ・ラジオロジカ(Acta Radio logica)30,291-298(1989)参照)。 リポソームの循環時間に対する有効性について、負帯電リン脂質誘導体に関し て研究が行われている(Park等“いくつかの負帯電リン脂質誘導体は生体内での リポソーム循環時間を長びかせる”、バイオヒミカ・エ・バイオフィジカ・アク タ(Biochimica et Biophysica Acta)1108(2),257-60(1992)参照)。 静脈内投与リポソームの血液循環時間を長びかせる方法としては、 両親媒性の脂質誘導体を、ポリアルキルエーテルと共に、リポソームに添加する 方法が挙げられる(Woodle等、米国特許第5,013,556号、“循環時間を 長びかせたリポソーム”、1991年5月7日発行、を参照されたい)。 発明の要旨 本発明は、生理活性剤と、表面改質剤およびアンカー(anchor)を含む表面剤 改質分子(surface agent-modified molecule)及び脂質を有する脂質二分子膜 とを含むリポソームの、生理的副作用低減有効量を含有するリポソーム組成物を 、動物に投与することからなる動物へのリポソーム組成物の投与方法を提供する 。本発明の方法で用いられるリポソームは、代表的には約200nmから約50 00nmまで、より好ましくは約400nmから約5000nmまで、現在、最 も好ましくは約400nmから約1000nmまでの直径を有している。このよ うな直径を有するリポソームは、嵌合−融合(interdigitation-fusion)リポソ ーム(IFV)が好ましいが、ラージユニラメラリポソーム(LUV)やマルチ ラメラリポソーム(MLV)であってもよい。二分子膜内の表面剤改質分子の濃 度は、通常は約2モル%以上、より好ましくは約5モル%以上、最も好ましくは 約10モル%以上である。リポソームの生理的副作用低減有効量は、動物の体重 1kg当たりリポソーム約50mgが好ましい。 表面改質剤は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ビメリン酸(bimelic ac id)、スベリン酸、酒石酸、粘液酸、テトラフルオロコハク酸、ヘキサフルオロ グルタル酸などのジカルボン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、グリコー ル酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸、ヘプタフルオロ 酪酸などのモノカルボ ン酸、あるいはビス(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチルスルホン 、N−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテート、2−イミノチオラン( トラウト試薬(Traut's reagent))などのスルホ脂質が好ましい。特に好まし い表面改質剤は、グルタル酸である。アンカーは、リン脂質が好ましく、リン脂 質は、飽和アシル鎖を持っていることが好ましい。現在、好ましい飽和アシル鎖 は、パルミテート鎖である。ホスホ脂質アンカーは、ジパルミトイルホスファチ ジルエタノールアミン(DPPE)が好ましい。アンカーは、両親媒性蛋白質で あってもよい。表面改質剤は、アンカーの疎水性領域に結合していることが好ま しい。 表面改質分子は、スペーサー基を含むことができ、そのスペーサー基は、代表 的には、リン脂質アンカーのグリセロール骨格(backborn)及びリン脂質アンカ ーのホスフェート基に結合することができる一つ又はそれ以上の有機官能基を含 有する任意の有機物である。代表的には、官能基は、水酸基、チオール基、エポ キシド基又はアミン基であり、スペーサー基は、エチレングリコール又はポリエ チレングリコールが好ましい。 本発明方法に用いられるリポソームは、生理活性剤を含み、その生理活性剤は 、代表的には、造影剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、駆虫剤、殺腫瘍剤、 代謝拮抗薬、炭水化物、ポリペプチド、ペプチド、蛋白質、トキシン、酵素、ホ ルモン、神経伝達物質、糖蛋白、リポ蛋白、免疫グロブリン、免疫調節剤、血管 拡張剤、染料、放射線標識剤、放射線不透性化合物、蛍光化合物、レセプター結 合分子、抗炎症剤、散瞳化合物、局所麻酔剤、麻酔剤、ビタミン、核酸、ポリヌ クレオチド、ヌクレオシド、ヌクレオチド、MRI、放射線又は水溶性ヨウ素 標識造影剤、それらの混合物及び薬理学的に許容され得る塩、又はそれらの混合 物である。生理活性剤は、好ましくは、イオヘキソール、イオパミドール、イオ キソグレート、イオトロラン、イオバーソル、イオタラメート、ヨージミド、ヨ ージパミド、イオプロミド、メトリザミド、イオペントール、ヨージキサノール 、ディアトリゾエート、イオトロクス酸(iotroxic acid)、それらの混合物及 び薬理学的に許容され得る塩からなる群から選ばれた水溶性ヨウ素標識造影剤で ある。より好ましくは、水溶性ヨウ素標識造影剤は、イオトロランである。リポ ソーム組成物は、静脈内又は動脈内投与により投与されるのが好ましい。 本発明は、抗炎症剤と、生理活性剤と表面改質剤とアンカーを含む表面剤改質 分子及び脂質を有する脂質二分子膜とを含む生理的副作用低減有効量のリポソー ムを含有するリポソーム組成物とを、動物に投与することからなり、この際、該 抗炎症剤を、リポソーム組成物投与前に動物に投与する動物へのリポソーム組成 物の投与方法をも提供する。本発明の一実施態様においては、抗炎症剤は、ステ ロイドであり、本発明の他の実施態様においては、抗炎症剤は、非ステロイド系 抗炎症剤であり、好ましくは、インドメタシンである。抗炎症剤は、リポソーム 組成物の投与の早くても約30分前に、動物に静脈内又は動脈内投与するのが好 ましい。 本発明は、リポソーム誘発生理的副作用を低減するための医薬組成物を製造す るために、生理活性剤と、表面改質剤とアンカーを含む表面剤改質分子及び脂質 を有する脂質二分子膜とを含む生理的副作用低減有効量のリポソームの使用を提 供する。このリポソームは、代表的には約200nmから約5000nmまで、 望ましくは約400nm から約5000nmまで、より望ましくは約400nmから約1000nmまで の直径を有している。このリポソームは、ラージユニラメラリポソーム又は嵌合 −融合リポソームであるが、水性区画内に取り込まれた溶質を含み、各水性区画 内のその溶質の濃度が実質的に等しいマルチラメラリポソームのような、マルチ ラメラリポソームであってもよい。 二分子膜内の表面剤改質分子の濃度は、代表的には約2モル%以上、好ましく は約5モル%以上、より好ましくは約10モル%以上である。表面改質剤は、コ ハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ビメリン酸、スベリン酸、酒石酸、粘液酸、 テトラフルオロコハク酸、ヘキサフルオログルタル酸などのジカルボン酸である ことが好ましい。現在、最も好ましくは、表面改質剤は、ジカルボン酸のグルタ ル酸である。しかし、表面改質剤は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、グリ コール酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸、ヘプタフル オロ酪酸などのモノカルボン酸、あるいはビス(スクシンイミドオキシカルボニ ルオキシ)エチルスルホン、N−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテー ト、2−イミノチオラン(トラウト試薬(Traut's reagent))などのスルホ脂 質であることもできる。 アンカーは、リン脂質が好ましく、パルミテート鎖などの飽和アシル鎖を持つ リン脂質がより好ましい。現在、好ましい本発明の特定の実施態様においては、 リン脂質アンカーはジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE )である。しかし、アンカーは、両親媒性蛋白質であることもできる。 表面剤改質分子は、リン脂質アンカーとスペーサー基を含むことができ、その スペーサー基は、リン脂質アンカーのグリセロール骨格及 びリン脂質アンカーのホスフェート基に結合することができる一つ又はそれ以上 の有機官能基を含有している。代表的には、官能基は、水酸基、チオール基、エ ポキシド基又はアミン基である。スペーサー基は、エチレングリコール又はポリ エチレングリコールが好ましい。 リポソームに含まれる生理活性剤としては、造影剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、 抗真菌剤、駆虫剤、殺腫瘍剤、代謝拮抗薬、炭水化物、ポリペプチド、ペプチド 、蛋白質、トキシン、酵素、ホルモン、神経伝達物質、糖蛋白、リポ蛋白、免疫 グロブリン、免疫調節剤、血管拡張剤、染料、放射線標識、放射線不透性化合物 、蛍光化合物、レセプター結合分子、抗炎症剤、散瞳化合物、局所麻酔剤、麻酔 剤、ビタミン、核酸、ポリヌクレオチド、ヌクレオシド、ヌクレオチド、MRI 、放射線又は水溶性ヨウ素標識造影剤が挙げられ、それらの混合物及び薬理学的 に許容され得る塩も含むが、これらに限定されるものではない。現在、好ましい 生理活性剤は、イオヘキソール、イオパミドール、イオキソグレート、イオトロ ラン、イオバーソル、イオタラメート、ヨージミド、ヨージパミド、イオプロミ ド、メトリザミド、イオペントール、ヨージキサノール、ディアトリゾエート、 イオトロクス酸などの水溶性放射線造影剤であり、それらの混合物及び薬理学的 に許容され得る塩も含む。水溶性放射線造影剤は、イオトロランであることが好 ましい。 リポソームの生理的副作用低減有効量は、動物の体重1kg当たりリポソーム 約50mgが好ましい。 抗炎症剤に関連したリポソーム誘発生理的副作用を低減するための医薬組成物 を製造するために、生理活性剤と脂質及び表面剤改質分子を有する脂質二分子膜 とを含む生理的副作用低減有効量のリポソーム の使用も、ここで提供され、このとき抗炎症剤はリポソームにカプセル化されて いない。この抗炎症剤は、ステロイド、あるいはインドメタシンなどの非ステロ イド系抗炎症剤であることができる。 また、生理活性剤と、脂質及び表面剤改質分子を有する脂質二分子膜とを含む リポソームの生理的副作用低減有効量を含有するリポソーム組成物が、リポソー ム誘発生理的副作用を低減するのに適応した組成物として、ここに提供される。 図面の簡単な説明 図1 ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン−グルタル酸(DPPE −GA) 図2 DSPC又はDSPC/DPPE−GA嵌合−融合リポソーム(IFV) の注射後のラット血漿中におけるリポソーム量率を示す。 黒四角:DSPC IFV;黒丸:DSPC/DPPE−GA(10モル%) IFV;x軸:時間(Hrs);y軸:血漿中に残留する量率(%) 図3 DSPC又はDSPC/DPPE−GAマルチラメラリポソーム(MLV )の注射後のラット血漿中におけるリポソーム量率を示す。 黒四角:DSPCMLV;黒丸:DSPC/DPPE−GA(10モル%)M LV;x軸:時間(Hrs);y軸:血漿中に残留する量率(%) 図4 押出法により製造されたDSPC又はDSPC/DPPE−GAユニラメ ラリポソーム(LUVET)の注射後のラット血漿中におけるリポソーム量率を 示す。 黒四角:DSPC LUVET;黒丸:DSPC/DPPE−GA(10モル %)LUVET;x軸:時間(Hrs);y軸:血漿中に残 留する量率(%) 図5 イオトロラン含有DSPC及びDSPC/DPPE−GA IFVの容積 重量(volμme-weighted)直径 黒四角:DSPC IFV;黒丸:DSPC/DPPE−GA IFV(5モ ル%DPPE−GA);黒三角:DSPC/DPPE−GA IFV(10モル %DPPE−GA);太い垂直線は、マルバーンカットオフ(Malvern cutoff) を示す。;x軸:容積重量直径(ミクロン);y軸:分布率 図6 DSPC及びDSPC/DPPE−GA IFVにより引き起こされる血 圧変化 記録(上から下へ):10モル%DPPE−GA;5モル%DPPE−GA; 2モル%DPPE−GA;0モル%DPPE−GA;x軸:時間(分);y軸: 平均動脈血圧(mmHg) 図7 DSPC/N−グルタリル−DPPEリポソームの平均直径の関数として の正規化(normalized)AUC(曲線下方領域) x軸:リポソーム直径;y軸:正規化AUC 図8 ラットへのDPPE−FGA含有IFリポソーム注入中の平均血圧 データは、動物#1についてのものを示す。;x軸:注入後の時間(分);y 軸:血圧(mmHg) 図9 DPPE−FGAIF注入中の平均血圧;データは、動物#2についての ものを示す。 図10 DSPC(4.5)IFリポソーム注入中の平均血圧 データは、動物番号3についてのものを示す。 図11 DSPC(4.5)IFリポソーム注入中の平均血圧 データは、動物番号4についてのものを示す。 図12 DSPC(4.5)IFリポソーム注入中の平均血圧 データは、動物番号5についてのものを示す。 図13 種々のリポソームタイプへのDPPE−GA導入の効果 x軸:時間(分);y軸:(血漿中の量%);黒四角:DSPC LUVET ;黒丸:DSPC−DPPE/GA LUVET;黒三角:DSPC IF;黒 菱形:DSPC−DPPE/GSIF;白四角:DSPCマルチラメラリポソー ム(MLV);白丸:DSPC−DPPE/GA MLV 図14 イオトロラン含有DPPE−GAIFのマルバーン(Malvern)粒径分 布分析 x軸:サンプル貯蔵条件;y軸:Binのリポソーム%;z軸:リポソーム直 径(ミクロン);データは、ロット#1についてのものを示す。 図15 イオトロラン含有DPPE−GAIFのマルバーン粒径分布分析 x軸:サンプル貯蔵条件;y軸:Binのリポソーム%;z軸:リポソーム直 径(ミクロン);データは、ロット#2についてのものを示す。 図16 DPPE−GA、イオトロラン含有IFリポソームを用いたウサギ肝臓 のCT画像検討 x軸:注射後の時間(分);y軸:濃度(ΔHU) 発明の詳細な説明 本発明は、生理活性剤と、脂質及び表面剤改質分子を有する脂質二分子膜とを 含むリポソームを、生理的副作用低減有効量含有するリポソーム組成物を、動物 に投与することからなる動物へのリポソーム組成物の投与方法を提供する。動物 での生理的副作用は、いくつかのリポソーム組成物を動物に投与することと関連 している。このような動物は、ヒトなどの哺乳動物が好ましいが、リポソームを 投与することができる他の動物であってもよい。“生理的副作用”という用語は 、無気力、チアノーゼ性歯肉膜(cyanotic gingival membranes)、悪心、嘔吐 、排便、下痢、体温上昇、発熱、悪寒、ふるえ、傾眠、下背痛、消化器系障害、 呼吸困難、好中球減少、血小板減少などの血液反応、一過性低血圧、血管拡張、 一過性心臓変化などの心臓血管反応を含むが、これらに限定されるものではない 。 本発明の方法で用いられるリポソームは、好ましくは約200nmから約50 00nmまで、より好ましくは約400nmから約1000nmまでの直径を有 している。動物に投与される場合、リポソームが大きいと、同じ組成を有してい るがサイズが小さいリポソームよりも、動物の循環系から速く取り除かれる傾向 があることが知られている。リポソーム表面に対するある種の改質をすることに よって、リポソームが動物の循環系内に残留する時間を長びかせることができる ことも知られている。しかし、本発明の方法で用いられるもののようなサイズ( 直径)のリポソームが、同様なサイズの改質されていない(表面剤改質分子非含 有)リポソームに匹敵する速度で、動物の循環系から取り除かれ、肝臓内に同程 度に蓄積される傾向があるが、同様なサイズの改質されていないリポソームに比 較して、本発明のリポソ ームを投与すると、動物が受ける副作用を低減することができるということは、 これまで知られていない。 本発明の方法で用いられるリポソームは、嵌合−融合リポソーム(IFV)が 好ましいが、ラージユニラメラリポソーム(LUV)やマルチラメラリポソーム (MLV)であってもよい。MLVは、その水性区画内に取り込まれた溶質を含 み、MLVの各水性区画の溶質濃度が実質的に等しいもの、即ち実質的に等しい ラメラ間溶質分布を有しているMLVが好ましい。二分子膜内の表面剤改質分子 の濃度は、代表的には約2モル%以上、より好ましくは約5モル%以上、最も好 ましくは約10モル%以上であり、モル%は、二分子膜内の表面剤改質分子のモ ル数を二分子膜内に存在する化合物の全モル数で割ったものとして計算される。 本発明の手法に従って、リポソーム中に表面剤改質分子を導入すると、いくつ かのリポソーム組成物を動物に投与することに伴う生理的副作用が顕著に低減す ることが見出された。より大きいリポソームの高カプセル化能、より大きいリポ ソームの短い生体内循環時間、放射線造影剤を含み動物体内の器官を対象とする リポソームの画像効率、大きいリポソームの生体分布(biodistribution)及び 動物肝臓内へのそれらの蓄積に著しい影響を及ぼすことなく、また、嵌合−融合 リポソームの調製方法を著しく妨害することなく、表面剤改質分子をリポソーム 内に導入できることも見出された。 本発明のリポソーム組成物は、“表面改質リポソーム組成物”、即ち生理活性 剤と、脂質及び表面剤改質分子を有する脂質二分子膜とを含むリポソームを含有 するリポソーム組成物である。“表面剤改質分子”という用語は、ここでは、表 面改質剤とアンカーを含む分子を意 味するものとして用いられる。ここで用いられる“表面改質剤”は、アンカーの 親水性部分と一端で共有結合により結合することができる任意の有機化合物又は 物質である。ここで用いられる“アンカー”は、脂質二分子膜に安定に挿入され るのに十分な疎水性を有し、表面改質剤で改質するのに適した親水性部分、例え ば、水酸基、アミン基又はチオール基を含む親水性部分をも含んでいる任意の分 子である。表面改質剤は、アンカーの親水性部分と結合し、リポソームの外側の 媒体と相互に作用しない。 表面剤改質分子は、アンカーを、溶媒、例えばクロロホルム、塩化メチレン、 アセトニトリル、酢酸エチル、メタノールなどに溶解し、塩基、例えばトリエチ ルアミン、ジメチルアミノピリジン、ピリジンなどを加えた後、表面改質剤を添 加することにより調製される。次いで、混合物を、撹拌しながら室温で、あるい は加熱して反応させる。撹拌又は加熱の時間は、使用される特定の表面改質剤に よって変わるものであり、薄層クロマトグラフィー(TLC)のような手段によ り、当業者が容易に決定できる。TLC又は他の公知の方法によって決定できる ように、反応が完了したら、真空下にて、回転蒸発器で加熱することにより、溶 剤を除去する。ゲル濾過、シリカゲルクロマトグラフィー、イオン交換樹脂ある いは当業者に知られている任意の手段によって、生成物を取り除く。次いで、生 成物を凍結乾燥する。これは、表面改質分子を調製する一つの方法であり、本発 明の教示を得た当業者が、他の方法を用いることもできる。 表面改質剤は、好ましくは、ジカルボン酸、例えばコハク酸、グルタル酸、ア ジピン酸、ビメリン酸、スベリン酸、酒石酸、粘液酸、テトラフルオロコハク酸 若しくはヘキサフルオログルタル酸、モノカル ボン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、グリコール酸、乳酸、トリ フルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸若しくはヘプタフルオロ酪酸、又は スルホ脂質、例えばビス(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチルスル ホン、N−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテート若しくは2−イミノ チオラン(トラウト試薬)である。表面改質剤は、グルタル酸が好ましく(図1 参照)、アンカーの親水性部分に共有結合によって、例えばホスファチジルエタ ノールアミン基の一級アミン、例えばジパルミトイルホスファチジルエタノール アミン(DPPE)にアミド結合によって、結合していることが好ましい。従っ て、本発明の好ましい実施態様においては、表面剤改質分子は、DPPEに結合 したグルタル酸(DPPE−GA)からなる。しかし、本発明は、DPPE−G Aを使用することに限定されるものではなく、表面改質剤とアンカーを任意に組 み合わせて、実施することができる。 アンカーとしては、脂質二分子膜に安定に挿入されるのに十分な疎水性及び表 面改質剤に結合するのに適した親水性部分を有する任意の分子を用いることがで きる。アンカーの疎水性部分は、一つ又はそれ以上の脂肪酸鎖を含み、アンカー が両親媒性脂質であることが好ましい。このような脂質としては、リン脂質、糖 脂質、スフィンゴミエリンを初めとするスフィンゴ脂質、ジアシルアンモニウム 両親媒性物質(diacylammoniμm amphiphile)、ジアシルグリセロール、グリ コスフィンゴ脂質、セレブロシド、スルファチド、セラミド、ポリヘキソシド、 ガングリオシド、ステロール等が挙げられるが、これらに限定されるものではな い。アンカーは、リン脂質、即ち、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタ ノールアミン、ホスファチジルグリセ ロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリンなどの、一つ又は 二つのアシル鎖とホスフェート含有グリセロールバックボーンを有する両親媒性 脂質が好ましく、現在、好ましいリン脂質は、ホスファチジルエタノールアミン である。リン脂質は、飽和アシル鎖を有していることが好ましく、このアシル鎖 は、パルミテート鎖が好ましい。本発明の好ましい実施態様において、リン脂質 アンカーは、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)であ る。アンカーは、両親媒性蛋白質又はペプチドであってもよい。表面改質剤は、 アンカーの親水性領域に結合しているのが好ましい。 表面改質分子は、スペーサー基を含むことができ、その基は、代表的には、ア ンカーの疎水性部分、例えばリン脂質アンカーのグリセロール骨格及びリン脂質 アンカーのホスフェート基、に共有結合で結合することができる一つ又はそれ以 上の有機官能基を含有する任意の有機物質又は部分である。この官能基は、代表 的には、水酸基、チオール基、エポキシド基又はアミン基である。好ましくは、 官能基は、水酸基であり、スペーサー基は、エチレングリコール又はポリエチレ ングリコールであり、分子量を変えたものであってもよい。 スペーサー基含有表面剤改質分子の合成は、当業者に知られている手段によっ て、スペーサー基を保護剤、例えばメトキシ−トリフェニルメチル、アセチル又 はトリフェニルメチルクロライド(トリチルクロライド)等、と反応させること により達成される。次いで、活性化剤、例えばp−ニトロベンゼンスルホネート 、p−トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、メタンスルホネート、ト リフルオロメタンスルホネート等、を用いて、リン脂質アンカーを活性化する。 次いで、保護されたスペーサー基と活性化されたリン脂質アンカーを、 当業者に知られている手段によって反応させる。 例えば、(ポリ)エチレングリコールともいわれるポリ(オキシエチレン)を 用いて、スペーサー基を導入する。有機溶剤中、好ましくは、トリエチルアミン などの塩基の存在下で、エチレングリコールを1当量のトリフェニルメチルクロ ライド(トリチルクロライド)と反応させることにより、ポリエチレングリコー ルの二つの水酸基のうちの一つを保護して、モノトリチル化エチレングリコール を得る。次いで、良好な離脱基により、好ましくはp−ニトロベンゼンスルホニ ルクロライドを用いて、1,2−ジパルミトイルグリセロールを活性化し、1, 2−ジパルミトイル−3−p−ニトロベンゼンスルホネートを得る。次いで、こ れをモノトリチル化エチレングリコールと反応させた後、穏やかな酸性条件下で トリチル基を除去する。その結果、1,2−ジパルミトイル−3−(オキシエチ レン)グリセロールが形成される。2−クロロ−2−オキソ−ジオキシホスホラ ンとトリメチルアミンをそれぞれ用いて、この化合物に2段階操作を行い、コリ ン基を導入し、生成物を作る。 本発明の方法に用いられるリポソームは、生理活性剤、即ちヒトを初めとする 動物に何らかの生物活性を有する化合物又は組成物を含む。生理活性剤という用 語は、伝統的な医薬及び関連生理活性組成物を含むものである。生理活性剤とし ては、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、駆虫剤、殺腫瘍剤、代謝拮抗薬、炭水 化物、ポリペプチド、ペプチド、蛋白質、トキシン、酵素、ホルモン、神経伝達 物質、糖蛋白、リポ蛋白、免疫グロブリン、免疫調節剤、血管拡張剤、染料、放 射線標識剤、放射線不透性化合物、蛍光化合物、多糖類、細胞レセプター結合分 子、抗炎症剤、散瞳化合物、局所麻酔剤、麻酔剤、抗緑内障薬、 ビタミン、核酸、ポリヌクレオチド、ヌクレオシド、ヌクレオチド、MRI、放 射線造影剤、及びイオヘキソール、イオパミドール、イオキソグレート、イオト ロラン、イオバーソル、イオタラメート、ヨージミド、ヨージパミド、イオプロ ミド、メトリザミド、イオペントール、ヨージキサノール、ディアトリゾエート 、イオトロクス酸、それらの混合物及び薬理学的に許容され得る塩を初めとする 水溶性ヨウ素標識造影剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。よ り好ましくは、水溶性ヨウ素標識造影剤は、イオトロランである。リポソーム組 成物は、静脈内又は動脈内投与により投与されるのが好ましい。 本発明の方法に用いられる脂質二分子膜は、表面剤改質分子に加えて、“脂質 ”を含んでおり、この脂質としては、合成又は天然リン脂質、糖脂質、グリセロ リン脂質、コリングリセロリン脂質、エタノールアミングリセロリン脂質、セリ ングリセロリン脂質、イノシトールグリセロリン脂質、ホスファチジルグリセロ ール、グリコグリセロ脂質、硫酸グリコグリセロ脂質、スフィンゴ脂質、スフィ ンゴミエリン、ジアシルアンモニウム両親媒性物質、ジアシルグリセロール、グ リコスフィンゴ脂質、セレブロシド、スルファチド、セラミド、ポリヘキソシド 、ガングリオシド、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、 ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホス ファチジルイノシトール、カルジオリピンなどの単独又は組み合わせが挙げられ るが、これらに限定されるものではない。リン脂質は、合成でも、卵や大豆など の天然源由来のものでもよい。有用な合成リン脂質は、ジミリストイルホスファ チジルコリン及びジミリストイルホスファチジルグリセロールである。ジス テアリルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジミリ ストイルホスファチジルコリン及びジアラキドノイルホスファチジルコリンも使 用できる。リポソームは、コプロスタノール、コレスタノール、コレスタン、コ レステロールのポリエチレングリコール誘導体(PEG−コレステロール)など のステロイド成分を含むこともできる。これらのリポソームは、コレステロール ヘミスクシネートなどのステロールの有機酸誘導体を含んでもよい。トコフェロ ールの有機酸誘導体は、α−トコフェロールヘミスクシネートのようなリポソー ム形成性成分として用いてもよい。コレステロールヘミスクシネート(CHS) などのステロールの有機酸誘導体とトコフェロールヘミスクシネート(THS) などのトコフェロールの有機酸誘導体の両者、さらにはそれらのトリス塩形態を 含むリポソームは、一般に、これらのステロールを含むリポソームを製造する公 知の方法によって調製すればよい。特に、Janoff等、米国特許第4,721,6 12号、1988年1月26日発行、名称“ステロイドのリポソーム”及びJano ff等、米国特許第4,861,580号、1989年8月29日発行、米国特許 第5,041,278号、1991年8月20日発行、PCT公開番号87/0 2219、1987年4月23日公開、名称“アルファトコフェロールを基体と した小胞”、及びMayhew等、PCT公開番号WO85/00968、1985年 3月14日公開の方法を参照のこと。これらの開示の内容は、ここに参照のため に記載されている。ステロール含有リポソームを調製する方法は、水性区画を取 り込む完全に閉鎖された脂質二分子膜を形成するのに十分な量の、閉鎖された二 分子膜を形成することができる塩形態のステロール有機酸誘導体を、緩衝水溶液 に添加することを含むものである。マルチラ メラ小胞の懸濁液は、混合物を振とうすることにより形成される。緩衝水溶液が 、その塩の対イオンをも溶液で含んでいると、小胞の形成が促進される。 リポソームを調製するには、現在、種々の方法を利用することができ、どの方 法も、本発明の実施に有用であろう。それらの方法として、マルチラメラ小胞( MLV)を形成するManghamの方法(J.Mol.Biol.13,235-252(1965)参照) が挙げられる。この方法では、先ず、脂質の有機溶剤溶液を形成し、次いで、溶 剤を蒸発させ、乾燥脂質を反応容器の内壁に残し、そこへ水溶液を加える。脂質 膜の水和によって、MLVが形成される。 マルチラメラリポソームは、実質的に等しいラメラ間溶質分布を有しているで あろう。このようなMLVの調製法は、リポソームは、Lenk等、米国特許第4, 522,803号及び5,030,453号並びにFountain等、米国特許第4, 588,708号に記載されている。Lenk等は、取り込まれるべき物質の水溶液 を、小胞形成に用いられる脂質の有機溶液と混合することを含む方法を述べてい る。次いで、有機溶剤を蒸発させる間に、水性相を乳化させる。Fountainの方法 では、先ず、単相を形成するのに十分な量の少なくとも一つの両親媒性脂質と水 性成分の溶液を形成する。次いで、有機溶剤を蒸発させ、第二の水性成分を撹拌 しながら添加して、リポソームを形成する。 この類のマルチラメラ小胞は、Lenk等の米国特許第4,522,803号に記 載されているように、安定プルリラメラ小胞(SPLV)と呼ぶことができ、Le nk等の米国特許第5,030,453号、1991年7月9日発行、に記載され ているように、単相性リポソーム と呼ぶことができる。また、Fountain等の米国特許第4,588,579号のS PLV及びリポソームを少なくとも1回の凍結解凍サイクルに付した凍結解凍マ ルチラメラリポソーム(FATMLV)(この方法は、Cullis等、米国特許第4 ,975,282号、1990年12月4日発行、及びPCT公開番号87/0 0043、1987年1月15日公開、名称“取り込み効率が改善されたマルチ ラメラリポソーム”に記載されている)が挙げられる。これらの開示の内容は、 ここに参照のために記載されている。 音波処理したスモールユニラメラ小胞の調製法については、Papahadjopoulos 等(Biochim.Biophys.Acta.,135,624-638(1968))により記載されており 、ここに参照のために記載されている。ラージユニラメラ小胞は、押出装置を用 い、ここに参照のために記載されているCullis等、米国特許第5,008,05 0号、1991年4月16日発行、及びPCT公開番号WO86/00238、 1986年1月16日公開、名称“ユニラメラ小胞を製造する押出技術”に記載 されている方法により製造することができる。この技術により作られた小胞は、 LUVETと呼ばれ、加圧下で、膜フィルターから押し出される。小胞は、20 0nmフィルターからの押出技術により作られてもよく、このような小胞は、V ET200として知られている。これらの小胞は、押出技術の前に、少なくとも1 回の凍結解凍サイクルに付されてもよい。この方法は、Mayer等(Biochim.Biop hys.Acta.,817,193-196(1985))、表題“凍結解凍マルチラメラ小胞で観察 される溶質分布と取り込み効率”に記載されている。エネルギーを懸濁液に適用 すると、例えば音波処理やフレンチプレスセル(French press cell)又は適当 な孔径の多孔フィルターから小胞を押し出すことに より、マルチラメラステロール小胞が、ユニラメラ小胞に変わるであろう。 ユニラメラリポソームは、凍結解凍技術の後、一つ又はそれ以上のポリカーボ ネートフィルターから押し出すことによって形成されてもよい。所定サイズのリ ポソームは、加圧下で、リポソーム懸濁液を酸化アルミニウム多孔フィルムに1 回又はそれ以上通すことによって形成されてもよい(Coe等、“リポソーム押出 法”、米国特許出願番号第771,267号、1990年10月5日出願の米国 特許出願番号第593,200号の一部継続出願)。一方、注入、逆相蒸発又は 湿潤剤希釈法により、LUVを形成することができる(Deamer及びUster,“リ ポソームの調製:方法と原料”、リポソーム、27〜51頁、Marcel Decker,I nc.,New York(1983)及びPapahadjopoulos等、米国特許第4,235,871 号を参照されたい)。 嵌合−融合リポソーム(IFV)及びゲルは、本発明の実施に有用であり、Bo ni等、1992年10月14日出願の米国特許出願番号第07/961,277 により開示されている方法により作ることができ、これを参照されたい。IFV は、水性溶剤中の溶質をサイズを揃えた(sized)リポソームと混合し、サイズ を揃えたリポソームを融解させる水性溶剤に誘発物質を添加することにより形成 される。次いで、脂質の相転移温度よりも高い温度でインキュベートして、IF Vを製造する。 本発明の方法に用いられるリポソームは、脱水することができる。リポソーム の脱水によって、長期間にわたり小胞を貯蔵することが可能となる。脱水された リポソームは、必要とされるままの規準で再構成することができる。リポソーム は、標準凍結乾燥装置又はその同等 装置を用いて、凍結により脱水することができる。凍結乾燥は、Schneider等( 米国特許第4,229,360号)及びJanoff等(米国特許第4,880,63 5号)に記載の方法に従って、一つ又はそれ以上の保護糖類をリポソーム製剤に 混合した後、行うのが好ましい。凍結をせずに脱水を行い、十分な水がリポソー ム製剤中に残り、脱水−再水和の工程を通じて大部分のリポソーム二分子膜の完 全性が保持される場合は、保護糖類を省略することができる。 親水性生理活性剤は、脂質を添加する水性媒体に生理活性剤を溶解することに よって、リポソームに取り込ませることができる。生理活性剤の一部は、得られ たリポソームに、リポソームが形成されるにつれてカプセル化されるであろう。 一方、リポソームを先ず調製し、次いで、Bally等、“リポソームへの抗腫瘍剤 のカプセル化”、米国特許第5,077,056号、PCT出願番号85/01 501、公開番号WO86/01102、1986年2月27日公開;Mayer等 、“リポソームカプセル化抗腫瘍剤の高薬剤:脂質製剤”、PCT出願番号88 /00646、PCT公開番号WO88/06442、1988年9月7日公開 ;及びMadden等、“プロトン勾配によるリポソーム内への薬剤の蓄積”、PCT 公開番号WO90/14105、1990年11月29日公開、PCT出願WO 90/02736、1990年5月15日出願、の方法に従い、リポソーム二分 子膜を横切って電位差を作ることにより、イオン化し得る生理活性剤を装填する 。これらの技術により、イオン化し得る生理活性剤をリポソームに装填すること で、そうでない場合に中性pHにおける水溶液への薬剤溶解度から予想されるよ りもかなり高い内部濃度及び/又は受動的な取り込み技術によって得ることがで きるよりも高い濃度が達成される。 本発明の方法は、上記製造及び装填技術のどれを用いて実施してもよく、また 、現在知られているか、あるいは今後開発される、リポソームを作り、それに薬 剤を装填する他の任意の方法を用いて実施してもよい。 本発明の表面剤改質分子をリポソーム組成物に混合しても、リポソームの生体 内循環時間は、大きく変わることはない。図2及び3に示すように、DSPC− IFVと10モル%の表面剤改質分子DPPE−GAを含むDSPC−MLVの 両者についての注射後の時間の関数としてのラット血漿中に残存する脂質剤の平 均パーセントは、DSPC IFV及び表面剤改質分子を含まないDSPC M LVについてのものと同じままであった。しかし、図4に示すように、0.2ミ クロンのフィルターを通してサイズを揃え、10モル%の表面剤改質分子を含む DSPCリポソームは、表面剤改質分子を含まないこれらの小胞体とは反対に、 長い循環時間を示した。 表面剤改質分子を混合しても、高捕捉容積リポソーム(high captured volume liposome)、例えば、嵌合−融合リポソームを調製する方法の効率は妨げられ ない。放射線造影剤イオトロランを、表面剤改質分子DPPE−GAを含むDS PC IFVにカプセル化した。10モル%及び5モル%の表面剤改質分子DP PE−GAを含むDSPC−IFVを、放射線造影剤イオトロランの存在下で、 DSPC/DPPE−GA SUVから調製した。表面剤改質分子が存在しても 、イオトロランの有効なカプセル化は妨げられなかった。表1に示すように、D SPC/DPPE−GA IFVで得られた脂質に対するヨウ素の比は、表面剤 改質分子を含まないDSPC IFVの値と同程度であった。DPPE−GAを 混合すると、図5に示すように、イオ トロランDSPCIFVの平均容積重量直径(average volume-weighted diamet er)が低下した。 これらのイオトロラン含有DSPC/DPPE−GA IFVは、ラットの肝 臓及び脾臓に造影剤を搬送するのに有効であった。表2は、5モル%及び10モ ル%の表面剤改質分子DPPE−GAでのイオトロラン含有DSPC/DPPE −GA IFVを投与したラットについて、ハウンスフィールド単位(Hounsfie ld Unit)(HU)増加値を示す。このデータから、表面剤改質分子を添加する ことによって、一過性低血圧などの生理的副作用を低減するように改質されたイ オトロランDSPC IFVが、目的とする器官へ造影剤を搬送するのに有効で あることがわかる。更に、表2に示すように、表面剤改質分子を混合しても、カ プセル化された放射線造影剤の画像効力には影響がなかった。 本発明のリポソーム組成物の投与の様式によって、化合物が搬送される器官の 部位及び細胞が決まるであろう。本発明のリポソーム組成物は、単独で投与して もよく、また、目的とする投与経路及び標準製薬プラクティスに関して選択され た薬理学的に許容され得る担体と混合して投与してもよい。非経口投与、即ち、 静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下又は乳房内経路での注射については、リポソーム 組成物の無菌溶液を調製する。静脈内用途に関しては、製剤を等張性にするよう に、溶質の全濃度を調節してもよい。その他の使用法は、製剤の特性に応じて、 当業者が想像できるものであろう。適当な薬理学的に許容されうる担体としては 、水、塩溶液、アルコール、アラビアゴム、ベンジルアルコール、ゼラチン、ラ クトース、アミロース又は澱粉などの炭水化物、ステアリン酸マグネシウム、タ ルク、珪酸、ヒドロキシメチ ルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられるが、これらに限定されるも のではない。医薬組成物を殺菌し、所望であれば、生理活性剤又は本発明の成分 と有害な反応を行わない助剤、例えば、滑沢剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、浸透 圧に影響を与える塩、緩衝液、着色、着香、芳香物質などを混合することができ る。 本発明のリポソーム組成物は、当該技術ですでに用いられている任意の方法で 投与すればよく、皮下、筋肉内、眼窩内、嚢内、脊髄内、茎部内(intrastemall y)、静脈内、動脈内、髄腔内等の非経口、経口及び局所が挙げられるが、これ らに限定されるものではない。 本発明の組成物は、単位用量当たり治療有効量の生理活性剤を薬理学的に許容 されうる担体内に含む単位用量の形に調剤される。それらは、治療有効量の生理 活性剤を含む製剤とも混合される。治療有効とは、所望の生物学的結果を達成す るのに十分な生理活性剤を意味するものとする。 特定の場合における生理活性剤の実際の好ましい量は、利用される特定の組成 物、調合された特定の組成物、適用の様式及び治療される特定の位置及び器官に よって変わるであろうということは、理解されるであろう。所定のホストへの投 与量は、通常の考慮を払って、例えば、対象組成物と既知の剤の活性較差(diff erential activity)を通常に比較することにより、例えば、適当な通常の薬理 学的プロトコルにより、決定することができる。ヒトを初めとする動物への投与 については、処方する医者が、所定のヒト対象者への生理活性剤の適当な投与量 を最終的に決定するであろう。そして、これは、使用される剤の薬物動力学に加 えて、個人の年齢、体重及び反応によって変わるものと予測することができる。 また、患者の病状の性質及び重さ等又 は薬理学的状態も、投与計画に影響を与えるであろう。使用される表面剤改質分 子含有リポソームの量、即ち投与量は、“生理的副作用低減有効量”、即ち、リ ポソームを投与した動物が体験する生理的副作用を低減するのに有効な量となる であろう。リポソームの脂質二分子膜中の表面剤改質分子の濃度にも依存するこ とができる。通常は、本発明の方法で用いられるときのリポソームの生理的副作 用低減有効量は、動物の体重1kg当たりリポソーム約50mgであるが、必要 に応じ、これより高くすることも低くすることもできる。 本発明は、抗炎症剤と、生理活性剤と表面改質剤とアンカーを含む表面剤改質 分子及び脂質を有する脂質二分子膜とを含む生理的副作用低減有効量のリポソー ムを含有するリポソーム組成物とを、動物に投与することからなり、抗炎症剤が 、リポソーム組成物投与前に動物に投与される動物へのリポソーム組成物の投与 方法をも提供する。抗炎症剤は、毎日、皮下、静脈内投与や連続静脈内投与を初 めとする公知の任意の方法で投与することができるが、静脈内投与により投与す るのが好ましい。抗炎症剤は、薬理学的に許容されうる担体や希釈剤と共に投与 してもよい。本発明の一実施態様においては、抗炎症剤は、ステロイドであり、 本発明の他の実施態様においては、抗炎症剤は、非ステロイド系抗炎症剤である 。非ステロイド系抗炎症剤は、インドメタシンが好ましい。抗炎症剤は、リポソ ーム組成物の投与の高々約30分前に、動物に静脈内又は動脈内投与するのが好 ましい。 本発明は、リポソーム誘発生理的副作用を低減するための医薬組成物を製造す るために、生理活性剤と表面改質剤とアンカーを含む表面剤改質分子及び脂質を 有する脂質二分子膜とを含む生理的副作用低減有効量のリポソームの使用を提供 する。このリポソームは、代表的に は約200nmから約5000nmまで、望ましくは約400nmから約500 0nmまで、より望ましくは約400nmから約1000nmまでの直径を有し ている。このリポソームは、ラージユニラメラリポソーム又は嵌合−融合リポソ ームが好ましいが、水性区画内に取り込まれた溶質を含み、各水性区画内のその 溶質の濃度が実質的に等しいマルチラメラリポソームのような、マルチラメラリ ポソームであってもよい。 二分子膜内の表面剤改質分子の濃度は、通常は約2モル%以上、好ましくは約 5モル%以上、より好ましくは約10モル%以上である。表面改質剤は、コハク 酸、グルタル酸、アジピン酸、ビメリン酸、スベリン酸、酒石酸、粘液酸、テト ラフルオロコハク酸、ヘキサフルオログルタル酸などのジカルボン酸であること が好ましい。現在、最も好ましくは、表面改質剤は、ジカルボン酸のグルタル酸 である。しかし、表面改質剤は、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、グリコー ル酸、乳酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸、ヘプタフルオロ 酪酸などのモノカルボン酸、あるいはビス(スクシンイミドオキシカルボニルオ キシ)エチルスルホン、N−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテート、 2−イミノチオラン(トラウト試薬)などのスルホ脂質であることもできる。 アンカーは、リン脂質が好ましく、パルミテート鎖などの飽和アシル鎖を持つ リン脂質がより好ましい。現在、好ましい本発明の特定の実施態様においては、 リン脂質アンカーはジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE )である。しかし、アンカーは、両親媒性蛋白質であることもできる。 表面剤改質分子は、リン脂質アンカーとスペーサー基を含むことが でき、そのスペーサー基は、リン脂質アンカーのグリセロール骨格及びリン脂質 アンカーのホスフェート基に結合することができる一つ又はそれ以上の有機官能 基を含有している。代表的には、官能基は、水酸基、チオール基、エポキシド基 又はアミン基である。スペーサー基は、エチレングリコール又はポリエチレング リコールが好ましい。 リポソームに含まれる生理活性剤は、造影剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌 剤、駆虫剤、殺腫瘍剤、代謝拮抗薬、炭水化物、ポリペプチド、ペプチド、蛋白 質、トキシン、酵素、ホルモン、神経伝達物質、糖蛋白、リポ蛋白、免疫グロブ リン、免疫調節剤、血管拡張剤、染料、放射線標識剤、放射線不透性化合物、蛍 光化合物、レセプター結合分子、抗炎症剤、散瞳化合物、局所麻酔剤、麻酔剤、 ビタミン、核酸、ポリヌクレオチド、ヌクレオシド、ヌクレオチド、MRI、放 射線又は水溶性ヨウ素標識造影剤であることができ、それらの混合物及び薬理学 的に許容され得る塩も含むが、これらに限定されるものではない。現在、好まし い生理活性剤は、イオヘキソール、イオパミドール、イオキソグレート、イオト ロラン、イオバーソル、イオタラメート、ヨージミド、ヨージパミド、イオプロ ミド、メトリザミド、イオペントール、ヨージキサノール、ディアトリゾエート 、イオトロクス酸などの水溶性放射線造影剤であり、それらの混合物及び薬理学 的に許容され得る塩も含む。水溶性放射線造影剤は、イオトロランであることが 好ましい。 リポソームの生理的副作用低減有効量は、動物の体重1kg当たりリポソーム 約50mgが好ましい。 抗炎症剤に関連したリポソーム誘発生理的副作用を低減するための医薬組成物 を製造するために、生理活性剤と脂質及び表面剤改質分子 を有する脂質二分子膜とを含むリポソームの生理的副作用低減有効量使用するこ とも、ここで提供され、このとき、抗炎症剤はリポソーム内にカプセル化されて いない。この抗炎症剤は、ステロイド、あるいはインドメタシンなどの非ステロ イド系抗炎症剤であることができる。 また、生理活性剤と、脂質及び表面剤改質分子を有する脂質二分子膜とを含む リポソームの生理的副作用低減有効量を含有するリポソーム組成物が、リポソー ム誘発生理的副作用を低減するのに適応した組成物を製造するために、ここに提 供される。 本発明は、以下の実施例から更によく理解されるであろう。しかし、これらの 実施例が、後に続く請求範囲に規定されたような本発明を単に説明するだけのも のであることは、当業者が容易に理解するところであろう。 実施例 実施例1 表面改質剤DPPE−グルタル酸の調製 無水クロロホルム(125ml)中に692mg(1mmol)のジパルミト イル ホスホエタノールアミン(DPPE)(Avanti,Alabaster,Alabama)を 懸濁させた液を、透明な溶液になるまで50〜55℃で加熱した(15〜20分 )。この溶液を室温まで冷却した後、190μl(1.4mmol)のトリエチ ルアミン(Fluka Chemicals,Ronkonkama,New York)及び137mg(1.2 mmol)の無水グルタル酸(Fluka Chemicals,Ronkonkama,New York)を加 え、得られた溶液を室温で3時間攪拌した。この反応混合物の薄層クロマトグラ フィ(TLC)をシリカ板上でチェックして、反応の進行を評価した。3時間後 、TLCから、すべてのDPPEが反応したことが わかった。 この時点で、真空下、ロータリエバポレータで加熱することによって、反応混 合物からクロロホルムを除去した。残余物を、シリカゲル(110℃で少なくと も6時間加熱することにより活性化)上でクロマトグラフィにかけた。溶離シス テムは、クロロホルム:メタノール:水(65:25:4)であった。カラム分 画中のリン脂質の存在は、TLC板をまずヨウ素蒸気にさらし、次いでリン脂質 で青色を呈するモリブデン酸スプレーを噴霧することによって確認した。カラム からの各分画は、リン脂質の存在についてTLCによって分析した。生成物を含 む分画をプールし、真空下で溶媒を除去した。生成物を凍結乾燥し、最終的には 真空炉内で、60℃で6時間加熱し、白色結晶物を得た。収量は660mg(8 2%)であった。 生成物DPPE−グルタル酸は、溶離システムがクロロホルム:メタノール: 水(65:25:4)であるTLCにおいて単一のスポットを示し、NMR及び IRにより確認された。実施例2 0、2、5及び10モル%のDPPE−GAを含むDSPC/DPPE−GA IFVの調製 それぞれの粉末状の脂質をクロロホルム中に溶かすことによって、DSPC( 20mg/ml)及びDPPE−GA(5mg/ml)の各原液を生成した。D SPCはPrinceton Lipids,Princeton,New Yorkから購入した。DPPE−G Aは、実施例1で概略を示した方法により調製した。4つのDSPC/DPPE −GAサンプルは、2つのクロロホルム原液を、別々の4個の丸底フラスコ中で 混合することによって調製した。各サンプルの総脂質含有量は180μMであっ た。各脂質の総量及び各サンプルの原液添加量を以下の表に示す。 ロートバック(rotovac)を用いて、ロータリエバポレータでクロロホルムを 除去した。脂質を、薄いフィルム状になるまで乾燥した。サンプルを、一晩ポン プで真空に引いて、残っているクロロホルムを除去した。DSPCサンプル(B P1)をDSPCの転移温度(Tm)以上で、注射用0.9%食塩水10mlで 水和させた。その他の3つのサンプルをDSPCのTm以上で、注射用0.9% 食塩水6mlで水和させた。その結果、総脂質濃度は、4つのサンプル全てにお いて30μM/mlとなった。調製のこの時点で、リポソームはMLVであった 。調製の残りについては、4つのサンプル全てを同一の方法で処理した。 DSPCのTm以上で、ブランソン(Branson)プローブ音波処理装置モデル 450(Branson,Danbury,Conn.)を使用してサンプルを音波処理し、SUV を形成した。リポソームサンプルは、視覚的に透明になるまで音波処理を行った 。音波処理段階で生じる金属片を除去す るために、テーブル型遠心分離機を用いて低速(2KRPM)遠心分離を行った 。各サンプルのpHを、0.1NのNaOH及びpH試験紙で調節して、pHを 6.5から7.0の範囲とした。 サンプルの温度を室温に達するようにした。エタノール濃度を3.0Mにする のに十分なエタノール、即ち10mlのサンプル、6mlのサンプルについて、 それぞれ2.12ml及び1.27mlを各サンプルに加えた。サンプルを蓋で シールし、渦巻攪拌して、エタノールをサンプルに均一に混合させた。サンプル を、室温で20分間培養した。室温で20分間培養後、サンプルを70℃の水浴 に移し、そこで蓋をしっかり締めて10分間、その後、蓋を緩めて70℃で40 分間培養した。 サンプルを70℃の水浴に入れたまま、サンプルにN2気流を緩やかに流して 泡立たせることにより、5分間スパージを行った。スパージ段階の後、サンプル BP1(0%DPPE−GA)及びBPG4(2%DPPE−GA)を30ml のコレックス(Corex)ガラス遠心分離管に移した。ベックマン(Beckman)J− 2遠心分離機(Beckman,Palo Alto,Calif.)を用いて、10分間9KRPMで 遠心分離することによって、サンプルを3回洗浄した。5%及び10%のDPP E−GAリポソーム(サンプルBPG2及びBPG3)は、低速ベックマンJ− 2遠心分離機を用いて、9KRPMで遠心分離してもペレットにならなかった。 従って、これらの2つのサンプルをベックマン(Beckman)L5−50ESW2 7ローター(Beckman,Palo Alto,Calif.)を用いて、25KRPMで15分間 超遠心分離を行うことにより3回洗浄した。サンプルを注射用0.9%食塩水( BP1に対しては10mlその他の全てに対しては6.0ml)に再懸濁した。 pHを再 チェックして、6.5から7.0の範囲内にあることを確認した。リン酸塩測定 を行って、脂質濃度を求めた。それぞれのサンプルについてのリン酸塩濃度がわ かれば、サンプルの動物への注射の準備は整ったことになる。実施例3 ラットにおけるDSPC IFV誘発血圧反応:DPPE−GA混合の効果 50mg/KgのDSPC IFVを静脈注射をすると、ラットに急激な血圧 低下が生ずる。DSPC IFVにリン脂質ジカルボン酸誘導体DPPE−GA (3)を混合すると、この血圧低下が著しく減少することが判明した。本実施例 において、我々は、これらのラットの血圧測定についての我々の実験方法と結果 を示す。 血圧実験の3日前に、カニューレを自然発症高血圧ラットの大動脈及び頚静脈 に挿入した。ラットは、350グラムから400グラムの範囲のものであった。 カニューレは、保護用金属鎖を通して、首の後から体外に出した。ヘパリンを加 えた食塩水を、毎日カニューレに流して、詰まりを防止した。 リポソーム注射の前に、大動脈のカニューレをウインストン(Winston)電子 圧変換器(Winston Electronics,Millbrae,Calif.)に接続して、平均大動脈 圧(MAP)を監視して、頚静脈のカニューレをハーバードアパラタス(Harvar d Apparatus)注入ポンプ(Harvard,South Natic,Mass.)に設置されたIFV サンプルが入っている3ml注射器に接続した。リポソーム注射前に、ラットの MAPを数分間監視した。 頚静脈へのIFVの注入は、注入ポンプをまわすことにより、時間 ゼロから開始した。各動物への総脂質投与及び投与速度は、それぞれ50mg/ Kg及び4mg/Kg/分であった。サンプルの脂質濃度は、代表的には、10 〜15mg/mlの範囲であった。代表的な注射は、約1〜2mlのIFVサン プルを12分間にわたって行うものであった。圧変換器によって、MAPを30 秒毎に記録した。 表3に示されるように、食塩水の注入(12分間にわたって1.5ml)では 、MAPの低下を誘発しなかった。これに対して、DSPC IFVの注入では 、(50〜60分にわたって続いたMAPの大きな低下を誘発した、図6。DS PC IFVの平均最大MAP低下は、56+/−5.0%であった、表3。D SPCIFV誘発MAP低下は、IFV製剤がDPPE−GAを含んでいるとき に、著しく減少した。IFVのDPPE−GA含有量が増加すると、効果が著し く増大した。これを図6に示す。その結果を表3に示す。 図6は、実施例2で調製したDPPE−GAを10、5、2および0モルパー セント含むDSPC IFV製剤の静脈注射に対する代表的なラット血圧応答を 示す。表3は、10%DPPE−GA IFVに対する平均動脈圧低下が8.3 +/−2.1%であったことを示す。表2におけるデータは、リン脂質ジカルボ ン酸誘導体が、DSPC IFVによって生ずる血圧低下を減少させることを明 白に示している。実施例4 DSPC IFVの静脈注射による血圧低下を減少させるためのインドメタシン の投与 実施例2によって調製されたDSPC IFV/0%GA(50mg/kg) を自然発症高血圧ウイスターラットに静脈注射すると、急 激な一時的血圧低下を引き起こす。 DSPC IFV注射に応じる血圧低下は、通常は、注射後約4分〜6分して 始まった。最初の血圧の30〜40%の低下は、代表的には、3分〜4分の期間 にわたって起こった。代表的には、DSPC注射後20分〜25分して、血圧は 回復し始めた。30分から40分後でも、血圧の回復は完全ではなかった。 DSPC IFV注射の15分前かもしくは30分前に、抗炎症剤インドメタ シン(5mg/kg)を静脈注射し、有意差のある血圧応答が生じた。初期のわ ずかな低下の後、血圧は30分〜40分以内に最初の血圧に急速に回復した。実施例5 平均リポソーム直径の関数としてのDSPC/N−グルタリル−DPPEリポソ ームの正規化AUC リポソームを以下の孔径、50、80、200、400、600、及び800 nm、を有するポリカーボネートフィルターを通して押し出すことにより、LU VET(押出技術により調製したLUV)を調製した。IFVは、嵌合−融合技 術により調製された。LUVET及びIFVの平均直径は、準弾性光散乱及び凍 結−割断電子顕微鏡検査により測定した。リポソームを、他の血漿成分と交換不 可能な3H−コレステロールヘキサデシルエーテルで放射線標識した。Sprague-D awleyラットに、外側尾静脈から静脈内ボラースにより50mg/kgのリポソ ームを投与した。各リポソームサイズ製剤について、4〜11匹のラットを使用 した。血液サンプルは、眼窩後放血(retro-orbital bleeding)により、注射後 0.5、3.5、6.5及び24時間目に取り出した。血液をテーブル型遠心分 離機で回転させて、赤血球 を除去した。血漿中の放射線標識の量は、シンチレーション計数によって求めた 。血漿中の残存投与量パーセントは、体重100グラム当り3.08mlの血漿 の値を使用して計算した。 時間の関数としての血漿中の残存投与量パーセントは、各リポソームサイズに ついてプロットされた。各リポソームサイズについての曲線の下の面積(AUC )を、台形積分法で計算した。各リポソーム製剤の表面積重量平均直径(surfac e area-weighted average diameter)に対して、各リポソームサイズについての AUCをプロットすることによって図を作成した。 図7は、表面積重量平均直径の関数としてプロットしたDSPC IFV及び LUVETの正規化AUCを示す。AUCは、IFV及びLUVETの循環形の 台形積分法により計算し、200nm孔径LUVETのAUCに正規化された。 点は、DSPCIFV及びLUVETの正規化AUCである(DSPCのTmよ りも高い温度での準弾性光散乱によって測定すると、解離した200nm孔径の DSPC LUVETの表面積重量直径は、197±93nmであった。しかし 、DSPC LUVETの集合により、血漿中の実際の粒径は、著しく大きくな っているかもしれない。実施例6 フッ素化グルタル酸誘導体を含有するIFリポソーム合成 N−フルオログルタリル−DPPE 乾燥酢酸エチル(100ml)にDPPE(1mmol)を懸濁させたものを 80℃まで加熱して、DPPEを溶解した。トリエチルアミン(4mmol)、 次いで無水ヘキサフルオログルタル酸(3mmol)をこの溶液に加えた後、8 0〜85℃で6時間加熱した。得ら れた粗物質を、クロロホルム:メタノール(1:1)のヤファデックスLH−2 0を用いてゲル濾過を行なった後、クロロホルム:メタノール:水(65:25 :4)のシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、54%の収率で、白色結 晶物としてN−フルオログルタリル−DPPEを得た。この生成物は、IR及び NMRにより確認された。N−フルオロスクシニル−DPPE 無水ヘキサフルオログルタル酸の代わりに、無水テトラフルオロコハク酸を使 用した以外は、同一の反応条件を用いた。生成した化合物は、44%の収率で得 られ、薄層クロマトグラフィーにおいて単一のスポットを示し、IR及びNMR により確認された。N−フルオロブチリル−DPPE この化合物は、上述の条件で、DPPEを無水ヘプタフルオロ酪酸と反応させ て調製した。生成した化合物は、TLCにおいて単一のスポットを呈し、NMR により確認され、60%の収率で得られた。血圧スクリーニング 雄のSprague-Dawleyラット(Charles River)にペントバルビタールナトリウ ムで腹腔内麻酔をかけ、外科的方法により、腹大動脈及び外頚静脈にカニューレ を挿入した。動脈のカニューレは一回洗浄し、2単位のヘパリンで開存保持した 。ウインストンエレクトロニクス(Winston Electronics)モデルVT−15血 圧モニターシステムを動脈のカニューレに接続することにより、血圧を監視した 。DPPE−FGA IFリポソーム(ジパルミトイルホスファチジルエタノー ルアミン/フルオログルタル酸を含む嵌合−融合リポソーム)の注入前に数分間 、ベースライン血圧を取った。4つのサンプルの平均として、 ベースライン血圧を求めた。ハーバードポンプ(Harvard Pump)22、注入ポン プ、を使用して、4mg/kg/分の割合で、50mg/kgの脂質を頚動脈か ら動物に投与した。注入後、動物を約15分間監視し、回復段階を観察した。I Fの注入前、注入中、注入後、VT−15で、血圧を30秒毎に監視した。ベー スライン血圧(ベースラインBP)からの減少率は、〔(ベースラインBP−最 大低下BP)/ベースラインBP〕×100により計算した。DPPE−FGA IFリポソームは、第1被験動物では、ベースラインから12%の血圧減少を 引き起こし、第2被験動物では、1.3%の増加を引き起こした(平均減少は、 5.3+/−9.24%)。データを以下の表に示す。 これらの動物のそれぞれについてのリポソーム注入中の血圧を、図8〜12に 示す(ラット1〜5それぞれについて)。実施例7 イオトロラン、DPPE−GA含有IFリポソームの調製及び使用 DSPC(920mg)又はDPPE−GAとDSPC(828mgのDSP C、92mgのDPPE−GA)含むスモールユニラメラリポソーム(SUV) を、それぞれ、約40mg/mlの脂質濃度、脂質の転移温度(DSPCでは5 4℃、リポソームは65〜70℃で調製された)より約10℃高い温度で、dH2 O又は食塩水中で調製した。脂質又は脂質混合物を塩化メチルに溶かし、乾燥 させて薄層フィルムにした。約65℃で約30分加熱しながら、乾燥脂質を23 mlのdH2O中に再懸濁して、DSPCリポソームを調製した(SUV調製に プローブ音波処理を用いる場合は、加熱工程は省略できる)。65℃で、乾燥脂 質を食塩水に再懸濁して、DSPC/DPPE−GAリポソームを調製した。 46mgのイオトロラン(ヨウ素300mg/ml)、16.3mlのエタノ ール及び6.7mlのdH2Oを混合することにより、イオトロラン懸濁液を調 製した。この場合、エタノールの前に、蒸留水をイオトロランに加え、絶えず混 合しながら、エタノールをゆっくり加えた。 16.5mlのイオトロラン懸濁液を4つのスクリュートップ(screw top) チューブに分注し、5.5mlのSUV懸濁液を加えた。得られたゲルを激しく 混合し、室温で少なくとも1時間インキュベートした。DSPC/DPPE−G Aリポソームを30℃で24時間インキュベートした。この後、チューブを65 〜70℃で1時間インキュベートした。次いで、各チューブを15分間渦巻攪拌 した。 次いで、約111〜13分間、65〜70℃に維持しながら、各サ ンプルを混合し、窒素流でスパージした。その後、サンプルを250mlエレン マイヤーフラスコにプールし、室温まで冷却して、表面に白い泡を有する透明溶 液を製造した。十分な量の、下記緩衝液を調製物に加えて、容積を200mlと し、混合して不透明なIF含有懸濁液を得た。2.4mg/mlトリス塩基、0 .1mg/ml Na/Ca EDTA、0.9%NaCl(pH7=7.4) 。 この懸濁液を、50ml遠心分離瓶にて、約3200gで少なくとも約5分間 遠心分離した。必要に応じて、遠心分離を繰り返し(例えば3回)、取り込まれ なかったイオトロランを除去した。次いで、製剤の脂質及びイオトロラン含有量 を測定し、電子顕微鏡検査、マルバーン粒径分布分析、捕捉容積及びラメラ性に より確認し、使用するまで室温で貯蔵した。 血漿中に残存している注射されたリポソーム(200nm押出小胞)のパーセ ントは、DPPE−GA有りと無しの種々の製剤について、時間の関数として図 13に示される。 表4(下記参照)は、種々のロットのDSPC、DSPC/DPPE−GA( 5mole%)及びDSPC/DPPE−GA(10mole%)IFリポソー ムを使用したラットにおけるCTスキャンの結果を示している。 図14及び15は、これらのロットのうちの2つについてのマルバーン粒径分 布データを示している。下記の表は、ロットのうちの幾つかのものについての製 剤概要(formulation summary)を示す。 下記の表は、種々のロットのDPPE−GA、イオトロラン含有IFについて 、種々の時間貯蔵した安定性サンプルから、250mg/kgのヨウ素を投与し たラットにおけるpH、上澄み中のヨウ素%、リソホスファチジルコリン%及び CT結果を示している。いずれのサンプルにおいても、色及び外観の変化は認め られなかった。 実施例8 DPPE−GA、イオトロラン含有IFリポソームを使用したウサギにおけるC T画像の検討 DPPE−GA、イオトロラン含有IFリポソームを上述したように調製した 。このリポソームは、100.5mg/mlのヨウ素、16.3mg/mlの脂 質(6.2のヨウ素:脂質比)を含有し、密度が1.09g/ml、捕捉容積が 18.6(マイクロリットル/マイクロモル脂質)であり、直径は5ミクロン未 満であった。体重が、4.5〜5.8kgの雌のウサギに、かかるリポソームを 、(投与量当たり1匹の)体重1kg当たり100および250mgのヨウ素と なるように、50mgl/分×体重kgの速度で投与し、キシラジン/ケタミン により麻酔をかけた。 リポソームの静脈内投与の前及び投与後の様々な時間において、肝臓、脾臓、 大動脈及び腎臓(皮質)の濃度を(ハウンスフィールド単位−HUで)測定した 。ウサギをリポソーム投与の4時間後に犠牲にした。肝臓、脾臓、腎臓、肺及び 血液中のヨウ素の濃度を測定した。結果を図16に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),AU,CA,FI,JP,K R,NO,NZ (72)発明者 バトラ,スレッシュ,ケイ アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08536,プレインスボロ,タモローンドラ イヴ 8601 (72)発明者 ミンシェイ,シャルマ,アール アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08852,モンマウスジャンクション,ベイ ベリーコート 4031 (72)発明者 ジャノフ,アンドリュー,エス アメリカ合衆国 ペンシルヴァニア州 19067,ヤードレイ,サウスクレッセント ブールヴァード 1807

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.生理活性剤と、表面改質剤とアンカーとを含む表面剤で改質された分子及び 脂質を有する脂質二分子膜とを含むリポソームの生理的副作用低減有効量をリポ ソームが誘発する生理的副作用を低減するための医薬組成物の製造のための使用 。 2.リポソームが、200nmから5000nmまでの直径を有している請求の 範囲1の使用。 3.リポソームが、400nmから5000nmまでの直径を有している請求の 範囲2の使用。 4.リポソームが、400nmから1000nmまでの直径を有している請求の 範囲3の使用。 5.ユニラメラリポソームが、ラージユニラメラリポソームである請求の範囲1 の使用。 6.リポソームが、嵌合−融合リポソームである請求の範囲1の使用。 7.リポソームが、マルチラメラリポソームである請求の範囲1の方法。 8.マルチラメラリポソームが、その水性区画に取り込まれた溶質を含み、各水 性区画内の溶質の濃度が実質的に等しい請求の範囲7のリポソーム。 9.二分子膜内の表面剤改質分子の濃度が、2モル%以上である請求の範囲1の 使用。 10.表面剤改質分子の濃度が、5モル%以上である請求の範囲9の使用。 11.表面剤改質分子の濃度が、10モル%以上である請求の範囲1 0の使用。 12.表面改質剤が、ジカルボン酸である請求の範囲1の使用。 13.ジカルボン酸が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ビメリン酸、スベ リン酸、酒石酸、粘液酸、テトラフルオロコハク酸又はヘキサフルオログルタル 酸である請求の範囲12の使用。 14.表面改質剤が、モノカルボン酸である請求の範囲1の使用。 15.モノカルボン酸が、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、グリコール酸、 乳酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸又はヘプタフルオロ酪酸 である請求の範囲14の使用。 16.表面改質剤が、スルホ脂質である請求の範囲1の使用。 17.スルホ脂質が、ビス(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチルス ルホン、N−スクシンイミジル−S−アセチルチオアセテート又は2−イミノチ オラン(トラウト試薬)である請求の範囲16の使用。 18.表面改質剤が、グルタル酸である請求の範囲1の使用。 19.アンカーが、リン脂質である請求の範囲1の使用。 20.リン脂質が、飽和アシル鎖を有している請求の範囲19の使用。 21.飽和アシル鎖が、パルミテート鎖である請求の範囲20の使用。 22.リン脂質が、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE )である請求の範囲19の使用。 23.アンカーが、両親媒性蛋白質である請求の範囲1の使用。 24.表面剤改質分子が、リン脂質アンカーとスペーサー基を含み、そのスペー サー基が、リン脂質アンカーのグリセロール骨格及びリン脂質アンカーのホスフ ェート基に結合することができる一つ又はそれ以上の有機官能基を含む請求の範 囲1の使用。 25.官能基が、水酸基、チオール基、エポキシド基又はアミン基である請求の 範囲24の使用。 26.スペーサー基が、エチレングリコール又はポリエチレングリコールである 請求の範囲24の使用。 27.生理活性剤が、造影剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、駆虫剤、殺腫 瘍剤、代謝拮抗薬、炭水化物、ポリペプチド、ペプチド、蛋白質、トキシン、酵 素、ホルモン、神経伝達物質、糖蛋白、リポ蛋白、免疫グロブリン、免疫調節剤 、血管拡張剤、染料、放射線標識剤、放射線不透性化合物、蛍光化合物、レセプ ター結合分子、抗炎症剤、散瞳化合物、局所麻酔剤、麻酔剤、ビタミン、核酸、 ポリヌクレオチド、ヌクレオシド、ヌクレオチド、MRI、放射線又は水溶性ヨ ウ素標識造影剤、それらの混合物及び薬理学的に許容され得る塩、又はそれらの 混合物である請求の範囲1の使用。 28.水溶性ヨウ素標識造影剤が、イオヘキソール、イオパミドール、イオキソ グレート、イオトロラン、イオバーソル、イオタラメート、ヨージミド、ヨージ パミド、イオプロミド、メトリザミド、イオペントール、ヨージキサノール、デ ィアトリゾエート、イオトロクス酸、それらの混合物及び薬理学的に許容され得 る塩からなる群から選ばれる請求の範囲27の使用。 29.水溶性ヨウ素標識造影剤が、イオトロランである請求の範囲28の使用。 30.リポソームの生理的副作用低減有効量が、動物の体重1kg当たりリポソ ーム50mgである請求の範囲1の使用。 31.抗炎症剤に関連したリポソーム誘発生理的副作用を低減するための医薬組 成物を製造するために、生理活性剤としての抗炎症剤と脂 質及び表面剤改質分子を有する脂質二分子膜とを含むリポソームを生理的副作用 低減有効量の使用において、該抗炎症剤がリポソーム中にカプセル化されていな いもの。 32.抗炎症剤が、ステロイドである請求の範囲31の使用。 33.抗炎症剤が、非ステロイド系抗炎症剤である請求の範囲31の使用。 34.非ステロイド系抗炎症剤が、インドメタシンである請求の範囲33の使用 。 35.生理活性剤と、脂質及び表面剤改質分子を有する脂質二分子膜とを含むリ ポソームの生理的副作用低減有効量を含有する、リボソーム誘発生理的副作用を 低減するのに適応した組成のリポソーム組成物。
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