JPH0249235Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は例えばクリーニング工場等において、
ハンガに掛けられた衣服を品種別あるいは搬送先
別に仕分けるためのハンガ仕分け装置に関する。

（従来の技術） 従来、衣服等が掛けられたハンガを仕分けする
場合には搬送ラインにそれと直交する移送バーが
取り付けられ、該移送バーに掛けられたハンガ
を、その移送バーの位置に対応して設けられた仕
分けレールに掛け変えるよう構成されたものが使
用されている。上記掛け変えの機構としては、カ
ムやスプロケツトを組み合わせてバーを上下さ
せ、移送バーと仕分けレールの両方に掛つた状態
のハンガを移送バーから外す機構のものが周知で
ある。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら上記のような従来のハンガ仕分け
装置は機構が複雑で調整等にも手間がかかりコス
トが高くなるのみならず、作動の信頼性が必ずし
も高くなく、移送バーが仕分けレールに引つ掛つ
て装置を損壊する事故が起き、又、その修復にも
手間と時間がかかるという問題点があつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案に係るハンガ仕分け装置は、互いに並行
に架設された無端状の一対の搬送チエーンと、そ
れら搬送チエーンの互いに対向した位置に該搬送
チエーンの長さ方向に沿つて所定間隔で設けら
れ、両搬送チエーンの対向方向に向く軸ピン回り
回動自在とされた歯車と、互いに対向配置された
前記歯車間に、両端部がそれら歯車の外周部近傍
に位置するように架設された移送バーと、前記移
送バーの長手方向に複数形成され、この移送バー
に懸吊されるハンガ等の位置を規定する係止部
と、前記搬送チエーンの長手方向に沿つて所定間
隔で配設され、かつ前記搬送チエーンの下側方よ
り延出してその頂端部がこの一対の搬送チエーン
間に至るように設置されるとともに、配設位置の
移行に伴つて前記頂端部が順次前記各係止部のそ
れぞれに対応する如く設定された複数本の仕分け
レールと、前記搬送チエーンの長手方向に沿つて
かつ前記仕分けレールに対応した所定位置にそれ
ぞれ固設され、前記歯車が前記搬送チエーンの駆
動により移動してきた時にその歯車と噛合して、
前記移送バーの前記係止部が前記仕分けレールの
前記頂端部の直上を越えた後降下するように該歯
車を前記軸ピン回りに回転させるラツクギアと、
前記移送バー端部の通過位置下方に前記仕分けレ
ールの配設位置に対応して設けられ、該仕分けレ
ールの上方を通過する前記移送バーが少なくとも
前記仕分けレールの頂端部より下方に降下しない
ように規制するための降下防止部材と、を備えて
成るものである。

（実施例） 以下図面を参照して本考案の一実施例につき説
明する。

第１図〜第８図において１は搬送チエーンであ
り、前スプロケツト８ａと後スプロケツト８ｂに
巻回され、第１図において左廻りに駆動されるよ
うに、かつ第２図に示されるように左右一対が平
行して設けられている。搬送チエーン１には両端
に歯車２ａを有する移送バー３が等間隔に適数
（例では４本）架設されている。すなわち、左右
の搬送チエーン１の対応する位置には通常のチエ
ーンのコマよりやや長い接続用コマ１ａが取り付
けられ、該接続用コマ１ａの上又は下の面（上列
においては下面、下列では上面）にＬ字断面の金
具である結合杆９が取り付けられ、その結合杆９
の内側面には軸ピン１０を介して歯車２ａが回動
自在に取り付けられている。左右の歯車２ａの対
応する内面位置には移送バー３が取り付けられて
おり、該移送バー３には適数（例では10本）の周
溝（係止部）４を形成する間隔材４ａが嵌め付け
られている。また歯車２ａの外面には半径方向約
１／２の位置に第１掛止ピン１１ａと第２掛止ピン
１１ｂが結合杆９に掛止するよう突出して設けら
れている。上記掛止ピン１１ａ，１１ｂと移送バ
ー３の位置関係は次のように定められている。正
面から見て右側の歯車２ａについて第３図及び第
４図により説明すると、外面から見て、移送バー
の位置から右廻りに第２掛止ピンは40度、第１掛
止ピンは160度の所にある。左側の歯車２ａはこ
れと面対称である。下列の搬送チエーン１に沿つ
て等間隔に仕分けレール５が設けられている。仕
分けレール５は周溝４と同数、左右対称に設けら
れ、対応する周溝４の走行ラインのやや内側の直
下に頂端部５ａを有し、該頂端部５ａから左右の
外側へ、かつ下へ約45度傾斜行して敷かれ、外側
では水平な収納レール（図示せず）に続いてい
る。上記仕分けレール５は外側の周溝４に対応す
る仕分けレール５が前側に、内側の周溝４に対応
する仕分けレール５が後側に来るように順に設け
られている。各仕分けレール５のほぼ横の位置に
ラツクギア２ｂが歯車２ａの下面と噛合するよう
に左右のフレーム１３に固設されている。該ラツ
クギア２ｂの歯数は歯車２ａの約3/10で歯車２ａ
を約110度回転させる。前記歯車２ａと上記ラツ
クギア２ｂで移送バー昇降機構２を構成してい
る。

各仕分けレール５の横のフレーム１３には第２
図に示すように降下防止部材１２が固設されてい
る。該降下防止部材１２は方形の板状で、約60度
の角度で取り付けられ、頂端部１２ａが移送バー
３の端部の走行ラインの直下に来るようになつて
おり、側面視では第６図に示すように頂端部１２
ａは仕分けレール５の頂端部５ａのやや上を、前
後方向に覆うように設けられている。

搬送チエーン１の上列の前部（第１図左側）に
ハンガ１４を移送バー３に供給する供給部７が設
けられている。該供給部７はハンガ１４のフツク
１４ａが掛けられるように前側が開放された縦溝
７ｂを形成する間隔材７ａと、ハンガフツク１４
ａを受ける底板７ｃとからなり、上記縦溝７ｂの
数及び位置は移送バー３の周溝４と対応してい
る。

上記間隔材７ａは間にハンガフツク１４ａが入
りやすいようにカマボコ状をしている。第５図に
示すように上記底板７ｃの位置は移送バー３の移
動ラインのやや上にあり、また底板７ｃの上面は
滑らかでやや前傾している。

次に上記のように構成された実施例のハンガ仕
分け装置の作用について述べる。ハンガ１４は仕
分け先別に供給部７の縦溝７ｂに人手により前か
ら掛けられる。掛けられたハンガ１４は第５図に
示すように搬送チエーン１により走行される移送
バー３が底板７ｃ直下を通ることにより（Ａ→
Ｂ）、対応する周溝４に移し替えられ、下列に至
る（Ｃ）。この時、歯車２ａは第１掛止ピン１１
ａが結合杆９に押されることにより軸ピン１０を
中心に180度回転し、従つて移送バー３の位置も
Ａ→Ｂ→Ｃ１と180度回転する。Ｃ１において移
送バー３の位置は頂点より前に来るので、時に前
へ回転し、第２掛止ピン１１ｂが結合杆９に当つ
て止まる（Ｃ１→Ｃ２）。

更にハンガ１４が掛止された周溝４に対応する
仕分けレール５近辺に来ると歯車２ａがラツクギ
ア２ｂと噛合され、軸ピン１０を中心に回転を始
める（第６図Ｄ）。移送バー３はほぼサイクロイ
ド曲線を描きラツクギア２ｂ終端でＥに至り、更
に歯が掛つている間回転してＦに至る。この時ハ
ンガ１４は移送バー３と仕分けレール５の頂端部
５ａやや下の所の両方に掛かり、１４Ｆの状態に
なる。次に歯車２ａとラツクギア２ｂの噛合が解
けて歯車２ａは移送バー３の重みと、移送バー３
がハンガ１４に引つ張られる力により、第６図で
左廻りに第２掛止ピン１１ｂが結合杆９に当るま
で回転し（Ｆ→Ｇ）、移送バー３は元の位置に戻
り、ハンガ１４はスムースにレール頂端部５ａに
移し替えられる。レール頂端部５ａに移し替えら
れたハンガ１４は仕分けレール５の斜行に沿つて
滑走し、水平な収納レール（図示せず）に収納さ
れる。

また、歯車２ａ及び移送バー３は上記過程を仕
分けレール５の位置毎に繰り返し、更に後端を通
つて上列に移り、移送バー３の重みで回転し、第
１掛止ピン１１ａが結合杆９に掛止された状態
（第５図Ａ）に戻る。次に移送バー３にハンガが
掛止されていない状態でのラツクギア２ｂ近辺で
の挙動を第７図により説明する。ラツクギア２ｂ
の終端に至る過程はハンガ掛止時（第６図）と同
様（Ｄ→Ｅ）であるが、歯車２ａとラツクギア２
ｂの噛合が解けて、歯車２ａが自由になつた時歯
車２ａは第７図で右廻りの回転モーメントを持つ
ており、移送バー３の重量による左廻りの回転モ
ーメントに勝つて右廻りを続けＨの状態になり、
そこで第１掛止ピン１１ａが結合杆９に当つて止
まる。Ｈの状態では移送バー３は軸ピン１０の左
にあり、従つて移送バー３の重みにより左回転し
て元の状態に戻る（Ｋ）。すなわち第１掛止ピン
１１ａは空荷の移送バー３がラツクギア２ｂの前
後で位置が変わるのを防ぐ作用を有し、又第２掛
止ピン１１ｂはラツクギア２ｂ始端時での移送バ
ー３の位置を一定に保つ作用を有する。一方移送
バー３が仕分けレール５の頂端部５ａのやや前方
上部にある時に、搬送チエーン１が停止された場
合には、前後スプロケツト８ａ，８ｂと搬送チエ
ーン１の間の遊び等により軸ピン１０の位置が僅
かに戻り、第８図に示すように走行中にはラツク
ギア２ｂの歯２ｄから反力を受けてやや上方に浮
いていた歯車２ａの歯２ｃが降下し、移送バー３
が仕分けレール頂端部５ａより下側に来る。その
状態で搬送チエーン１の走行が再開されると、移
送バー３（間隔材４ａ）と仕分けレール５が交差
し、破損事故に至る。降下防止部材１２は上記搬
送チエーン１の停止時の移送バー３の降下を防
ぎ、これにより移送バー３（この場合、間隔材４
ａ）が仕分けレール５と干渉するのを防ぐもので
ある。

以上に述べた構成及び作用から理解されるよう
に、本実施例のハンガ仕分け装置は供給部７に掛
けられたハンガを自動的に仕分け、収納し、作業
が迅速に確実に、省人化されて行われる。また搬
送停止時における移送バー３の降下に起因する搬
送再開時の事故も完全に防止される。そして、移
送バー３を仕分けレール５の位置にて昇降させる
ための昇降機構を、移送バー３両端部の歯車２ａ
およびラツクギア２ｂにより構成したので、特に
仕分け動作の調整およびレイアウト変更等を容易
に行うことができる。すなわち、移送バー３の昇
降動作のタイミングは仕分けレール５との位置関
係で決まるものであり、その設定は精確さを要求
される。そこで、上記構成であれば、移送バー３
の昇降タイミング等の調整は、ラツクギア２ｂの
設置位置を搬送チエーン１の延在方向に微調整す
るのみで簡単に行うことができる。また同様に、
ラツクギア２ｂの設置位置の変更のみで移送バー
３の昇降動作位置を変えることができるので、例
えばレイアウトの変更等により仕分け位置すなわ
ち仕分けバー５の設置位置を変える場合等にも、
その位置変更した仕分けレール５に対応する位置
にラツクギア２ｂを移動させるだけで済むので、
その作業は極めて容易である。しかもその際、ラ
ツクギア２ｂは特に搬送チエーン１等を何等拘束
するものではないので位置変更は任意に行うこと
ができる。また、構造が簡単なので噛み込み等の
事故の場合にも人手による修復が容易に行われ、
効率の良い作業が行われる。また設備のコストが
安価である。

なお、本考案の実施は上記のものに限られるこ
とはなく、例えば移送バーの数、係止部の数はそ
れぞれ要求される作業能率や仕分け先の数などに
合わせて適宜選択されて良い。

（考案の効果） 以上説明した通り本考案に係るハンガ仕分け装
置によれば、簡単な機構により仕分け作業中移送
バーから仕分けレールへの移し替えがスムースに
事故なく行われ、各部材間の遊びによる作業時の
事故も防止される。さらに、移送バーを仕分けレ
ールの位置にて昇降させるための移送バー昇降機
構を、移送バー両端部の歯車とラツクギアとによ
り構成したので、特に仕分け動作の調整およびレ
イアウト変更等を容易に行うことができる。また
噛み込みなどの事故の場合の修復も容易で稼動効
率が良い。また設備コストも安価である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の概略を示す側面
図、第２図は正面図、第３図及び第４図は歯車及
び移送バーの部分の正面図及び側面図、第５図〜
第８図は歯車及び移送バーの挙動を示す側面図で
ある。 １……搬送チエーン、２……移送バー昇降機
構、３……移送バー、４……係止部（周溝）、５
……仕分けレール、５ａ……レール頂端部、１２
……降下防止部材、１４……ハンガ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 互いに並行に架設された無端状の一対の搬送チ
   エーン１と、 それら搬送チエーン１の互いに対向した位置に
   該搬送チエーンの長さ方向に沿つて所定間隔で設
   けられ、両搬送チエーンの対向方向に向く軸ピン
   １０回り回動自在とされた歯車２ａと、 互いに対向配置された前記歯車２ａ間に、両端
   部がそれら歯車の外周部近傍に位置するように架
   設された移送バー３と、 前記移送バー３の長手方向に複数形成され、こ
   の移送バーに懸吊されるハンガ等の位置を規定す
   る係止部４と、 前記搬送チエーン１の長手方向に沿つて所定間
   隔で配設され、かつ前記搬送チエーン１の下側方
   より延出してその頂端部５ａがこの一対の搬送チ
   エーン間に至るように設置されるとともに、配設
   位置の移行に伴つて前記頂端部５ａが順次前記各
   係止部４のそれぞれに対応する如く設定された複
   数本の仕分けレール５と、 前記搬送チエーンの長手方向に沿つてかつ前記
   仕分けレール５に対応した所定位置にそれぞれ固
   設され、前記歯車２ａが前記搬送チエーンの駆動
   により移動してきた時にその歯車２ａと噛合し
   て、前記移送バー３の前記係止部４が前記仕分け
   レール５の前記頂端部５ａの直上を越えた後降下
   するように該歯車２ａを前記軸ピン１０回りに回
   転させるラツクギア２ｂと、 前記移送バー３端部の通過位置下方に前記仕分
   けレール５の配設位置に対応して設けられ、該仕
   分けレール５の上方を通過する前記移送バー３が
   少なくとも前記仕分けレールの頂端部５ａより下
   方に降下しないように規制するための降下防止部
   材１２と、 を備えて成るハンガ仕分け装置。