JPH0249135Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車のエンジンルームに塔載され
るエンジンにおいて、該エンジンにおけるエアク
リーナに大気空気を取入れるための装置に関する
ものである。

〔従来の技術〕

エンジンへの吸気空気を、温度が出来る丈低い
状態で且つ塵埃ができる丈少ない状態で取り入れ
るために、先行技術としての実開昭53−143911号
公報は、エアクリーナへの大気空気取入管の先端
をエンジンルームを構成するフレームシヤーシに
取付くヘツドライトの背面に近接することを、ま
た、実開昭54−82212号公報は、エアクリーナへ
の大気空気取入管の先端をエンジンルームを構成
するフレームシヤーシに近接することを各々提案
している。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、このようにエアクリーナへの大気空気
取入管の先端を、エンジンルームを構成するフレ
ームシヤーシに近接するか或いは当該フレームシ
ヤーシに取付くヘツドライト等の部品に近接した
場合、大気空気は前記大気空気取入管の先端とフ
レームシヤーシ等との間の隙間から相当に流速を
持つて大気空気取入管内に流入するから、地面か
ら跳ね上げた水を大気空気と共に吸い込み易くな
り、大気空気取入管内に水を吸い込むと、エアク
リーナにおけるフイルタエレメントを濡らし、フ
イルタエレメントが損傷したり、空気の濾過抵抗
の増大にてエンジン出力が低下したりする不具合
が発生する。

そこでこの問題を解消するには、大気空気取入
管の先端の下面部を延長して、これをフレームシ
ヤーシに接当させるか、又はフレームシヤーシに
取付くヘツドライト等の部品に接当させるように
すれば良いと考えられるが、フレームシヤーシは
板金製である一方、大気空気取入管はエンジン等
に取付くエアクリーナから突出するもので、その
間における寸法誤差は可成り大きいと共に、フレ
ームシヤーシ又は部品は複雑な形状をしているか
ら、大気空気取入管の先端の下面部をフレームシ
ヤーシ又は部品に接当するには、相当の手数が必
要で可成りのコストアツプになると共に、大気空
気取入管の先端の下面部をフレームシヤーシ又は
部品に接当した場合、大気空気取入管とフレーム
シヤーシとの間に振動が相互に伝達する現象が発
生するばかりか、大気空気取入管への大気空気の
吸入に伴つて発生する吸気音が、フレームシヤー
シに伝達して増幅される等の不具合がある。

本考案は、このようにエアクリーナへの大気空
気取入管の先端を、エンジンルームを構成するフ
レームシヤーシに近接するか或いは当該フレーム
シヤーシに取付くヘツドライト等の部品に近接し
た場合における前記の問題を解消することを目的
とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

このため本考案は、自動車のエンジンルームに
塔載したエンジンにおけるエアクリーナへの大気
空気取入管の先端を、前記エンジンルームを構成
するフレームシヤーシに近接するか或いは当該フ
レームシヤーシに取付くヘツドライト等の部品に
近接して成るエアクリーナの空気取入装置におい
て、前記大気空気取入管の先端部下面には、独立
気泡のスポンジ体を、当該スポンジ体が前記フレ
ームシヤーシ又はこれに取付く部品に接当するよ
うに設けた構成にしたものである。

〔考案の作用・効果〕

このように構成すると、大気空気取入管の先端
が近接するフレームシヤーシ又はこれに取付くヘ
ツドライト等の部品には、大気空気取入管の先端
下面に設けたスポンジ体が接当して、大気空気取
入管の先端下面とフレームシヤーシ等との間の隙
間を塞ぐことができて、自動車の走行に際して路
上面から跳ね上がる水が大気空気取入管の先端下
面とフレームシヤーシ等との間の隙間より大気空
気取入管内に進入するのを防止できる一方、大気
空気取入管の先端部は前記スポンジ体以外の部分
が開放されていることにより、大気空気取入管へ
の大気空気の吸入量を確保することができるので
ある。

従つて、本考案によると、大気空気の吸入量を
減殺することなく大気空気取入管への水の侵入を
防止できるのであり、この場合において、大気空
気取入管の先端下面に設けたスポンジ体を、フレ
ームシヤーシに接当するか、フレームシヤーシに
取付くヘツドライト等の部品に接当するだけで、
当該スポンジ体はフレームシヤーシ又は部品の形
状通りに変形して隙間を完全に塞ぐことができる
から、大気空気取入管とフレームシヤーシ又は部
品との相対位置の寸法精度を高めること、及び大
気空気取入管の先端をフレームシヤーシ又は部品
の複雑な形状に合せて加工することを必要としな
いから、大気空気取入管の先端下面とフレームシ
ヤーシ又は部品との隙間を塞ぐことに要するコス
トの増大がないのである。

また、前記のようにスポンジ体を、フレームシ
ヤーシ又は部品に接当したことにより、大気空気
取入管とフレームシヤーシ又は部品とにおける振
動が相互に伝達することがないと共に、大気空気
取入管への大気空気の吸入に伴つて発生する吸気
音が、フレームシヤーシに伝達して増幅されるこ
とも低減できるものであり、しかも、スポンジ体
は独立気泡を有するもので、当該スポンジ体の組
識内に水を保有することがないから、スポンジ体
の組識内に水がいつまでも保有することによつ
て、当該スポンジ体が接する大気空気取入管、フ
レームシヤーシ又は部品に対する錆の発生を回避
できるのである。

〔実施例〕

以下本考案を実施例の図面について説明する
と、図において１は自動車のフレームシヤーシ、
２は該フレームシヤーシ１の前部に形成したエン
ジンルーム、３は該エンジンルーム２内に塔載し
たエンジン、４は該エンジン３の上面に設けたエ
アクリーナを各々示し、前記エアクリーナ４に
は、大気空気取入管５が設けられている。

そして前記エアクリーナ４における大気空気取
入管５を自動車の前方に延長して、その先端部５
ａを、前記フレームシヤーシ１の前面部に取付く
ヘツドランプ６の背面に近接するにおいて、当該
大気空気取入管５の先端部５ａを、斜め上向きの
傾斜状に形成する一方、大気空気取入管５の先端
部５ａ下面には、断面上向きコ字状に形成した独
立気泡を有するスポンジ体７を設け、該スポンジ
体７の先端を、前記ヘツドランプ６の背面に直接
に接当するか、或いはヘツドランプ６の背面に一
体的に設けたリブ６ａに接当して成るものである
（この場合、スポンジ体７は、リブ６ａに対して
その上面又は下面に接当するようにしても良い）。

このように、大気空気取入管５の先端部５ａ下
面に設けたスポンジ体７の先端を、ヘツドランプ
６の背面に直接に接当するか、或いはヘツドラン
プ６の背面に一体的に設けたリブ６ａに接当した
ことにより、自動車の走行に際して路上面から跳
ね上がる水の大気空気取入管５内への侵入を防止
できる一方、大気空気取入管５の先端部５ａを、
斜め上向きの傾斜状に形成したことにより、前記
スポンジ体７を設けたことによる吸入空気量の低
減を回避できるのである。

なお、前記実施例は大気空気取入管５の先端部
を５ａを、ヘツドランプ６の背面に近接する場合
であつたが、本考案は、これに限らず、大気空気
取入管５の先端部５ａをフレームシヤーシ１の内
面に近接した場合とか、或いはフレームシヤーシ
１に取付くラジエータ等の各種部品に近接した場
合にも同様にして適用できることは言うまでもな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は平面
図、第２図は第１図の−視拡大断面図、第３
図は第２図の−視断面図である。 １……フレームシヤーシ、２……エンジンルー
ム、３……エンジン、４……エアクリーナ、５…
…大気空気取入管、５ａ……大気空気取入管、６
……ヘツドランプ、７……スポンジ体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車のエンジンルームに搭載したエンジンに
   おけるエアクリーナへの大気空気取入管の先端
   を、前記エンジンルームを構成するフレームシヤ
   ーシに近接するか或いは当該フレームシヤーシに
   取付くヘツドライト等の部品に近接して成るエア
   クリーナの空気取入装置において、前記大気空気
   取入管の先端部下面には、独立気泡のスポンジ体
   を、当該スポンジ体が前記フレームシヤーシ又は
   これに取付く部品に接当するように設けて成る自
   動車用エンジンにおけるエアクリーナの空気取入
   装置。