JPH0248518Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パワーシヨベル等、上部旋回式建設
機械の旋回体駐車ブレーキ装置に関するものであ
る。

従来の技術 旋回モータにネガテイブブレーキを備えて旋回
モータの停止時にはスプリング力による機械的な
ブレーキをかけ、旋回モータの運転時には旋回油
圧力によつて機械的ブレーキ力を解除するように
した旋回駐車ブレーキ装置は従来から公知のもの
である。

この旋回駐車ブレーキ装置においてブレーキ力
の解除手段は旋回操作弁を操作して油圧ポンプの
圧力流体を旋回モータへさしむけるさいに分岐回
路より同一油圧ポンプの圧力流体をネガテイブブ
レーキの解除圧力としてさしむけてブレーキを解
放するようにしているのが通常である。

考案が解決しようとする問題点 このような方法、ことに旋回操作弁の操作の都
度にブレーキ解放油圧力をブレーキ解放シリンダ
へ導入する方法は、旋回操作弁が中立位置になる
都度にブレーキ解放圧力が落ちて大きな旋回慣性
力のブレーキ作用にいどむこととなり、本来の駐
車ブレーキ能力をこえてブレーキのひきずり現象
を生じ好ましくない。このために旋回油圧回路内
にカウンタバランス弁を設けて旋回慣性力を熱エ
ネルギに変換しリリーフ弁より放出して旋回停止
制動の主要手段としているのが通常である。

カウンタバランス弁はまた旋回操作弁の切換位
置に応じて制御され旋回駆動流体を旋回回路内へ
導くだけでなく、旋回回路内の圧力によつても制
御されるもので、旋回操作弁との連動は前者の旋
回操作弁のフアインコントロールによる旋回体の
微動性、起動性の動作制御の達成を得られなく
し、後者の旋回回路内の圧力による回路閉鎖制御
は、旋回体の慣性旋回運動を得られなくし旋回停
止を徐々にすることができないなどの問題があつ
た。

本考案は上記の事情に鑑みなされたものであつ
て、その目的とするところは旋回体の駐車ブレー
キを自動的に、かつ安全に作動することができる
ようにした上部旋回式建設車両の旋回体駐車ブレ
ーキ装置を提供することにある。

問題点を解決するための手段及び作用 本考案は、上部旋回体を有し、かつこの上部旋
回体の旋回軸部に、ばね力にてブレーキ作動し、
油圧力にてブレーキ解除がなされるようにした駐
車ブレーキ装置を備えた上部旋回式建設機械にお
いて、上記駐車ブレーキ装置４の油圧力作用部
に、連通位置６ａと上記油圧力作用部の油圧力を
ドレンするドレン位置６ｂとを有する電磁切換弁
６を介して油圧源を接続し、この電磁切換弁６の
電磁作動部８を遅延タイマ９、連動スイツチ１０
を介して電源１１に接続し、この連動スイツチ１
０を旋回用の操作弁２の旋回操作レバー２ａと連
動連結し、前記電磁作動部８をスイツチ１２を介
して電源１１に接続して構成してあり、旋回体の
旋回操作レバー２ａをニユートラルにしたときに
自動的に、しかも若干遅延して旋回体のブレーキ
装置４を作動し、また、連動スイツチ１０、遅延
タイマ９の故障時にも作業可能にするため操作弁
２とは無関係にスイツチ１２の作動で駐車ブレー
キを解除するようにしたものである。

実施例 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図中１は上部旋回体を旋回するための旋回モー
タ、２はこの旋回モータ１と油圧ポンプ３との間
に介装した操作弁であり、この操作弁２を切換操
作することにより、旋回モータ１が正転、逆転及
び停止の制御がなされるようになつている。

４は上部旋回モータ１に備えた駐車ブレーキ装
置で、この駐車ブレーキ装置４はばね力でブレー
キ作動、油圧室５に作用する油圧力にてブレーキ
解除がなされるようになつている。

上記駐車ブレーキ装置４の油圧室５は電磁切換
弁６を介してパイロツトポンプ７に接続されてい
る。この電磁切換弁６は連通位置６ａとドレン位
置６ｂとを有している。またその電磁作動部８は
遅延タイマ９、運動スイツチ１０を介して電源１
１に接続されている。上記遅延タイマ９は通電時
の出力側が所定時間、例えば５秒間程遅れて出力
されるように設定されている。また上記連動スイ
ツチ１０は上記操作弁２の操作レバー２ａと連動
されていて、操作弁２を停止位置にしたときにこ
れと連動しオフ（OFF）となり、これ以外のと
きにはオン（ON）となるようになつている。

また、電磁作動部８は手動用のスイツチ１２を
介して電源１１に接続してある。

上記構成において、操作レバー２ａにて操作弁
２を切換操作することにより旋回モータ１の回転
方向が制御されて旋回体が正、逆方向に旋回、さ
れに停止される。

このとき上記操作弁２が停止位置になると、こ
れの操作レバー２ａに連動して連動スイツチ１０
がオフ（OFF）となる。かくすると、電源１１
からの電流が電磁切換弁６の電磁作動部８に遅延
タイマ９の設定時間後に遮断され、この設定時間
後に電磁切換弁６がドレン位置６ｂになつてブレ
ーキ装置４のブレーキ解除用の圧油がアンロード
されて駐車ブレーキ状態となる。

上記駐車ブレーキ作動は操作弁２が停止位置に
なつてから、所定時間、例えば５秒間程経過して
からなされるが、これは旋回体の駐車ブレーキは
走行駐車ブレーキと違い、旋回モータ１の慣性に
よる作動油の流れが大きいためであり、上記遅延
時間により駐車ブレーキは旋回体が微速または停
止してから作動され、駐車ブレーキ装置４に無理
な力が作用すのを防ぐことができる。

操作弁２を旋回位置にして旋回体を旋回操作す
ると、このときの操作レバー２ａと連動してスイ
ツチ１０はオン（ON）となり、電磁切換弁６は
瞬間的に連通位置６ａとなつて駐車ブレーキ装置
４は解除状態になる。

前記連動スイツチ１０、遅延タイマ９を有する
一次連動スイツチ回路が故障した場合に手動用の
スイツチ１２をオン（ON）することにより電磁
作動部８を励磁して電磁切換弁６を切換えて連通
位置６ａになりブレーキ装置４にブレーキ解除用
の圧油が送られて駐車ブレーキ解除状態になる。

第２図は本考案の他の実施例であり、これは、
操作弁２にパイロツト圧操作方式の操作弁を用
い、切換スイツチ１３の切換作動により、操作弁
２の左右のパイロツト圧作動部１４，１５のいず
れかに、ポンプ１７からパイロツト圧を導入して
操作弁２を切換え旋回モータ１の制御を行うよう
にしたものにおいて、操作弁２へのパイロツト圧
をシヤトル弁１６で取出し連動スイツチ１０とし
ての圧力スイツチを作動させ電磁切換弁６を制御
するものであり、この場合においても電磁作動部
８は手動用のスイツチ１２を介して電源１１に接
続してある。

考案の効果 本考案は上記のようになり、旋回用の操作弁２
の操作レバー２ａをブレーキ解除位置にしたとき
に自動的に、しかも若干遅延して旋回体のブレー
キ装置４が作動し、旋回体の駐車ブレーキが自動
的に作動され、また操作弁２とは無関係にスイツ
チ１２の作動で駐車ブレーキを解除することがで
きる。

このために、上部旋回体の駐車状態における駐
車ブレーキ操作が容易になると共にかけ忘れ、切
り忘れがなく、安全性が向上される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の構成説明図、第２図
は本考案の他の実施例の構成説明図である。 １は旋回モータ、２ａは操作レバー、４は駐車
ブレーキ装置、６は電磁切換弁、６ａは連通位
置、６ｂはドレン位置、８は電磁作動部、９は遅
延タイマ、１０は連動スイツチ、１２はスイツ
チ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部旋回体を有し、かつこの上部旋回体の旋回
   軸部に、ばね力にてブレーキ作動し、油圧力にて
   ブレーキ解除がなされるようにした駐車ブレーキ
   装置を備えた上部旋回式建設機械において、上記
   駐車ブレーキ装置４の油圧力作用部に連通位置６
   ａと上記油圧力作用部の油圧力をドレンするドレ
   ン位置６ｂとを有する電磁切換弁６を介して油圧
   源を接続し、この電磁切換弁６の電磁作動部８を
   遅延タイマ９、連動スイツチ１０を介して電源１
   １に接続し、この連動スイツチ１０を旋回用の操
   作弁２の旋回操作レバー２ａと連通連結し、前記
   電磁作動部８をスイツチ１２を介して電源１１に
   接続したことを特徴とする上部旋回式建設機械の
   旋回体駐車ブレーキ装置。