JPH0247901Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は車両用シートの表皮に関するものであ
る。

＜従来技術＞ リクライニング装置を備えた車両用シートの表
皮は第１図で示すように、シートクツシヨン１を
包囲する表皮３とシートバツク２を包囲する表皮
４とにそれぞれ分離されている。そのため、シー
トクツシヨン１の後端部とシートバツク２の下端
部との対合部５に隙間ができてシートクツシヨン
１上に落したものが前記隙間に入り込むことと、
シートクツシヨン１の表皮３とシートバツク２の
表皮４の柄模様やキルテイングパターンが相互に
ずれを生じ外観美を損うことがある。

上記の問題を解消するには第２図Ａで示すよう
にシートクツシヨン１の表皮３とシートバツク２
の表皮４とを前記対合部５で縫着一体化するか、
又は両表皮３，４を当初より一枚物とすることに
より満足するが、第２図Ｂで示すようにシートバ
ツク２を前傾した場合には、シートバツク２の背
面下方の表皮が緊張７ａし、また、第２図Ｃで示
すようにシートバツク２を後傾したときには弛み
７ｂが生ずる不具合がある。

＜考案の目的＞ 本考案の目的は、シートクツシヨンとシートバ
ツクの表皮を一体に連続し、しかもシートバツク
の前後傾時に前記緊張や弛みが発生しないように
した表皮を提供し、前記従来の問題点を解決した
ものである。

＜考案の構成＞ 本考案の構成は、前後傾可能なシートのシート
クツシヨンとシートバツクの外周囲を包囲する表
皮において、シートクツシヨン並びにシートバツ
ク表面の表皮をシートクツシヨンの後端部とシー
トバツクの下端部で一体に連続し、この連続部よ
り表皮の一部を延長してシートバツク下端に沿つ
て周回させ延長端をシートバツクの背面下端部に
止着し、前記シートバツクの表面の表皮と連続
し、シートバツクの背面を覆う表皮の下端をシー
トクツシヨン後端下面に延在させ、この延在端を
伸縮部材を介してシートクツシヨンの下面に止着
すると共に、前記シートバツクの背面を覆う表皮
と、シートバツクの表面の表皮と連なり側部を包
囲する表皮とを開閉部材によつて開閉自在とした
ものである。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を第３図乃至第５図に基づ
いて説明する。第３図において、１はシートクツ
シヨン、２はシートバツクである。本考案は前記
シートクツシヨン１表面の表皮３とシートバツク
２の表面の表皮４とを、シートクツシヨン１の後
端部とシートバツク２の下端部で一体に連続す
る。この一体に連続する手段としては、両表皮
３，４を縫着８するか、又は当初より一枚物とす
る。そして、この何れにおいても前記連続部に表
皮の一部の延長部９を設ける。この延長部９は、
前記両表皮３，４を縫着一体連続とする場合には
両表皮３，４の何れか一方を利用して延長する。
また、当初より一枚物の表皮の場合は、別途の部
材を縫着して形成するものである。この延長部９
は、シートバツク２の下端に沿つて周回させ延長
端末をシートバツク２の背面下端に止着する。

さらに、シートバツク２の表面を覆う前記表皮
４と連続し、シートバツク２の背面を覆う表皮４
ａの下端４ｂをシートクツシヨン１後端下面に延
在させ、この下端４ｂをスプリング、ゴムひも等
の伸縮部材１１を介してシートクツシヨン１に止
着する。

また、前記シートバツク２の背面を覆う表皮４
ａと、シートバツク２の表面の表皮４と連なり側
部を包囲する表皮４ｃとをフアスナー等の開閉部
材１２によつて開閉自在としたものである。

上記本考案によると、シートクツシヨン１の表
面とシートバツク２の表面の表皮３，４が一体に
連続されていても、シートバツク２の前、後傾時
には表皮４ａの下端４ｂが伸縮部材１１によつて
止着されているため、表皮４ａの下端４ｂの緊張
や弛みを前記伸縮部材１１により吸収する。また
延長部９の止着によつて表皮３，４の連続部を一
定位置に引張しているため、シートバツク２の
前、後傾時に表皮３，４の連続部の浮き上りを防
止するのである。

さらに、シートバツク２の側部の表皮４ｃと背
面の表皮４ａとをフアスナー等の開閉部材１２に
よつて開閉自在としているため、シートバツク２
への表皮４，４ａ，４ｃの装着の容易とし、特に
両側リクライニングシートにおいて装着作業性を
向上するものである。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案では、シートクツシヨンの
表皮とシートバツクの表皮とを一体に連続したも
のであるから、シートクツシヨンとシートバツク
との対合部には隙間がなくなり、シートクツシヨ
ン上に落したものが隙間に入り込むことが防止さ
れると共に、シートクツシヨンの表皮とシートバ
ツクの表皮との柄模様やキルテイングパターンの
ずれがなくなり外観美を向上する。また、前記両
表皮を一体に連続してあつても、シートバツクの
前後傾時に、シートバツクの背面の表皮に緊張や
弛みを発生することがなく、さらに表面側の表皮
の屈折部の浮き上りも防止している利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の表皮構造のシートを示す斜視
図、第２図はシートクツシヨンとシートバツクの
表皮を一体に連続した場合の問題点の説明図、第
３図は本考案の斜視図、第４図は第３図の中央断
面図、第５図は後方から見た斜視図である。 １……シートクツシヨン、２……シートバツ
ク、３，４，４ａ，４ｃ……表皮、４ｂ……下
端、８……縫着、９……延長部、１０……止着、
１１……伸縮部材、１２……開閉部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後傾可能なシートのシートクツシヨンとシー
   トバツクの外周囲を包囲する表皮において、シー
   トクツシヨン並びにシートバツク表面の表皮をシ
   ートクツシヨンの後端部とシートバツクの下端部
   で一体に連続し、この連続部より表皮の一部を延
   長してシートバツク下端に沿つて周回させ延長端
   をシートバツクの背面下端部に止着し、前記シー
   トバツクの表面の表皮と連続し、シートバツクの
   背面を覆う表皮の下端をシートクツシヨン後端下
   面に延在させ、この延在端を伸縮部材を介してシ
   ートクツシヨンの下面に止着すると共に、前記シ
   ートバツクの背面を覆う表皮と、シートバツク表
   面の表皮と連なり側部を包囲する表皮とを開閉部
   材によつて開閉自在としたことを特徴とする車両
   用シートの表皮。