JPH024663Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、身体障害者、病人、老人などを担
架に乗せたまま入浴させるため、浴槽を下降させ
て入浴者を浴槽内に移動させたのち、浴槽を上昇
させ入浴者を湯に浸して入浴を行う、昇降式入浴
装置に関するものである。

［従来の技術］ 第４図ａ及びｂは従来の昇降式入浴装置とスト
レツチヤを示す正面図及び側面図、第５図は第４
図に示す浴槽を下降させた場合を示す正面図であ
る。図において、１は浴槽、２は浴槽１の上部の
周縁部、２ａは周縁部下面、３は浴槽１の底部を
貫通して設けられた支柱、４は支柱３の上部に固
設した担架台、５は浴槽１を昇降させる浴槽昇降
装置、６は入浴者を乗せる担架、７は担架６を載
せて移動することのできるストレツチヤ、８は入
浴者である。

第５図に示すように、ストレツチヤ７を浴槽１
から充分に離した状態で浴槽１を下降させ、入浴
者８を乗せた担架６をストレツチヤ７から担架台
４の上に移動したのち、浴槽１を上昇させると、
担架台４は支柱３の上部に固設されているので、
入浴者８は浴槽１の中の湯に浸ることができ入浴
を行うことができる。

このような従来の昇降式入浴装置においては、
第４図ａ及びｂに示すように製造上容易で廉価に
するために、浴槽１の上部の周縁部２は、外部に
突出した形状に形成されているものが多い。そう
して浴槽１の昇降中、緊急の場合には、手動で昇
降動作を停止させる停止スイツチを備えているの
が一般である。しかしながら上記浴槽１の下降
中、その浴槽１の周縁部下面２ａに他の物体が近
接衝突する場合、自動的に浴槽１の下降を停止さ
せる手段を備えたものはなかつた。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記のような従来の装置では、第４図ａ及びｂ
に示すように入浴者８の乗つたストレツチヤ７
が、上記浴槽１に接近し過ぎた状態のまま、不用
意にその浴槽１を下降させると、上記浴槽１の上
部の周縁部下面２ａが上記担架６に衝突して担架
６などをはさみ込んでしまい、担架６とストレツ
チヤ７、又は浴槽１の上部の周縁部２を破損し、
入浴者８に大きな恐怖感を与え、ときには非常に
危険な状態になるという問題点があつた。

この考案はかかる問題点を解決するためになさ
れたもので、下降中の上記浴槽１の周縁部下面２
ａに物体が接触すると、直ちにその下降を停止さ
せるようにした安全な昇降式入浴装置を得ること
を目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この考案に係る昇降式入浴装置においては、浴
槽上部の周縁部下面に帯状の感圧スイツチを設
け、この感圧スイツチの作動によつて、上記浴槽
の下降を停止するように構成したものである。

［作用］ この考案の昇降式入浴装置においては、浴槽上
部の周縁部下面に押圧されるとON状態になる帯
状の感圧スイツチを設けたので、上記浴槽の下降
中、その周縁部下面に物体が接触した場合、上記
感圧スイツチはON状態になり、それによつて上
記浴槽の昇降を制御する制御回路の電源を遮断す
るようにすることができるので、上記浴槽の下降
を直ちに停止することができる。

［実施例］ 第１図はこの考案の一実施例である昇降式入浴
装置を示す正面図、第２図は第１図に示した感圧
スイツチの取付け部の拡大断面図、第３図は上記
昇降式入浴装置の浴槽昇降装置の制御回路を示す
回路図で、各符号１〜８は上記第４図ａ及びｂに
示す従来装置と同一、又は相当部分を示してい
る。図において、９はシート状でその一部分を押
圧して圧縮すると、シートの表裏が導通状態にな
るように帯状に形成した感圧スイツチ、１０は遮
断リレー、１１は緊急時に手動で操作する停止ス
イツチ、１２は浴槽１を上昇させる場合に使用す
る上昇スイツチ、１３は浴槽１を下降させる場合
に使用する下降スイツチ、１４，１５は浴槽１の
上昇、下降を規定値で停止させるためのリミツト
スイツチで、１４は上昇リミツトスイツチ、１５
は下降リミツトスイツチ、Ｒ１は上昇スイツチ１
２がONになつたとき作動する上昇リレー、Ｒ２
は下降スイツチ１３がONになつたときに作動す
る下降リレー、Ｍは浴槽１を昇降させるためのモ
ータ、Ｔは動力用電圧を制御回路用電圧に変換す
る変圧器である。

次に、上記第１図〜第３図に示すこの考案の一
実施例である昇降式入浴装置の動作について説明
する。

第３図に示した回路図の上昇スイツチ１２を押
圧すると、上昇リレーＲ１が作動してモータＭは
正回転するように電源と接続されるので正回転
し、浴槽昇降装置５は浴槽１を上昇させる。この
場合に安全のため、下降スイツチ１３と直列に接
続されたリレーＲ１−２は開放になるようになつ
ているので、下降スイツチ１３を押圧しても下降
リレーＲ２は作動することがない。停止スイツチ
１１を押圧するか、あるいは規定位置で上昇リミ
ツトスイツチ１４が作動すると、モータＭの回転
は停止して浴槽１の上昇も停止する。浴槽１を下
降させるには第３図の下降スイツチ１３を押圧す
ると、下降リレーＲ２が作動してモータＭは逆回
転するように電源と接続されるので逆回転する。
従つて浴槽１は下降する。この場合も安全のた
め、上昇スイツチ１２と直列に接続されたリレー
Ｒ２−２は開放になるようになつているので、上
昇スイツチ１２を押圧しても上昇リレーＲ１は作
動することがない。操作者（介助者）が危険に気
付かず、浴槽１を上昇又は下降させている場合、
危険に気付いた他の介助者が停止スイツチ１１を
押圧すると、制御回路の電源はOFFとなり浴槽
１の昇降は停止する。しかしながら、浴槽１の上
部の周縁部２が接近し過ぎたストレツチヤ７上の
担架６などをはさみ込む場合などには、介助者が
停止スイツチ１１を作動させても既に遅く、担架
６やストレツチヤ７、あるるいは浴槽１の上部の
周縁部２の破損を起こしたり、入浴者を危険な状
態に巻き込んでいることが多い。この場合、周縁
部下面２ａの全面に設けた感圧スイツチ９は敏感
に遮断リレー１０を作動させ、制御回路の電源を
OFFにするので、上記のような破損や危険を未
然に防止することができる。感圧スイツチ９は周
縁部下面２ａの全面に設けられていて、どこか一
部分でも圧縮力を受けるとON状態になり遮断リ
レー１０を作動させるので、周縁部下面２ａの全
面に感度を有しているので極めて安全である。

第２図は上記感圧スイツチ９を周縁部下面２ａ
に設ける場合の一例を示す拡大断面図で、図にお
いて、９ａは帯状の感圧スイツチ９を保持して周
縁部下面２ａに取り付けるための取付け部材であ
る。第２図に示したのは取り付け方法の一例を示
したもので、これに限ることはない。

また、以上はモータ駆動方式の浴槽昇降装置５
を備えた昇降式入浴装置について説明したが、例
えば油圧式昇降装置を用いる場合にも、浴槽１の
下降時に油圧を逃がすためにバイパスの電磁弁を
開いていて、制御回路の電源が遮断されると直ち
に電磁弁は閉じて浴槽１の下降が停止するように
しておけば、この考案はそのまま利用することが
できる。

［考案の効果］ この考案は以上説明したとおり、昇降式入浴装
置において、浴槽上部の周縁部下面に帯状の感圧
スイツチを設けた構成としたので、安価で簡単な
構成により、不用意な操作による各部の破損が入
浴者の危険を未然に防止することができ、また、
修理費を節約し、入浴者の安全を確保できるなど
の優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例である昇降式入浴
装置を示す正面図、第２図は第１図に示した感圧
スイツチの取付け部の拡大断面図、第３図は上記
昇降式入浴装置の制御回路を示す回路図、第４図
ａ及びｂは従来の昇降式入浴装置とストレツチヤ
を示す正面図及び側面図、第５図は第４図に示す
浴槽を下降させた場合を示す正面図である。 図において、１……浴槽、２……周縁部、２ａ
……周縁部下面、３……支柱、４……担架台、５
……浴槽昇降装置、６……担架、７……ストレツ
チヤ、８……入浴者、９……感圧スイツチ、９ａ
……取付け部材、１０……遮断リレー、１１……
停止スイツチ、１２……上昇スイツチ、１３……
下降スイツチ、１４……上昇リミツトスイツチ、
１５……下降リミツトスイツチ、Ｒ１……上昇リ
レー、Ｒ２……下降リレー、Ｍ……モータ、Ｔ…
…変圧器である。なお、各図中、同一符号は同
一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽昇降装置を備えた昇降式入浴装置におい
   て、浴槽上部の周縁部下面の全面に、シート状で
   その一部分を押圧して圧縮すると、シートの表裏
   が導通状態になるように帯状に形成した感圧スイ
   ツチを設け、この感圧スイツチは、上記浴槽昇降
   装置の制御回路の電源を遮断する遮断リレーを作
   動させるように構成したことを特徴とする昇降式
   入浴装置。