JPH0439759Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、洋式便器の便座を任意の昇降可能に
してなる便座の昇降装置に関する。

（従来の技術とその問題点） 従来、洋式便器の便座は固定式である。

しかしながら、介護者を必要とする身障者、病
人あるいは高齢者にとつて、便座と腰を降ろして
着座するまでに大変な苦労をし、転倒したりする
おそれがあるとともに、用便後に立ち上るのに再
び労力を必要とするため、一人で用便ができない
という問題があつた。

本考案は、上述した事情に鑑みてなされたもの
であり、制御スイツチにより用便の際に制御スイ
ツチにより便座を所定の高さにまで上昇させ、着
座姿勢になつたときにスイツチ操作によりゆつく
り便座を使用状態にまで下降させるとともに、用
便後は再び着座状態のまゝ便座を所定の高さにま
で上昇させるようにし、身障者、病人あるいは高
齢者が一人でも容易に用便ができるようにするこ
とを目的としてなる便座の昇降装置を提供するこ
とを目的としてなるものである。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案によれば、
洋式便器において、上記便器の周囲に設置され、
上面に便座を固定した蛇腹式昇降と、上記昇降体
の内部に加圧空気または液圧を圧送するポンプ
と、上記ポンプを駆動するモータと、上記モータ
の駆動、停止を制御する制御スイツチと、上記制
御スイツチに連動してポンプから圧送される流量
を制御する流量制御および昇降体より戻される流
量を制御するリリーフ弁とを具備し、上記制御ス
イツチの操作により使用者が着座した状態で便座
を任意に昇降させることができるように構成して
なるものである。

（作用） 上記構成に基づいて、本考案による便座の昇降
装置では、介護者を必要とする身障者、病人ある
いは高齢者であつても用便時に便座を上昇させて
尻部を押し当て、スイツチを押すだけでゆつくり
着座することが可能であり、しかも用便後はスイ
ツチを押すだけで再び立ち上がる補助力が作用し
て元に戻ることができるので、労力を必要とせ
ず、容易に使用することができる。したがつて、
従来一人ではできなかつた用便も、スイツチ操作
によつて介護者の手をかりずに一人で可能になつ
た。

（実施例） 以下、本考案による実施例を添付した図面に基
づいて詳細に説明する。

第１図は、本考案による一実施例を示す便座の
断面図であり、図において、符号１は、洋式便
器、２は便座、３は蓋体を示している。

上記便座２は、便器１の周囲に上下に伸縮自在
に設置された蛇腹式昇降体４の上面に固定されて
おり、この便座２に蓋体３が開閉自在に取付けら
れている。

上記昇降体４の内部は加圧空気または液圧がか
かるために密封状態になつており、モータ５によ
つて駆動されるコンプレツサ、またはポンプ６に
連通パイプ７を介して連通されている。

また、上記ポンプ６には、液圧式の場合オイル
などの液体を貯留するタンク８が連通されてお
り、上記ポンプ６の駆動、停止は、モーター５の
制御スイツチ８を操作することによつて行なわれ
るようになつている。

なお、上記昇降体４とポンプ６とを連通する連
通パイプ７には制御スイツチ９に連動して制御さ
れ、円滑に昇降体４を上下させる流量制御弁１０
が設置されているとともに、この連通パイプ７と
タンク８との間にはリリーフ弁１１を有する戻し
パイプ１２が連通され、不使用時には昇降体４の
下降動作が急速に行なわれるようになつている。

一方、上記制御スイツチ９は、使用者の使い易
い位置と高さに設置されており、しかも、使用者
の使い勝手によつて例えば、「上」「下」「不使用
時」などの３段階に切替えられるように標示され
ている。

したがつて、使用者が制御スイツチ９の「上」
のスイツチを押すと、モータ５が駆動され、コン
プ６によつてオイルなどの液圧が高まり、流量制
御弁１０が開いて昇降体４内に圧送されるので、
第２図に示すように昇降体４が上昇し、便座２を
所定の高さにまで持ち上げる。

そこで、使用者が便座２に尻部を押し当て制御
スイツチ９の「下」のスイツチを押すと便座２が
第３図に示すようにゆつくり下降して用便可能な
第４図の状態に静止する。

さらに、用便後は再び制御スイツチ９の「上」
のスイツチを押せば、便座２は再び上昇を開始す
るので、第３図に示すように使用者が立ち上ろう
とするのを補助する状態に押し上げられる。

ここで、使用者が便座２から離れた後、または
小用時には「不使用時」のスイツチを押すことに
よつて、便座２は急速に下降して便器１に接触し
た通常状態に保持されるため、小用などの使用に
支障がない。

なお、上記「不使用時」のスイツチはなくても
良いが、介護者を必要とする身障者、病人、ある
いは高齢者が誤つてスイツチ操作した場合は危険
であるので、通常の「上」「下」スイツチと離れ
た位置に取付ける等の配慮が必要である。

また、上記実施例においては、便器１の便座２
を上下方向に昇降させる手段は、空気圧または液
圧を用いることによつて動作させたが、これに限
らずモータの駆動によつて歯車装置またはワイヤ
ロープなどを介して便座２の昇降を行なうように
構成してもよい。

さらに、本考案に係る便座昇降装置は、新設の
便器に限らず既存の便器にも適用可能であり、第
５図に示すように、便器１の給水管１３が昇降体
４を貫通する如く配設される場合には、該給水管
１３が昇降時の支障にならないように、図示の如
くスリツト１４をシール性能を確保した上で該給
水管１３の上下方向に形成しておけばよい等、本
考案の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形例が
可能であることは言うまでもない。

（考案の効果） 以上、詳細に説明したように、本考案による便
座の昇降装置では、洋式便器の便座を、上下に昇
降する昇降体の上面に固定し、上記昇降体を制御
スイツチのスイツチ操作により任意に昇降できる
よう構成してなるものであり、介護者を必要とす
る身障者、病人あるいは高齢者でも用便時には介
護者を要せず、スイツチを操作するだけで一人で
用便ができるものである。

特に、用便時に便座に着座したり、立ち上がつ
たりする動作に多大な労力を必要とする身障者、
病人にとつて、所定の高さに上昇している便座に
尻部を押し当てるだけで、ゆつくり着座位置まで
下降し、用便後は取り上がる行為を補助する押し
上げ力が作用するので、介護者を要せず自由の用
便ができる等、自由な時間が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による一実施例を示す便座の断
面図、第２図ないし第４図は本考案による便座の
使用状態を説明する概略図、第５図は本考案の他
の実施例を示す概略図である。 １……便器、２……便座、３……蓋体、４……
昇降体、５……モータ、６……ポンプ、７……連
通パイプ、９……制御スイツチ、１３……給水
管、１４……スリツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洋式便器において、上記便器１の周囲に設置さ
   れ、上面に便座２を固定した蛇腹式昇降体４と、
   上記昇降体４の内部に加圧空気または液圧を圧送
   するポンプ６と、上記ポンプ６を駆動するモータ
   ５と、上記モータ５の駆動、停止を制御する制御
   スイツチ９と、上記制御スイツチ９に連動してポ
   ンプ６から圧送される流量を制御する流量制御弁
   １０および上記昇降体４より戻される流量を制御
   するリリーフ弁１１とを具備し、上記制御スイツ
   チの操作により使用者が着座した状態で弁座２を
   任意に昇降させるよう構成したことを特徴とする
   便座の昇降装置。