JPH0226501Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は老人など体の不自由な人を入浴させ
る際に使用する入浴用補助装置である。

〔従来の技術〕

従来、老人等の不自由な人を入浴させる場合、
浴槽内で人体を昇降させて入浴を補助する装置が
ないため、入浴介助を全て人手に頼つている。

〔考案が解決しようとする課題〕

老人等体の不自由な人を介添人等が浴槽に入れ
る場合、体重が重いとそのあげさげが容易でな
く、また手がすべりやすいのであげさげが不安定
で入浴者にとつても不都合であつた。

この考案は湯を給排する伸縮袋とポンプ配管を
ユニツトとして浴槽内に挿脱可能とし、使用時に
伸縮袋上に老人等体の不自由な人を載せて昇降し
て入浴の際の介助を容易に行うことができるとと
もに入浴者にとつても寝たまま安定的にあげさげ
され安心して入浴できる入浴用補助装置を提供し
て従来の問題点を解決するものである。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は問題点を解決する手段として浴槽に
収納して湯を給排して膨張収縮する伸縮袋と、該
伸縮袋に接続しその開口端を浴槽の底部に臨ませ
た給排水管と、その給排水管の途中に介在させた
給排水ポンプとからなり、該ポンプによつて浴槽
内の湯を伸縮袋に給排して袋上の人体を昇降可能
としたユニツトを浴槽内に挿脱可能とした入浴用
補助装置を提供するにある。

〔作用〕

この考案によれば老人等の体の不自由な人を入
浴させる場合にはユニツトの伸縮袋を浴槽内に収
納し、ポンプを浴槽の外に出し、浴槽内の湯をポ
ンプにより伸縮袋に送つて膨らませてその上面を
浴槽上面付近に接近させた状態で入浴者を載せ、
しかる後ポンプを逆転させて伸縮袋の湯を抜いて
萎ませ湯を浴槽に送り入浴者を湯の中に下ろし、
湯から上げる場合にはポンプにより浴槽内の湯を
伸縮袋に送つて膨らませて入浴者を上昇させ、上
昇した位置で浴槽からキヤスター付き椅子等に移
す。使用後は湯を抜いて浴槽より伸縮袋を取出す
ものである。

〔実施例〕

以下に図面に示す実施例に基づいてこの考案を
説明する。

第１図乃至第４図において１は浴槽、２はビニ
ール等を用いて湯を給排する袋状となした伸縮袋
で、その大きさを浴槽１より若干小さくして浴槽
１内に収縮状で収納し、膨張時上面が浴槽１の上
面附近に達するようになす。該伸縮袋２の一側下
部に給排水管３を設け、伸縮袋２を浴槽に収納時
その給排水管３の途中を浴槽上部に露出して配設
するようになしかつ給排水管３の開口端３ａを浴
槽１の底部近くに臨ませかつその露出した給排水
管３の途中に切換え操作する給排水ポンプ４を備
え、該給排水ポンプ４の作動によつて伸縮袋２内
の湯を抜いて浴槽１に放出させ、又該ポンプを逆
転させることによつて浴槽１の湯を伸縮袋２内へ
送つて伸縮袋２を膨らませるようになす。なお、
図中、５は湯の汚れを防止するためのストレーナ
で、給排水ポンプ４と伸縮袋２との間の給排水管
３に備える。６は湯の循環を止めるためのレバ
ー、７は給排水ポンプ４の差込みプラグ、８は伸
縮袋２が型くずれしないように適当な個所に設け
るつなぎである。

この実施例の入浴用補助装置を利用して老人等
体の不自由な入浴者を入浴させる場合、第３図の
収縮状態にある伸縮袋２を給排水ポンプ４を作動
して内部に浴槽１の湯を注入して第１図および第
２図に示すように膨らませ、伸縮袋２の上面が浴
槽上面近くまで達したとき止めてその上にキヤス
ター付き椅子等より入浴者を移して載せ、しかる
後給排水ポンプ４を逆転して伸縮袋２に入れた湯
を抜いて浴槽１内に放出し、第３図に示すように
湯の中で伸縮袋２を萎ませ、入浴者を湯中に浸ら
せる。又、入浴者を湯から上げる場合は再び給排
水ポンプを逆転して伸縮袋に湯を注入して膨らま
せ、入浴者を浴槽上面にまで上げてキヤスター付
き椅子等に移すようになす。使用しない場合は伸
縮袋より湯を抜いて浴槽より伸縮袋を取出し、通
常の浴槽として使用する。

第５図に示す別の実施例では前記給排水管３の
中途に湯沸器９を組込みかつ伸縮袋２の上面に開
閉弁１０を備えた排出管１１を設けてある。

この実施例によれば浴槽の湯温が低下したとき
伸縮袋２の上部の排出管１１の開閉弁１０を開
き、伸縮袋の湯を放出する状態となし、ポンプ４
を作動して浴槽１の湯を給排水管３で吸上げ湯沸
器９で適温に加熱して伸縮袋２へ戻し、この状態
で入浴者を載せ前記実施例と同様にポンプ作動に
より伸縮袋を伸縮して入浴者を適温とした湯に浸
らせることができる。

〔考案の効果〕

この考案の入浴用補助装置によれば浴槽へ挿脱
可能としたから、老人など体の不自由な人を入浴
させる際に、浴槽にユニツトとした伸縮袋を入
れ、ポンプを浴槽の外に位置させて、該伸縮袋を
ポンプの作動により湯を注入して膨らませて入浴
者をその上に載せたあと、ポンプを適宜切換操作
して伸縮袋内の湯を浴槽へ放出し又逆に浴槽の湯
を伸縮袋に注入して伸縮袋を伸縮し、伸縮袋上の
入浴者を介添人等の人手によることなく浴槽内で
自動的かつ安全にあげさげして入浴させることが
できるから介添人による入浴作業を補助して楽に
することができる。

又膨らませた伸縮袋は広いクツシヨンとなるの
で、その上に載せられる入浴者は安定して横にな
り易く、横に寝たままの状態で昇降できるので、
すべり落ちるように不安なく、安心して入浴する
ことができる。なお、浴槽からの入浴者を移す場
合、浴槽と同高のキヤスター付き椅子等を用いれ
ば伸縮袋上から入浴者を移すのに便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の入浴用補助装置を示す斜視
図、第２図は伸縮袋の膨張時を示す一部破断正面
図、第３図は伸縮袋の収縮時を示す一部破断正面
図、第４図は給排水管を展開して示す一部破断正
面図、第５図は湯沸器を組込んだ別の実施例を示
す一部破断正面図である。 １……浴槽、２……伸縮袋、３……給排水管、
３ａ……給排水管の開口端、４……給排水ポン
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 浴槽１に収納して湯を給排して膨張収縮する伸
   縮袋２と、該伸縮袋２に接続しその開口端３ａを
   浴槽１内に臨ませる給排水管３と、該給排水管３
   の途中に介在させた給排水ポンプ４とからなり、
   該ポンプ４によつて浴槽内の湯を伸縮袋２に給排
   して袋上の人体を昇降可能としたユニツトを浴槽
   １内に挿脱可能としたことを特徴とする入浴用補
   助装置。