JPH02463Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、たとえばスポーツウエアの袖口のよ
うに伸縮性を必要とする部分に適用される経リブ
編物に関する。

〔考案の技術的背景〕

たとえばトレーニングウエアのようなスポーツ
ウエアでは、袖口に伸縮性を有する編地を縫着
し、袖口を絞るようにしているが、この種の編地
としては、一般に、よこ編地が用いられている。

〔背景技術の問題点〕

しかし上記よこ編地を袖口に用いた場合には、
よこ編地が全体として弧状を呈するため、スポー
ツウエア本体に縫着する際に修正作業を必要とし
作業がめんどうになるとともに、製品ロスが多く
なり実用的でない。

そこでスポーツウエアの袖口に、伸縮性糸を編
み込んでたて編地を用いる技術手段も提案された
が、この場合には、伸縮性糸自体が太いため薄地
とすることができず、また袖口に必要とされるソ
フト性を満足し得ないという難点がある。

〔考案の目的〕

本考案は上記した点に鑑みてなされたもので、
縫製工程での裁断ロスがなく、薄地でかつ柔かく
伸びる特性を有する経リブ編物を提供することを
目的とする。

〔考案の概要〕

本考案は、表編地に経リブを形成するためのハ
ーフループ糸を、裏編地に挿通して接結するとと
もに、裏編地に経リブを形成するためのハーフル
ープ糸を、表編地に挿通して接結し、経リブによ
り幅方向の伸縮性を有する構成としかつ編地のラ
ンを防ぐようにしたものである。

〔考案の実施例〕

以下本考案の一実施例を図面につき説明する。

第１図は本考案による経リブ編物の編成図を示
すものであつて、表編地Ｆは、ポリエステルのフ
イラメント糸からなる伸縮性の少ないループ糸２
および３と、ハーフループ糸１で構成され、基地
を形成するループ糸２，３に対して、ハーフルー
プ糸１は経リブを形成している。経リブを形成す
るハーフループ糸１は、裏編地Ｂの編目に挿通さ
れ、接結糸として作用するとともに、編地のラン
を防ぐようにしている。

一方裏編地Ｂは、ループ糸２および３と、ハー
フループ糸４で構成され、基地を形成するループ
糸２，３に対して、ハーフループ糸４は経リブを
形成している。上記ハーフループ糸４は、上記ハ
ーフループ糸と同様に表編地Ｆの編目に挿通され
接結糸として作用しかつ編地のランを防ぐように
している。

すなわち上記経リブ編物は、２つのニードルベ
ツドを有するダブルラツセル機により編成される
二重編製品であり、編成時には１ｍ程度の幅を有
し製品の両面に交互に経リブが形成されている。
そして上記製品は使用に際して細幅に裁断され、
スポーツウエアの袖口等に縫着される。

第２図は本考案の他の実施例を示すものであつ
て、この場合、表編地の経リブを形成するハーフ
ループ糸１０の筬を１編目振るようにしており、
ストレツチバツクを強く構成するようにしてい
る。

上記手段により編成された経リブ編物には、ワ
ツクス加工ないし柔軟加工が施されると都合がよ
い。

しかして上記経リブ編物の両面には、経リブが
形成されているので、幅方向に伸縮性を有し、ま
た編地に経リブを形成するハーフループ糸が挿入
されるから編地のランを防ぎ得ることになる。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、従来のもの
のように伸縮性糸（ゴム、ポリウレタン糸）を使
用することなく、幅方向に伸縮性を有し、また経
リブを形成するハーフループ糸が編地のラン防止
に作用し、しかも従来のものに比較してソフトに
伸びかつ薄地の製品を作ることができるという効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による経リブ編物の編成図、第
２図は本考案の他の実施例である。 １……ハーフループ糸、２，３……ループ糸、
４……ハーフループ糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表編地に経リブを形成するための伸縮性の少な
   いハーフループ糸を、裏編地に挿通して接結する
   とともに、裏編地に経リブを形成するための伸縮
   性の少ないハーフループ糸を、表編地に挿通して
   接結し、両面に幅方向に伸縮性を有しかつ編地の
   ランを防ぐ経リブを形成したことを特徴とする経
   リブ編地。