JPH0245067Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、車輌の燃料タンクに取り付ける燃料
タンク用フイラネツクに関する。

(ロ) 技術の背景 車輌の燃料タンクへの燃料供給は、フイラネツ
クに装着してあるキヤツプをいちいち外して行な
つているのが現状である。

(ハ) 従来技術と問題点 燃料タンク用フイラネツクは、従来、第１図に
示すように、フイラネツク本体１の先端に、螺合
又は回動による締め付けによつてキヤツプ２が取
り付けられている。そして、体裁上又は燃料の盗
用を防止するために、一般に、キヤツプ２の外側
を鍵付きリツド３で覆つている。

従つて、燃料タンクへの燃料注入は、リツド３
を開け、次にフイラネツク本体１に取り付けられ
たキヤツプ２を外すことにより行なつている。ま
た、注入後は、取り外したキヤツプ２を装着し、
リツド３を閉めている。

このように、燃料タンクへの燃料供給は、リツ
ド３を開閉し、しかもキヤツプ２をいちいち取り
外し、また、取り付ける二重の操作をな行わなけ
ればならない。そのため、燃料供給操作は、非常
に煩雑であつた。また、前記フイラネツクは、キ
ヤツプ２がフイラネツク本体１より突出して取り
突けられているから、フイラネツクの取り付け場
所の確保が困難であつた。

なお、実開昭56−36523号公報には、燃料注入
口の近くに設けたインタフイアランス管に、燃料
注入ノズルの侵入を阻止する内径を備えた孔を設
け、この孔を枢支された弁によつて開閉すること
が開示されている。

この公知技術に開示された弁によれば、インタ
フイアランス管に設けた孔の開閉をすることは可
能であるが、単純な機構によつて枢支されている
だけであるから、キヤツプを用いないと、燃料を
漏出させる虞がある。

(ニ) 考案の目的 本考案は、如上の欠点を解決するためになされ
たもので、燃料供給する際にともなう操作を簡単
にし、また、取り付け場所の確保が容易な燃料タ
ンク用フイラネツクを提供することを目的とする
ものである。

(ホ) 考案の構成 上述の目的を達成する本考案の構成は、燃料タ
ンクに連絡するフイラネツク本体と、このフイラ
ネツク本体の開口部に取り付けられる蓋当接部材
と、この蓋当接部材の内側から当接する板ばね製
の蓋とを有し、前記フイラネツク本体には、内部
に燃料ガン固定板が取り付けられ、この燃料ガン
固定板よりも開口部側に於ける側部にエア抜き管
が取り付けられ、前記蓋当接部材には、先端が縮
径して前記蓋の外周部を当接する円錐台状の立上
部が設けられ、前記板ばね製の蓋は、円錐台状の
板ばね製の蓋の弁板と、環状突条を設け、前記弁
板に取り付けられる弁とを有し、前記板ばね製の
蓋が、前記開口部の内側にピンにより支持され、
前記蓋当接部材の立上部に弁の環状突条を常時当
接して閉塞し、燃料ガンによる押圧時に内方に折
れ曲がり、前記フイラネツク本体の開口部を開放
するように構成されているものである。

(ヘ) 考案の実施例 以下、図面に基づき本考案を詳細に説明する。

第２図は、本考案に係る燃料タンク用フイラネ
ツクの一実施例を示したものである。

フイラネツク本体４は、金属製の円筒体からな
るもので、その内部に装着孔５を有する燃料ガン
固定板６を、側部にエア抜き管７を取り付けてい
る。エア抜き管７の開口部は、燃料ガン固定板６
よりも開口部８側に位置している。また、開口部
８の内側には、蓋当接部材１７が設けられてい
る。この蓋当接部材１７は、開口部８の内径より
も小径で、先端側が縮径し、後述する蓋１０の外
周部を当接する円錐台状の立上部１９が設けられ
ている円筒部材１８によつて構成されている。こ
の円筒部材１８の外周部には、気密性を保持する
ためのパツキン材９が配されている。このパツキ
ン材９は、円筒部材１８の外周部と開口部８の内
周部とで挾持されると共に、開口端部側が開口部
８を折り返すことによつて係止されている。

この開口部８の内部で、蓋当接部材１７の内側
には、ピン１１によつて支持された蓋１０が設け
られている。この蓋１０は、円錐台状の板ばね製
の弁板１２と、環状突条１３を設け、前記弁板１
２に取り付けられる弁１４とによつて構成されて
いる。従つて、蓋上部から力を加えると、ピン１
１を支点として折り曲がり開口部８、蓋当接部材
の立上部１９を開放し、逆に、力を取り除くと、
そのばね力によつて元の位置に戻り弁１４の環状
突起１３が蓋当接部材の立上部１９の内壁面に密
着して開口部８、蓋当接部材の立上部１９を閉鎖
することができる。

尚、このフイラネツクは、ゴムホース１５を介
して図示しない燃料タンクに取り付けられてい
る。

このように、フイラネツク本体４の先端に設け
た開口部８内部に、ピン１１により支持された板
ばね製の蓋１０が設けられているから、燃料注入
の際に、第３図に示すように蓋１０を上から押す
ようにして燃料ガン１６を開口部８内に挿入する
ことによつて自動的に開放され、燃料ガン１６を
フイラネツク本体４内の燃料ガン固定板６の装着
孔５に簡単に装着できる。そして、フイラネツク
本体４を通してその下にある燃料タンク内に燃料
が注入される。フイラネツク本体４の側部には、
エア抜き管７が設けられているから、燃料は燃料
タンク内に円滑に供給される。

一方、燃料注入後は、燃料ガン１６を単にフイ
ラネツクから引き抜くことにより蓋１０はそのば
ね力によつて元に戻るから、開口部８は蓋１０に
より自動的に閉鎖される。このとき、パツキン材
１４の環状突条１３が開口部８の内壁面に密着し
て開口部８は確実に閉鎖される。

従つて、燃料タンクへの燃料の供給は、一般に
は、フイラネツク本体上部を覆つているリツドを
取り外すだけで、燃料ガンをフイラネツク内に簡
単に挿入でき、注入後はフイラネツクから燃料ガ
ンを引き抜けば、蓋１０は戻つて開口部８は自動
的に簡単に閉鎖される。よつて、燃料タンクへの
燃料供給は、非常に簡単になる。

また、かかるフイラネツクは、フイラネツク本
体４から蓋１０が突出することはないから、フイ
ラネツクの取り付け場所確保も容易になる。

(ト) 考案の効果 以上述べたように、本考案によれば、燃料タン
クに連絡するフイラネツク本体と、このフイラネ
ツク本体の開口部に取り付けられる蓋当接部材
と、この蓋当接部材の内側から当接する板ばね製
の蓋とを有し、前記フイラネツク本体には、内部
に燃料ガン固定板が取り付けられ、この燃料ガン
固定板よりも開口部側に於ける側部にエア抜き管
が取り付けられ、前記蓋当接部材には、先端が縮
径して前記蓋の外周部を当接する円錐台状の立上
部が設けられ、前記板ばね製の蓋は、円錐台状の
板ばね製の蓋の弁板と、環状突条を設け、前記弁
板に取り付けられる弁とを有し、前記板ばね製の
蓋が、前記開口部の内側にピンにより支持され、
前記蓋当接部材の立上部に弁の環状突条を常時当
接して閉塞し、燃料ガンによる押圧時に内方に折
れ曲がり、前記フイラネツク本体の開口部を開放
するように構成されているから、フイラネツク本
体の開口部に設けられた蓋当接部材の内側に、常
時ばね力によつて弁体が付勢され、キヤツプによ
つて閉塞された状態と同様の気密保持が可能とな
り、また、注油時には、蓋上部を燃料ガンによつ
て押圧することで、蓋が内方に折れ曲がつて、燃
料ガンの侵入を許容することができるので、燃料
供給の際に伴う操作が非常に簡単になり、また取
り付け場所の確保が容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の燃料タンク用フイラネツクの一
例の断面図、第２図は本考案にかかる燃料タンク
用フイラネツクの一実施例の断面図、第３図は第
２図に示す燃料タンク用フイラネツクによる燃料
注入状態を示す断面図である。 ４……フイラネツク本体、５……装着孔、６…
…燃料ガン固定板、７……エア抜き管、８……開
口部、１０……蓋、１１……ピン、１２……弁
板、１３……環状突条、１４……弁、１７……蓋
当接部材、１９……立上部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 燃料タンクに連絡するフイラネツク本体と、こ
   のフイラネツク本体の開口部に取り付けられる蓋
   当接部材と、 この蓋当接部材の内側から当接する板ばね製の
   蓋とを有し、 前記フイラネツク本体には、内部に燃料ガン固
   定板が取り付けられ、この燃料ガン固定板よりも
   開口部側に於ける側部にエア抜き管が取り付けら
   れ、 前記蓋当接部材には、先端が縮径して前記蓋の
   外周部を当接する円錐台状の立上部が設けられ、 前記板ばね製の蓋は、円錐台状の板ばね製の蓋
   の弁板と、環状突条を設け、前記弁板に取り付け
   られる弁とを有し、 前記板ばね製の蓋が、前記開口部の内側にピン
   により支持され、前記蓋当接部材の立上部に弁の
   環状突条を常時当接して閉塞し、燃料ガンによる
   押圧時に内方に折れ曲がり、前記フイラネツク本
   体の開口部を開放するように構成されていること
   を特徴とする燃料タンク用フイラネツク。