JPH0244547B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、部屋などに香りを放出する装置に関
するものである。

（従来の技術） 近年、香りが部屋や自動車などの飾りの一つと
して注目され、そのため色々の芳香発生装置が提
供されている。

例えば多孔性物質に芳香剤を含浸させ、それを
容器に入れたり、または彫刻を施したりして部屋
の飾りとして設置し、常に香りを部屋内に放出さ
せるものや、短時間に香りの放出範囲を広くする
ため、芳香剤を収納したケース内に放出促進用の
フアンを設けたものが知られている。

（発明が解決しようとする問題点） しかし多孔性物質に芳香剤を含浸させたもの
は、密閉の包装用容器から取出して部屋に設置す
るとそれ以後は常時香りを放出し続け、放出する
必要のないときでも放出するため早く芳香剤の効
能が低下し、不経剤なものであつた。このような
欠点はモータを設置した構成のものでも同様であ
り、また香りは常時放出されていると、それに嗅
覚が慣れてしまい、必要なときや時刻設定時例え
ば朝の目覚め時のみ芳香を放出しても、香りが放
出されていることを感じないことがあり、その放
出効果を低くするものであつた。

そこで本発明の目的は、芳香剤の効能をなるべ
く長く持続させ、必要なときや時間設定時には短
時間で広い範囲に芳香剤の香りを放出することの
できる芳香発生装置を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明の特徴は、芳香を放出させるための口が
設けてあるケース内に放出用フアンを設け、この
放出用フアンの中央部には通気孔が形成してある
芳香剤容器が配設してあり、さらに上記フアンの
回転駆動モータとが設置してあり、上記放出用フ
アンは平行状に設けてある上下２枚の回転板の間
で複数の羽根を揺動自在に支持しているところに
ある。この羽根は、上記駆動モータの停止時に
は、相互に重合して芳香剤の収納空間を実質的に
密閉するように付勢してある。

（作用） したがつてフアンに設けてある羽根は、駆動モ
ータが停止しているときには付勢力によつて相互
に重合して、実質的に芳香剤の容器の通気孔を閉
塞して、芳香剤の放出を停止、または芳香量を少
なくしているが、芳香を放出させることが必要な
ときにフアンを駆動モータによつて回転させる
と、回転板の遠心力により羽根はそれに付勢され
ている力に抗して揺動し、これによつて芳香剤容
器の通気孔と上記ケースの芳香放出口とが連通
し、同時に放出用フアンによつてケース内より芳
香を外部に強制的に放出させる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。

第１図において、円筒状のケース１の側面上部
にはスリツト状の芳香放出口１ａが開設してあ
り、ケース内には芳香放出促進用の放出用フアン
２が設置してある。放出用フアン２の中央部空間
には、芳香剤Ｐを収納する芳香剤容器３がケース
１と一体に設けてあり、この容器の側壁にはスリ
ツト状の通気孔３ａが形成してある。なお放出用
フアン２や芳香剤容器３の具体的構造については
後で説明する。

ケース１内の中心部下部には、駆動モータ４が
底板５および支持板６によつて支持してあり、モ
ータ４の駆動軸の先端は支持板６を貫通して放出
用フアン２の中心部に連結してあり、フアン２を
回転駆動するようになつている。

放出用フアン２の具体的構造は、リブなどによ
つて平行状に支持してある上下２枚の回転板７，
８との間で、第２図示のように、複数の羽根９の
基部９ａが揺動自在に軸支してあるものであつ
て、各羽根の一側の先端部の係止部９ｂには、第
３図示のようにコイルばね（戻しばね）１０の一
端が係止してある。そのためコイルばね１０の力
により、各羽根９は第２図鎖線にて示すように、
羽根９に囲まれた内部を実質的に密閉するように
付勢されている。

芳香剤容器３の上方のケース１には、芳香剤Ｐ
の投入口１ｂが形成してあり、この投入口１ｂに
は芳香剤Ｐの取替え用の蓋１１が開閉自在に設け
てある。そして蓋１１の密閉を完全にするためケ
ース１の上面にゴムパツキン１２が設けてある。

なお底板５には通気孔５ａが設けてあり、この
孔の上面には、例えばマイラーなどの可撓性シー
トからなる弁１３が設けてあり、さらに支持板６
にも通気孔６ａが開設してある。また駆動モータ
４にはリード線１４が連結してある。

そこで本発明の作用について説明する。

まず蓋１１を開いて、芳香剤Ｐを容器３内に収
納してこの蓋を閉じる。

放出用フアン２に設けてある羽根９は駆動モー
タ４が停止しているときは、第２図鎖線にて示す
ようにコイルばね１０のばね力により相互に重合
して実質的に芳香剤Ｐの容器３の通気孔３ａを閉
塞している。そのため芳香剤Ｐによる芳香の放出
を停止または放出量を少なくしている。

ところで、芳香を放出させることが必要なと
き、例えば目覚し時に、駆動モータ４を駆動して
放出用フアン２を回転させると、各羽根９は回転
板７，８の遠心力によりコイルばね１０のばね力
に抗して揺動し、第２図実線にて示すように芳香
剤容器３の通気孔３ａとケース１の芳香放出口１
ａとを連通させる。そのため芳香剤Ｐからの芳香
は、放出用フアン２により通気孔３ａから放出口
１ａを通つて外部に強制的かつ効果的に放出され
る。

また駆動モータ４の回転を停止させると、コイ
ルばね１０のばね力によつて各羽根９は再び重合
して、羽根９によつて囲まれた空間を密閉状態に
して芳香剤Ｐの容器３からの香りの放出を停止す
る。

また前記の実施例では、放出用フアン２の回転
駆動開始により、外部の空気は底板５の弁１３が
開くようになつているため、通気孔５ａ，６ａを
通過してフアン２内に送り込まれるため芳香剤Ｐ
からの芳香放出効果は更に高まる。

（発明の効果） 本発明は以上の構成を有するものであるため、
芳香の放出不要なときは、駆動モータを停止させ
ておけば、芳香剤は密閉状態で保存され、このた
め芳香剤の効能を長く保持させることができ、ま
た芳香の放出が必要なときには、駆動モータを駆
動することによつて芳香を短時間内に広範囲に行
き渡らせることができる。駆動モータの回転開始
を時計やタイマーと連動するようにしておけば、
朝の目覚用として利用することも可能である。さ
らに駆動モータを人体検出センサーによつて制御
する構成にすると、人の通過によつて香りが放出
されるようにもできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図
は断面図、第２図は羽根の揺動状態を示す平面
図、第３図は羽根の平面図である。 １……ケース、１ａ……芳香放出口、２……放
出用フアン、３……芳香剤容器、３ａ……通気
孔、４……駆動モータ、７，８……回転板、９…
…羽根、１０……コイルばね、Ｐ……芳香剤。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 芳香放出口が開設してあるケース内には放出
   用フアンと、この放出用フアンの中央部に位置
   し、かつ通気孔が形成してある芳香剤容器と、上
   記放出用フアンの回転駆動モータとが設置してあ
   り、 上記放出用フアンは、平行状に設けてある上下
   ２枚の回転板とこの両回転板に揺動自在に支持さ
   れている複数の羽根とより構成され、 上記羽根は、上記駆動モータの停止時には、相
   互に重合して芳香剤の収納空間を実質的に密閉す
   るように付勢してあり、上記駆動モータの回転駆
   動時には、上記回転板の遠心力により上記付勢力
   に抗して揺動し、上記芳香剤容器の上記通気孔と
   上記ケースの上記芳香放出口とを連通させること
   を特徴とする芳香発生装置。