JPH0244056Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は、内燃機関のアイドル回転速度を適正
値に保持するために使用されるアイドルスピード
制御弁に関する。

〈従来技術〉 従来のこの種のアイドルスピード制御弁として
は、例えば第１図及び第２図に示すようなものが
ある。

これらの図において、ボデイ１には図示しない
吸気絞弁をバイパスするバイパス通路２ａ，２ｂ
を形成すると共に、ボデイ１に圧入固定した円筒
状のハウジング３の周面には上流側のバイパス通
路２ａと下流側のバイパス通路２ｂとを連通させ
る開口部４を開設している。又、前記ハウジング
３の内部にはスライダ５を軸方向にのみ移動自在
に嵌挿しており、このスライダ５の中央部分に螺
挿したウオームシヤフト６をステツピングモータ
７によつて正逆回転駆動するようにしている。
尚、前記ハウジング３とスライダ５との相対回転
を阻止するために、第２図に示すようにハウジン
グ３の内周面の一部に平面部３ａを形成すると共
に、スライダ５の外周面の一部にも平面部５ａを
形成し、かつ、スライダ５のウオームバツクラツ
シユを防止するためにボデイ１とスライダ５の基
端面との間にコイルスプリング８を張設保持させ
ている。

このように構成されたアイドルスピード制御弁
では、ステツピングモータ７によつてウオームシ
ヤフト６を例えば正転方向に回転させると、この
ウオームシヤフト６に螺合しているスライダ５が
ハウジング３内を図中右側に移動して開口部４に
大きく重なる。すると、上流側のバイパス通路２
ａと下流側のバイパス通路２ｂとを連通させてい
る開口部４の開口面積が小さくなるので吸気絞弁
をバイパスする吸気の流量が減少し、内燃機関の
回転速度が低下する。又、ウオームシヤフト６を
逆転させると、スライダ５が図中左側に移動して
開口部４の開口面積を増加させるので、吸気絞弁
をバイパスする吸気の流量が増加して内燃機関の
アイドル回路速度が高くなる。

ところで、スライダ５の摺動抵抗を小さくして
制御精度を高くするためには、ハウジング３の内
周面に形成している平面部３ａとスライダ５の外
周面に形成している平面部５ａとの間に極めて僅
かではあるが隙間９を確保する必要性がある。し
かしながら、このように両平面部３ａ，５ａの間
に隙間９を確保すると、ウオームシヤフト６の回
転にともなつて前記隙間９の大きさに相当する分
だけスライダ５が遊転するのでウオームシヤフト
６の回転に対してスライダ５の移動代にヒステリ
シスが生じ、これによつてアイドルスピードの制
御精度が低下するといつた問題点があつた。

〈考案の目的〉 本考案は上記問題点を解決するためになされた
もので、モータで正逆回転駆動されるウオームシ
ヤフトの回転とこのウオームシヤフトに螺合して
いるスライダの移動とを高精度に対応させてアイ
ドルスピードの制御精度を高くすることを目的と
している。

〈考案の構成〉 上記の如き目的を達成するために本考案では、
スライダをスプリングで軸方向並びに円周方向に
弾性付勢させることにより、スライダの回り止め
部分に隙間を確保してその摺動抵抗を低く保持さ
せるにも拘らずスライダの移動代のヒステリシス
を解消できるようにしている。

〈実施例〉 以下に第３図及び第４図に基づいて本考案の一
実施例を詳細に説明する。

図において、ボデイ１１には図示しない吸気絞
弁の上流に接続された上流側バイパス通路１２ａ
と吸気絞弁の下流側に接続された下流側バイパス
通路１２ｂとを形成すると共に、ボデイ１１に圧
入固定した円筒状のハウジング１３の周面には前
記上流側バイパス通路１２ａと前記下流側バイパ
ス通路１２ｂとを連通させる開口部１４を開設し
ている。

前記ハウジング１３の内部にはスライダ１５を
軸方向にのみ移動自在に嵌挿しており、このスラ
イダ１５の中央部分に螺挿したウオームシヤフト
１６をステツピングモータ１７によつて正逆回転
駆動するようにしている。尚、前記ハウジング１
３とスライダ１５との相対回転を阻止するため
に、ハウジング１３の内周面の一部に平面部１３
ａを形成すると共に、スライダ１５の外周面の一
部にも平面部１５ａを形成し、かつ、スライダ１
５のウオームバツクラツシユを防止するためにボ
デイ１１とスライダ１５の基端面との間にコイル
スプリング１８を張設保持させていることは第１
図及び第２図に示した従来例と同様である。

ここに本考案では、第４図に示すようにスプリ
ング１８の端部に軸方向に突出する係合部１８ａ
をそれぞれ形成している。そして、ボデイ１１と
スライダ１５とにそれぞれ形成した係合孔１１
ａ，１５ｂに前記係合部１８ａを突入係合させる
ことにより、従来では軸方向にのみスライダ１５
を弾性付勢していたスプリング１８を円周方向に
も作用させてスライダ１５をこの方向にも弾性付
勢させている。

従つて、たとえハウジング１３の平面部１３ａ
とスライダ１５の平面部１５ａとの間に隙間が形
成されていようとも、スプリング１８の円周方向
の弾性付勢力によつてハウジング１３に対してス
ライダ１５が常に所定の回転位相に保持されるこ
とになり、ウオームシヤフト１６の回転によつて
スライダ１５が全く回転しなくなる。又、スプリ
ング１８によつてスライダ１５を軸方向に弾性付
勢しているためにスライダ１５とウオームシヤフ
ト１６との螺合隙間（ウオームバツクラツシユ）
も解消され、ウオームシヤフト１６の回転位相と
スライダ１５の位置とが高精度に対応し、ハウジ
ング１３に形成された開口部１４の開口面積が所
定の精度で増減制御される。

尚、実施例ではハウジング１３の内周面とスラ
イダ１５の外周面とにそれぞれ平面部１３ａ，１
５ａを形成してスライダ１５を回り止め係合させ
ているが、その具体的な構造は実施例に限定され
ない。

〈考案の効果〉 以上説明したように本考案では、スライダを軸
方向に弾性付勢するスプリングによつてスライダ
を円周方向にも弾性付勢してウオームバツクラツ
シユと回転ガタとをともに解消しているので、ウ
オームシヤフトの回転位相とスライダの位置とが
高精度に対応することになり、これにより、ハウ
ジングに形成された開口部の開口面積を高精度に
増減制御できるので吸気絞弁をバイパスする吸気
の流量を的確に増減調整して内燃機関のアイドル
スピードの制御精度を向上できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す要部の断面図、第２図は
第１図のＡ−Ａ断面図、第３図は本考案の一実施
例を示す要部の断面図、第４図は同上スプリング
の一部の斜視図である。 １１……ボデイ、１１ａ……係合孔、１２ａ…
…上流側バイパス通路、１２ｂ……下流側バイパ
ス通路、１３……ハウジング、１３ａ……平面
部、１４……開口部、１５……スライダ、１５ａ
……平面部、１５ｂ……係合孔、１６……ウオー
ムシヤフト、１７……ステツピングモータ、１８
……スプリング、１８ａ……係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気絞弁をバイパスする吸気のバイパス通路に
   介装されるアイドルスピード制御弁であつて、該
   バイパス通路の開口部を周壁に形成したハウジン
   グに、スライダを軸方向にのみ移動自在に嵌挿す
   ると共に、モータで正逆回転駆動されるウオーム
   シヤフトを前記スライダに螺合させることによ
   り、前記ウオームシヤフトの正逆回転にともなつ
   て前記スライダをハウジング内で軸方向に移動さ
   せ、以つて、前記開口部の開口面積を増減制御し
   て前記バイパス通路を経由する吸気の流量を増減
   調整するようにしたアイドルスピード制御弁にお
   いて、前記スライダを軸方向並びに円周方向に弾
   性付勢するスプリングを設けたことを特徴とする
   内燃機関のアイドルスピード制御弁。