JPH0243242Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、たとえば自動車の車室に取付けら
れ、ハンガを吊持するためのコートハンガフツク
の改良に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

たとえば自動車の車室には、ハンガを吊持する
ためのコートハンガフツクが取付けられる。この
コートハンガフツクは、壁面に固着される取付部
と、この取付部の下端に一体的に設けられ断面略
Ｕ字状に曲成される彎曲部とからなる。この彎曲
部に、ハンガの上端部に設けられる引掛部を吊持
するようになつている。

しかるに、たとえば凹凸のある道路を走行し車
体の上下動が激しい場合など、上記ハンガの引掛
部が彎曲部から脱落し易いものである。すなわ
ち、彎曲部は上方が全く開放しているから、引掛
部の脱落を防止することはできない。また、近
時、ハンガのハンガ本体と引掛部とが固定的なも
のが用いられるようになつている。これは従来
の、引掛部の方向が自由に選択できるものと比較
して廉価であり、気軽に使用される。しかしなが
ら、この種ハンガは上記取付部の取付位置によつ
ては、ハンガ本体がフツクの被取付壁に当接して
使用できない場合がある。

〔考案の目的〕

本考案は上記事情に着目してなされたものであ
り、その目的とするところは、たとえ車体が激し
く上下動を繰返えしても、ハンガの脱落を確実に
防止できるとともにハンガの種類を選ばないコー
トハンガフツクを提供しようとするものである。

〔考案の概要〕

すなわち本考案は、取付部と一体に略Ｕ字状に
曲成した彎曲部を設け、上記取付部に設けた透孔
に上記ハンガの引掛部を取付部の面方向と直交す
る方向に挿入係止するとともに、上記彎曲部の端
縁における該透孔と相対向する位置に設けた切欠
部にハンガの引掛部を係止することを特徴とする
コートハンガフツクである。

したがつて、従来のコートハンガフツクに、透
孔と切欠部を設けるという簡単な構成ですみ、上
記透孔と切欠部とが相対向する位置にあるから、
コートハンガフツクの幅寸法を小さくすることが
可能である。また、ハンガの引掛部を取付部の面
方向と直交する方向に吊持するのに、該引掛部は
透孔および切欠部の２か所に挿入係止されるの
で、ハンガの振れや脱落が阻止され、かつ従来と
同様、彎曲部だけにハンガの引掛部を吊持するこ
とも可能である。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面にもとづいて説
明する。第１図は、自動車の車室の一部を概略的
に示す。このウインドガラス１の上方部位である
インナパネル２にコートハンガフツク３が取付け
られる。また、コートハンガフツク３にはハンガ
４が吊持される。

上記コートハンガフツク３は、第２図に示すよ
うになつている。すなわちこれはたとえば合成樹
脂材で形成され、断面略Ｊ字状に曲成される。こ
の上端部には図示しない取付孔が穿設され、固定
ねじ５を介して上記インナパネル２に取付固定さ
れる。上端部は取付部６となつていて、これはあ
る程度の幅寸法を有し、かつ垂直方向に延出され
るものである。また、この取付部６の下部には矩
形状の透孔７が設けられ、後述するようにして用
いられる。さらにこの透孔７の下部には、彎曲部
８が一体的に設けられる。この彎曲部８は断面略
Ｕ字状に曲成されるものであり、端縁には切欠部
９が設けられる。上記透孔７と切欠部９とは相対
向するようになつている。

しかして、たとえば第３図に示すようにしてハ
ンガ１０の引掛部１１を、コートハンガフツク３
の彎曲部８に係止し吊持する。このとき上記ハン
ガ１０の引掛部１１は、ハンガ本体１２に対して
固定的なものであつてもよい。すなわち、引掛部
１１とハンガ本体１２およびウインドガラス１は
全て並行となり、ハンガ本体１２に図示しない服
などを掛けることができる。

また、凹凸の多い道路などを走行する場合は、
たとえば第４図に示すようにしてコートハンガフ
ツク３を用いる。すなわち、ハンガ１０ａの引掛
部１１ａを、その端部から透孔７に挿入し、かつ
一部を切欠部９に係合する。したがつて、このと
き用いられるハンガ１０ａの引掛部１１ａはハン
ガ本体１２ａに対して回動自在であるものが用い
られる。上記引掛部１１ａは、上記取付部６の面
方向に対して直交する方向に挿入係止されること
となる。ハンガ本体１２ａがウインドガラス１と
平行とし、図示しない服を掛ける。たとえ自動車
の走行にともなつて車体が上下振動を繰返えして
も、引掛部１１ａが透孔７と切欠部９との互いに
離間した２か所の位置に挿入係止しているところ
から、透孔７および切欠部９はハンガ１０ａの振
れを規制するとともに、ハンガ１０ａの脱落を確
実に阻止する。

なお上記実施例においては、自動車の車室に備
えられるコートハンガフツクについて説明した
が、これに限定されるものではなく、家屋の部屋
に取付けられるものでもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば、取付部と
彎曲部からなる従来のコートハンガフツクに、透
孔と切欠部を設けるという簡単な構成ですみ、製
造が容易である。また、上記取付部と彎曲部に設
けた透孔と切欠部とは互いに相対向する位置にあ
るから、コートハンガフツクの幅寸法を小さくで
き、この小型化が可能である。上記ハンガの引掛
部を取付部の面方向と直交する方向に吊持するの
に、透孔および切欠部の２か所において該引掛部
を挿入係止するので、ハンガの振れや脱落を確実
に阻止し、使い勝手が向上化する。従来と同様、
彎曲部だけにハンガの引掛部を吊持することもで
き、ハンガの種類を選ばずに吊持できるなどの効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図はコー
トハンガフツクを備えた自動車の車室一部の斜視
図、第２図はコートハンガフツクの斜視図、第３
図および第４図は互いに異る吊持状態のコートハ
ンガフツクの一部斜視図である。 ６……取付部、８……彎曲部、１０，１０ａ…
…ハンガ、１１，１１ａ……引掛部、７……透
孔、９……切欠部、１２，１２ａ……ハンガ本
体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定幅を有し垂直方向に延出される取付部と、
   この取付部下端に一体的に設けられ断面略Ｕ字状
   に曲成される彎曲部とからなり、上記彎曲部に上
   記取付部の面方向に沿つてハンガの引掛部を吊持
   するものにおいて、上記取付部に上記ハンガの引
   掛部を取付部の面方向と直交する方向に挿入係止
   する透孔を設けるとともに、上記彎曲部の端縁に
   おける該透孔と相対向する位置に上記ハンガの引
   掛部を係止する切欠部を設けたことを特徴とする
   コートハンガフツク。