JPS6214947Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は懐中電灯のような吊下用フツク付小
型電気機器の保管に適した吊下具に関するもので
ある。

小型電気機器の販売者側では、たとえば懐中電
灯を展示販売する場合、懐中電灯をポリエチレン
などからなる透明な展示用保管袋に入れるととも
に、この袋の開口部をレツテル紙などではさんで
仮封止して、これを店内の壁の係止金具や展示専
用のハンガなどに引つ掛けることにより、上記懐
中電灯を吊り下げておくのが通例となつている。

ところで、顧客側において、購入後に上記保管
袋から抜き取つた懐中電灯をいつでも使えるよう
に、部屋の壁などに吊り下げて保管するのが好ま
しいものであるが、従来では、壁面などに固定さ
れる市販の吊下具をわざわざ用意しなければなら
ず、不便であつた。

この考案は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、小型電気機器の吊下用フツクに対する係止用
の係止突片と展示用保管袋の開口端部を挟持する
袋保持部と取付孔とを合成樹脂製基板に形成する
ことにより、展示用としてのみならず顧客側での
小型電気機器の保管にも便利な吊下具を提供する
とともに、購入後吊下具を壁面などに固定する
際、不用となつた袋保持部を使用者が簡単に除去
することのできる効果的な構造を提供することを
目的とする。

以下、この考案の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

第１図において、１１は合成樹脂製の基板、１
２は小型電気機器、たとえば懐中電灯１３を収納
する展示用の保管袋で、この保管袋１２は、たと
えばポリエチレンなどからなり、透明になつてい
る。

上記基板１１の一端部１１ａには、上記保管袋
１２の開口端部１２ａを挿入させる開口部、例え
ば矩形孔１４が形成され、この矩形孔１４の両側
には、ピン１５，１５が形成されている。１６は
ピン圧入孔１７，１７を有する合成樹脂製の押え
板で、この押え板１６や上記矩形孔１４などで上
記保管袋１２の開口端部１２ａを基板１１とで挟
着する袋保持部１８が構成されている。１９は上
記矩形孔１４の内壁に形成された多数の突起部で
あり、上記矩形孔１４に挿入された保管袋１２を
引つ掛り易くさせるためのものである。

２０は上記基板１１の他端部１１ｂ側に突設さ
れた係止突片であり、この係止突片１９は上記保
管袋１２から取り出された懐中電灯１３に付設さ
れている吊下用フツク２１に係脱可能に係止する
ものである。２２は上記基板１１の他端部１１ｂ
に形成された取付孔である。

２３，２３は上記基板１１両側の一端部１１ａ
寄りに対向して形成された切込部であり、上記矩
形孔１４は両切込部２３，２３を結ぶ線上に設定
されている。したがつて、必要に応じて上記基板
１１の一端部１１ａを折り曲げれば、切込部２
３，２３および矩形孔１４から上記一端部１１ａ
を分離できるようになつている。

上記構成において、販売者側では懐中電灯１３
を展示販売する際には、保管袋１２に懐中電灯１
３を収納する。ついでこの保管袋１２の上端開口
部１２ａを基板１１裏側から矩形孔１４に挿入し
て、押え板１６のピン圧入孔１７，１７にピン１
５，１５を圧入すれば、上記押え板１６と上記矩
形孔１４の開口周縁とで上記保管袋１２が挟持さ
れるため、第２図のように上記懐中電灯１３を上
記保管袋１２とともに吊持させることができる。
このため、上記基板１１の他端部１１ｂにおける
取付孔２２を展示用ハンガ２４などに掛けること
により、懐中電灯１３の吊持展示が行なえる。

顧客側においては、上記懐中電灯１３を保管袋
１２から取り出すとともに、上記吊持展示に用い
た吊下具を、そのまま懐中電灯１３の吊下用フツ
ク２１の引つ掛け用に使用する。しかしながら、
この時、上記保管袋１２を挾着させた袋保持部１
８を備えた基板１１の一端部１１ａは無用の長物
であり、壁等に固定する場合それだけ大きな場所
をとるとともに、懐中電灯１３引つ掛け時の邪魔
にもなる。

そこでこの考案においては、上記のごとく、基
板１１両側の一端部１１ａ寄りに、対向する切込
部２３，２３を形成するとともに、特に、懐中電
灯１３のフツク２１引つ掛けに際して不用となる
前記矩形孔１４を、上記切込部２３，２３を結ぶ
線上に設定しているので、基板１１の一端部１１
ａ側で大きく開口している上記矩形孔１４が、切
込部２３，２３を結ぶ線上に沿つて一端部１１ａ
を折り曲げ、分離させる際積極的に活用され、す
なわち、一方の切込部２３矩形孔１４、他方の切
込部２３と並んで、いわゆるミシン目的な役割を
果たし、第３図のように基板１１から不用の一端
部１１ａを簡単かつ正確に分離させることができ
る。一端部１１ａを分離除去させたのち、第４図
のように、上記基板１１の取付孔２２にねじ体２
５を挿入してこの基板１１を壁面Ｍなどに固定す
れば、上記基板１１には係止突片２０が形成され
ているため、この係止突片２０に懐中電灯１３の
吊下用フツク２１を引つ掛けることができ、この
ため顧客はわざわざ市販の吊下具を用意しなくて
も上記懐中電灯１３を吊下保管することができ
る。

ところで、上記基板１１の袋保持部１８を構成
する押え板１６は第５図に示すように基板１１に
対して樹脂ヒンジ部２６を介して一体に形成して
もよく、その場合、上記押え板１６で保管袋１２
の上端開口部１２ａを挟着するようにさせなくて
も、第６図のように押え板１６の自由端面にギザ
部２７を形成し、矩形孔１４に挿入した保管袋１
２の上端開口部１２ａが自重で後退しようとする
のに対し、上記ギザ部２７で第７図のように逆止
させるようにすることもできる。

また基板１１を取り付けるねじ体２５をたとえ
ば第８図のように係止突片２０に形成した凹所２
９に格納できるようにしておけば、一層使い勝手
が良い。

以上のように、この考案は合成樹脂製基板の一
端部に、吊下用フツク付小型電気機器を収納した
展示用保管袋の開口端部が挿入される開口部と、
該開口部の縁部との間で上記保管袋の開口端部を
挾着する押え板とから成る袋保持部を設け、上記
基板の他端部に、上記保管袋から取り出した際の
上記小型電気機器における吊下用フツクに係脱可
能に係止される係止突片と上記基板の取付孔とを
形成するとともに、基板両側の一端部寄りに対向
する切込部を形成し、上記開口部を、切込部を結
ぶ線上に設定して、基板の一端部を切込部を結ぶ
線上に沿つて開口部を介して折り取り可能に構成
したので、販売者側の吊下展示用は勿論のこと顧
客側においても吊下保管用として使用できる便利
な吊下具を提供することができるとともに、顧客
が吊下保管用として使用する際不用となる袋保持
部を形成した一端部を、切込部及び上記基板一端
部側で大きく開口している上記不用部分である袋
保持部を構成する開口部を積極的に活用して簡単
かつ正確に分離、除去することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る吊下具の一例を示す斜
視図、第２図は販売者側での吊下展示用としての
使用説明図、第３図および第４図は顧客側での吊
下保管用としての使用説明図、第５図〜第８図は
この考案の吊下具の変形例の説明図である。 １１……基板、１１ａ……一端部、１１ｂ……
他端部、１２……展示用保管袋、１２ａ……開口
端部、１３……小型電気機器、１４……開口部、
１６……押え板、１８……袋保持部、２０……係
止突片、２１……吊下用フツク、２２……取付
孔、２３……切込部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製基板１１の一端部１１ａに、吊下用
   フツク付小型電気機器１３を収納した展示用保管
   袋１２の開口端部１２ａが挿入される開口部１４
   と、該開口部１４の縁部との間で上記保管袋１２
   の開口端部１２ａを挾着する押え板１６とから成
   る袋保持部１８を設け、上記基板１１の他端部１
   １ｂに、上記保管袋１２から取り出した際の上記
   小型電気機器における吊下用フツク２１に係脱可
   能に係止される係止突片２０と上記基板１１の取
   付孔２２とを形成するとともに、基板１１両側の
   一端部１１ａ寄りに対向する切込部２３，２３を
   形成し、上記開口部１４を、切込部２３，２３を
   結ぶ線上に設定して、基板１１の一端部１１ａを
   切込部２３，２３を結ぶ線上に沿つて開口部１４
   を介して折り取り可能に構成したことを特徴とす
   る吊下具。