JPH0241291Y2 - - Google Patents

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JPH0241291Y2
JPH0241291Y2 JP3361985U JP3361985U JPH0241291Y2 JP H0241291 Y2 JPH0241291 Y2 JP H0241291Y2 JP 3361985 U JP3361985 U JP 3361985U JP 3361985 U JP3361985 U JP 3361985U JP H0241291 Y2 JPH0241291 Y2 JP H0241291Y2
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oil
ring
piston rod
packing box
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、クロスヘツド型内燃機関、例えば
舶用の2サイクルクロスヘツド型デイーゼル機関
において、掃気室(約2Kg/cm2)とクランク室
(大気圧)との間の隔壁に装着してピストン棒の
周囲をシールするためのピストン棒パツキン箱に
関するものである。
(従来の技術) まず最初に、2サイクルクロスヘツド型デイー
ゼル機関の概要について、第6図に基づいて説明
する。図において、51はシリンダであつて、こ
のシリンダ51内にはピストン52が配置されて
いる。そしてこのピストン52にはピストン棒5
の上端が接続され、またピストン棒5の下端は、
クランク室2内において、連結棒55を介してク
ランク軸56に接続されている。図のように、こ
の機関はクランク室2の上部を掃気ポンプとして
利用して掃気を行う方式のものであつて、クラン
ク室2と、その上部に位置する掃気室3との間に
は隔壁58が形成されており、この隔壁58に、
ピストン棒5の周囲をシールするためのパツキン
箱59が装着されている。
上記のようなパツキン箱59においては、その
機能として、掃気室3の圧力約2Kg/cm2の気密
を保持すること、掃気室3内の汚油がクランク
室2へ流出するのを防止すること、クランク室
2内の清浄油の掃気室3への油揚りを防止するこ
と、という各機能が要求される。従来のピストン
棒パツキン箱の具体例としては、例えば実開昭58
−40541号公報に記載されたものを挙げることが
できるが、このパツキン箱は、図示しないが、ピ
ストン棒の周囲において、掃気室側に気密リング
を、クランク室側に油かきリングをそれぞれ配置
した構造のものである。
ところで上記したピストン棒パツキン箱におい
ては、上記の機能は有効に果たし得るもの
の、掃気室内の汚油のクランク室内への流出防止
という上記の機能に関する難点のあることか
ら、例えば第7図に示すような構造のパツキン箱
を採用することが考えられる。
このピストン棒パツキン箱は、掃気室3側に位
置する複数の油かきリング60,60と、クラン
ク室2側に位置する複数の油かきリング61……
61との間に複数の気密リング62,62を配置
した構造のものである。そしてこの構造において
は、掃気室3の気密性は上記気密リング62によ
つて保持され、またパツキン箱59内を上下動す
るピストン棒5の表面に付着した油は、上記各油
かきリング60,61によつてかき取られること
になる。この場合、掃気室3側の油かきリング6
0によつてかき取られた油は、上部ドレン孔63
を通して廃棄され、気密リング62の間に溜つた
油は中間ドレン孔64から回収されると共に再生
利用され、またクランク室2側の油かきリング6
1によつてかき取られた油はクランク室2に直接
回収される。
(考案が解決しようとする問題点) ところで本考案者は、上記掃気室3内におい
て、ピストン棒5の表面に付着する汚油について
の検討を行つたが、その結果、上記ピストン棒5
への付着油は、その最も表面に位置する部分にお
いては汚染されているものの、それよりもやや内
側の部分においては、汚染度はかなり低くなつて
いることを確認した。つまり上記のように掃気室
3側に位置する複数の油かきリング60,60に
よつてかき取られた油を全て上部ドレン孔63か
ら廃棄するのは、再生利用し得る油までも廃棄し
てしまうことになるということである。
この考案は上記した従来の欠点を解決するため
になされたものであつて、従来は廃棄されていた
油を、廃棄すべき汚油と、再生利用し得る油とに
分離して回収することにより、システム油を有効
利用することを可能にしたクロスヘツド型内燃機
関のピストン棒パツキン箱を提供することにあ
る。
(問題点を解決するための手段) そこでこの考案のピストン棒パツキン箱におい
ては、実施例に対応する第1図に示すように、ピ
ストン棒5が掃気室3から下降する際に、その表
面に付着した油をかき取るための油かきリングと
して、掃気室3に最も近い位置に配置される第1
油かきリング11と、これよりもクランク室2側
に気密リング21を介して配置される第2油かき
リング12とを有している。またこのパツキン箱
1には、上記第1油かきリング11によつてかき
取られた油を排出するための第1ドレン孔6と、
上記第2油かきリング12によつてかき取られた
油を排出するための第2ドレン孔7が設けられて
いる。そして図示しないが、上記第1ドレン孔6
は廃棄通路に、また上記第2ドレン孔7は油の再
生部(油溜)にそれぞれ接続されている。
(作用) 上記の結果、ピストン棒5が掃気室3から下降
する際に、ピストン棒5の外周に付着している油
の内、最表面に位置する部分が、まず最初に第1
油かきリング11によつてかき取られることにな
る。この第1油かきリング11によつてかき取ら
れた油は、最表面に位置するために最も汚染の進
んだ汚油であり、上記第1ドレン孔6から廃棄さ
れることになる。そしてピストン棒の周囲におけ
る、上記第1油かきリング11によつてその最表
面の汚染油がかき取られた部分が、第2油かきリ
ング12の位置へと至り、この第2油かきリング
12によつて表面部の油がさらにかき取られるこ
とになる。ここでかき取られた油は汚染度が低い
ために、第2ドレン7を経由して再生部(油溜)
へと送られ、再生利用される。このようにして廃
棄すべき汚油と、再生利用し得る油とを分離して
回収することが可能となる。
(実施例) 次ぎにこの考案のクロスヘツド型内燃機関のピ
ストン棒パツキン箱の具体的な実施例について、
図面を参照しつつ詳細に説明する。
第1図において、1はパツキン箱の全体を示し
ているが、このパツキン箱1は、前述のように、
クランク室2と、掃気室3との間の隔壁4に装着
され、その内部を摺動するピスト棒5の周囲をシ
ールするためのものである。このパツキン箱1の
内周部には、合計9個のリングが配置されてい
る。すなわち図において上から順に、第1上部油
かきリング11、第1気密リング21、第2上部
油かきリング12、第2気密リング22、第1な
いし第4下部油かきリング31……34、及び補
助油かきリング41の各リングである。上記第1
及び第2上部油かきリング11,12は、ピスト
ン棒5が掃気室3からクランク室2へと下降する
際に、その表面に付着した汚油をかき取る作用を
するもので、一方上記第1ないし第4下部油かき
リング31……34は、ピストン棒5が上記とは
逆にクランク室2から掃気室3へと上昇する際
に、その表面に付着している清浄油をかき取る作
用をするものである。
また上記パツキン箱1には、上記第1上部油か
きリング11によつてかき取られた油を排出する
ための第1ドレン孔6と、上記第2油かきリング
12によつてかき取られた油を排出するための第
2ドレン孔7とが形成されている。そして図示し
ないが、上記第1ドレン孔6は廃棄通路に接続さ
れ、また上記第2ドレン孔7は油の再生部へと接
続されている。すなわち上記第1上部油かきリン
グ11によつてかき取られた汚油は、第1ドレン
孔6を介して廃棄通路へと廃棄され、一方上記第
2油かきリング12によつてかき取られた油は第
2ドレン孔7を介して再生部へと送られ、再生利
用し得るようなされている訳である。一方上記第
1ないし第4の下部油かきリング31……34に
よつてかき取られた清浄油は、パツキン箱1に穿
設された通路8を介してクランク室2へと回収さ
れる。なお最下段に位置する補助油かきリング4
1の直下の位置には、この部分から上記通路8へ
と連通する流路9が設けられており、ピストン棒
5の上昇時に、補助油かきリング41によつてか
き落とされた清浄油を、これら流路9及び通路8
を介して、ピストン棒5に再付着しないようにク
ランク室2へ回収し得るようなされている。
第2図には上部油かきリング11,12の好ま
しい断面形状を示すが、図のように各リング1
1,12は、その内側周端部のうち、掃気室3側
の周端部に鋭角の油かきエツジ15,15を有し
ている。換言すればこの油かきエツジ15は、図
において斜め上方へと延びるものであつて、油か
きリング11の径方向内方の斜め上方へと延びる
平面部16と、この平面部16の下側の位置から
上記と略同様に径方向内方の斜め上方へと湾曲し
て延びる湾曲部17とが交差することによつて形
成されたものである。上部油かきリング11,1
2が、このような断面形状を有する結果、各エツ
ジ15,15においては、ピストン棒5が掃気室
3からクランク室2へと下降する際にはその表面
の汚染油をかき落とすものの、ピストン棒5がこ
れとは逆に上昇する際には清浄油はかき落とさな
いことになる。なお上記のような油かきエツジ1
5は、第3図に示すように、径方向内方の斜め上
方へと延びる一組の平面部18,19を交差させ
ることによつても、その形成が可能である。
また第4図及び第5図には、下部油かきリング
31……34の好ましい断面形状を示すが、各リ
ング31……34は、その内側周端部のうち、ク
ランク室2側の周端部に鋭角の油かきエツジ35
を有している。換言すればこの油かきエツジ35
は、図において斜め下方へと延びるものであつ
て、上記した上部油かきリング11,12の場合
と略同様に、平面部36と湾曲部37との交差部
(第4図)として、または一組の平面部38,3
9の交差部(第5図)として形成されたものであ
る。下部油かきリング31……34がこのような
断面形状を有する結果、各エツジ35において
は、ピストン棒5が上昇する際には、その表面か
ら清浄油をかき落とすものの、ピストン棒5が下
降する際には、油をかき落とさないことになる。
なお上記各油かきエツジ15,35の先端部に
は、図のように糸面取りCを施しておくのが好ま
しい。
上記のようなピストン棒パツキン箱1において
は、ピストン棒5が掃気室3から下降してくる際
に、以下のようにして汚染油のかき取りを行う。
すなわち、上記のように下降してくるピストン棒
5においては、最も表面に位置する部分が最も汚
染の進んだ部分である訳であるが、この最も汚染
された部分は、まず最初に第1上部油かきリング
11によつてかき取られ、第1ドレン孔6を介し
て廃棄通路へと廃棄される。そしてピストン棒5
の、このように最表面の汚染油が既にかき取られ
た部分に位置する汚染度の低い付着油が、次に第
2上部油かきリング12によつてかき取られ、第
2ドレン孔7を介して再生部へと送られ、再生利
用されることになる。このように2つの上部油か
きリング11,12から別々のドレン孔6,7へ
と回収油を導き、一方の汚染された油は廃棄し、
他方の汚染度の低い油を再生利用するようにして
あるので、従来の上部油かきリングによつてかき
取られた油の全てを廃棄するような場合を比較し
て、廃棄油量を減少することが可能となり、シス
テム油を有効利用することが可能となる。
この場合、上記油かきリング11,12間に気
密リング21を介設してあるため、掃気室3内の
圧力はこの気密リング21によつてシールされる
ことになる。そのため第2上部油かきリング12
によつて第2ドレン孔7を経由して再生部(油
溜)へと送出される再生ドレンは、大気圧下で取
り出せることになり、掃気室3へのエア漏れに対
する配慮が不要となり、したがつてバルブ等の絞
り調整が不要である。
なお第1上部油かきリング11と第2上部油か
きリング12との油かき機能を、上記のように2
段階に分離して機能させるためには、第2上部油
かきリング12の緊迫力(押付け面圧)を第1上
部油かきリング11よりも若干高く設定しておく
のが好ましい。
また上記のように、上部油かきリング11,1
2と、下部油かきリング31……34とにそれぞ
れ油かきエツジ15,35を設けた場合には、油
かき機能が、ピストン棒5の下降・上昇の各行程
において分離されることになるので、油かき機能
が著しく改善されることになる。
(考案の効果) この考案のクロスヘツド型内燃機関のピストン
棒パツキン箱においては、ピストン棒が掃気室か
らクランク室へと下降する際に、その表面に付着
した汚染油を、2つの油かきリングによつてかき
取り、各リングによつて回収さた油を別々のドレ
ンに導き、汚染度の高い油は廃棄し、汚染度の低
い油は再生利用するようにしてあるので、従来の
ように油かきリングによつてかき取られた油の全
てを廃棄するような場合に比較して、廃棄油量を
減少することが可能となり、システム油を有効に
利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案のピストン棒パツキン箱の一
実施例を示す中央縦断面図、第2図は上部油かき
リングの断面形状を示す拡大断面図、第3図はそ
の変更例を示す拡大断面図、第4図は下部油かき
リングの断面形状を示す拡大断面図、第5図はそ
の変更例を示す拡大断面図、第6図はクロスヘツ
ド型内燃機関の説明図、第7図は従来例の中央縦
断面図である。 1……ピストン棒パツキン箱、2……クランク
室、3……掃気室、4……隔壁、5……ピストン
棒、6……第1ドレン、7……第2ドレン、11
……第1上部油かきリング、12……第2上部油
かきリング、21……気密リング。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 掃気室とクランク室との間の隔壁に装着され、
    油かきリングと気密リングとを有するピストン棒
    パツキン箱において、上記ピストン棒が掃気室か
    ら下降する際にその表面の付着油をかき取るため
    の油かきリングとして、上記掃気室に最も近い位
    置に配置される第1油かきリングと、これよりも
    クランク室側に気密リングを介して配置される第
    2油かきリングとを有し、上記パツキン箱には、
    上記第1油かきリングによつてかき取られた油を
    排出するための第1ドレンと、上記第2油かきリ
    ングによつてかき取られた油を排出するための第
    2ドレンとが形成され、上記第1ドレンは廃棄通
    路に、また上記第2ドレンは油の再生部にそれぞ
    れ接続されていることを特徴とするクロスヘツド
    型内燃機関のピストン棒パツキン箱。
JP3361985U 1985-03-08 1985-03-08 Expired JPH0241291Y2 (ja)

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JP3361985U JPH0241291Y2 (ja) 1985-03-08 1985-03-08

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JP3361985U JPH0241291Y2 (ja) 1985-03-08 1985-03-08

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JPS61149757U JPS61149757U (ja) 1986-09-16
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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