JPH0240426B2 - Oirukuuranoeremento - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はエンジンにおける潤滑油の温度を適
正に維持するためのオイルクーラ、主として多板
式オイルクーラのエレメントの改良に関する。

これまでに用いられている多板式のオイルクー
ラを示せば第１図イのとおりであり、側壁に冷却
水の入口パイプ１a′と出口パイプ１b′を取付けた
円筒状ケーシング１′の内部に、例えば不銹鋼製
環状の上部プレート２′と下部プレート３′とから
なり、両板の間に波状のフイン部材４′を設けた
ユニツトデスクd′を相互に通じるオイルの流入通
路６′または流出通路７′を形成するように多段に
積層してエレメントE′となし、その中心部にオイ
ル流通用のセンターパイプ５′を立設し、しかし
て、ケーシング底部をシリンダブロツクのブラケ
ツトにオイルフイルタと直列的または並列的に取
付け、側方から入口パイプ１a′を通じてケーシン
グ１中に冷却水を取入れる一方、流入通路６′を
介してエレメントE′中にフイルタで浄化したオイ
ルを通し、相互に熱交換させ、冷却したオイルは
流出通路７′およびセンターパイプ５′を通じて所
要の場所に送るようになされている。

そして、上記したエレメントE′のユニツトデス
クd′は同図ロに示すように、上環状プレート２′
は中央部が若干低く平らに絞り込まれ、中心部に
は内側にセンターパイプ５′を嵌挿できる太さの
起立円筒部２a′が形成され、一側（図では右側）
中央部には所要大きさの平面円形または角形の第
１の上向き突出部２b′が設けられ（ただし最上段
のものには設けない）ると共に他側中央部には同
じく平面円形または角形の第２の上向き突出部２
c′が設けられ、外周縁は弧状下向きに折曲されて
おり、 また、下環状プレート３′は中央部が若干高く
なるように平らに絞り込まれ、その中心部には下
段のユニツトデスクd′の上環状プレート２′の起
立円筒部２a′の外側に嵌合する下向き円筒部３
a′が形成され、一側（右側）中央部には下段のユ
ニツトデスクd′の第１上向き突出部２b′の外側に
嵌合すべき第１の下向き突出部３b′が設けられ、
他側中央部には同じく下段のユニツトデスクd′の
第２上向き突出部２c′の外側に嵌合すべき第２の
下向き突出部３c′が設けられ、外周縁は弧状上向
きに折曲されている。

そして、一段のユニツトデスクd′を構成する
上、下の環状プレート２′，３′の間には横通孔を
備えた波形環状のフイン部材４′を配設すると共
にその上下に箔状のろう材f′を介在させ、中央の
平たん絞り部を重ね合せると同時に弧状周縁部を
上のものを内側にして係合させ、次いでその上環
状プレート２′の中央起立円筒部２a′および第１、
第２の上向き突出部２b′，２c′の外側に上段に当
たるユニツトデスクの下環状プレート３′の下向
き円筒部３a′および第１、第２の下向き突出部３
b′，３c′をそれぞれ嵌合させ、このようなやり方
で所要段数のユニツトデスクd′を積層してオイル
の流入通路６′と流出通路７′を有するエレメント
E′となし、該エレメントを治具で固定し、炉に入
れてろう材f′を溶かし、上下の環状プレート２′，
３′とフイン部材４′および各ユニツトデスクd′相
互を一体にろう付けするようにしている。

この場合、ユニツトデスクd′同志の結合には、
溶けたろう材が下段の上環状プレート２′の起立
円筒部２a′および左右の上向き突出部２b′，２
c′と上段の下環状プレート３′の下向き円筒部３
a′および左右の下向き突出部３b′，３c′との嵌合
クリアランス（通常0.1mm〜0.2mm）に浸入して上
下のものを気密に結合することになるわけである
が、上下のものの接続手段である円筒部および突
出部は周縁部と違つて直立壁同志の嵌合関係にな
つているため、プレス加工時の寸法的なバラツキ
や形状的な不整合によつてクリアランスの大きな
部分が生じ、そこから往往にして溶けたろう材が
流出してしまい、気密漏れを生じ修理不能な不良
品を作ることになる。

この発明は上記の不具合を改良すべく工夫され
たもので、ユニツトデスクの接続部に多少の寸法
的バラツキや形状的な不整合な部分があつたにし
ても、ろう材が流出することなく気密性の保持で
きるエレメントを提供するものであり、上環状プ
レートと下環状プレートおよび両プレートの間に
波形環状のフイン部材を配設してユニツトデスク
を形成し、該ユニツトデスクの複数段を上段デス
クの下環状プレートの中心部に設けた下向き円筒
部およびその両側中央部に設けた第１、第２の円
形または角形の下向き突出部を下段デスクの中心
部に設けた起立円筒部およびその両側中央部に設
けた円形または角形の上向き突出部の外側に嵌合
させ、両側にオイルの流入通路と流出通路を形成
させて積層するオイルクーラのエレメントとし
て、各デスクの上環状プレートの中央起立円筒部
および第１、第２の上向き突出部の基部周辺に環
状凹所をそれぞれ形成し、該環状凹所にろう材を
充填させて各デスクｄを結合したことを特徴とし
ている。

第２図はこの発明の実施例を示すものであり、
ｄはオイル冷却用のユニツトデスクであつて、前
記のものと同じく不銹鋼製の上環状プレート２と
下環状プレート３および両プレートの間に配設さ
れる横通孔を備えた波形環状のフイン部材４とか
らなるが、上環状プレート２は中央部が若干低く
絞られて平たん部２ｄをなし、そして中心部近傍
には上方に盛り上がる環状のビード部２ｅが設け
られ、このビード部２ｅの内側には環状の凹所２
ｆを介在させて、オイル流通用のセンターパイプ
５を嵌挿すべき起立円筒部２ａが設けられてお
り、また、一側中央部には最上段のものを除いて
上方に盛り上がつた円形または角形環状のビード
部２e′とその内側に環状凹所２f′を介在させて円
形または角形の第１上向き突出部２ｂが形成さ
れ、他側中央部にも円形または角形環状のビード
部２e″が設けられると共にその内側には環状凹所
２f″を介在させて円形または角形の第２上向き突
出部２ｃが形成され、外周縁は下向き弧状に折曲
されている。

一方、下環状プレート３は中央部が若干高く絞
り込まれて平たん部３ｄをなし、その中心部には
下段デスクの上環状プレート２の起立円筒部２ａ
の外側に嵌合すべき下向き円筒部３ａが形成さ
れ、一側（右側）中央部には下段デスクの第１上
向き突出部２ｂの外側に嵌合すべき円形または角
形の第１下向き突出部３ｂが設けられ、他側（左
側）中央部には最下段のものを除いて下段デスク
の第２上向き突出部３ｃが設けられ、外周縁は上
向き弧状に折曲されている。

しかして、その組立てに当たつては前記のもの
と同様に上、下の環状プレート２，３の間にフイ
ン部材４を配設すると共にその上下の面に箔状の
ろう材を介在させ、中央の平たん部２ｄ，３ｄを
重ね合せると共に弧状周縁部を上のものを内側に
して係合させ、次いで上環状プレート２の中央の
起立円筒部２ａおよび第１、第２の上向き突出部
２ｂ，２ｃの外側に上段デスクの下環状プレート
３の下向き円筒部３ａおよび下向き突出部３ｂ，
３ｃをそれぞれ嵌合させる。

その際には下向き円筒３ａおよび下向き突出部
３ｂ，３ｃの下端部は図示のように上環状プレー
ト２上にビード部２ｅ，２e′，２e″によつて形成
された環状凹所２ｆ，２f′，２f″にそれぞれ嵌合
する。このようにして所要段数のユニツトデスク
ｄを順次に積層し、第１突出部２ｂ，３ｂの嵌合
関係によつて形成されるオイルの流入通路６と第
２突出部２ｃ，３ｃの嵌合関係によつて形成され
る流出通路７を有するエレメントＥとなし、この
状態のものを治具で固定し炉に入れてろう材を溶
かし、上下の環状プレート２，３とフイン部材４
および各ユニツトデスクｄ同志を一体にろう付け
する。

この場合、ユニツトデスクｄ同志の接続部分で
は溶けたろう材が上段デスクの下環状プレート３
の下向き円筒部３ａおよび第１、第２の下向き突
出部３ｂ，３ｃと下段デスクの起立円筒部２ａお
よび第１、第２の上向き突出部２ｂ，２ｃとの嵌
合クリアランスに浸入することになるが、上環状
プレート２の起立円筒部２ａおよび上向き突出部
２ｂ，２ｃの周辺にはビード部２ｅ，２e′，２
e″によつて囲まれた環状凹所２ｆ，２f′，２f″が
設けてあるので、第３図のようにろう材ｆは各環
状凹所２ｆ，２f′，２f″に充填されビード部２ｅ，
２e′，２e″によつてそれぞれせき止められた状態
になり、流出が防止される。

なお、上環状プレート２の中央の起立円筒部２
ａおよび第１、第２の上向き突出部２ｂ，２ｃ周
辺の環状凹所２ｆ，２f′，２f″はビード部を設け
ることなく第４図のように平たん部から直接下方
に突出させて形成するようにしてもよい。

以上のようにこの発明では、上環状プレートと
下環状プレートおよび波形環状のフイン部材でユ
ニツトデスクを形成し、上段デスクの下環状プレ
ート中心部の下向き円筒部および第１、第２の下
向き突出部を下段デスクの中心起立円筒部および
第１、第２の上向き突出部の外側に嵌合して、所
要段数のデスクを積層する形式のオイルクーラの
エレメントにおいて、各上環状プレートの中心起
立円筒部および第１、第２の上向き突出部の基部
周辺にそれぞれ環状凹所を形成し、該還状凹所に
ろう材を充填して積層デスクを結合するようにし
たので、ろう付け作業に当たつて従来品のように
デスクの接続部からろう材が流出することなく、
接続部の気密を充分に保つことができ、不良品の
発生を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図イは従来のオイルクーラの断面図。同図
ロはその上、下段のデスクの結合状態を示す一部
の断面図。第２図はこの発明の実施例の断面図。
第３図は上下段デスクの接続部分の断面図。第４
図はその接続部分の変更例の断面図。 図中、ｄ……ユニツトデスク、Ｅ……エレメン
ト、２……上環状プレート、２ａ……起立円筒
部、２ｂ……第１上向き突出部、２ｃ……第２上
向き突出部、２ｅ，２e′，２e″……リブ、２ｆ，
２f′，２f″……環状凹所、３……下環状プレート、
３ａ……下向き円筒部、３ｂ……第１下向き突出
部、３ｃ……第２下向き突出部、４……フイン部
材、５……センターパイプ、６……流入通路、７
……流出通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 上環状プレート２と下環状プレート３および
   両プレートの間に波形環状のフイン部材４を配設
   してユニツトデスクｄを形成し、該ユニツトデス
   クｄの複数段を、上段デスクの下環状プレート３
   の中心部に設けた下向き円筒部３ａおよびその両
   側中央部に設けた第１、第２の円形または角形の
   下向き突出部３ｂ，３ｃを下段デスクの中心部に
   設けた起立円筒部２ａおよびその両側中央部に設
   けた円形または角形の上向き突出部２ｂ，２ｃの
   外側に嵌合させ、両側にオイルの流入通路６と流
   出通路７を形成させて積層するものにおいて、各
   デスクｄの上環状プレート２の中央起立円筒部２
   ａおよび第１、第２の上向き突出部２ｂ，２ｃの
   基部周辺に環状凹所２ｆ，２f′，２f″をそれぞれ
   形成し、該環状凹所２ｆ，２f′，２f″にろう材を
   充填させて各デスクｄを結合してなるオイルクー
   ラのエレメント。