JPH0240414B2 - Daikasutoniokerunaimentotsukinoaruseihinnodatsurihoho - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ダイカストによる鋳造品が内周面に
突起部分（アンダーカツト）を全周に亘つて連続
成型させるためのダイカストに於ける内面連続突
起製品の脱離方法に関するのである。

（従来の方法） 従来、この種のアンダーカツトのあるダイカス
ト製品の鋳造は、置中子を使つて鋳造品取出後、
置中子を別途の方法による脱離するか、又は置中
子を破壊して完全なダイカスト鋳造品としてい
た。

即ち、置中子を脱離する別途の方法が技術上困
難な上、金型製作費と保守費に多大の価格を要
し、さらに、鋳造時間が長くなり、ダイカストの
生命である短時間多量生産を阻害していた。

（本発明が解決しようとする問題点） 本発明は前記の問題点を鑑みて発明されたもの
で、短時間多量生産を阻害することなく、遅滞な
く連続鋳造が行えて、これに使用される金型は置
中子に対して固定中子を使用し、この固定中子に
相対向する第１可動中子と、更に相対向する第２
可動中子とを各々位置させることによつて、製品
の内周面に連続した突起部分（アンダーカツト）
のある鋳物を容易確実に作れる点にある。しかも
金型は、技術上の困難さ、製作費の増大を排除し
た上で作ることが出来る。

（問題点を解決するための手段） 本発明の内面突起製品の脱離方法は、可動金型
内の固定中子７を先方に向けて幅狭となる断面方
形状に形成し、その固定中子の４面に相対向する
第１可動中子８，９と第２可動中子１０，１１と
を各々揺動自在に対接させる。

該第１可動中子と第２可動中子との先端外周に
突起部を形成する。可動金型４が後退すると、作
動指令により作動する押出プレート１６、第１押
出軸１４，１４により第１可動中子８，９が可動
金型４より押出され、製品を固定中子７より分離
し、次ぎに、別の作動指令により作動する第２押
出シリンダ２２，２２、第２押出軸２３，２３に
より第２可動中子１０，１１が押出され、製品を
固定中子７より分離させると共に脱離ピン２４，
２４により製品を脱離させるものである。

（実施例） 次に、本発明の実施例を図面について詳述す
る。固定盤１の前面に固定金型２が取付られ、該
固定盤１と相対する位置に可動盤３を有し、その
可動盤３の前面には、該固定金型２と相接する可
動金型４が取付られている。５は鋳造された製品
を示し、第９図に示す如く製品５は内面に各種形
状の突起部２５を連続して成型してある。

次に、前記可動金型４には内部に固定中子７を
形成せしめてある。この固定金型７は先方に向つ
て順次幅狭く形成され、断面形状は方形状の４面
より成つている。

この固定金型７の一方の相対向する面には、最
初に移動する第１可動中子８及び９を第７図イ図
の様に対接してある。この第１可動中子８，９は
断面的に外周が円弧状を有し、他の３面はコ字形
になつている。

前記第１可動中子８，９には先端外周に必要に
応じて突起部、螺子部等を形成する。図面は凹溝
部１２，１２を各々形成せしめた場合である。ま
た、第１可動中子８，９の後方には、第１押出板
１３の先方に連接した数本の押出軸１４，１４…
の先端が接触している。

また、該第１押出板１３の後方に連接した押出
杆３０，３０の後方には、第１押出シリンダ１７
の作動に同調して移動する押出プレート１６と連
接している。

次に前記固定中子７の他方外面に設けた相対向
する第２可動中子１０，１１は、断面略半円形に
形成されていると共に該第１可動中子８，９を第
７図に示す如く両側から相い狭んだ状態に装設さ
れている。この該第２可動中子１０，１１の先端
外周には第１可動中子８，９と同様な凹溝部２
６，２６を形成してある。また、第２可動中子１
０，１１の後方には第２押出板１９の先方に連接
した数本の第２押出軸２０，２０…の先端が接触
しており、第２押出板１９の後方には、第２押出
しリンダ２２，２２に連接されたロツド２３，２
３が連接している。符号２４は第４図、第６図に
示す如く第２押出板１９の先端に設けた製品５の
脱離ピンを示し、可動金型４内を摺動自在となつ
ている。第２図に示す２７は溶湯注入口、２８は
スリーブ、２９はチツプ、３０はプランジヤロツ
ドを示す。

（作用） 本発明は上述の如き構成からなり、今この脱離
方法を説明すると、第２図は、溶湯注入口２７に
注入された溶湯がチツプ２９により固定型２に圧
力された状態を示す。製品５が固化された後に、
可動盤４が後退し第３図に示す如く作動指令によ
り第１押出シリンダ１７が前進し、押出プレート
１６、第１押出杆３０，３０、第１押出板１３、
第１押出軸１４，１４…も前進し、従つて第１可
動中子８と相対する第１可動中子９が前進する
が、この際固定中子７の傾斜面に沿つて先方に進
むにしたがい回動軸１５，１５を支点として第１
可動中子８，９は縮少し、製品５の内面の相対す
る２面より分離する。この時製品５は第４図に示
す如く、第２可動中子１０と１１とによつてまだ
保持されている。

次に第６図に示す如く、別の前進指令により第
２押出シリンダ２２，２２が作動前進するので、
この第２押出シリンダ２２，２２に連接している
第２押出杆２３，２３、第２押出板１９、第２押
出軸２０，２０…が前進し、従つて第２可動中子
１０，１１が、固定中子７の傾斜面に沿つて先方
に進むに従たがい、回動軸２１，２１を支点とし
て縮少し、製品５の内面の相対する２面より分離
する。これで、第１可動中子８，９及び第２可動
中子１０，１１は製品の内面より分離する。この
後、脱離ピン２４，２４の作用により製品５は可
動型４より突出するので、人手又はロボツト等に
より、ダイカスト機外へ取出せるものである。

（発明の効果） 以上の如く、本発明の内面突起（アンダーカツ
ト）のある製品の脱離方法によれば、従来の方法
での鋳造が困難視されていた内面全周に沿つてア
ンダーカツトのある製品のダイカストが容易に簡
単確実にできると共に、通常のアンダーカツトの
ない製品のサイクルタイムに遜色のないタイムで
連続鋳造でき、さらに置中子等を取外す面倒な作
業工程も不要となる効果と使用する金型も比較的
低廉にすることができ、保守等も容易になし得る
と共に凹溝部又は突起部の形状を自由に選定する
ことができる。また、上記の如く、従来大変に困
難であつたアンダーカツトのある製品に対する技
術上、鋳造上、価格等を解決する多大の効果があ
るものである。そして、固定中子を先方に向つて
順次幅狭となる断面方形状となし、この各外面に
相対向する第１可動中子と第２可動中子とを各々
摺動自在に対接せしめたので、固定中子より第１
可動中子と第２可動中子とは順次安定して傾斜面
に沿つて前進分離し、鋳造された製品の内面が大
変に綺麗に仕上がる優れた効果がある。また、固
定中子の外面に設けた相対向する第１可動中子と
第２可動中子とによつて、脱離の時に第２可動中
子が製品を確実に保持するので第１可動中子の脱
離が安定するため製品の変形破損等を極力防止で
きる効果がある。また、この発明による第１可動
中子と第２可動中子との先端の外周には、各種形
状の凹溝部又は突条部を自由に選定して形成する
ことによつて鋳造品の内面側に各々連続した凹凸
形状を極めて容易に成型できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の相対する第１中子に於ける
横断平面図、第２図は同じく相対向する第２可動
中子が位置する要部の縦断側面図。第３図は、第
１可動中子が前進した状態の横断平面図。第４図
は、第２可動中子が位置する要部の縦断側面図。
第５図は、同じく第１可動中子の前進状態を示す
横断平面図。第６図は、第２可動中子が前進し、
中子より製品が分離した縦断側面図、第７図イ図
は、第１図Ａ−Ａ線。ロ図は第３図Ｂ−Ｂ線。ハ
図は第６図Ｃ−Ｃ線の断面図。第８図は押出プレ
ートの要部の正面図。第９図ａ，ｂ，ｃ図は各種
製品の断面図である。符号１は固定盤、２は固定
金型、３は可動盤、４は可動金型、５は製品、７
は固定中子、８，９は第１可動中子、１０，１１
は第２可動中子、１２，２６は凹溝部、１３は第
１押出板、１４は第１押出軸、１５，２１は回動
軸、１６は押出プレート、１７は第１押出シリン
ダ、１９は第２押出板、２２は第２押出シリン
ダ、２４は脱離ピン、２８はスリーブである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固定金型と内部に固定中子を有する可動金型
   との間に溶融金属を圧入して鋳造するダイカスト
   に於ける内面突起のある製品の脱離方法に於い
   て、前記固定中子は先方に向つて幅狭となる断面
   方形状を有すると共に、外面に相対向する第１可
   動中子と第２可動中子を各々揺動自在に対接さ
   せ、その第１可動中子と第２可動中子との先端外
   周に各々凹溝部を形成し、該可動金型が後退後に
   相対向する第１可動中子、次いで第２可動中子を
   押出すことによつて製品全内周に内面突起のある
   製品を得ることを特徴とするダイカストに於ける
   内面突起のある製品の脱離方法。