JPH0240132Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、水洗便器の後部に配置して便器への
洗浄水を貯溜するための便器洗浄用タンクに関す
る。

〔従来の技術〕

従来、水洗便器として、第５図に示すように便
器本体５０の後部に洗浄水を貯溜するタンク５１
を配置し、このタンク５１内の洗浄水をレバーハ
ンドル５２の回動操作によつて便器本体５０のボ
ール部５３へ供給するものがある。

そして、タンク５１は内部に配置したボールタ
ツプ等の機器の点検や部品交換のために、タンク
本体５４の上端に蓋５５を開閉自在に載置してい
る。

この蓋５５はタンク本体５４の上面に唯単に載
せた状態であるので、使用時に蓋５５に手をつい
たり、人の背中がタンク５１に当たつたりする
と、蓋５５がずれて落下する恐れがあつた。

このような問題に対し、実開昭58−99360号公
報に記載されているように、専用の止め具によつ
て蓋５５をタンク本体５４に連結固定する構成と
したものもある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、この止め具を備えたタンク構造では、
蓋５５のずれや落下を防止できるが、専用の止め
具を必要としてコスト高となり、また蓋５５の開
閉作業が煩雑である。

さらに、止め具による蓋５５に対する締結力が
大き過ぎると、蓋５５が陶器製であるために割れ
を生じてしまうという問題もある。

本考案の目的は、蓋を開閉自在に備えた構成の
便器洗浄用タンクにおいて、止め具等を要するこ
となく簡単な構造によつて蓋のずれ及び脱落を防
ぐことにある。

〔問題点を解決するための手段及び作用〕

本考案は、便器への洗浄水を貯溜する便器洗浄
用タンクにおいて、タンク本体上部に、前部側を
上段部及び背部側を下段部とした段差を全幅に亘
つて形成し、下段部側にタンク本体内を開放する
開口部を設け、さらにこの開口部を閉塞する蓋を
着脱自在に載置し、かつ蓋の上面が上段部の上面
レベルより下に位置するように構成し、蓋をタン
ク本体の背部側に偏在させて、蓋を便器本体の前
面側に対して遮断した状態とするものである。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を説
明する。

第１図は本考案に係る便器洗浄用タンクを配置
した水洗便器の斜視図で、２０は水洗便器本体、
２１，２２は開閉自在に取付けた便座及び便蓋、
１は水洗便器本体の後部に立設したタンクであ
る。

タンク１は下面に排出口２ａを開設した本体２
と、同本体２の上部に着脱自在に配置した蓋３と
を有し、外部に配管した給水管４に連通するボー
ルタツプ（図示せず）を内部に備え、洗浄水を供
給するためのレバーハンドル５を本体２に配置し
ている。

第２図はタンク１の縦断面図で、本体２の前部
側に幅方向に等高な上段部６を、及びこの上段部
６の背部には段差を伴つて下段部７をそれぞれ形
成し、下段部７にはタンク１内を開放する開口部
８を設け、さらにこの開口部８を閉塞するための
蓋３を着脱自在に載置している。

上段部６の背面壁９の下端には蓋３の前縁を載
置するための水平な支持部１０を本体２の全幅に
亘つて形成し、本体２の背面壁１１の上縁１２は
この支持部１０より低いレベルに位置している。

蓋３は支持部１０と本体２の上縁１２に当接す
る水平部１３，１４を上下二段に形成し、下部の
水平部１４下面には下方に突出して背面壁１１の
内側に係合する突起１５を設けている。

蓋３を本体２上に載置すると、蓋３の水平部１
３，１４が支持部１０と背面壁１１の上縁１２に
よつて支持され、かつ突起１５が背面壁１１の内
壁に係合して脱落することなく保持される。

また、タンク１の前面側には上段部６が位置
し、蓋３はこの上段部６の奥側であつてしかも段
差のある下段部７に位置しているので、蓋３はタ
ンク１の前面側に対して上段部６によつて遮られ
た状態となる。従つて、使用の際に手をタンク１
に触れたり背中が接触しても、蓋３は何等の影響
を受けることなくずれや脱落を生じることはな
い。

第３図は他の例を示すタンク１の縦断面図で、
下段部７に開設した開口部８を閉塞する蓋３を略
コ字状の断面形状とし、蓋３下部の水平部１４の
先端に前例で示した突起１５に相当する突部１６
を形成するとともに、本体２の背面壁１１上端に
載置面１７を設けたものである。

さらに、第４図は上段部６の背面壁９下端に形
成する支持部１０と本体２の背面壁１１の上縁１
２を略同レベルとするとともに、この支持部１０
と上縁１２間を下段部７として開口部８を設け、
この開口部８を閉塞する蓋３を平板状に形成した
場合を示す断面図である。

蓋３の下面には本体２の背面壁１１の内壁に係
合する突起１８を設け、蓋３の脱落を防止してい
る。

以上の各例において、前述のように蓋３に直接
手や身体が触れることがないので、蓋３の脱落及
び割れを防ぐことができる。

また、タンク１前面は本体２のみの表面となる
ので、従来のように蓋との境界部分に埃等が堆積
することがなく、衛生的に使用できる。

〔考案の効果〕

本考案は、蓋をタンク前面に対して上段部によ
つて遮断する構成としたので、固定具等を要する
ことなくタンク本体からの蓋を脱落を防止できる
という効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る洗浄用タンクを配置した
水洗便器の斜視図、第２図はタンクの縦断面図、
第３図及び第４図は他の例を示す断面図、第５図
は従来の水洗便器の側面図である。 １……タンク、２……本体、３……蓋、６……
上段部、７……下段部、８……開口部、８……開
口部、２０……水洗便器本体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水洗便器本体の後部に位置して便器への洗浄水
   を貯溜する便器洗浄用タンクにおいて、タンク本
   体の上部に、前部側を上段部及び背部側を下段部
   とした段差を全幅に亘つて形成し、下段部側にタ
   ンク本体内を開放する開口部を設け、さらに同開
   口部を閉塞する蓋を着脱自在に載置し、かつ同蓋
   の上面が前記上段部の上面レベルより下に位置し
   ていることを特徴とする便器洗浄用タンク。