JPH023844Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 −産業上の利用分野− この考案は、コンクリートブロツク成形用の型
枠に関するもので、特に、ブロツクの周壁面を成
形する側板の装着及び締結構造に関するものであ
る。

−従来技術とその問題点− 型枠の側板は、一般に型枠の基台に枢支される
か基台上に摺動可能に装着され、該側板を外側に
開くことにより型枠を開放する構造となつてい
る。従つて、側板を締結するクランプ具は、これ
らの側板に横方向の締結力を作用させるように装
着されるのが普通である。

ところが、側板を横方向に開閉する構造の型枠
では、成形品の脱型に先立つて側板を横方向に移
動させる操作が必要であり、また、側板を開く際
にはクランプ具と側板との係止を解いてやり、型
組時にはクランプ具と側板とを係合させる操作が
必要で、これらの操作のために型枠の組立及び成
形品の脱型時における作業が煩雑となり、作業に
時間がかかるという問題があつた。

−考案の目的− この考案は、型枠の組立および成形品の脱型を
より簡易に行うことができる型枠を得ることを目
的としてなされたものであり、更に、通常は成形
品の脱型に必要な短いストロークで側板が開閉さ
れ、掃除等のために必要なときには、側板を大き
く開くことができる型枠を提供しようとするもの
である。

−目的を達成するための手段− 図示実施例の符号により説明すれば、この考案
は、側板３を平行リンクないしこれに近似した上
下２本のリンク５，６により支持体４に枢支連結
して上下に回動して開閉されるように装着すると
共に、該側板３を底板２に締結するクランプ具９
を設けたもので、而も該クランプ具としては回転
体１０の偏心ピン１１に枢支した締結体１２の先
端１４ａを側板３の受け部材１６に係合させる構
造のクランプ具が用いられ、且つ、このクランプ
具の締結体１２と受け部材１６との係合部を係脱
可能ではあるが容易に離脱しない構造としたもの
である。

−作用− クランプ具として回転体１０の回動により締結
体１２を上下させて締結及びその解除をを行うク
ランプ具９を用いたので、締結体１２の先端１４
ａと受け部材１６とを離脱させなくても成形品１
８の脱型に必要な側板３の開閉ストロークが得ら
れ、且つ、必要に応じて締結体１２を受け部材１
６から離脱させることができるので、掃除等のと
きには側板３を大きく開放することが可能であ
る。更に側板３を上下に回動させて開閉する構造
としたので、成形品１８を吊り上げれば側板３は
成形品１８と共に上動することにより自動的に開
かれ、且つ成形品１８から離脱したときに自重に
より底板２上に復帰するから、クランプ具９の締
結を解除すればただちに成形品１８の脱型を行う
ことができ、型枠組立時にも側板３を定位置に
一々セツトする必要がない。

−実施例− 以下、この考案の一実施例を示す図面について
詳述する。図において、１は型枠の基台、２は基
台１と一体の底板、３は側板である。基台１は側
板３の立設位置より外方にまで延長され、該延長
部１ａから支持体４が側板３の背部（外側）に立
設されている。

側板３は、支持体４に枢着された２本の上下の
リンク５，６に枢着されて上下方向回動自在に支
持され、自重により底板２に当接している。７及
び８は側板３の定位置を定めるノツクピン及びノ
ツク孔である。クランプ具９は、側板３を底板２
に締結するべく配置されている。クランプ具９
は、側板３の下方部において基台１に軸着された
回転体１０とピン１１でこれに枢支連結された締
結体１２からなり、締結体１２の先端にステム部
１４ｂにネジを設けたＴ字形の係止部材１４が螺
着されている。側板３には、Ｔ字形の係止部材１
４のバー部１４ａが係入される凹所１５を設けた
受け部材１６が固着されている。回転体１０の図
上右回りの回動は、ピン１１がその下死点を僅か
に越えたときに締結体１２の基部と回転体１０の
軸１７が当接することにより停止するようになつ
ており、該停止位置でクランプ具９は締結状態を
保持する構造である。

第２ないし４図の実施例のものでは、断面略コ
字形の側板３の屈曲部３ａが凹所１５の上方に位
置しており、この屈曲部３ａと対向する受け部材
の突出端１６ａとの間隔は、バー１４ａの直径よ
り僅かに広くしてある。即ち、バー１４ａが上方
に押動されても、バー１４ａが屈曲部３ａに当接
して凹所１５から簡単には外れない構造となつて
いる。第２ないし４図の実施例のものでは、側板
３が屈曲部３ａを有する関係上、このような構成
としたが、第５図に示すように凹所１５Ａを形成
して、バー１４ａが凹所１５Ａから簡単には外れ
ない構造としても良い。

以上の構成において、第２図の締結状態から回
転体１０の軸１７を図上左回りに回動させると、
ピン１１が下死点を越えた第３図の状態となつて
クランプ具９の締結が解除される。この状態で成
形品１８の上方に吊り上げて脱型させると、側板
３は成形品１８と共に上動するが、該側板３がリ
ンク５，６により回動しながら上動する関係上、
側板３は上動しながら外側へと移動し、該移動に
より成形品１８から離隔して自重により底板２の
定位置へと復帰する。またこのときの側板３の最
大上動量は、回転体１０と締結体１２との伸張長
さで規制される。

側板３が底板２上に復帰したときには、クラン
プ具９の回転体１０と締結体１２とは再び第３図
に示す位置関係となるから、この状態から軸１７
を右回動させてやれば側板３の組立は完了する。
即ち、クランプ具９の軸１７を回動させて成形品
１８を吊り上げる操作で脱型が行われ、脱型後、
クランプ具９の軸１７を回動させる操作のみで型
枠の組立が完了することとなる。

型枠は、底板２と側板３との連接部等に付着し
たコンクリート滓を取り除くために、定期的に掃
除する必要があるが、掃除等の際には、第３図の
状態で係止部材１４のバー１４ａを凹所１５から
外し、側板３を引き上げれば、側板３は回転体１
０と締結体１２とによる規制が解除されて大きく
開くから、その状態で清掃作業を行えば、作業が
容易にできる。

−考案の効果− 以上の説明より理解されるように、この考案に
より、型枠の組立及び成形品の脱型がきわめて容
易迅速に行うことができる型枠を得ることができ
る。また、必要に応じて側板を大きく開くことが
できるので、型枠の清掃作業等も容易に行うこと
ができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図はこの考案の第１実施例を
示す図で、第１図は側板の装着構造を示す側面
図、第２図ないし第４図はクランプ具の構造を示
す側面図で、第２図は締結状態、第３図は締結解
除状態、第４図は成形品の脱型状態をそれぞれ示
す図である。第５図は受け部材の他の実施例を示
す側面図である。 １：基台、２：底板、３：側板、４：支持体、
５，６：リンク、９：クランプ具、１０：回転
体、１１：偏心ピン、１２：締結体、１４：係止
部材、１５，１５ａ：凹所、１６：受け部材、１
７：回転体の軸、１８：成形品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側板の外方に基台に固設された支持体が設けら
   れ、側板は該支持体に枢着された上下２本のリン
   クに枢支連結されて上下に回動して開閉される構
   造を有しており、側板を底板に締結するクランプ
   具が備えられ、該クランプ具は、底板の下方に軸
   支された回動体の偏心ピンに枢着した締結体の先
   端を側板に固着した受け部材に係合して側板を下
   方に締結する構造とされ、且つ、締結体の先端と
   受け部材とは係脱可能で且つ容易には離脱しない
   係合対として構成されている、コンクリート型枠
   の側板の固定構造。