JPH0238096Y2 - - Google Patents
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- JPH0238096Y2 JPH0238096Y2 JP4998084U JP4998084U JPH0238096Y2 JP H0238096 Y2 JPH0238096 Y2 JP H0238096Y2 JP 4998084 U JP4998084 U JP 4998084U JP 4998084 U JP4998084 U JP 4998084U JP H0238096 Y2 JPH0238096 Y2 JP H0238096Y2
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Landscapes
- Prevention Of Electric Corrosion (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】
考案の技術分野
この考案は、電気溶接装置またはモータなどに
使用されるころがり軸受に関する。
使用されるころがり軸受に関する。
考案の技術的背景
ころがり軸受は通常、内輪、外輪および転動体
を鋼材で製作されているから、電気溶接装置また
はモータなどに使用されると、前記装置またはモ
ータの運転中に軸受内を電流が流れることがあ
り、このためころがり軸受の内、外輪の軌道面ま
たは転動体に電食による傷が発生してころがり軸
受が所定の寿命を満たさずに使用不能となる場合
がある。
を鋼材で製作されているから、電気溶接装置また
はモータなどに使用されると、前記装置またはモ
ータの運転中に軸受内を電流が流れることがあ
り、このためころがり軸受の内、外輪の軌道面ま
たは転動体に電食による傷が発生してころがり軸
受が所定の寿命を満たさずに使用不能となる場合
がある。
この電食による傷を防止するため、ころがり軸
受の一部に絶縁被膜を施したもの、例えば特公昭
53−47860号公報に記載のような内輪、外輪およ
び転動体の合金製基体表面にセラミツクス被膜を
形成したころがり軸受が知られている。
受の一部に絶縁被膜を施したもの、例えば特公昭
53−47860号公報に記載のような内輪、外輪およ
び転動体の合金製基体表面にセラミツクス被膜を
形成したころがり軸受が知られている。
背景技術の問題点
しかしながら、一般にころがり軸受は軸または
ハウジングに圧入しながら取り付けたり、さらに
軸受の回転開始とともに軸受部の温度が上昇する
ため、前記セラミツクス被膜を形成したころがり
軸受を使用した場合、軸受の軸またはハウジング
への圧入時の変形や軸受使用中の温度変化による
内、外輪の膨張、収縮により、セラミツクス被膜
には微細なクラツクが発生していることが多い。
さらにセラミツクスは、それ自体の各結晶粒子間
に気孔を有している。このセラミツクス被膜の微
細なクラツクあるいは気孔は、軸受使用時間の経
過とともに軸受外部の水分等を吸収し、その結
果、ころがり軸受は絶縁性が低下したり、あるい
は前記水分等により内、外輪の合金製基体に錆が
発生したりする問題がある。さらに内輪、外輪の
軌道面をセラミツクスで、コーテイングしている
ため、一般のころがり軸受に比べ定格荷重または
寿命が低下する。
ハウジングに圧入しながら取り付けたり、さらに
軸受の回転開始とともに軸受部の温度が上昇する
ため、前記セラミツクス被膜を形成したころがり
軸受を使用した場合、軸受の軸またはハウジング
への圧入時の変形や軸受使用中の温度変化による
内、外輪の膨張、収縮により、セラミツクス被膜
には微細なクラツクが発生していることが多い。
さらにセラミツクスは、それ自体の各結晶粒子間
に気孔を有している。このセラミツクス被膜の微
細なクラツクあるいは気孔は、軸受使用時間の経
過とともに軸受外部の水分等を吸収し、その結
果、ころがり軸受は絶縁性が低下したり、あるい
は前記水分等により内、外輪の合金製基体に錆が
発生したりする問題がある。さらに内輪、外輪の
軌道面をセラミツクスで、コーテイングしている
ため、一般のころがり軸受に比べ定格荷重または
寿命が低下する。
そこで出願人はこの問題を解決するため、実願
昭58−174879号により、高炭素クロム軸受鋼等の
軸受用鋼を素材として形成した内輪、外輪および
転動体を有するころがり軸受において、前記内輪
の内周面と端面、および外輪の外周面と端面にそ
れぞれセラミツクス被膜を形成し、該セラミツク
ス被膜に絶縁性の合成樹脂を含浸させたころがり
軸受を提供した。このころがり軸受の構造により
絶縁性低下等の従来技術の問題点が解消された
が、新たにつぎの問題が生じた。すなわち前記こ
ろがり軸受の構造においては、セラミツクス被膜
を覆つて合成樹脂被膜が形成されているため、セ
ラミツクス自体の硬度が生かされず、軸受使用
時、外部負荷により内外輪の合成樹脂被膜が変形
しやすく、軸受の軸心が変動しやすい。従つて、
例えばこの軸受をモータの電機子軸に使用した場
合、前述の軸心の変動によりころがり軸受が振動
を起こし騒音が問題となる恐れがある。
昭58−174879号により、高炭素クロム軸受鋼等の
軸受用鋼を素材として形成した内輪、外輪および
転動体を有するころがり軸受において、前記内輪
の内周面と端面、および外輪の外周面と端面にそ
れぞれセラミツクス被膜を形成し、該セラミツク
ス被膜に絶縁性の合成樹脂を含浸させたころがり
軸受を提供した。このころがり軸受の構造により
絶縁性低下等の従来技術の問題点が解消された
が、新たにつぎの問題が生じた。すなわち前記こ
ろがり軸受の構造においては、セラミツクス被膜
を覆つて合成樹脂被膜が形成されているため、セ
ラミツクス自体の硬度が生かされず、軸受使用
時、外部負荷により内外輪の合成樹脂被膜が変形
しやすく、軸受の軸心が変動しやすい。従つて、
例えばこの軸受をモータの電機子軸に使用した場
合、前述の軸心の変動によりころがり軸受が振動
を起こし騒音が問題となる恐れがある。
考案の目的
この考案の目的は、軸受使用時の外部の水分等
の吸収による絶縁性の低下を防止するとともに、
外部負荷による軸受の軸心の変動を極力少なくす
ることにある。
の吸収による絶縁性の低下を防止するとともに、
外部負荷による軸受の軸心の変動を極力少なくす
ることにある。
考案の構成
この考案は、高炭素クロム軸受鋼等の軸受用鋼
を素材として形成した内輪および外輪の軌道側の
表面を除く表面にセラミツクス被膜を形成してな
るころがり軸受において、該セラミツクス被膜の
各結晶粒子間に形成される気孔中に絶縁性の合成
樹脂を含浸させて被膜のの結晶粒子間の気孔を閉
塞するとともに、少なくとも内外輪のはめ合い表
面にセラミツクスを露出させたころがり軸受に関
する。
を素材として形成した内輪および外輪の軌道側の
表面を除く表面にセラミツクス被膜を形成してな
るころがり軸受において、該セラミツクス被膜の
各結晶粒子間に形成される気孔中に絶縁性の合成
樹脂を含浸させて被膜のの結晶粒子間の気孔を閉
塞するとともに、少なくとも内外輪のはめ合い表
面にセラミツクスを露出させたころがり軸受に関
する。
考案の実施例
第1図および第2図は、この考案を円筒ころ軸
受に適用した一実施例を示すもので、1,2はそ
れぞれ高炭素クロム軸受鋼等の軸受用鋼を素材と
して形成した内輪および外輪、3は内、外輪1,
2間に介装しかつ保持器4により円周等配に保持
した円筒ころであり、5は内輪1の内周面1aと
端面1b、および外輪2の外周面2aと端面2b
にそれぞれ形成した窒化ケイ素、炭化ケイ素等よ
りなるセラミツクス被膜である。また6は、第2
図に示すように前記セラミツクス被膜の各結晶粒
子間に形成される気孔中に含浸させた絶縁性と粘
弾性を有する合成樹脂である。そして、前記合成
樹脂6にて前記気孔を閉塞するとともに、少なく
とも内外輪のはめ合い表面にセラミツクスを露出
させている。
受に適用した一実施例を示すもので、1,2はそ
れぞれ高炭素クロム軸受鋼等の軸受用鋼を素材と
して形成した内輪および外輪、3は内、外輪1,
2間に介装しかつ保持器4により円周等配に保持
した円筒ころであり、5は内輪1の内周面1aと
端面1b、および外輪2の外周面2aと端面2b
にそれぞれ形成した窒化ケイ素、炭化ケイ素等よ
りなるセラミツクス被膜である。また6は、第2
図に示すように前記セラミツクス被膜の各結晶粒
子間に形成される気孔中に含浸させた絶縁性と粘
弾性を有する合成樹脂である。そして、前記合成
樹脂6にて前記気孔を閉塞するとともに、少なく
とも内外輪のはめ合い表面にセラミツクスを露出
させている。
次にこの考案による前記実施例の円筒ころ軸受
の製造方法について説明する。まず内輪1の内周
面1aと端面1b、および外輪2の外周面2aと
端面2bにセラミツクス被膜5を溶射等で形成
し、その後研摩等により所定の寸法仕上げを行つ
て軸受精度を確保する。また絶縁性と粘弾性に富
む液体状の合成樹脂に、セラミツクスの結晶粒子
間に点在する気孔内への合成樹脂の浸透性をよく
するためならびに前記気孔内で合成樹脂を硬化さ
せるため、揮発性溶剤と硬化剤を適宜混合する。
そして、揮発性溶剤と硬化剤を混合した液体状の
合成樹脂6を、既知の真空含浸方法またはハケ塗
り等にて、内輪1と外輪2のそれぞれ所定の個所
のセラミツクス被膜5の気孔内に含浸させる。そ
の後揮発性溶剤は徐々に蒸発し、ある程度時間が
経過すると硬化剤が作用して、粘弾性を有する合
成樹脂6がセラミツクス被膜5の気孔内で硬化す
る。この時、第3図に示すようにセラミツクス被
膜5上には、該セラミツクス被膜5の気孔内で硬
化した合成樹脂6と同体の合成樹脂被膜7が形成
される。そこで最後に第3図の破線個所にて研削
等を行つて、合成樹脂被膜7を除去し、少なくと
も内外輪1,2のはめ合い表面にセラミツクス被
膜5を露出させ、セラミツクス被膜5の気孔内の
みに合成樹脂6を含浸して該気孔を樹脂にて閉塞
した状態に仕上げる。このようにして、この考案
のころがり軸受を得るものである。
の製造方法について説明する。まず内輪1の内周
面1aと端面1b、および外輪2の外周面2aと
端面2bにセラミツクス被膜5を溶射等で形成
し、その後研摩等により所定の寸法仕上げを行つ
て軸受精度を確保する。また絶縁性と粘弾性に富
む液体状の合成樹脂に、セラミツクスの結晶粒子
間に点在する気孔内への合成樹脂の浸透性をよく
するためならびに前記気孔内で合成樹脂を硬化さ
せるため、揮発性溶剤と硬化剤を適宜混合する。
そして、揮発性溶剤と硬化剤を混合した液体状の
合成樹脂6を、既知の真空含浸方法またはハケ塗
り等にて、内輪1と外輪2のそれぞれ所定の個所
のセラミツクス被膜5の気孔内に含浸させる。そ
の後揮発性溶剤は徐々に蒸発し、ある程度時間が
経過すると硬化剤が作用して、粘弾性を有する合
成樹脂6がセラミツクス被膜5の気孔内で硬化す
る。この時、第3図に示すようにセラミツクス被
膜5上には、該セラミツクス被膜5の気孔内で硬
化した合成樹脂6と同体の合成樹脂被膜7が形成
される。そこで最後に第3図の破線個所にて研削
等を行つて、合成樹脂被膜7を除去し、少なくと
も内外輪1,2のはめ合い表面にセラミツクス被
膜5を露出させ、セラミツクス被膜5の気孔内の
みに合成樹脂6を含浸して該気孔を樹脂にて閉塞
した状態に仕上げる。このようにして、この考案
のころがり軸受を得るものである。
尚、実施例として円筒ころ軸受を示したが他の
ころがり軸受の形式にこの考案を適用できること
はもちろんである。
ころがり軸受の形式にこの考案を適用できること
はもちろんである。
考案の効果
この考案は以上説明した構造を有しているた
め、ころがり軸受を軸またはハウジングに圧入し
ながら取り付ける際の軸受の変形や、軸受使用中
の温度変化による内、外輪の膨張、収縮が生じて
も、セラミツクス被膜の気孔内には粘弾性を有す
る合成樹脂が含浸されて該気孔が閉塞されている
ため、セラミツクス被膜にクラツクが発生するこ
とがない。その結果、軸受使用中に水分等を吸収
することがなく、ころがり軸受の絶縁性の低下や
内、外輪の基体表面の錆の発生がなく軸受寿命が
向上する。さらにセラミツクス被膜の気孔内にの
み合成樹脂が含浸され、 他の個所のセラミツクス被膜は外部に露出して
いるため、セラミツクス自体の硬度を生かすこと
ができ、軸受使用時、外部負荷が作用しても内、
外輪のセラミツクス被膜の変形が殆どなく軸受の
軸心の変動を極力少なくすることができる。
め、ころがり軸受を軸またはハウジングに圧入し
ながら取り付ける際の軸受の変形や、軸受使用中
の温度変化による内、外輪の膨張、収縮が生じて
も、セラミツクス被膜の気孔内には粘弾性を有す
る合成樹脂が含浸されて該気孔が閉塞されている
ため、セラミツクス被膜にクラツクが発生するこ
とがない。その結果、軸受使用中に水分等を吸収
することがなく、ころがり軸受の絶縁性の低下や
内、外輪の基体表面の錆の発生がなく軸受寿命が
向上する。さらにセラミツクス被膜の気孔内にの
み合成樹脂が含浸され、 他の個所のセラミツクス被膜は外部に露出して
いるため、セラミツクス自体の硬度を生かすこと
ができ、軸受使用時、外部負荷が作用しても内、
外輪のセラミツクス被膜の変形が殆どなく軸受の
軸心の変動を極力少なくすることができる。
また内輪と外輪の軌道面はセラミツクス被膜を
形成していないが、これは内輪と外輪の軌道面上
は油膜形成されているため、水分等を吸収する恐
れが少ないためであるのと同時に、軸受用鋼だけ
で形成した通常のころがり軸受と同程度の定格荷
重または寿命を維持するためである。
形成していないが、これは内輪と外輪の軌道面上
は油膜形成されているため、水分等を吸収する恐
れが少ないためであるのと同時に、軸受用鋼だけ
で形成した通常のころがり軸受と同程度の定格荷
重または寿命を維持するためである。
第1図はこの考案の一実施例を示す縦断面図、
第2図は第1図のA部拡大図、第3図はこの考案
の軸受を形成する前の段階の第2図相当図であ
る。 1……内輪、1a……内周面、1b……端面、
2……外輪、2a……外周面、2b……端面、5
……セラミツクス被膜、6……合成樹脂。
第2図は第1図のA部拡大図、第3図はこの考案
の軸受を形成する前の段階の第2図相当図であ
る。 1……内輪、1a……内周面、1b……端面、
2……外輪、2a……外周面、2b……端面、5
……セラミツクス被膜、6……合成樹脂。
Claims (1)
- 高炭素クロム軸受鋼等の軸受用鋼を素材として
形成した内輪および外輪の軌道側の表面を除く表
面にセラミツクス被膜を形成してなるころがり軸
受において、セラミツクス被膜の各結晶粒子間に
形成される気孔中に絶縁性の合成樹脂を含浸させ
て被膜の結晶粒子間の気孔を閉塞するとともに、
少なくとも内外輪のはめ合い表面にセラミツクス
を露出させたことを特徴とするころがり軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4998084U JPS60161721U (ja) | 1984-04-04 | 1984-04-04 | ころがり軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4998084U JPS60161721U (ja) | 1984-04-04 | 1984-04-04 | ころがり軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS60161721U JPS60161721U (ja) | 1985-10-26 |
JPH0238096Y2 true JPH0238096Y2 (ja) | 1990-10-15 |
Family
ID=30567673
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4998084U Granted JPS60161721U (ja) | 1984-04-04 | 1984-04-04 | ころがり軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS60161721U (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2749319B2 (ja) * | 1988-04-05 | 1998-05-13 | 光洋精工株式会社 | スピンドルユニット |
JPH0756290B2 (ja) * | 1988-05-12 | 1995-06-14 | パーカー加工株式会社 | 電気絶縁性転がり軸受け、及びその製造法 |
JPH0640774Y2 (ja) * | 1990-06-06 | 1994-10-26 | ミツイケミカル商事株式会社 | 表面にセラミック層を形成したコンクリート型枠 |
-
1984
- 1984-04-04 JP JP4998084U patent/JPS60161721U/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS60161721U (ja) | 1985-10-26 |
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